APEC女性リーダーズネットワーク分科会

昨日はインプットの多い日であって、まだいろいろと消化し切れていない。
インプットの一つは新幹線の中で読み始めた近刊の『ウェブで学ぶーオープンエデュケーションと知の革命』(梅田望夫、飯吉透著、ちくま新書)が非常に面白いことなのだが、これは読了後に書評を書こう。
他のインプットは2つのイベントに参加したことによる。
そのうち、本日はAPEC女性リーダーズネットワークの分科会に参加した件。
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会議全体は19日から21日まで行われており、初日には管総理や内閣改造で新しく男女共同参画大臣になった岡崎トミ子氏も来賓挨拶をされたらしい。
運営委員会委員長の内永ゆか子さんは、以前、男女共同参画学協会連絡会のイベントで素晴らしいご講演を拝聴したことがある。
こちらが参加したのは2日目の分科会。
リコーの取締役である國井さんが日本側のお世話役であったために、参加のお声がけを頂いた。
3.科学・技術分野:「女性技術者・科学者のリーダーの育成」
(IEEE Japan Council Women in Engineering Affinity Group)
コーディネーター:イレーナ・アトブ博士IEEE WIE 会長
テルソナコーポレーション ネットワークアーキテクチャリライアビリティグループ,テクニカルマネジャー
パネリスト:エリザベス ボン・ブランド博士北カトリカ大学 准教授(チリ)
パネリスト:エステラ ファゲラ・アラバストロ博士フィリピン科学技術省 前長官
パネリスト:シャオ・フェンジン氏Vice President, Qingdao University Vice Board Chairman, Qingdao Haier Qingdao Software Co., Ltd.(中国)
パネリスト:山口 しのぶ博士東京工業大学 教授
パネリスト:國井 秀子博士リコーITソリューションズ(株)取締役 会長執行役員

コーディネーターの方は、IEEEという40万人の会員から成る技術系の国際組織のWomen in Engineering (WIE)というグループの会長を務められている。
もともとは東欧の出身で大学からオーストラリアに移ったとのことだが、事前の準備が行き届いたパネル討論であった(イントロやまとめがしっかりしており、それぞれの持ち時間や役割分担もきっちり整えられていた、という意味)。
チリの方は東北大学で学位を取られて、今週、東北大でも講演される予定(下記参照)。
山口さんはユネスコに長く勤務されていた方だが、質疑応答の際に、日本で科学・技術分野に女性が少ないのは、理系に進学する女子学生が少ないためで、それは大学入試で理系文系を分ける影響が中等教育に及んでおり、早期に文系を選択すると、もう戻れないという点があると指摘されていた。
それぞれの方の話に個性があって面白かった。
とくにScience & Technology分野において女性がunderrepresentativeなのは、まだまだ世界共通であり、国を越えた活動を行うことには、これからも大きな意味があるだろう。

ちなみに、会議全体は公式Twitterアカウントもあり、会場からもリアルタイムに情報発信されるとともに、ハッシュタグを付けての多数のtweetsも寄せられて、会場のサブスクリーンに流されていた。
とても現代的なオーガナイズであったことを付記しておく。

【参考リンク】
APEC女性リーダーズネットワーク
東北大学女性研究者育成支援推進室主催「世界トップクラス研究リーダー養成セミナー」
by osumi1128 | 2010-09-20 09:42 | 科学技術政策

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