Webのチカラ(今さらですが……):本日の仕分け感想ほか【コメント求めます!】

1つ前、2つ前のトピックに沢山のコメントを有難うございました。
それぞれの方に御礼を申し上げていなくてすみません。
でも一つ一つ、なるほど、ふーん、と思いながら読みました。

さて、本日もまた仕分け会議第3ワーキングループで文科省の事業仕分けが行われました。
ちょっと急ぎの書類書きがあって、リアルタイムでは聴けなかったのですが、録音して下さったものがweb上からダウンロードできたので、夜になってからそれを聴きました。
ブログ「子子子子子子(ねここのここねこ)」さんのところの行政刷新会議「事業仕分け」第3ワーキンググループ 091117録音ファイル



本日、自分にもっとも関係する仕分け事業は「競争的資金(ライフサイエンス関係)」と「女性研究者育成支援」でした。
ライフサイエンス関係では「ターゲットタンパクプロジェクト(タンパク3000の後継版)」や「感染症ネットワーク」が対象に。
女性研究者育成支援では、いわゆる「モデル事業」と「加速プログラム」が縮減されました。

文科省の担当官の方も、毎年恒例の財務省とのやりとりよりも、さらに熱のこもったディフェンスをされたことと思います。
お疲れ様でした。
そんなやりとりの中の本日のつぶやきはこちら
Twitter始めてから最高につぶやいています(笑)。

*****
さて、こちらはブログなので、もう少しまとまったお話を。
ここ数日の間に実感したことは、自分の周りの情報環境が一段変わったということ。
たぶん、数週間前にTwitterを始めていなかったら、ここまで変わったことに気付かなかったかもしれない。
仕分け会議の中継がオフィシャル公開サイトにアップされたこと
関連情報があっという間に集まったサイトが出来上がっていること
「事業仕分けのまとめ」関連リンクだって、
事業仕分けへの反応
人力でのまとめ
自動的なまとめ
マスメディア
ブログ
全体
スパコン
若手関連
オピニオン
マイクロブログ
対象機関からのリリース
このサイトへの反応

こんな風に仕分けられて(笑)、それぞれにリンクが張られています。
これ、ボランティア、なんですよね?
それがすごい。
たぶん、30代までくらいの若い方々なのだと思うけど、だから、そういう方々のチカラって、集まったらとても大きなことができるものなのだと感じています。
もしかしたら、オバマの大統領選挙を支えた活動って、こんな雰囲気に近かったのだろうかと想像してみたり……。

連動して、文科省は昨日付で「行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください」というサイトを挙げました。
総合科学技術会議の方でも「科学技術関係施策の優先度判定等の実施に関する意見募集」を本日から1週間行っています。
ボトムアップの意見を直接的に吸い上げるシステムが(ようやく)実質的に動き始めたのかもしれません。
これまでもいろいろなweb上での「パブリックコメント受付」はありましたが、たぶん、今回参加しようと思っている方は、桁が2つ、3つくらい違うかもしれません。

先週金曜日の仕分けによる研究費や若手支援の減額を受けて、学会関係も動き始めました。
例えば世話人会などからの意見表明をしようという声が挙がったり、文科省意見募集のサイトの案内がメーリングリストで届いたり。

Twitter上の「#shiwake3」や「#f_o_s」というハッシュタグには、事業仕分けや科学技術政策に関する発言がものすごい勢いで流れています。
ちなみに「#shiwake3」の方は他のWG用も一緒に民主党さんの方で作られたようですが、第3WGが一番の盛り上がりとのこと。
本当に追いかけるのが大変なくらいなので、クリエイティブな仕事と並行してフォローするのは無理(苦笑)。
ちなみに、月曜日朝の時点で「shiwake3」タグは仕分け始まってから1万人近い発言と2千人に近い発言者でした。
「f_o_s」タグはできて2日ほどだったか、150人で400件。
>教えて下さったma_koさん、有難うございました。

繰り返しますが、今回の「仕分け」は、もしかしたら日本の科学史に残るかもしれないくらい、大きなインパクトを科学者とその卵と、科学のサポーターの方々に与えたと思います。
科学研究のかなりの部分が税金で賄われていたことを、改めて認識する機会となりました。
「国民の目線」に曝されるとどうなるのか、中継された仕分け会議の様子で目の当たりにしました。

問題はこれからです。
日本人は「畳とナントカは新しい方が良い」とか、遷宮などの文化や精神を持っていますから、喉元過ぎて熱さを忘れてしまわぬように、今、動かないといけないと思います。
Webのお陰で、誰もが公に向かって発信できる時代になりました。
140字以内でつぶやいてもいいし、上記サイトなどにパブコメとして意見を書き込んでもいい。
自分のブログを持っていたら、そこで公開してもいいし、
(例えば、科学業界の方のものはこちら)先ほど挙げたポータルサイトにオピニオンを載せることもできます(例えば「生命科学者:上田泰己」のオピニオン@WG3)。

