科学技術立国と呼ばれた日本の行方【コメント受け付けます!】

オバマ大統領が来日した今日は忙しい日でした。
といっても会議のせいではなく、行政刷新会議の事業仕分けの動向チェックのためだったのですが。
本日の第3グループは文科省の科学技術予算関係が仕分けの俎上に載っており、文科省および内閣府の第4期科学技術基本計画の委員をお引き受けしている立場上、フォローしておりました。

会議の様子をリアルタイムに公開したことは画期的なことだと思います。
それ以上に、会議を傍聴して、それをネット上にアップした方があり、そのサイトはTwitterと連動していて、日本全国、海外からも発言がタイムラインとして流れ、最盛期には1分間に数十くらいの数に上っていたと思われます。

また、録音されたファイルをアップして下さっている方もおられます。
「事業仕分け」第3ワーキンググループ 録音ファイル
(ダウンロードに結構時間がかかるようです)

それにしても、今年度来年度の予算について、こんなやり方で決めていって良いものなのでしょうか?
ちょっと乱暴ではありませんか?
科学・技術関係事業に関する今日の仕分けについての私見を3点だけ述べておきたいと思います。
<追記>
このメールへのコメントを受け付けます。
これからの第4期科学技術基本計画の委員会の方に意見を持ち込みたいと思いますので、「仕分け」だけでなく、科学技術政策等についてもご意見をお寄せ下さい。



【仕分けは仕分けとして国のビジョンを!】
今回は政権交代した民主党さんとしては、何が何でも「仕分け」をしないと気が済まない面もあったと思いますし、国の行う事業の無駄を洗い出すこと自体は大事であると思います。
「天下り」については鬼の敵のようにつつくのはどうかと思いますが、「渡り」は確かに問題かもしれません。
そういうことは分かった上で、日本はどのような国を目指すのかについて、きちんと深い議論がなされるべきだと思います。
これからの委員会がそういう場であってほしいと思いますし、日本学術会議は今こそ日本のブレインとしての立場を高め、発信していくべきと考えます。
そのためのサポート体制は必須であり、他省庁からの出向の内閣府の方だけでなく、ポスドク等の経験も持った方がシンクタンクの実行部隊として活躍すべきではないでしょうか。

資源のない日本では、人財こそが生産できる資源です。
(「人は宝」という意味で、ここでは「財」という字を使います)
これまでに高い評価を得ている科学技術の分野において、グローバルに活躍できる人財を輩出していくことこそ、平和的な世界貢献であると信じます。
これからの制度設計は、初等中等教育から高等教育まで含め、このような観点の上に為されるべきと思います。

【若手の力を活かそう!】
民主党の掲げるCO2削減にしろ、少子化対策にしろ、それらを科学的に進めるためには、基礎から応用まで、さまざまなレベルの研究が必要です。
それは「今年、これだけのお金をつぎこんだのだから、来年、成果を見せて欲しい」という短期的な成果を焦るべきではありません。
さらに言えば、100年後の社会において何が役にたつのかを見通すことは不可能であり、基本的な学術研究をないがしろにはできないと思います。

そのような研究をささえる人財の育成やキャリアパスについて、国はきちんとヴィジョンをもつべきです。
高校までの実質無料化を行うとして、その上の高等教育はどうするのか、研究人財はどのように育成するのか、輩出された人材にどんな分野で活躍してもらうのか、育てておいて梯子を外すようなことをすべきではありません。
もちろん、一定の競争は必要だと思いますが、何度でもチャレンジできるべきでしょう。
経済的な背景により、やる気のある若者が高等教育を受けることができないことはあってはならない。
あるいは、小さいうちから科学の才能を伸ばす教育が為されるべきかもしれない。
石川遼が5歳からクラブを握ったように。
モーツアルトが3歳から鍵盤を叩いたように。

この10年余の間に、大学院生の数は増加し、逆に若手のアカデミアのポストは減りました。
このアンバランスは解消しなければなりません。
既得権が優遇されすぎるのはよろしくない。
皆が研究室主催者になれる訳ではなく、それぞれの方の専門性に応じた能力の活用が望まれます。
若い方々もアカデミア以外にもチャレンジすべき場がたくさんあること、あるいはそれを自分で作ることをもっともっと考えても良いでしょう。

【科学の面白さや意義が伝わるように!】
今回の仕分けの議論を聞いていて、一番心に残ったのは、仕分けられる側で発言された毛利衛さん@未来館館長の言葉でした。
「館長がアシモを連れて全国行脚に回ったらどうですか?」
「はい、すでにあちこち行っています!!!」
「そんなに熱意を持ってやっていらっしゃるのに、未来館は何故赤字なのですか?」
「それは展示物でも世界最高を目指していて、お金がかかるのです。そもそも、高校大学で赤字を問題にしますか?」
現場にいる方の熱意に溢れていて、仕分け人を切り返していらっしゃいました。

毛利さんのキャラクターということだけでなく、「未来館の来場者はこんな風に増加しています」ということを説明するための大きなパネルを事前に用意されて来てたことも、プレゼンの準備としては大事ですね。
Twitterに流れたつぶやきの中には「<ジャパネットたかた>に学んだらどうでしょう?」というものがありましたが(笑)、確かに1分で重要なことを相手に「伝わる」ようにコミュニケートするのは難しい。
皆がそうならなければならないとは思いませんが、仕分け会議のようなこういう大事な場ではきいてきますね。

もう一つ関連して、今回の仕分けの様子を見聞きした研究者やその卵は、それなりの数に上ったと思います。
そのような方々は、研究費が税金であることを初めて、あるいは改めて痛感したことでしょう。
これは、現代の研究者としては重要な認識です。
自分の研究の立ち位置を認識しておくこと。
その上で、自分の、あるいは自分の分野の研究の面白さを伝え、意義を話し、市民の共感を得ることが、科学を社会に支えてもらうための拠り所なのは間違いない。

個人的には、いわゆる「学会」がそれぞれの専門の学術分野の面白さや意義を市民に伝える主体であるべきと考えます。
学会はそれを構成する学会員(=研究者)だけのものではなく、もっと開かれているべきです。
あるいは、いわゆる患者さんの団体などにも、専門性を持った方がインターフェースとして活躍されたらよいなと思います。

科学を伝えるのは研究者だけなく、小中高校の先生も重要ですね。
小さいうちの方がより影響力は大きいかもしれません。
小学校でも理科専門の教師が必要な時代になっているかもしれないですし、博士課程まで進んだような高い専門性を持った方が生徒さんたちに向き合うことも大事でしょう。
「仕分け」では「理科支援要員制度」が切り捨てられることになりましたが、こちらは確かに抜本的な改革が必要でしょう。

*****
いろいろな意味で「仕分け」は(少なくとも第3ワーキンググループ関係者には)大きなインパクトがありましたが、海外からはどんな風に見えているのでしょうね?
Commented by Keizo KINOSHITA at 2009-11-14 17:19 x
ご提言、全く同感です。
自分は民間企業の研究者です。業績の不振が続く日本の産業界が世界の先端企業と戦っていく中で、文部科学省、経産省の研究開発への支援には助けられています。今回の仕分けもかなり影響がありそうです。
さて企業でも最近、20-30年後に自分の会社がどのように社会に貢献していけるか全員参加で議論する機会が増えています。そのようなビジョンが社会に受け入れられた会社は、存続して業績を上げていけるのではないかと考えさせられ、目の前の株価や利益だけでは推し量れないものがあります。また、将来の会社を担うであろう若い社員の心理が垣間見える作業でもあります。
もちろん経済活動をしているので、将来ビジョンだけが立派では片手落ちで、そこに至る道筋とマイルストーン、研究開発を継続できるだけの業績とそれに見合った研究開発のターゲットが必要です。この異なる時間軸と研究規模に対するバランス感覚が、科学技術行政をどのように進めていくかというところと同じ話かと感じています。今すぐ納税者にバックをといった一面的な見識で進めてはならないと考えます。
Commented by tadashi at 2009-11-14 17:26 x
小学校は、理科専門の先生は好ましくないというが、理科の先生の実感のようです。可能なら調査してみてください。
Commented by maru at 2009-11-14 17:48 x
民主党の仕分け人の方々は、何が何でも削減したかったようですが・・・。

