東北大学縁の女性研究者#3:小谷元子先生

昨年度から東北大学世界トップ拠点、原子分子材料科学高等研究機構(WPI-AIMR)の機構長になった小谷元子先生は十年来の友人です。
実は、中学校、高等学校が同じだったのを知ったのは、職場が同じ東北大になってから。
純粋数学とくに離散幾何解析学が専門の小谷さんは、2005年に猿橋賞を受賞されています。
すでにCREST研究「離散幾何学から提案する新物質創成と物性発現の解明」でもも数学の応用に取り組んでいますが、上記のWPIでは「数学と材料学の連携」を目指しており、機構の若手のメンバーのコラボレーション促進に尽力されているところです。
日経サイエンス紹介記事:フロントランナー 挑む 第22回 不連続なものの形の本質を探る(2013年1月号)
日経オンライン:「材料科学と数学を融合」 東北大原子分子材料科学高等研究機構長の小谷元子氏に聞く
知の明日を築く(2013/1/17)

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(画像は理学研究科・理学部HPより転載)
その小谷さんが、ケンブリッジ大学名誉教授のJohn Henry Coates先生を日本にお招きし、「週末どこにお連れしたら良いかしら?」と相談されたので、松島&被災地見学ツアーに御相伴することとなりました。
初日の松島は、私は東京で仕事が2つあったために夕食後からの参加でしたが、事前に「日本の古美術蒐集がご趣味」と伺っていたので、そのあたりの話題を振ってみると、出るは、出るは……

「どのあたりがお好きなんですか?」
「16世紀の有田が中心ですね。いろいろ集めていますよ」
「じゃぁ、根津美術館は行きましたか?」
「そこは行った。戸栗も行きました」
「じゃぁ、サントリー美術館は?」
「それはミッドタウンにあるものですか? ちょうど歌舞伎の展覧会になっていました」
「それは歌舞伎座が新装開店だからですね、残念。今度、正倉院展という、天皇家のお宝が年に1度展示されるときに合わせて来日されると良いかもしれません」
「それは是非、行ってみたいね。いつですか?」
……などと続き(←ほとんどオタクの会話ww)、収集品の画像をMacBook Airのモニタで見せて頂きました。

今回、韓国・日本滞在中にネットで購入したというお宝をトランクから出して見せて下さったのですが、江戸時代(たぶん)の、大きめの掛け袱紗(贈答品の上にかける布)のようなもので、とても凝った日本刺繍のモチーフは寿老人が鹿を伴っているというもの。
鹿の毛並みや、寿老人の衣服の襞まで、立体的に刺繍してある技術は、それはそれは見事なものでした。いやー、眼福至極。
うーん、ネットの2D画像でこれを落とせるという感覚は、只者ではないと感服致しました。
いえ、数学ではもちろん超有名な方なのですが、私との接点はアンティークだったので。

翌日は雪の松島となり、五大堂や福浦島を歩いて巡って、お土産物屋さんをひやかしてお昼を軽く頂いたあと、タクシーで宮城野区中野、荒浜、閖上と連れて行って頂きました。
中野ではちょうど、慰霊碑のある向かい側の仙台市立中野小学校に子どもたちや保護者の方々が集まっていて、ちょうど来週に行われる予定の校舎やプールのお別れ会のリハーサルをしているところでした。
慰霊碑に手を合わせた後、近づいてこられた地元の方が「この辺りは大変だったのですよ……」と話しかけられ、「そちらの外国の方は偉い方なのですか?」と聞かれるので、「ケンブリッジ大学の数学の先生です」「彼のお弟子さんが、300年越しの難問を解いたのです(←フェルマーの定理を解いたアンドリュー・ワイルズのこと)」と説明しましたら、「一緒に写真を撮ってもらえませんか?」と請われて記念撮影しました。

d0028322_2059186.jpg詳しくご案内下さったタクシーの運転手さん曰く「瓦礫の撤去は終わって、ようやくこれから解体作業だね。復興はまだまだかなぁ……」
昨年8月にも行った閖上は、桜の木が戻って来ていました。
開花は4月の半ば頃だと思います。

【関連URL】
拙ブログ:閖上に行ってきた
by osumi1128 | 2013-03-31 21:00 | ロールモデル | Comments(0)

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