本ブログのコメントも受け付けています。
月曜日は総合科学技術会議の下に置かれた、第4期科学技術基本計画の委員会でしたが、今度木曜日は同様の会議が文科省でも行われます。
皆さんが寄せて下さったコメントを反映させた発言をしてきます。
ちなみに、文科省系の行政官で本ブログをチェックしている方も多いとか……。
Commented by あるPhD at 2009-11-18 08:20 x
東京にある大学で、ライフサイエンス関係の仕事をしおります。女性で助教なのですが、若手支援、女性支援のあり方に関して常に感じていることをコメントさせていただきます。私は、事情があり、学位取得が随分遅かったため(年齢的に)、いざ独立し、自分のラボを構えようとしても、「若手」対象の研究費や学会賞などには年齢制限があり、対象となりません。「若手」は生物的な年齢ではなく、学位所得後の年数、あるいは大型の「若手S」などは「自分のラボを構えてから」の年数などで決めていただけないかと思います。また、女性支援も子供を産んでいないと対象にならないものが多いのですが、これも「少子化問題」と「女性研究者育成」はある程度切り離して考えても良いのでは、と思います。
Commented by 地方私立講師 at 2009-11-18 11:48 x
以前から感じていたことを今回の仕分けをきっかけにして書かせてもらいます。
まず研究費について。
研究分野によって事情は違うと思いますが、生物系の方は毎年確実に手元に来る校費等で最低限の研究ができるとお考えでしょうか。
少なくとも地方国立大で働いていた経験からみるに、校費だけで教員・学生の研究費を賄うのは現状では不可能に近いと思います。
競争的資金というのは最低限の研究費に上乗せして、研究加速費としてあるべきなのではないでしょうか。
先のコメントで、年度予算使いきりのために次年度使うものを買いだめ・・・について書かれておりましたが、「来年もしかしたら競争的資金がないのかも」という状況であれば、そのような行動があったとしても共感できるものがあります。
分野によって額がちがうとは思いますが、とにかく最低限研究できる安定した予算と設備がないかぎり、目先の成果が得られる研究しか成り立たず、本当に独創的な研究はできません。
Commented by 地方私立講師 at 2009-11-18 11:56 x
次に博士のキャリアパスについて。
アカデミックに進む場合のギャンブル的なキャリアパスはどうにかならないでしょうか。
博士が企業他多様な分野に進出することはもちろん賛成ですが、国の頭脳となるべき研究所・大学の研究員に優秀な人財を集めることも重要です。
が、近年の状況から後輩に博士課程への進学さえも勧められません。
これからの若者が、先の見えない冒険をしてアカデミックに進もうという気概をもっていれば良いのかもしれませんが、そうではない可能性が強いと思います。
このままでは、仕分け人の発言にあったように「就職し損ねてなんとなく博士とってしまったてその後ポスドク」という状況が現実になると思います。
Commented by 地方私立講師 at 2009-11-18 12:15 x
あと、どなたかが書いておられた共通機器室の発想は同感です。
研究者が流動的になってきた今日、その負の効果として必要機器の過剰な確保が目に付きます。
つまり、「自分が次に行くところにどれだけ設備が整っているかわからないから、今お金があるうちに必要そうな機器を買っておこう」という発想です。
その結果、同じ研究室に2つも3つも同じ機械があったりすることになります。
これははっきりいって無駄ですよね。
そのほかにも建物に1つあれば十分な機械が各研究室にあったり・・・。
どこに行っても最低限必要な機械が共通で使えるようになっていれば、こういう状態は回避できるのではないでしょうか。
高額機器であっても、1研究室の占有時間が長いのであれば、その研究室専用に導入するといった特例はあってもいいと思いますが・・・。
運用面で問題もあるかと思いますが、大学も効率良い施設作りを今一度考え直すべきだと思います。
Commented by 地方私立講師 at 2009-11-18 12:15 x
例えば、学科単位の研究施設ではなく、研究分野で施設を分けるほうが効率的だと思います。
こうすることで、共通機器室を設置しやすくなります。
学科というものは「どういう人材を育てるためにどういう教育をするか」が重要ですので、必ずしも研究室を一つの建物に集中させなくても良いと思います。
今回の事業仕分け、内容には共感できないものも多々ありますが、これをきっかけにして今までの体制を見直し、より効率の良い「研究成果」・・・ではなく「研究体制」を皆で考える良い機会にしたいです。
Commented by みむ ー1 at 2009-11-18 13:41 x
国家戦略としての科学を我々が理解する必要があるのではないでしょうか。

サイエンスといえども、国家戦略としては軍備と同じ面があります。

今紛争がないからといって、軍備が必要ないと考える政治家、官僚はいないでしょう。何かことがあったときに、素早く、効果的に対応出来るかどうかが国家の命運を分けます。

サイエンスも同じ側面があります。何かことが起きたとき、国際的な競争になったときに、効果的に次の手を繰り出して成果を出すためには、良く訓練された柔軟な能力のある研究の担い手が必要です。iPS細胞はその良いモデルケースだったように思います。何かことが起きてから、人材や装備を整えていては間に合いません。間に合わないと言うことは競争に負けることであり、科学(技術)においては二番手以下はすべてを失い、一番手だけがすべての利益を得ることができます。
Commented by みむ ー2 at 2009-11-18 13:41 x
今欠けている視点があるとすれば、柔軟で高い能力を持った研究者を多く育て、彼らを有事に備えて高いモチベーションを持った状態で確保しておくことです。これが長期的な国としての責任だと考えます。現状の研究体制・評価制度はむしろ柔軟性を欠いた方向、すなわち過去の業績や獲得研究費中心になっていて、個々の研究者の現状の能力評価たり得ていないかも知れませんので、この点は研究者自身が意識を改革すべきところだと思います。