でも正直、毛利さんには悪いですが私が未来館に初めて行ったのも学校に貼ってあった「理研BSI10周年」のポスターがキッカケでしたし、それもたまたま学校に理研の研究者の先生がいたからでした。

ほとんど認知されてないと感じます。パナソニックやキャノンといったメーカー名は誰もが知ってますが、理研や自然科学機構、未来館なんかは私の周囲で知ってる人は皆無です。もっとテレビを利用すれば茂木さんのように知名度とお金が入ってくるんでしょうか?
Commented by ShunADACHI at 2009-11-14 20:36
 現在イギリスで基礎系のポスドクをしているものです。いつもブログを拝見させて頂いています。今回の「仕分け」に関しまして、先端研究、若手育成研究その他の議論内容を拝聴させて頂きましたので、コメントさせて頂きます。文字数が多いため、分けて投稿します。

 まず特に先端研究に顕著に現れていたことだと思うのですが、議論が上手く噛み合っていないふしがあると思います。例えば「成果」という言葉一つをとってみても、どのような研究結果があれば「成果」と見なされ、そうでなければ「成果」と見なされないのか、その基準が人によって全く異なっていたり時には曖昧であったりすることが議論の発展を妨げている一つの理由だと思います。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-14 20:36
 文部科学省の方々が「成果」の定義は非常に難しいことであることを認識されているのは当然として、仕分け人の方々、ひいては一般国民の方々が「成果」という言葉には具体的にどのようなイメージを抱いておられるのかが見えてきていないと思います。100年先に役立つ研究の基盤となる研究を現在から予測して一般の方々に分かる形で説明できる研究者などはノーベル賞級の研究者でも無理な話だと思いますので、それを「成果」の基準の一つにするような極論はないにしても、研究費で求められる「成果」の具体的な基準が何なのか、10年先、20年先を見据えた技術に対してなのか、それとももっと短期的なスパンを基準としているのか、研究費の種類によっても異なると思いますが、もう少し明確にする必要があると思います。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-14 20:37
 「科学」と「技術」は分けて考えた方がよい旨の御発言もありましたが、それを踏襲すると、日本が国策として「科学立国」を目指すのなら、国策として現在までの科学の発展の歴史を日本だけでなく欧米も含めた形でスウェーデン科学アカデミーやカロリンスカ研究所の審査並みに全ての分野で吟味・検証し、10年先、20年先の技術開発、あるいは短期的なスパンの技術開発にはどの程度の予算・人材が必要であったか、もっと具体的に検証する必要があると思います。そのような事柄の研究室は既に一部大学にありますが、もしこれが現存・新規を含め機関として網羅的・組織的に行われれば国際的に重要な機関となるでしょうし、最悪既存の研究室単位で身近な技術を例題にその技術開発に対して基礎研究のレベルまで遡ればどれほどの年数・予算・人材が必要であったかを提示して広報することを委託することが大事だと思います。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-14 20:37
 研究者の肌感覚で話をしている状態では埒があかないと思われます。そうして社会的なコンセンサスができれば文部科学省と財務省の調整もスムーズになり、また社会的理解も得られ易くなると思います。「仕分け」の議論では、この事業の性格上やむを得ない側面もあったと思いますが、言葉の定義自体にコンセンサスがないように感じられました。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-14 20:38
 あと細かい点を挙げれば、これは若手育成研究の方に顕著だったと思うのですが、研究費や生活費やその他もろもろの問題がごっちゃになって議論されていて議論として整理されていない感がありました。例えばテニュア制に関して言えばアメリカの場合はテニュアが取れなくても他の大学に行くなど行き先を探すシステムは確保されていますし、イギリスならテニュア制でなくパーマネント制で、研究費が取れなくなればその分教育の義務が増えることで失職する訳ではないはずです。日本ではテニュアにならなければ行き先がなくなる可能性もある訳で、そこの議論が文部科学省の方のテニュア制の意義の説明不足も含めて明確でないと思いました。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-14 20:38
 また、ポスドクは民間で羽ばたくべきだとかアカデミアでの就職よりもインターンシップを優先するべきだなどの意見について、ポスドクがキャリアパスに柔軟に取り組むべきことは当然として、これも研究費と生活費がごっちゃになった話ですが、アメリカの大学の公的研究費の額が2兆円程度なのにも関わらず日本では大学と国立研究所を合わせて3500億円程度で、これがさらに減るというのですから額が少ないことは他の先進国からも指摘されている事実、また基礎研究が冷遇されていることをどう解釈するのかも議論して頂きたい点です。日本が「科学」立国であることを捨てて「技術」立国であることを目指すのも選択肢の一つであると思うのですが、その場合は菅さんの言っているようなノーベル賞うんぬんかんぬんの明らかに一般向けのキャッチコピーは即座に撤回し、国民に事情を説明するべきだと思います。
Commented by SPring-8 at 2009-11-14 21:29 x
理化学研究所でSPring-8のキャンパスで働いている研究職のものです。文字数が多いため、分割して投稿させていただきます。
SPring-8は今回1/3-1/2の縮減という結論でした。
今回委員の方の利用料を取って採算が合わないのはおかしい、という論調が極めて強くでておりました。
私自身はSPring-8の運転にかかわっているわけではありませんが、そこで働く若い研究員をよく知る者としてコメントさせてください。

基礎研究を担っていた放射光関係の施設は非常に大きな予算を使用させていただいており、その額の大小については議論が必要だと思います。また経費削減に改めて取り組んでいかなければならないことも自明のことと思います。実際SPring-8では運転経費を削減できる新しい技術開発が成果を上げており、世界中の放射光施設でその技術が利用されています。
Commented by SPring-8 at 2009-11-14 21:29 x
しかし、その経費がすべて利用料で賄わなければならない、という論調にはどうしても違和感を感じております。なぜならば、SPring-8は、基本的に基礎研究をおこなう施設でありながら、世界の放射光施設の中でもっとも産業界へのアウトリーチが成功した例として世界的に認知されているからです。実際、国際学会でも産業利用の振興の秘訣を海外の関係者から教えてほしいといわれます。
このようなアウトリーチは、自然に可能になったわけではありません。もともと基礎研究を行っていた産業利用部門の研究者(ポストドク多数)が休日返上で働きどおして、ようやくアウトリーチとしての産業利用が軌道に乗ってきたものと理解しております。すなわちお金を払っても(会社の方が成果を公開しない場合、8時間25万円です)利用していただけるところまで、若い研究者が汗水働いてきた成果が、現在の状況と思っています。
Commented by SPring-8 at 2009-11-14 21:30 x
若い研究者である彼らが「産業界にも放射光利用を広めて、放射光科学の成果を社会還元するのだ」という意志を強く持ち、研究者として重要な時期を会社への解析レポートなど論文にならない活動に多大な時間をささげてきたことを傍らで見てきました。その私には、彼らの血のにじむような努力が表に出ず、採算という言葉が響いた今回の議論が極めて残念でなりません。
Commented by take at 2009-11-14 22:55 x
いつもブログを拝見しております。大学で工学(応用研究)をしています。事業仕分けを聞きながら、研究の評価尺度について今まで日本では議論されてこなかったつけが出たと痛感いたしました。長文になるのでブログに意見を書きました。
Commented by 散策 at 2009-11-14 23:39 x
こんにちは。本題と離れたところで申しわけありません。何回か@を送っておりますが、届いているのか不安でコメントさせていただきました。
ツイッターであげられたリンク先がnot foundとなっております。
私も、仕分けハッシュタグを注目してみています。できましたら双方向コミュニケーションを取りたいと思いますので、当方のフォローも是非お願いいたします。
Commented by 榎木英介 at 2009-11-15 08:00 x
トラックバックがエラー出たので、こちらに書きます。

