大会3日目&懇親会

今日は朝から自分のセッションが一つありました。
北米神経科学学会(SfN)、欧州神経科学連合(FENS)、豪州神経科学学会(ANS)と日本神経科学学会(JNS)の合同シンポジウムで、神経科学教育について。
案外多くの聴衆がありました。
JNSの10倍の会員数と20倍の事務局スタッフ数を抱えるSfNでは、10年以上前からいろいろな調査をしていて、やはりやはり数字を調べることが政策提言のための基本であると感じました。
ANSは小さな学会であることによる難しさを述べていて、FENSは科学の世界の公用語である英語をどのように科学の専門教育に取り入れるかなどの問題があるという指摘が日本と同様だなぁと思いました。
私からの日本の現状の報告については、必ずしも神経科学だけの問題ではないことも多々あり、大学院生の経済的支援、学生と教員の比率、講義とラボワークのバランスなどを指摘しました。
ちなみに、学生と教員の比率の問題は「岡本の公式」として拙ブログで昔取り上げましたが、ここに再掲しておきます。
仙台通信:キャリアパス関係シンポジウムにて講演

ランチタイムは委員会を2つ掛け持ちしていて、3つの特別企画には参加できず残念でした。
若手キャリアパス企画がもっとも聴衆が多かったようですが、震災企画も、今年初めて行った患者団体連携企画もそれなりの集客があり何よりでした。

午後は展示企業さんに御礼ご挨拶回り。
その後、利根川進先生の特別講演はメイン会場が大入り満員、John Rubensteinのプレナリー・レクチャーも多くの聴衆に恵まれ、充実した一日でした。

シメは懇親会。700名ほどの会だったでしょうか。
昨年からのお約束を果たし、八田達弥さんには本日、さらに本格的な能舞台を見せて頂きました。
八田さんは子ども達に能を教えたり、ボランティアで石巻の被災地訪問と能のパフォーマンスなどの活動もされているとのことで、ご希望により募金箱を置かせて頂きました。
本日の演目は「石橋」でした。
能「石橋」(しゃっきょう)
祝言性では能の中で随一の曲です。登場するのは霊獣の獅子で、文殊菩薩のお使いです。細い天然の石の橋の上で、咲き乱れる牡丹の花に舞い狂う獅子の様子を表した能で、激しい動きが印象的ですが、じつはその向こう側に広がる静寂な文殊菩薩の浄土を逆説的に描いた曲。囃子も舞も能の秘曲として大切に演じられております。

能楽:ぬえの会

明日はいよいよ最終日です。
by osumi1128 | 2011-09-17 00:08 | サイエンス

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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