国家が国費を使って研究を要請しておきながら海外にポスドクとして送り出し、外国の成果をあげるために使われている現状を懸念します。国家予算を使って戦闘機パイロットを養成し、外国の軍隊に差し出して使って頂く、ということがありえるでしょうか?政治家には若い優秀な研究者を養成し、それを将来的にしっかり確保しておくことが国家戦略として大切であることをアピールするべきです。念のため、研究者の国際交流や海外経験を否定するものではありません。それらはいうまでもなく大変重要なことです。
Commented by みむ ー3 at 2009-11-18 13:42 x
また、個別のシードとしての個性的な研究と、国家としてチームを組まないといけない研究は区別して(だがどちらも重視して)考える必要があります。あえて前者については述べませんでしたが、その重要性はここで強調するまでもないでしょう。モチベーションの高い研究者を維持するためには個性豊かな個別テーマ研究を奨励するべきであるというアピールの仕方もあると思います。各々の個別研究が全てなにがしかの成果を上げることを強要するのは極めて近視眼的な間違った成果主義です。
Commented by みむ at 2009-11-18 13:45 x
みむー2のコメント中で間違いがありました。

「国家が国費を使って研究者を養成しておきながら海外にポスドクとして送り出し」

の間違いでした。訂正させて頂きます。
Commented by 教員のはしくれ at 2009-11-18 17:05 x
 地方私立講師さんのコメント -より効率の良い「研究成果」ではなく「研究体制」を- に共感します。各ラボごとでなく、所属機関レベルでの視点を持てば、より良い研究体制を組み、効率的な資金の運用ができると思います。そのためには、やはり各ラボがそれぞれに来年度の心配をしつづけなければならないような状況(競争的資金なしでは学生実習用の経費すら危うい)を打開する必要があります。競争的資金を減らしても、各機関への基本配分を増やすのならば、研究だけでなく教育にも良い影響があるでしょう。申請書や報告書を書くための時間が減らせればその分授業準備や学生指導に使えますので。
 また、研究者について論じるときに、大学などの教員であり、また大学などの運営業務も行う人たちも多くいるという視点が抜けていると感じます。税金を使って、一日中なにやらよくわからない研究に没頭している物好きな人たち、ではないのです。ゆとり教育の弊害で学力レベルが下がった、などと大騒ぎする国なのですから、学力をつけたその先にある高等教育の重要性、高等教育機関の果たすべき役割(とそれを達成するための経費の分配)についてもあわせて議論が必要です。
Commented by at 2009-11-18 17:14 x
選挙前も後にも、科学技術の基本方針て表明されましたっけ?「コンクリからヒトへ」に沿って、予算のうち大型機器の計上率上限を大幅に引き下げる、というなら分かりますが。

それと、核学の研究者は今はいないことからも、少なくともボトムアップ型の予算では無駄な研究はないと思います。審査過程では社会および学術分野への貢献度や実現可能性と予算規模のバランスも採択のためには重要な点ですし、自浄作用?は働いていると思います。ただ、クレストの領域設定や先日の一人90?億円ファンドなど、行政主導の「戦略的」研究には問題もあるのかもしれません。研究資金は将来に対する投資なので、金融と同様に「投機的」「投資的」といったリスク(あるいは見通し)のランク付けと、それに応じた配分の適性バランスという視点が必要と思います。

複数の拠出元の調整はぜひ必要で、例えば科学技術振興機構は科技庁の名残ですし。その辺も含めて間接経費の縮減は可能と思います。どなたか業績のフォーマット変える手間が大変とのことですが、文献管理ソフトを使えば即座に出来ることです。私の経験では、特に大学で、小規模データベースやLAN共有による業務効率化が立ち後れているように感じます。
Commented by 一助教 at 2009-11-18 17:20 x
みむさんのご意見は大変賛成できるものですが、現在の政権(というか仕分け側)にはそのような長期的な視野はないのでしょう。
「稼働率は?」「目的は?国民の役には立つのか?」「ビジネスとして成立するのか?」しか問われていないと思います。

また、
>国家が国費を使って研究を要請しておきながら海外にポスドクとして送り出し、
>外国の成果をあげるために使われている現状を懸念します。
このような現状であるから研究者に予算を費やすのはよくない、と短絡的な結論に至ったのではないかと思います。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-18 17:24
 13日の仕分けの際にも投稿させて頂きましたが、17日の「仕分け」に関しましても、ライフサイエンス、女性研究者支援その他の議論内容を拝聴させて頂きましたので、コメントさせて頂きます。