どういう風に行動を起こせばいいか、考えをまとめてみました。
ttp://d.hatena.ne.jp/scicom/20091115/p1

Commented by papas at 2009-11-15 08:53 x
【科学の面白さや意義が伝わるように!】についてコメントします。
IT関連について言えば、若者が技術に興味が向いていないのは少しきつい言い方になりますが、教える側に問題があるためです。日進月歩で技術革新が起こっている現在で、学生を教える側がこれに追いつくことができていません。大学では企業人を講師に招いていますが、学問として体系化されておらず事例紹介に留まっています。
使い方でなく、学生にWindowsやGoogle検索などの構造を授業で扱える先生が何名おられるのでしょうか。多くが20-30年前のコンピュータの基礎知識レベルの内容に基づき教えているように思います。企業側が情報公開しなくなったことが大きな原因の1つです。ITで20-30年前の情報に基づいた授業に今の若者が興味を持つはずがありません。
教える側のレベルをあげるためには、日本で活動する企業に対して、技術情報の大学への公開を義務付けることも必要だと思います。
Google earthのようなものを作ってみたいと若い人が思っても、独力で知識を獲得できる一部の人を除き。教える人がいなければ裾野は広がりません。
Commented by 現場の学生 at 2009-11-15 09:11 x
大学の博士課程で学生をしています。博士課程の学生は常に今後の就職や生活費の確保について頭を悩ませています。
今回、学術振興会の特別研究員制度への予算が削減されましたが、この学振特別研究員は月々の生活費や学費についての問題を解決してくれる、学生にとっては非常にありがたい制度です。実際、私も私の知人も学振のおかげでずいぶんと資金面での苦労が減りました。日本人の学生に対する無償の奨学金がほとんどない以上、こうした制度が存続されなければ、博士課程への進学者が減少し、次の世代での研究者数の大幅な減少を招くことと思います。
余剰博士など現在の博士の数が多すぎるという意見もありますが、だからと言って予算額を減らして自然淘汰されればいいという蓮舫さんの意見もどうかと思います。そもそも国策で一度増やしたものに、政府側が「増えすぎたから自然淘汰されろ」と言っていいものなのでしょうか。そして若手を切り捨てて、定年は引きあげるということになると、研究者の世代交代がさらに停滞してしまいます。
Commented by 博士課程 学生 at 2009-11-15 10:38 x
博士課程(理論化学)の学生として研究にはげんでいます.
今回の事業仕分けの結果をうけて,自分の今後の進路を,国内ではなく海外でみつけなければならないと,いま真剣に感じています.
 
事業仕分けも動画で見ましたが,仕分け人が科学についてあまりに無知で近視眼的であり,税金をつぎこんだリターンがあたかも即座に科学技術として国民へかえってくるべきと思いこんでいること,そしてそのせいで無責任な言葉がとびかっていることに,唖然としました.私自身,特別研究員として税金をいただいて研究をつづけていられることに日々感謝しており,研究成果をなんらかのかたちで国民へ還元していかなければならないとは思っております.しかしながら,とくに私が従事しているような基礎研究分野では,即座に目に見えるリターンをもたらすことはほぼ不可能に近いのではないでしょうか.もっと広い目で,私たちの現在の生活が,これまでの科学技術にささえられていることを思い出していただくほかありません.
Commented by 博士課程 学生 at 2009-11-15 10:39 x
(つづき)

自然淘汰・生活保護など言葉の節々から,「企業へ本来すすむべきところを,それができなくてぐだぐだと博士課程へ進学して税金を無駄に消費している」という,根拠の薄い漠としたイメージを仕分け人の幾人かがもっているのが分かります.ここまで現場を知らない方々に自分の進路をきめられてしまうかもしれないことに,やりきれない思いがあります.
Commented by papas at 2009-11-15 11:03 x
政策ですので会計上の話だけではなく、勝つための国家戦略としてもレビューいただきたいと思います。
もの凄いスピードで進んでいる技術革新を学問(大学の授業など)に、どう取り込んでいくかの研究や、成果を出すまでのスピードをあげる工夫も必要だと思います。
Commented by NY:神経科学Posdoc at 2009-11-15 13:47 x
議論に欠けていることの一つは、データ(数値)を示して議論することorデータを出すための機構を作ること。
科学の研究成果がいつ・どこで役立つか定かではなく、多様な分野が一定の支援を受ける(薄く広く)重要性は、研究者の誰もが実感していることだと思いますが、データがないor論証不能なために事実かはわからないという点があると思います。
自分達の議論のために都合の良い借り物の数字ではなく、科学政策・技術政策を決めていく上でのデータor評価基準を構築する機構を政府内に作ることは、数十年後の未来を考える上で重要なのかと思います(もし既存であるのであれば失礼しました)
Commented by 7000 at 2009-11-15 14:14 x
結果的にこの事業仕分けにおいて不必要なものはいくらか明らかになったのではないかと思いますが、そもそも手法に問題があります。
例えば、民主党議員や仕分け人は非常に高圧的であり時に感情的になっていたこと、一時間程度しかかけていないことなどです。
これでは議論にならないのは明白ですし実際になっていませんでした(全くとは言いませんが)。また、蓮舫議員が仰っていたように、特にSPring8、バイオリソース、スパコンといった基礎科学の評価は非常に困難であるため、少なくともこういった事項はもっと時間をかけるべきだと思います(実際に議論が噛み合ってなかった)。
因にこういった作業は明確なビジョンみたいなものがないと有意義なものにならないでしょう。しかし、これまでの日本政府はこういったものを提示してきてなかったように思います。

今回の仕分けで提示された削減案はあくまでも案であり決定ではありません。決定の過程で役人の強い抵抗が考えられます。
Commented by 榎木英介 at 2009-11-15 16:10 x
以下の内容のメールを民主党に送りました。
緊急メッセージ、未来の科学ために
ttp://d.hatena.ne.jp/scicom/20091115/p2
Commented by 博士学生@海外 at 2009-11-15 18:13 x
ある国で博士学生をしています。この国からみると、日本は長期的なプランがなく、行き当たりばったりな性向であるのがよくわかります。また、若手にチャンスも権限も与えない性質であることも、よくわかります。

私は今回の事業仕分けがよいものだとは思いません。しかし、今回のような「現場」の意向が反映されない理不尽な決定は、若手からすれば若手基盤S、や、若手だけ任期制にする、といった形ですでにサイエンスの世界でもあったことです。

国民や議員の不明を責めるのなら、いまのサイエンス界での権力者達は、現状を若手サイエンティストに対してわび、未来の人間に対して自己犠牲の精神を発揮するのが先ではないのでしょうか?

私は、今回の事業仕分けは日本の科学者・科学界が自ら招いた、自業自得だと考えています。
Commented by koma at 2009-11-15 20:54 x
今回仕分け対象になったものとならなかったもののちがい、仕分け対象にならなかったものの言い分は何か?なぜそれは不問でみんな納得なのか?なぜ科学技術に対する投資はそうならないのか?

