内田研@ハーバード大

さて、今回お世話になっている内田さんの研究室のことをもう少しご紹介。
内田さんは京大(当時)の竹市先生(現理化学研究所発生再生研究センター長)のところで学位を取られた頃から知っている。
神経細胞同士の繋ぎ目である「シナプス」で、「カドヘリン」という糊のような役目をする接着分子の働きを調べた仕事は、確かNeuronに掲載されたはず。
その後、理化学研究所脳科学総合研究センターの森憲作先生(当時)のところで1つ目のポスドク(博士研究員)をし、ここからが嗅覚系の研究。
さらに2つ目のポスドクはCold Spring Harbor Laboratoryという、DNA二重らせんのワトソン先生が長く所長を務められた研究所のZach Mainenのところ(当時)に行かれて、さらにネズミの嗅覚系を利用して「意志決定」や報酬系による学習の効果などの高次機能の研究を展開するようになった。
コールドスプリングハーバー留学時代に訪れたこともあり、お家に泊めて頂いて小学校に上がったばかりのお嬢さんと遊んだのだが、もう高校生というのは、なんて時の経つのは早いことか……。
独立してハーバードにラボを構えたのが2005年だっただろうか。
ちょうど今年、Assistant ProfessorからAssociate Professorに昇任された。




ネズミ(ラットやマウス)はヒトよりも嗅覚が優れている。
つまり、嗅覚系を利用したネズミの行動実験は、彼らの優れた資質を利用しているという点に大きなメリットがある。
内田さんが2003年にNature Neuroscienceという国際的に評価の高い雑誌に発表した論文では、2種類の匂いを識別する課題をラットに与えて、その正確さやスピードなどを測定し、ラットが瞬時に匂いによる価値判断をすることを明らかにしている。
今回行う共同研究も、基本的にはこの実験系を使わせて頂く予定(追って、その内容もブログで紹介したいと思う)。
でもって目下、ラットの(私の、でもある訳だが)トレーニング中。

【参考リンク】
仙台通信:内田直滋さんのセミナー(2005年9月29日)
仙台通信:【ボストン便り】ハーバード大学分子生物学部にて(2010年8月14日)
by osumi1128 | 2010-12-17 06:03 | サイエンス | Comments(0)

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


by osumi1128
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