 まずライフサイエンス分野ですが、対象事業が具体的なこともあり、先端研究や若手育成に比較しまして議論が明解になっていたと思います。個人的にはタンパク質や感染症の事業が縮減されますのもあの説明ではやむなし、の感があります。ただ、分子イメージングは充分な成果も上がっており、縮減の必要はなかったのではないかと存じます。

 タンパク質に関しまして、制度設計の問題に関する文部科学省側の解答が抽象的で把握しづらく、また責任者の方が事業の評価を全て委員会に丸投げしている感があり、もしこの責任者の方が該当される方なら恐縮なのですが、何十億もの予算を投じる事業には文部科学省からも博士号取得者で研究経験のある方で自身でも事業の評価がある程度できる方を責任者として採用するようお願いしたいところです。文部科学省の人事については存じ上げないのですが、年齢は高くても研究経験のある博士を採用するようなシステムはあるのでしょうか。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-18 17:25
 またライフサイエンス分野の審査はヘビーだという感想がありましたが、本来はこの程度のヘビーさ・専門性は最低限要求されるはずで、先端研究や若手育成で何故より軽いとしか思えないような議論が展開されていたのかが解せません。公開だとしても専門性を抜きにするべき議題ではないと思うのです。先端研究や若手育成はライフサイエンス分野の個別の事業とは異なり国の科学・技術政策の根幹のはずで、議論には壮大なスケールが必要とされるはずです。申し訳ないのですが文部科学省側にも仕分け人側にも纏めて議論するに必要な一般法則を把握し、科学的に意味のある数値の使い方をして議論されている方がおられないような気がしました。今回の議論を聴いた限りでは国の科学・技術政策はまだアメリカやヨーロッパ、時にはシンガポールの政策を学習してその基礎の構築を模索するべき段階ではないかと思います。
Commented at 2009-11-18 17:26 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-18 17:26
 現段階で全体を乱暴に議論するのは遺伝子や分子、細胞、個体、個体群、群集を理解せずにいきなり生態系や環境を議論するようなものではないかと思います。それよりも個々の事業の評価の見直しで予算分配にメリハリをつければ、場合によっては縮減も可能で、他の事業に予算が回せるのではないかと思います。今回の「仕分け」に関しまして、単純な数式でモデル化できる物理学的なものではなく、個々の案件で試行錯誤している生物学的なものであるような印象を受け、また個々の事業を全て仕分けするのは不可能なので、現段階の科学・技術政策においては「仕分け」の場で科学研究費全般を議論するのは不適切だと存じます。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-18 17:26
 あと若手育成と女性研究者支援に関してなのですが、全体として「エリートをエリートとして報償するべきか否か」が論点になっているような気がしました。民主党はおそらく否の方の政策を取りたいと思っているのでしょうが、その場合は社会主義的な思想からすれば存在しているであろうエリートとして報償されるされないの如何を問わず研究に勤しむ人材と、そうでない人材がどの程度の割合でどの程度研究に貢献しているのかを制度の有効性から間接的でもいいので示してほしかったです。ただ、こういったことは難しい問題なので、研究の話を抜きにした個人ベースの報償で考えるのではなく、どの程度研究に貢献しているかの個人に付随する研究ベースで評価して頂きたかったです。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-18 17:26
個人的な経験から意見を述べさせてもらいますと、日本学術振興会の特別研究員や海外特別研究員の制度は単に生活費を賄えるというだけではなく、給与を持ってどのような研究室でも自由に研究することが容易で、若手の自由な発想を主体に好き勝手に研究できるということが理念の一つにあったはずです。これはいろいろな柵がない点で従来の徒弟制度の助教よりも自由が利く制度で、若手にとっては大変意義のある事業だと思うのです。もちろん大学院生の時点で所得格差に付随する研究時間の格差を生み出しはするでしょうが、特別研究員を目指すことによる競争的資金としての効果もある訳で、どちらの効果が上なのかを判断して頂きたいところです。個人的にはこの事業がなければ海外での研究者の知り合いも作れなければ現在のように大腸菌から酵母へ分野を変えられることもなく、ずっと日本の大腸菌のコミュニティの中で研究を続けていたはずなので、大変意義はありました。私のような研究実績のほとんどない者でなく、元研究員で現在は大変ご活躍されている方々にその意義を説明して頂けないかと思います。
Commented by ShunADACHI at 2009-11-18 17:27
 今回の公開事業に関しましては、IT技術の普及と合わせて直接民主制に近い形で議論に参加できる画期的なことだと思います。ボトムアップの意見が政策に反映されなければただのパフォーマンスに終わってしまいますが、私達の意見が一部取り上げられることを期待します。
Commented by 大和 at 2009-11-18 20:29 x
文科省自体を事業仕分けで廃止すべきでは内ですか。
官庁の中で文科省官僚が一番腐っています。不登校、退学者20万人、引きこもり、ニート60万人という現実を作りだしたのは、文科省官僚です。
大学を天下り機関に変え、世界最低にまで堕落させたのも文科省です。
デタラメな教育政策で、子供達の夢も人生も壊し国の未来を潰した文科省こそ、日本社会の最大のガンです。「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)という本を読んでごらんなさい。すべてが分かります。
不道徳で無責任な官僚の行う事業は、国民に危険です。すべて廃止し、文科省を解体すべきです。
Commented by 一研究者 at 2009-11-18 22:51 x
今回の一連の話の中で、「研究者が説明責任を果たしていないからだ」という意見がありました。確かにそのとおりなのですが、こと、今回の「事業仕分け」には、研究者に「説明権」がなかったことが残念です。「説明権」は行政官に奪われており、その行政官がちゃんと説明できないおかげで、私たちが波をかぶったといえます。
私たちが「説明責任」を果たすことができる機会を多く設けることが必要になってくると思います。
また、行政官自体が、現代の高度に便利で安全・安心な生活がさまざまな科学的蓄積に立脚していることを理解していない(だから説明できなかったわけですが)ことに愕然としました。そういった点で、文部科学省の行政官の「科学観」が問われていると思います。
行政官、ことに高級官僚は「天下国家を担っている」ことを自負しているのだろうと思うのですが、であるならば、まずはその高級官僚自体が科学リテラシーを高め、しっかりした科学観をもってくれなければ困ると思いました。ある意味、高級官僚としての矜持が問われているのだと思います。
Commented by 一市民 at 2009-11-18 23:10 x
現在の現代の高度に便利で安全・安心な生活を支える製品の多くは企業の生み出したものです。科研費が生み出したそういう製品やサービスを具体的に説明していただかないと困ります。それがリテラシーというものです。
Commented by 一研究者 at 2009-11-18 23:39 x
一市民さん