仕分け対象にならなかったものに対抗する言い分が必要と思います。
Commented by 元ソフトウェア開発会社社長 at 2009-11-15 21:08 x
今般の事業仕分け作業に関して、ひと言述べさせて頂きます。
私は、仕分け会議の様子をネット中継で聞き、そして、Twitterでも何度か意見を述べさせて頂きました。

今回の仕分け作業を見て、最も不思議に思い懸念したことは、大きな方向性(大元は、科学技術基本計画?)を見ることなく、金額を減らすことだけに終始していることです。

国民の血税ですから、研究開発であっても効率的な運用をしなければならないし、状況によっては事業(開発)の中止も仕方ない。

ただ、仕分け対象が、国全体の科学技術未来図の中で、どのような位置づけにあることを理解しつつ、議論をしなければなりません。
大きな樹木に例えれば、金額は少なくとも、その先に日本の科学の将来を担う大枝の根本を切っているかも知れません。或は、小枝で有っても、将来大きく育つ若芽が付いているものかも知れません。

このような、科学技術未来図の俯瞰なく、議論していることに強い違和感を感じました。

以上
Commented by 一研究者 at 2009-11-15 22:24 x
現状の科学研究に、「推進するためのコスト」、すなわち法人の過分な役員報酬がかかっていたりとか(法人によっては研究開発と関係のない理事が半数もおり、しかも高い報酬を受けているという現状があります)、あるいは不合理な研究費の重複とそれによる無駄遣いがあるという点もある意味真理でしょう。そういう、研究に付随する「研究以外の余計なコスト」をきっちり効率化するだけでも、現状行われている(あるいは、これから行う予定の)研究のかなりの部分が救えるのではないでしょうか。
研究に付随する余分なコストをスリム化して、「研究目的の国費は研究そのものにちゃんと使う」ようにしていくことで、より限られた国費を有効に活用し、国民の期待にこたえられるような科学研究ができるようになると思います。
研究に付随するコストを合理化することなく、研究本体にかかる費用が削られるのはまさに本末転倒でしょう。

一方、研究者の側にも、直ぐに役立たない研究であっても、
「他人のカネでやらせてもらっている以上は、日本や人類のために研究するんだ」
という気概がやっぱり必要でしょうね。
Commented by 理研 研究者 at 2009-11-15 23:58 x
今回の事業仕分け作業に関して、オープンにこのような作業が行われたこと自体は評価すべきでしょう。しかし、オープンだからこそ、研究コミュニティは黙っていてはいけないと思います。
実際の作業の内容はまさに「乱暴」そのもので、結論と議論との因果関係さえ計りかねます。結果として、大変危険な結論が下されていると思います。

一方で、「基礎研究に対する日本国民の負担は具体的にいくらがふさわしいのか」ということの答えが求められているように思われます。産業や応用研究を支えるのにどれくらいの基礎研究が必要なのか・・この答えは難しいのかもしれませんが、例えば欧米ではどうなのか、データを取る事はできないでしょうか。
Commented by 理研 研究者 at 2009-11-15 23:59 x
また、基礎研究を、国際援助と同様にとらえることはできないでしょうか。国際援助には責任と圧力があると思いますが、科学においても、オープンな知識を世界に供給する責任と、先進国である以上、科学技術立国というならなおさら、世界から貢献を求められる圧力があると思います。貢献しなければそれだけ不利になることは研究者だれもが感じていることと思いますが、その責任をもっと明確にしていくことが必要だと思います。また、国際援助においても現地の産業への参入等のリターンがあると思いますが、科学においても貢献のリターンがあるはずです。
国内の人材育成、人材流出の歯止め、他にもいろいろあると思いますが、今後は基礎研究の必要性を正面から説明することが求められていくように思いますので、上のようなことの調査が必要かと思われます。さらに、国内の科学者組織が基礎研究への説明を後押しあるいは後ろ盾することが必要かと思います。
Commented by 国内のとある博士研究員 at 2009-11-16 00:17 x
蓮舫議員の言葉を聞いて、驚いたうちの一人です。
「しまった!!ここまで考え方が解離するにまで至っていたのか。。
科学者である自分たちが殻に籠もりすぎたがためにこうなったんだ。。」
蓮舫議員が予算削減に躍起になっているとは言え、基礎研究の
位置づけや重要性を訴え続けてこなかった我々に大きな責任があると
思っています。

生業としての科学者が現代社会で可能なのは、言うまでもなく
国民の血税を研究につぎ込んでもらえる仕組みになっているから
ですが、そういう当たり前ながらも非常に大切なことを
痛感する良い機会でした。
また、これまでバラエティー番組に頻繁に出られている科学者の方の
働きや、サイエンスコミュニケーション分野の方々の役割について
どちらかというと軽視してきた方です。

しかし、国民の方に広く科学の重要性や面白さを訴えていくのも
分業社会ではひとつの当然の仕事であり、彼らの仕事の重要性を
今になって痛感したというのが正直なところです。
Commented by 学部学生 at 2009-11-16 00:35 x
現在理学部、来年修士の学生です。
既に述べられていることに多くは同意です。その上で言うとするならばアウトリーチ含め、よく頑張っているのは主に院生〜助教クラスの人で、やはり若手と呼ばれる人がほとんどで、そういった頑張っている人たちに対する強烈な冷や水になっているのが印象的です。そしてそういう人たちが一番科学の中で政治にも興味を持っているがためにこの仕分けの注目度が高く、余計に危機感が高まっているのだと思います。

意識が高い人がいるにも関わらず政治家に対して非常に低い次元で議論をしなければならない現状に危機感を覚えるとともに、もっと高い次元、深い内容で議論が出来る場をしっかりと設ける必要があるのだと今回の件で強く感じました。
Commented by 火山の化学系 at 2009-11-16 01:40 x
先生のblogをリンクしているblogを経由して初めて参りました。3つのご意見については概ね同感ですが、若手についての最後の行である「アカデミズム以外」へのチャレンジについては、やはり、年長の世代の場を作り上げていく努力をまずは促すとすべきではないでしょうか?自然科学的素養が活かされるべき場は潜在的に多数あるとしても、それが顕在化していなかったり、若手雇用には繋がらない現状であったりすると思うのです。研究費は税金ですから、国家財政が資金投入を許さなければ縮小されることは理解しています。研究費が税金であることは、奉職以来痛感しています。しかし、任期付きの雇用そのものも今や研究費扱いですので、今回のような処置では路頭に迷う者もおります。その際には、地球科学のような成果も測りがたく、また、経済を刺激する(産業に役立つ)わけでも、人命を救うわけでもない分野が俎上に挙がりやすいことも(院生の頃から)身にしみて感じていました。 長くなりますので、一旦わけます。
Commented by 火山の化学系 at 2009-11-16 01:41 x
個人としても職務としても可能な限り社会へ理解を得る努力は続けてきたつもりですが、今回の仕分けでみられた乱暴な決めつけ的発言に支配された評決を見ると絶望感にさいなまれます。文科省が予算編成で理を尽くしてがんばってみても、公開の民主的仕分けに反動的に抵抗した、とレッテルを貼られるおそれもあるやに思います。市民の共感をいただくことが社会に科学を支えて貰う基盤であるとの科学を生業とする者の意識は必要だと確かに思います。しかし、既に、科学なくしては成り立たない社会に生きているという市民の自覚もまた必要であるやに思いますし、そのような目覚めのきっかけになるような教育の場が整って欲しいものだと思います。
Commented by ko at 2009-11-16 02:07 x
事業仕分けは無駄な贅肉をカットする、というのを端的に示したという点において意味のあることだったと思います。1時間が短いという話もありましたが、これに関しては致し方ないことでしょう。極端な例ですが、世の中にはエレベーターピッチなんていう言葉もあるとのことですし、それを考えれば1分間で打ち切られないだけマシ、という考え方もあるかもしれません。ただ今までにないやり方を導入しているわけで、不慣れで本来主張すべきことが主張できなかった、などの問題点はあったかと思います。特に今回に関しては、いい意味で固執しないことが望まれるのかもしれません。(また、戦略上極めて重要だが、表立っては説明できない、というものもあるかもしれません。)
Commented by ko at 2009-11-16 02:07 x
といいつつも、科学技術関連予算に関しては乱暴だという意見に同意します。というのも、この事業仕分けという手法はいわゆるハコモノ予算を削減するために考案されているはずで、そのためそれを科学分野(そしておそらくは他にも不適な分野があるのではないかと思います)に適用すること自体に無理があると考えるからです。考えるべきことは、果たして科学技術振興とは何を目指すのか(これくらいは既に固まっていると思っていたのですが…)とか、現状であまり上手くいっているとはいえない科学技術政策をどのような枠組みで解決するかであって、個別の案件を取捨選択するのはやはり専門的過ぎて政治家のやる仕事ではないように思えます。つまり、事業仕分けのような場で、成果を不公平感の無いようきちっと定義してくれとか、もっと良く努力を見てくれとか、そういったことを主張するのではなく、科学技術のための場の整備を強力に進め、そこで扱うべきである、ということです。今後も科学技術政策は最重要課題の一つであり続けるでしょうから、それだけの必要性と価値があるはずです。
Commented by ko at 2009-11-16 02:07 x
黙っていればいいのに素人の政治家風情で、という感情的な批判がつい二言目には出そうになりますが、これはやめた方がいいかもしれません。極めて優秀な官僚をずらりと揃え、大きな権限を与えた国の行政が今どうなっているかを見れば分かるはずです。(実際に科学技術開発の分野でも怪しげな共同開発の例などは聞いたことがあります。)社会のコンセンサスを形成すること、なぜこのような戦略になったのかという透明性を確保すること、周辺の法整備を進めることなど、政治家の力が必要な場面というのは度々現れるのではないかと思います。もっとも、何よりも政治自身が成熟しないことには、そこまでの信頼は得られないでしょうし、むしろ危険な方に転ぶ可能性すらあります。議論を生かしていい方に進んでいくことを期待しています。
Commented by 基礎科学理論研究者 at 2009-11-16 02:10 x
乱暴であったかどうかはともかく、思い切った削減を公開で行うことによって、様々な業界・分野に危機感を与えたというのは、一つの大きな成果だと思います。科学技術基本計画や学術会議などでは、これを機会に名実ともに真剣に日本の科学技術研究の将来図とその戦略が議論されることでしょう。下々の研究者は、どのような状況にあっても、常にハイレベルかつ日本や世界のために役立つ研究を進めていくしかないと思います。
Commented by 在米の博士研究員 at 2009-11-16 05:16 x
自分は現在アメリカで生物系のポスドクをしているものです。
今回の「事業仕分け」についての先生の私見に賛成致します。

