Reprint Cardというノスタルジー
2012年 11月 28日
お昼の記念茶会では、皇后陛下と直にお話したニュー・ヨーク大学の方も「ハリケーンのこと、きっと回復できますから、頑張って下さいと励まされ、とても特別なかんじだった。素晴らしい!」と感動しておられました。
「天皇はこういうセレモニーが仕事なのか?」と問われたので、「いえ、一番メインのお仕事は、毎日、国民のために祈ることです」と答えたところ、びっくりしていました。
「だから、昨年の大震災が起きたことに陛下はとても心を痛めておられ、沿岸部の被災地に何度もご訪問になっています」と言うと、ちょうどハリケーンの後だったこともあって、感じ入っていたようです。
本日は、新学術領域班の合同の国際シンポジウムにも顔を出して、関係する方と学生さんの論文のディスカッションもあったのですが、夜は明日からのアルトマン先生受賞記念シンポジウムに備えて神戸に移動し、スピーカーズ・ディナーでした。
その折に、University College Londonの先生と昨今の論文事情などを話していた際、reprint cardの話になりました。
Reprint cardというのは、論文が雑誌に掲載され、その一部である自分の論文を「別刷りreprint」として綴じてもらったものを100部などオーダーしておくのですが、後日「貴方の論文のreprintを下さい」というリクエストが「葉書」で届くという時代がありました。
「いろいろな国々から、いろんな切手が貼ってあって、まだ当時学生だったのにDear Professor Dr. John Parnavelasっていう宛名で届くんだよね。あれは良いrewardだったなぁ……」
もちろん、今でも、「論文」はとくに駆け出しの若い方にとっては「名刺代わり」であることに変りはなく、セミナーに呼ばれたときなどには別刷りや自分で印刷したものを持参します。
また、オープン・アクセスになっていない雑誌の場合、図書館でその雑誌のオンライン契約をされていない場合には、「貴方の論文のPDFファイルを下さい」というリクエスト・メイルが届きます。
でも、そのような「電子リクエスト」よりも、リアルなreprint cardは、もっと自分の論文が出た喜びを実感として感じられる<ご褒美>だったのです。
話は「今の論文は、ちょっとチーム型が増えたことも、若い人たちにとって自分の仕事という感じがタイリなくなっているんじゃないかなぁ……」というあたりにも飛びました……。
「昔は良かった」というノスタルジーは、平安時代の文書にも残っていると聞いたことがありますww
明日のシンポジウムのスケジュールはこちら(PDF)です。