我々のほうも一般への啓蒙・普及の努力が足りなかったのも事実ですが、市民の側にも積極的に科学を学ぼう・科学に親しもうという姿勢がかけているのではないでしょうか?

サイエンスカフェやネット上の情報など、その気になれば誰でもアクセスできる情報はもう巷にあふれています。我々の側にもネット上で積極的に科学の成果を発信している方がおられます。その気になれば今の状況でも科学の成果の情報に自由にアクセスできるのですよ。
Commented by 博士課程 学生 at 2009-11-18 23:58 x
一市民さんのご意見はわからないでもないですが,
すこし極端とおもいます.

開発の「最終段階」では,もちろん企業が活躍して現代の製品を生み出してきたといえますが,その基礎的知見の多くは大学関係者の努力のたまものです.基礎科学の研究は,製品開発のように到達点・道筋をあらかじめ見通すことがむずかしく,世界中の研究者間のコミュニケーション(サイエンスの精神にのっとった情報公開)のうえで,ゆっくりと発展してゆきます.お分かりかと思いますが,企業がこのように,長期間にわたるだけでなく結果を皆で共有しないと進展しないような研究活動をしていては,すぐさま倒産してしまいます.しかし,現代の製品開発にはこの研究活動が不可欠であり,これをどこかが担わなければならないのです.大学だけでも企業だけでも,いまの便利な生活は達成されませんでした.たとえば,現代の電子機器のほとんど全ては,量子力学がなければ生まれませんでした.しかしながら,量子力学のみをとりあげて,国民にどれだけ恩恵をもたらしたかと聞かれれば,返答にこまってしまいます.基礎科学の評価のむずかしさはこの点にあります.
Commented by 博士課程 学生 at 2009-11-18 23:58 x
基礎科学「だけ」で製品など目に見える成果へ直接つながることは少なく,○○に役立ったとはいえますが,○○を開発したといいにくいのです.また,これも指摘しておくべきと思いますが,科学の研究と製品化の時期には数十年間のギャップがあり,一般社会へ実際に還元されるまで,その重要さがわかりにくいことも,評価をむずかしくしています.

もう一つの重要性をあげるとすれば,大学・企業をとわず,研究活動をする「人材」をうみだしてきたことがあげられると思いますが,これは特に基礎科学にかぎった話ではないので,ここでは述べません.

ただの一般論で建設的意見になっておらず,すみません.
Commented by 医学部学生 at 2009-11-19 00:02 x
こんばんは。いつも愛読させていただいております。医学部の学生のものです。
今回の事業仕分けについては、私たち学生の間でも非常に議論になりました。
私たちの多くは将来予算をいただいて研究させていただく立場にあるので、バイアスがかかってはいますが、関心のある人は非常に関心を持っています。
その一方で、まったく興味も関心も向けない友達もいます。
もう数年後の将来にすらかかわってくる話なのに関心を向けない、という有様ですから、一般の方の多くは研究に関して予算が増えようと減ろうと関係がない、というのも当然なのかもしれません。
さて、ここまで逆説的に書いてきたのですが、こうなってくると若い時により海外に行ってしまおうとして、人材流出が進むのではないかという意見も出ました。
文系の友達からはまた違った観点からの意見が出たり、理系の友達からは「誤解を恐れずに言えば、研究者が萎えるだけで済むため、削減対象になっている」という意見も出ました。
こうして議論しても、所詮学生ですから、社会的影響力を持って発言できないのがある意味では残念です。
Commented by 一市民 at 2009-11-19 00:13 x
すみません、それならそれでその道筋を具体的に説明していただきませんと、官僚さんの答弁と同じです。一般的な~学とかではなく、科研費のこういう研究がこういう製品につながった、という感じでお願いします。
Commented by tmiyakawa at 2009-11-19 00:15 x
もう一点、巨額のムダの源泉を思い出しました。
先端的機器や輸入に頼らざるを得ない消耗品(抗体やキットなど)を北米・欧州から日本に輸入する場合、日本では間に輸入業者さんが入り高額のマージンを取る、という日本特有の商習慣があります。この円高のご時世ですら、なんと、円ドルレート200〜300円/ドル程度が普通に生じています。エクスクルーシブな契約を持った販売代理店とさらに納入業者が間に入ります。先の大学向けの補正予算では、その多くが海外からの高額機器購入に使用されたと推測しますが、例えば、この円ドルレートを1.5倍程度(現在であれば135 円/ドル程度)を上限にするように規制を儲けるだけで莫大な額のセービングができるはずです。また、可能な場合は大学・研究機関が直接海外の製造元から購入するべきです。
Commented by 博士課程 学生 at 2009-11-19 00:34 x
一市民さん