個人的には、’今’の目玉の研究も重要でしょうが、'次’のために
いかに国内の研究の多様性を維持するかが重要だと思います。
今回の仕分け結果で研究予算を削減され、若手集団に”ボトルネック”がおき、ポジションにあぶれているポスドク自体は日本では”絶滅”を余儀なくされるかもしれません。
でも次の新しい芽が出るには時間がかかるでしょう、それまでに今の議論・体制が成熟していることを切に願います。

あと、「留学生30万人計画」はどうなってるのでしょうか。
もし日本人の博士課程・ポスドクを政策として生かさないのであれば、
外国人にも優遇はしないで日本人と対等に扱ってもらいたいですね。
Commented by NY:神経科学Posdoc at 2009-11-16 06:32 x
書き忘れました。議論のための評価基準を作成する上での補足です。
”科学技術基本計画”の委員会において議論する場合に
”科学” と ”技術” の議論は、はっきりと分離して行うよう、別の基準を作成すべきです。もちろん科学の知見を技術に”応用”するなど、区別の難しい部分はありますが。
お金の投資の仕方について”科学”と”技術”で方策を個別にたてることが、議論を整理する上で必要不可欠だと思います。(基本的なことなので、すでにそのような方針は十分取られているのかもしれませんが)
Commented by 在米MD at 2009-11-16 07:28 x
言いたいことは皆さんがほとんど述べられています。
こちらに来て、日本との違いを感じた点のひとつに科学者から一般人へのアピールということがあります。
FMラジオを聞いていると、NIHの提供の短い番組で最新の医学の進歩、RNAiからES細胞までわかりやすくかみ砕いて説明したりしています。また大学のラボには地元の高校生が授業の一環で体験実習したり、summer schoolで実際に簡単な実験をしたりすることもあります。もちろん将来科学者になりたいような生徒もいますが、そうでない平均的な生徒も来ます。日本の科学者は世間にアピールすることをもっと真剣に考えないといけませんね。
Commented by 在米MD at 2009-11-16 07:34 x
また、米国の様々な学会のトップ達には政府への陳情や議会へのロビー活動という重要な使命もあります。実際、学会へもメールで様々な署名活動への参加などが呼びかけられます。これは臨床医学など応用科学の世界の話ではありません。基礎科学の学会の話です。
さて一方、日本の学会はどうでしょう?せいぜいマスコミに「最新の成果」を流して満足してるだけが現状ではないでしょうか?先に述べた、世間へのアピールという点では現在までの科学界をリードしてきた「一流」の先生方には重大な責任があったにもかかわらず無策に終始し、我々若手世代に深刻な問題を負わせてしまったと言えます。残念ながら日本の科学界の上層部の皆さんにはそのような自覚が全く感じられません。
Commented by 在米MD at 2009-11-16 07:41 x
まあ、こうした問題はアカデミアに限らず医療の世界でもそうですし一般企業の世界でもそうです。いわゆる世代格差問題として語ることもできるでしょう。言葉は悪いですが、現在の40代半ば以上の方々は改革はしたいが既得権益は守りたいがために、30代以下の世代に多大な犠牲を強いたのです。
Commented by tikurin at 2009-11-16 12:32 x
リーマンショックを予想していた日本のエコノミストがいなかったように、未来の事はなかなかわからないのです。20年前に太陽光のパネルが、こんなにはやることも誰もわからないと思うのです。
 特に、他の事業と違い研究や教育は長いスパンがかかるものです。なので、赤字か黒字かとか、経済効果とか、そゆう議論にはそぐわないと思います。今まで、それなりに日本の科学技術はがんばってきているのですから、ここ30年くらいの歴史を利用すべきです。
過去の事例で金銭的に評価されなかったのに、実際人の役に立ったことや、金銭的な利益が出た、などという事例を集めて、本を書いたり、インターネットを利用して、科学の事業自体が事業仕分けにそぐわないことを訴えるべきです。
 
Commented by 通りすがりの事務 at 2009-11-16 18:11 x
事務側の立場から言えば、事業仕分けでも指摘されているとおりさまざまな省庁で各種のグラントが乱立しているせいで、申請・経理処理の煩雑化、およびそれにともなう事務増加量が最大の問題になっています。
また会計処理で言えば、とあるグラントでは購入物品一つ一つを写真に撮ることを義務付けられていたり、すべての納品書・請求書をコピーして提出させたりしています。またグラントによって研究費の使い方や経理報告書の様式がまったく異なることも現場の混乱を招いている一因です。
Commented by 通りすがりの事務 at 2009-11-16 18:35 x
また仕分け作業の資料中には「研究費総額は大幅な資金増加」とありまずが、それには国立大学の運営費交付金の削減といったような基盤的な予算を減らして、その代わりに競争的資金を増加させてきたという背景を説明しないといけないと思います。また特にここ数年は研究費の間接経費を拡充させてきたことも「研究費総額」が大幅に増えている要因でもあります。(実際に研究者が使える「研究費(直接経費)」そのものが大幅に増加しているとは必ずしもいえない)
もともと日本における高等教育・科学技術に対する支援の貧しさを考えれば、予算はより増やしてもいいぐらいだと思います。ただそれには現場の研究者や事務がより具体的な研究費のあり方を政府・国民に提示していかないといけないことではないでしょうか。
Commented by tmiyakawa at 2009-11-16 20:40 x
通りすがりの事務さんがおっしゃっているように、申請・経理・報告などの様式・方法はできるだけ一本化、シンプル化して、本来なくてよいような事務作業にかかる労力・ムダを大幅削減していただくべきであるように思います。例えば、論文などの業績や経歴を違う様式で何度も何度も書き直さなければいけないのは、たいへんなムダ。国立情報学研のresearchmapのようなところに業績・経歴を一元化し、研究者IDを記入すれば取り出せるというような具合にするとかなりムダが削減できるでしょう。
こういったムダな作業にはすべて人件費がかかっており、それは税金がもとになっていることを認識するべきであるように思います。
Commented by 通りすがりのPh.D at 2009-11-17 00:40 x
生物系Ph.Dを取得後、現在は化学系メーカーで研究企画の仕事をしております。この不況にあって、企業では中長期的な研究開発体制の見直しを迫られていますが、それでもやはり基礎研究の重要性は皆が認識しているところです。だからこそ、一企業では困難な基礎研究を、国家が戦略をもって推進していくべきであると痛感しております。言いたいことの多くは既に皆さんがコメントされていますが、科学技術政策があまりに近視眼的な判断によって蔑ろにされてしまわぬよう、一方的ではない議論がなされることを切に望みます。今回の‘乱暴な’事業仕分けによって、多くの方、特に研究者の意識が「国家としての科学技術政策」に向けられることになったのではないでしょうか。非常に逆説的ではありますが、日本の科学技術政策を立て直す、良い契機となることを期待してます。
Commented by 一助教 at 2009-11-17 18:05 x
私は現在36歳、ポスドク5年半後に地方国立大でテニュアトラック助教をしている者です。すなわち事業仕分けの対象者です。執行されれば来年から研究費は確実に減額されます。
私の意見はコメント欄の皆様とほとんど同じですが、大隅先生がここの声を届けていただけるということに期待して一票書き込みをします。