一例をあげますと,私のかかわっている量子化学(量子力学を化学現象へ応用する)の分野では,近年の盛んな理論開発・コンピュータの発達をうけ,有機 EL 分子の開発に企業が利用していると聞いています.有機 EL モニターには,それぞれ違う色を発光する三つの物質が必要ですが,この効率的選別に理論計算が役立っています.企業にとって,少しでも早く商品化することが最重要課題であり,一見役に立たない理論開発も,こんなところで役に立つ時代になりました.

このコメント欄は,科学の広報活動の場ではなく,事業仕分けをうけて,今後の研究費をどう考えるかという議論の場と思いますので,この場でこれ以上深くのべたくありません.すみません.
Commented by 一研究者 at 2009-11-19 00:56 x
一市民さま

まず、新しいものが開発されたり、新たな応用がもたらされるためには、基礎学理そのものの発展が必要になるということはおわかりいただけたでしょうか。
本来、基礎学理の研究は、大学に通常与えられている経常経費で行うのがベストですが、この経常経費が年々削減されており、実態として、科研費がこの基礎学理の研究を支えている状態です。というわけで、基礎学理を発展させるためには科研費が極めて重要な研究経費となるのです。
Commented by 一研究者 at 2009-11-19 01:02 x
そのうえで、どうしても「科研費由来」の成果について知りたいとのことですので、場違いにはなってしまうのですが、比較的わかりやすい例を挙げておきます。
ノーベル賞を受賞された野依先生の不斉合成は、1970年代に科研費を受けている研究です。この不斉合成は、医薬品の原料となる「光学活性アルコール」の安価な合成法に活用されています。医薬品の開発に当たっては、生体内でどんな物質がどう効いているかに関する学理、そして、効く物質を安価で効率よく大量合成するための学理が必要です。野依先生の研究の一部を支えた科研費は、このうち、有機合成科学に関する学理の発展に「直接」役に立っているのです。
Commented by 一研究者 at 2009-11-19 01:04 x
上記の話はほんの一例ですが、こういう比較的わかりやすい例をとってみても、科研費を受けていたのは1970年代、事業化されているのは2000年代ということで、30年間ものギャップがあります。基礎学理の発展はこういった形で、じたばたとではありますが、日本と世界における高度で便利な生活に貢献していくものだと思います。多くの研究者としても、自分の研究が「スグに」役立つのであればそれに越したことはないと思っていますが、なかなかそうは行かず、歯がゆさを感じています。しかし、目の前の疑問点を一歩一歩クリアしていくことで、必ずや人類の役に立つ時が来るはずであると信じていますし、そこが公的資金を受けている研究者の矜持なのだと思っています。
Commented by 研究者自身の説明責任について at 2009-11-19 01:19 x
今回の事業仕分けで、研究者自身が自身の研究について一般の方に理解を得る必要があることを再確認しました。
しかし、JST雇用のPDや学振は、専修義務があり、科研費でのアウトリーチ活動は制限されるのが現状です。
(例えば、ゲノム広場への参加時、特別研究員の科研費では交通費は支給出来ませんでした。他の人は何らかの研究費から支給されていましたが・・・)
もしかすると、所属事務の独自の判断だったかも知れませんが、特別研究員の規約では、アウトリーチ活動を奨励していますし、腑に落ちませんでした。JST雇用のPDにしても、専修義務が厳しすぎると感じます。この点が改善されるといいなと思います。
小さいことですが・・・
Commented by ko at 2009-11-19 01:49 x
ただはっきり言って、どう産業化できるのか明確には分からない研究もありますよね?もちろん、何かあるかもしれないので何とも言えませんが、それらの必要性って何なんでしょうね?
研究成果以外に生み出されたものとして、人材やものの考え方、科学の普及というのもあるでしょうが、さらに言えば(少し傲慢な響きもありますが)、真理の追究という行為を認める社会のあり方なのかなぁ、と考えてみたりもします。(お金の苦しい時にこれで納得する人はそう多くはいないと思いますが。なんせ、俺に食わせればお前が得するという、ジャイアンもびっくりな理屈ですからね(笑))
事業化と隣り合わせにいるような分野なので、そういう方向に考えるよりは、世のためになる研究成果を出そう、という方向に考えるのが普通になっていますが、そういう研究に携わっている方々はどう考えているんでしょう?それとも、世の中には巡り巡って金にならない研究なぞ無いと主張すべきなのか…脱線してすみません。
Commented by pa at 2009-11-19 02:09 x
koさんのご質問(産業化できるか分からない研究の必要性)に対しては「なにかの役に立つかもしれない」という、ありきたりな答えが私にとっては最も正直な答えですね。
例えば、「(下村氏の)オワンクラゲの蛍光タンパク質を発見した研究」がこれほど「役に立つ」とは下村氏も予想していなかったのではないでしょうか?
Commented by HF at 2009-11-19 02:58 x
海外在住者としていくつか。

>国家が国費を使って研究者を養成しておきながら海外にポスドクとして送り出し
なら、なんらかの方法で研究者をつなぎ止めればいいだけの話でしょう。それと、日本は人が自由に移動できないソビエトのような共産主義の国だったのですか?

>ただはっきり言って、どう産業化できるのか明確には分からない研究もありますよね?
ありきたりな例ですが、相対性理論はGPSに使われていますが。鉄鋼の生産にはコンピュータ制御や放射能を用いた品質管理がなされていますが。

>そういう研究に携わっている方々はどう考えているんでしょう?
そういう研究を認めてくれる国に行くだけです。日本が認めるのなら日本にいますし、そうでないのなら、ほかの国に行くでしょう。
Commented by HF at 2009-11-19 02:58 x

>さらに言えば(少し傲慢な響きもありますが)、真理の追究という行為を認める社会のあり方なのかなぁ、と考えてみたりもします。
これは、裏を返せば"金になる研究が偉い"という傲慢さに他なりません。真理追及の基礎研究はムダとみなしている点で。

私事で恐縮ですが、私は自分の入る環境に文句をいうのが嫌だったため、自分の望む環境を与えてくれる社会に出ていきました。この度の事業仕分けは腰の軽くない世代にとっては大問題でしょうが、若い世代にとっては、そとにでてしまえば関係ありません。このような冷めた見方をした若者は少ないことを祈っています。
Commented by 博士課程 学生 at 2009-11-19 03:48 x
ko さん

私も日頃の研究で,産業化の方向はほとんど意識していませんし,純粋に科学として重要かどうかに重きをおいています.研究者の多くは,自然を理解したいという欲求にかられて研究を志しているはずで,これはかならずしも産業と結びつかない思いだと思います.

ただ,基礎研究のよいところは,そうした研究者の欲求もみたしつつ,産業界にもよい影響をあたえてきた,その懐の広さにあると私はかんがえています.
Commented by Clara Haskil at 2009-11-19 04:19 x
科学の研究,とりわけ,その基礎的な部分の研究の価値が,科学者サークルの外の人間には分かり難いがために,研究費が削減されようとしている,という意見が多いようです。しかし私は,本当に問われているのは,研究者や科学技術官僚を中心とする,総体としての日本の科学技術コミュニティーは信頼できるのだろうか,ということなのではないかと思います。
 科学と技術の研究が私たちに素晴らしい豊かさをもたらすということは,皆分かっている。お手本のないことに挑戦して成功するには,長い時間がかかることも分かる。それは新しい商売を始めるような場合も同じだ。しかし,今,目の前で,この難しい事業を遂行するために資金をよこせと要求しているこの人たちは,その困難な事業を任せるに値する信頼できる人たちなのだろうか,ということです。
 過去の失敗を率直に認めようとしない人々。システムの中の本質的でない部分を整理してすっきりしたシステムにしようとしない人々。そのような要素を排除することができないように見える集団に,この難しい事業を付託することが正しい判断なのだろうか,ということが問われているように思うのです。
 
Commented by tmiyakawa at 2009-11-19 08:12 x
お古になった高額機器を全国レベルでオークションにかけるシステムを導入して欲しいです。私が以前訪ねた国内のお金持ち研究室では最先端の高額顕微鏡を 1〜2年毎に買い替えていらっしゃいました。ベンチに顕微鏡がずらりと並ぶわけですが、基本的に使っているのは最新のもののみ。最先端のすごい業績を出している研究室は最新の顕微鏡を常に持っていても良いとは思うのですが、使われなくなったお古は国内で有効利用されるべきでしょう。
Commented by 一研究者 at 2009-11-19 08:49 x
単純に研究者自らの欲求のみに基づくのみであれば、公的ファンドをなぜ必要なのか、という議論に戻ってしまうのではないかと。