本日の若手育成事業の縮減要求をきき、まさに政府に対する絶望感に苛まれました。
私たちのテニュアトラック関連の予算は駆け込みでもなんでもありません。2年ほど前から実際に執行されているものです。それを今更になって削減されるのは、ほとんど契約不履行とも言える暴挙です。研究室所属の学生の将来に関わる重大な問題です。
私たち若手がいったい何の無駄をしたというのでしょう。私たちは自ら業績を上げて審査に通り、その結果いただいた予算を使って研究をしているつもりです。消耗品も1円でも安く購入できるように四苦八苦しながら予算を使っているのです。
他から予算をとりたくても科研費も減額される始末。
(続きます)
Commented by 一助教 at 2009-11-17 18:05 x
私たちの研究内容は子供手当てに比べれば無駄のかたまりと言いたいのでしょうか。ことほどさように子供手当てと高速無料化は重要なのでしょうか。
民主党のムダ削減とはこんな風に少ないところから躍起になって削り取ることだったのでしょうか。もっと大きなムダ問題は本当に他にはないのでしょうか。

感情的になってしまい申し訳ありません。大隅先生のご活躍を今後も拝見したく存じます。
Commented by 一職員 at 2009-11-17 20:17 x
このようなBlogがあることに心強いものを感じております。
できれば、ここに書いて終わりにするのではなく、政治に社会に我々の意見を理解させていくべきです。2~30年前にはあった、科学進歩へ国民の期待。政策を政治家や国民に委ねるのではなく、科学者が政治家国民を先導するのです。科学は選ばれしエリートのためだけのものではありません。資源の無い日本では、科学の力で国力を浮上させ、技術を上げその進歩を全世界に提供していくべきです。確かにどの科学、技術に力点を置くのかは重要な課題です。限られた資産の中で成果を出すために集中と選択も必要となりましょう。


Commented by 一職員 at 2009-11-17 20:18 x
(1)科学者も技術者ももっと国民に語りかけ理解させよう。できれば、科学の進歩によって描かれる未来象をもっと出していこう。マスメディア、インターネットを活用して広く国民、更には全世界に日本の科学力をアピールしよう。
(2)次世代の科学者を育てよう。今だって、実験教室を開けば子ども達は集まります。ノーベル賞受賞者や宇宙航空士を中心として、科学の魅力を子ども達にひろめ、更に理科系教育を活性化しよう。
(3)科学者、技術者の自立を進行させよう。科学の成果を技術につなげ、技術の成果を企業につなげ、そのフィードバックを科学に戻そう。科学者、技術者の企業を促進させ、科学者、技術者の成功者をふやそう。
(4)科学者ももっと大きな政治力を持ち、日本国内や世界を先導しよう。政治に興味を持ち、政治に参加し、科学者による科学立国を目指そう。まず国内を科学者の誘導する方向へ国民を導こう。さらに、世界の中でリーダーシップを取って人類の進歩を先導しよう。
Commented by 一職員 at 2009-11-17 20:18 x
(5)誰かがやってくれるという意識を捨てよう。日本の富の源泉は間違いなく、技術立国に基づいて成立する高度な工業製品の輸出に基づくものであることは論を待たない。その根拠は、日本の科学、技術とそれら基礎とした高いレベルにある教育水準に基づくものであろう。科学と技術と蔑ろにし、教育を忘れ去れば、日本国が危機に陥ることは誰もが思いつこう。それを防ぐの国民一人一人であり、先導するのは科学者であるべきだ。

この声を掲示板に留めずに立ち上がろう。
Commented by 一助教 at 2009-11-17 20:41 x
先ほどの私の書き込みで、「私たちの研究内容は子供手当てに比べれば無駄のかたまりと言いたいのでしょうか」というような記述をしてしまいましたが、事業仕分けは個々の研究内容の評価をしている訳ではありませんでしたね。

誤解を生む書き方をしてしまい、申し訳ありませんでした。
Commented by うーん at 2009-11-17 20:48 x
民主党に将来戦略がない、というのはそうなのかもしれませんし、グリーン関係で大型予算を出してくるのかもしれません。
でもそれ以前に科学界に将来戦略はあったの?というのが非常に疑問ですね。
ポスドク問題も防げなかった日本の科学界の指導者たちに長期成長戦略はあるんですか?
まずはそれを示さないと、批判に説得力がありません。
Commented by 一職員 at 2009-11-17 22:16 x
長期成長戦略を感じられたのは、徳川幕府や、明治維新の志士や、太平洋戦争後のHONDAやSONYに感じられたが、現在の民主党や自民党、公明党、社民党、国民新党のいずれにも感じられず、まして、日本の科学界の指導者にもなかったであろう。だから、誰が戦略がないじゃないじゃなくて、我々が作らなきゃならんだろうと言うことです。
つまり、他人に頼るのはよそう。
Commented by bravefloater at 2009-11-17 22:34
長らく愛読させていただいてます。夏まで国内製薬企業で研究者をしていました。現在は外資系製薬会社に勤務しています。
理系の研究者は大隈さんもご存じのようにどこでも働くことができます。研究はボーダーレスですし、待遇だけでなく研究環境を重視します。
よりよい研究環境があれば躊躇なく国外に出て行きます。民主党の政策では短期的にコストを下げられますが、
優秀な研究者・最先端の設備を必要とする企業・将来有望なベンチャーバイオが海外に出て行く→産業や研究機関で優秀な人材が枯渇する→ますます人や研究拠点が流出する
という負のスパイラルが生じ、10年後には日本の競争力は大きく低下すると思われます。
私が企業の側から一番怖い、と思うのはこれです。製薬企業が世界的に競争力のある製品を世に出すためには自社だけでは賄えない、最先端の研究設備と優秀な研究者たちの陰ひなたの努力が必要です。それに10年、15年という歳月も。
優秀な人材を生み出し、留め、長期的に日本が経済的にも学術成果の面でも高い地位を保つために、長期的な戦略を立てて下さい。と伝えてください。もっと良い言葉があればいいのですが‥
Commented by 大丈夫 at 2009-11-17 23:34 x
日本の研究者はベンチャーを作る能力がなかったからこそ国の予算に頼るのです。世界のどこにいこうと同じことです。
Commented by 海外へ行こう! at 2009-11-18 05:32 x
企業だけでなく、実力のある研究者にとっても、科学技術の長期的な価値を理解している国に出て行く、という選択肢が一層濃厚になります。
Commented by 火山の化学系 at 2009-11-18 06:00 x
集団としての傾向と個々の能力とを混同した2件上の大丈夫さんの様な批判が過ぎることには懸念があります。日本の研究者はベンチャーを作る能力がなかった、のでしょうか?日本の文化or社会構造としてベンチャーが成立しにくい、と言うべきでは?アメリカ在住の地球科学者に知己はそれなりにおりますが、ベンチャーを立ち上げている例は極めて僅かです。ベンチャーの形式を取っている場合でも石油産業や国防費の受け皿になっている例が多いです。
Commented by 大丈夫 at 2009-11-18 09:15 x
戦後の技術者は国の発展のためつくしました。予算が削られそうになるとすぐ国外逃亡をちらつかせる研究者はそういった志にあまりにも劣ります。そういう人たちに国防費で研究をまかせられると思いますか?
Commented by ワープアポスドク at 2009-11-18 12:12 x
いくら愛国心に満ちた研究者でも、「あんた要らないよ。」と国から言い渡され、食べていけなくなれば、生きていくために外にいくしかありません。それともそういう状況下でも極貧に耐えて研究を続けろと大丈夫さんはおっしゃるのですか?失礼ですが貴兄はそういう状況に耐えられるのですか?まったくもって墳飯ものです。
Commented by No. R at 2009-11-18 12:17 x
初めてコメントさせてもらいます。地方国立大で、科研費雇いのポスドクをしている者です。

大隅先生の意見に、ほぼ同感です。委員会の方に意見を持ち込んで下さるとのとのことで、有り難く思っています。自分の中でまだイマイチまとまっていませんが、とりあえず一点だけ。

”科学の面白さや意義が伝わるように!”についてですが、全くその通りで”伝えること”は非常に重要だと私も思っています。今回の事業仕分けに関しては、予算請求をするのが文科省の方々で、おそらく科学の本当の面白さや意義をそもそもよくわかっていない、少なくとも肌では感じていない人たちであったのでは、と思いました。そういう人たちに科学の面白さ、意義を伝えてもらうのは難しいのではないでしょうか?毛利さんは科学の面白さ、意義をよくわかっていらっしゃるからこそ、それを伝えられたのではないかと思います。科学者全員が会議に出席するのは不可能ですから、今回の仕分け人等がどう選出されたのかよく知らないのですが、誰が会議に出席するかについても、私たち専門家が意見していかなくてはならないのでは、と思いました。
Commented by 博士課程 学生 at 2009-11-18 12:50 x
大丈夫さんのようなご意見は,ネットでも散見されます.

おそらく,思想信条以前に,若手研究者にとっては死活問題であり,生活がかかっている現状を伝え切れていないのではないかと思っております.同時に,研究を実際上,中心になって遂行しているのが,その若手研究者であることも認知されていない気がしています.

大隅先生はもちろんのこと,理研の林茂生先生の文科省へのこころ強いご意見に,個人的にはたいへん感謝しております.
Commented by 大丈夫 at 2009-11-18 13:41 x
あなたたちの言葉のなかには、自分の好きな研究をやらせろという意識しか見えません。本当に国民の生活を考えているなら、ここにいたるまでにすべきことがたくさんあったはずです。抽象的なお題目をいくらとなえても、自分たち以外を見下してまるめこもうとしている意図がみえみえです。それではどこに行こうと本当に信頼されることはありませんよ。
Commented by ko at 2009-11-18 14:17 x
事業化しやすかったり、企業からお金を引っ張ってきやすい分野というのは限られてますからねぇ。大学の予算が毎年減らされているので、できるところは既に積極的に出て行っている印象があります。アメリカも軍事費をかなり科学技術開発の方に回しているという話を聞いたことがありますし、公的な研究費支出というのは避けられないのではないでしょうか。

ただ、文脈を確認していないので間違いかもしれませんが、「納税者個人にもリターンを貰えないと納得できません!」という言葉に批判が集まるのには疑問を覚えます。直接的なリターンということに限れば難しいと思いますが(おそらくそんなものは要求されていないはず)、これには答えを用意していて当然なのでは?
日本にはこういうことが多いと思いますが、欧米からの基礎研究ただ乗り批判から、よく考えることもなく、なし崩し的に拡大していったことのツケが回ってきたのではないかと思います。生活が苦しくなるの一点張りでは(実際にそうなるとは言え)見苦しく見えかねないということも理解すべきように思います。ポスドクのニート扱いは酷いと思いましたが…
Commented by ko at 2009-11-18 14:21 x
それから、指摘されたことには筋が通っているところも多々あります。根本的な問題を解決すべきなので、対症療法であるこの予算は減額すべき、というような指摘です。
ただ問題は、今回の事業仕分けが全体的な戦略の練り直しとセットになっていないところでしょう。文科省だけでは手を出せない問題も多いのではないかと思います。根本的な治療ができない(もしくは効いてくるのに時間がかかる)のに、対症療法まで打ち切ったら大変なことになります。指摘を考慮しつつ、どのように改善すべきか、事業仕分けという圧力を上手く使っていく必要があるのかもしれません。