この研究成果がいつの日か必ず人類に役立つ(単に産業化というだけでなく、人類の英知の一部として活用される)というところを意識する必要が、研究者の側にもあると思うのですが。基礎学理というものは、人類が暮らすこの世界や、人類そのものをより深く理解するためのツールだと思うので、「そういうことを知ること自体に価値があるし、そういうものが結果的に人類の生活を高度にしてきたし、これからもそうなっていくだろう」という説明をきちんとしていかないといけないのではないでしょうか。
Commented by 匿名の研究者 at 2009-11-19 08:59 x
ご尽力に感謝いたします。私の意見は,まず民主党政権が"主導”する国の科学政策といものをきちんと示して欲しい。現在進めている科学政策がどれほど無駄があるかないかは,国が行っている事業約3000全てと,民主党マニュアルによって行われようとしている"目玉"政策全てを仕分けてこそ分かるものだと思います。
 現在行って仕分けは,巨額で独法が行っているという理由において,いくつかの目立つ項目をピックアップしているに過ぎず,科学に費用対効果を持ち込もうとする安易な考えとしか考えられません。科学の先鞭性も理解できない仕分け人や司会には,決して判断出来る事業ではないと思います。 
 また,巨額であろうと,独法が行っていようとも,そこに無駄があるかどうかは,国の政策によって決定されることだと思います。アウトリーチ,アウトカムの重要性は,今や予算獲得の条件であり,行っているのです。受け取る側の納税者や議員さんになかなか伝わらないのは,科学技術への無関心によるところが大きく,それはすなわち,教育の為せる技だと思います。教育,人材育成予算は是非とも増やして欲しいと思います。
 急いで書いたので,支離滅裂ですが,何卒宜しくお願いいたします。
Commented by CJ at 2009-11-19 09:03 x
tmiyakawa先生の意見に賛成です。私は中古市場で遠心機などを購入しましたが、良い状態の顕微鏡はあまり出回っていません。これはおそらく物品廃棄に厳しい制約が課せられているからではないかと想像しているのですが…
Commented by KK at 2009-11-19 09:54 x
皆さんそうはおっしゃいますが、申請書には「役に立ちそうな」ことかいてますでしょ?日本でもアメリカでもどこでもそうです。それを方便だと開き直るのはどうかと思いますよ。
Commented by yt at 2009-11-19 12:58 x
アウトリーチのことについて、あたかも研究者側に全面的に責任があって、研究者が今まで何もしてこなかったから自業自得みたいな意見があるようですが、私はこれは違うのではないかと思います。
確かに責任の一端は研究者側にもあるかも知れません。しかし、行政やメディアの責任はそれ以上に大きいと思います。私は現在アメリカの政府の研究機関に勤めていますが、アウトリーチのために専門の「記者」が雇われていて、何か良い研究成果があったりするとその記者が研究者の所に来て取材して記事を書いたりしています。日本の公的研究機関でも、アウトリーチが重要だと言うならそういう人を雇えば、研究者が時間を割いて素人向けの書類を作る必要もなくなるでしょう。それにアメリカに比べたら、日本のメディアも貧弱に見えます。アメリカだと報道機関が理学博士持ちを雇って科学記事を書いてるのに、日本のメディアはそういうことはありませんよね。日本の科学記事を見る度になんでこうも的外れで不正確なものを衆目に晒せるのかと不思議に思いますが、いわゆるマスコミには一向に改める気配が見えませんよね。結局は彼らも心の底では科学に興味がないからなのでしょうが。
Commented by yt at 2009-11-19 13:12 x
科学研究のアウトリーチに限らず、日本人は専門家に必要以上に多くの役割を押し付ける傾向がある、いわば「素人の甘え」みたいなものがあると思います。例えば、医療でも医者に対して診断・治療に加えて、カウンセラーや宗教家みたいな役割まで求めたり、専門家でなくても出来るようなことまで専門家に押し付けて、結果的にそのパフォーマンスを阻害しています。研究者に対しても同じような状況であると思います。
長くなってしまいましたが、要するに科学者は必要以上に自責の念にかられる必要は無いだろうということです。日本になぜNational Geographicのようなものが無いのか?それは研究者の責任でしょうか?素人も、インターネットを使えば幾らでも情報を得られるのだから、ただ口を開けて待ってるだけで「誰もくれないのが悪いのであって、自分は悪くない」と言うのは筋が通らないと思います。
Commented by HF at 2009-11-19 20:27 x
>日本の科学技術コミュニティーは信頼できるのだろうか
若い世代として、これは非常に鋭い指摘だと思います。理系離れや博士への進学が減少、そしてポスドク問題の深刻化は、若い科学者の卵世代が科学コミュニティーを信頼していないことの表れともいえます。

私は今の日本の科学技術コミュニティーは一部の意見がさも全体の意見となっているように感じます。それは、例えば重要な会議のメンバーをみればわかることです。今回の事業仕分けは論外ですが、それと同時に民主党政権後に実行されたさまざまな科研費の削減の方法も、コミュニティーで力のない人が割を食っているという点で、けっして褒められたものではありませんでした。

学生に支持されないコミュニティーが外部に信頼されるのは、無理だと思います。
Commented by BJ at 2009-11-20 21:46 x
アメリカは原爆で戦争に勝った経験がありますからね。科学のリターンについて理解があるのでしょう。日本でもそういうリターンを示せばよいのだと思いますよ。
Commented at 2009-12-07 21:31 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by osumi1128 | 2009-11-18 02:07 | 科学技術政策 | Comments(49)

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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