あとスパコンやGXロケットなど、プロジェクトマネジメントの失敗が指摘されているものもあります。中には否定的な声もありますが、これらに関してはかなりお粗末だったと言わざるを得ないのでは。必要な技術も含まれていますし、それこそスパコンは何らかのものを用意しなければならないので、打ち切りというより立て直しに期待しています。
Commented by Clara Haskil at 2009-11-18 16:04 x
一市民です。事業仕分けでは,一見,『科学技術研究に投資して何が得られるのか』と問われているように見えるが,本当に問われているのは,『私たちが投資した資金が,本当に,科学と技術の進歩に貢献しているのだろうか。本当に,真剣に研究している研究者たちの手元に届いているのだろうか。』ということなのではないかと感じました。つまり,『納税者として,私たちの社会を豊かにする事業に参加し,その成功に貢献しているのだ』という実感を得たい訳です。
 納税者は,研究者と同様に知性があり教養ある市民です。その市民の,納税するというささやかな行為による,科学と技術の進歩に対する貢献に対して敬意を払って欲しいのです。ですから,『世界一をめざす』とか『ノーベル賞をとる』というような浮ついた言葉を使わないで欲しいのです。また,国の研究資金を使いながら,タレントのような活動をする研究者は見たくはないのです。
Commented by Colors at 2009-11-18 19:01 x
とある地方の大学で研究費関連の事務をしているものです。
今回の仕分け作業では、主に、効果や競争力の有無という視点で論議が展開されていました。確かに税金が投入されている以上、それは正論だとは思います。
ただ、研究には将来投資的な部分があります。
基礎研究は、あるいは、若手の研究は、将来を作る素地になるものです。
基礎力が低下して応用力が飛躍するとは思えませんし、基礎研究は、教育にフィードバックされて、社会を支えています。
裾野を広げなければ、社会を支える足腰は弱ってしまいます。
いわゆるノーベル賞を受賞された研究も、日本の自動車産業も、過去の時点では評価も競争力も低いものでした。現在の評価はどうでしょうか。
将来を見通すことはとても困難なことです
補助金や政策・制度の重複などの指摘もありました。その意味では、政策の体系の構築と整理、応募審査と結果評価の基準の構築、会計制度を含めた事務的な制度の構築は不可欠であると思います。今回の仕分け作業の中で効果や競争力の有無を主張するならば、そうした検証は不可欠です。それを抜きに出口だけを絞っても、同じことの繰り返しになると思います。
Commented by maiel at 2009-11-18 19:03 x
そうですね。文化や世界などと大きなことを言われても煙に巻かれた気分になります。暮らしや生活に役立つ研究をしている方に使っていただきたいと思います。よろしくお願いします。
Commented by 一職員 at 2009-11-18 22:36 x
今回は、仕分け作業が行われたこと、仕分け作業が公開されながらおこなわれたこと、仕分け作業にも課題があることが判明したこと、仕分け作業によって税金の使い道についての問題意識が、納税者にも研究者にも培われたことに意義があったと思います。
 仕分け作業に問題があったこと、仕分け人にも注文をしたいこと、仕分けの基準に注文をしたいこと、納税者にもっと伝えたいことがあることも判明しました。
 この掲示板に書いてあることは尤もなことだと思います。この内容を納税者や、政治家に伝える努力が意味のあることを意識して行動すべきであると思います。
 暮らしや生活に役立たないことでも、科学の発展、人類の発展のために意義があることを理解させることは必要です。
Commented by 勘違いがあるようですが at 2009-11-18 23:07 x
大学の研究があったから日本の経済成長があったんではなくて、日本の経済成長があったから大学が研究できるんですよ。本末転倒な議論は信用を失うと思います。
Commented by そちらこそ勘違いがあるのでは? at 2009-11-18 23:41 x
大学の基礎研究の成果がなければ、今後の日本の経済成長はよりいっそうおぼつかないと思いますが。
Commented by 勘違いがあるようですが at 2009-11-19 00:35 x
ではその根拠を具体的に示してください
Commented by ko at 2009-11-19 01:06 x
工部大学校(東大工学部の前身)が海外の進んだ技術の吸収に役立って明治以降の産業化を支えた、とは言われているようですね。あの早さは当時の先進国からしたら驚異的だったそうで、日本では何をやっているのか?と調べにきたそうです。エンジニアリングを学問として教える、というのは当時珍しかったんだとか。もちろん、金があるから研究が出来る、というの面があるも正しいと思います。持ちつ持たれつでは。
Commented by 某学振PD・ブログ読んでます。 at 2009-11-19 13:26 x
Clara Haskil さんのご指摘は重要に思えます。多くの一般市民は「科学技術に100万円税金払ったんだから、105万円にして返せ。」とは思っていないでしょう。ただ、「私の払った100万円はどう使われるのかな?」という疑問が起きるのは自然なことです。その疑問に対して「門外漢には研究のことは分からない。」の一点張りでは納得はされないでしょう。そういう意味では、官僚も研究者も同じです。結局のところ、政府・大学・独法すべてが長期的ビジョンを示せない(持っていない)のが納税者にとっての大きな不満であり、不安なのかも知れません。
Commented by 火山の化学系 at 2009-11-20 06:32 x
Clara Haskilさんのご指摘に意を強くしました。市民としての冷静なご発言に賛同します。もし、そしておそらく多分、ですが、『納税による,科学と技術の進歩に対する貢献』に対して相当数の研究者が充分に敬意を払っていない、そのように社会に受け取られているとするならば、今回の処断は当然の報いなのかも知れません。しかし、そのような不心得者ばかりでなく、このような場でも真摯に意見を述べる方もまた多いことをご理解いただけたらと思いますし、そういった者の行動にご賛同いただけたらと思います。
Commented by 火山の化学系 at 2009-11-20 06:40 x
(続き)『世界一をめざす』とか『ノーベル賞をとる』というような浮ついた言葉を使わないで欲しい、とのご感想も尤もです。しかし、ある技術では、たとえば、コンピュータの分野など、トップでなければほとんど何も得られない(多大な対価を払ってしか権利利用できない)ことは、多くの方のご指摘の通りとおもいます。EUやアメリカの公的権力が介入してもつねにマイクロソフトの独占的構造は議論のタネになることが良い例ではないかと思います:親友に独占禁止法の研究者がおります。研究者がタレントのような活動をすることへの忌避感も相当の研究者が感じているものです。しかし、アウトリーチ活動という広報活動を研究者が求められている現状、そのような目立つ極端な例がメディアにもてはやされているのだと思います。日々素朴な感謝を以て職務に真摯に取り組んでいれば良いような構造が作れたらと思った次第です。
Commented by カリフォルニアのポスドク at 2009-11-20 15:34 x
大学で自分の研究室を持てるようになっても、スタートアップ資金が殆どなくポスドク一人も雇えないという、エントリーレベルの人材をサポートしない日本。そこに戻りたいとは思えず、アメリカで三年目の就職活動です。今回の仕分け騒動で、家族を連れて日本に戻る気持ちがゼロになりました。仕事の面接のため、台湾にも行きました。日本には失望しました。正直なところ、自分が産まれ育った国なのに、帰りたいと思えないのが悲しいです。
Commented by 会社員 at 2009-11-20 22:58 x
トップでなければならないかどうかは目的によります。コストと利益のバランスで考えるのが世界的常識です。リンクURLにも同様の考察があります。科学者は原理主義的になりすぎているように思います。
引用:
欧州各国は自国メーカはなくとも何の不都合もなく科学技術に邁進しているのである。何故日本だけが自国メーカでなければ科学技術が進まないのか全く理解できないのである。
Commented by midori at 2009-11-24 17:29 x
若手関連予算については、若手研究者の窮状を訴え過ぎるのは得策ではないと思います。
窮状を訴えて、それをなんとかして欲しいという要求をしても、「なんで研究者の生活・研究を保護しなくてはいけないのか」と社会は思うでしょう。
それよりも、今回の仕分けで(余分な?)若手研究者を切り捨てたなら、この世界を目指す聡明な若者はいなくなってしまうことを軸に訴えるべきだと思います。
「研究者になる」という進路にもっと夢が与えられますように・・・。
Commented by bravefloater at 2009-11-25 20:12 x
話を戻してしまってすみませんが、基礎研究の研究環境の改善により得られるメリットを説明するために、
医薬産業研究所のNo.41:平成20年7月発行のリサーチペーパー「製薬産業におけるR&D活動の国際化」を参考までに引用します。(検索すれば出てきます。)
「魅力あるR&D資源を求めて進展する製薬企業のR&D活動の国際化は、企業が国を選ぶ時代に入ってきていることを意味する。このような流れの中、国際的な創薬研究センターとしての地位を目指す各国間の競争は、先進国のみならず新興国へも拡大し、激化しつつある。ケーススタディとして取り上げた中国においては、外国企業のR&D拠点開設に対する優遇制度や、海外の優れた研究者の招聘を目的とした制度及び施設等が整備されており、相次ぐ欧米製薬企業による R&D拠点開設はその成果といえる。製薬企業によるR&D活動の"場"をめぐる国際的な競争が繰り広げられる中で、国際的な視野でR&D活動を捉えていく必要性が高まっており、日本を高い科学技術力を持つ外国企業や優れた研究者が国境を越えて集結する真に魅力ある"場"にするための環境の整備がこれまで以上に求められている。」
Commented by bravefloater at 2009-11-25 20:12 x
研究環境が悪化すれば、人材育成や企業の成長面で悪影響が出るだけでなく、将来的には内資企業も高いお金を払って現在は技術面で勝っている中国等から技術を買わなければならなくなります。技術の面で売る国と買う国の差は大きいのです。

会社員さんのご意見ですが、欧州各国にはすでに層の厚い研究者の育成、知的財産の積み重ね、情報や人のネットワークができています。現在でもCERNなどに巨額の予算を投じています。「民間企業と心中するような国家戦略を立案することが大きな誤りだということ」との下りには共感しますが‥
Commented by mk at 2009-11-28 02:06 x
最終日の刷新会議WG2では、応用開発を目指した事業案件に対して仕分け人から「なぜ、もっと現場の研究者に資金やマネージメント権限を与えないのか」という言葉があった。一言ではあるが、このようなWG毎の論点の違いは、我々研究者にまだまだよく考えること議論することがあるということでは。これまでに経験したことない厳しい理不尽な査読を受けたとここは捉え、研究者らしくしっかり腰をすえた議論の場を研究室内や機関内で作ることが大事と思う。議論は研究者が得意とするものだし、これができないと研究者ではない。
Commented by Junji Suzuki at 2009-11-28 08:42 x
窮地の日本が再生するには、従来型のモノづくり輸出型では立ち行かないのははっきりしています。お隣に巨大な製造国が立ち上がっていますから。よって、今後の日本の活性化のためには、ノウハウ方の産業の活性化しかないとおもうのです。そのためには基礎的科学技術に厚く国のリソースをさくべきだし、教育もきちんとそっちに持ってゆかねばなりません。政府には、その大きな方向性をきちんと国民に示し、リソースの整理をする基本的骨子を明確にしなければならないと思うのです。そうしないと単なる不毛な議論が巻き起こるだけで、あまり前向きな話になりません。それがどうしても最近気になってしょうがないです。
by osumi1128 | 2009-11-13 23:20 | 科学技術政策 | Comments(84)

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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