第30回日本国際賞授賞式

新緑の美しいこの日に、第30回日本国際賞(Japan Prize)の授賞式が、天皇皇后両陛下ご臨席のもと、三権の長(衆議院議長、参議院議長、最高裁長官)もご来賓として迎えての、厳粛かつ和やかな雰囲気の中、摂り行われました。

日本の方には「ノーベル賞」の方が有名かもしれませんが、この日本国際賞、京都賞、そして国際生物学賞は、日本から国内外の研究者を顕彰する大きな賞として知っていて欲しいと思います。
「日本国際賞」(Japan Prize)とは、「国際社会への恩返しの意味で日本にノーベル賞並みの世界的な賞を作ってはどうか」との政府の構想に、松下幸之助氏が寄付をもって応え、1985年に実現した国際賞です。
この賞は、全世界の科学技術者を対象とし、独創的で飛躍的な成果を挙げ、科学技術の進歩に大きく寄与し、もって人類の平和と繁栄に著しく貢献したと認められる人に与えられるものです。
毎年、科学技術の動向を勘案して決められた2つの分野で受賞者が選定されます。受賞者には、賞状、賞牌及び賞金5,000万円(1分野に対し)が贈られます。
1. 京都賞は、科学や文明の発展、また人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した方々の功績を讃える国際賞です。毎年、先端技術部門、基礎科学部門、思想・芸術部門の各部門に1賞、計3賞が贈られます。
2. 受賞者は、各部門とも原則として個人ですが、複数名の受賞もあります。また、国籍、人種、性別、年齢、信条などは問いません。受賞者には、ディプロマ、京都賞メダル(20K)および賞金が贈られます。 賞金は1賞につき、5,000万円です。
3. 各部門とも4つの分野を授賞の対象としております。毎年それぞれの部門で授賞対象分野を定めます。
 国際生物学賞は、昭和天皇の御在位60年と長年にわたる生物学の御研究を記念するとともに、本賞の発展に寄与されている今上天皇の長年にわたる魚類分類学(ハゼ類)の御研究を併せて記念し、生物学の奨励を目的とした賞です。本賞は昭和60年に創設され、以後毎年1回、生物学の授賞分野を選定の上、当該分野の研究において優れた業績を挙げ、世界の学術の進歩に大きな貢献をした研究者(原則として毎年1人)を選考して、秋に授賞しています。
 受賞者には、賞状・賞牌及び賞金1千万円が贈られ、天皇陛下から賜品が賜ります。

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アリス博士の研究分野は、いわゆる「エピジェネティクス」もしくは「エピゲノム」と呼ばれており、遺伝子の働き方がDNAだけで決まっているのではなく、後天的に種々の要因によって変わりうるという現象を扱います。
遺伝子の働き方が変わる原因は、DNAが巻き付いている「ヒストン」という、いわば糸巻きのような役目を果たすタンパク質に、いろいろな化学修飾が加わるからです。
そのような化学修飾にはメチル基が付く「メチル化」や、アセチル基が付く「アセチル化」などがあり、そのような化学修飾を媒介する酵素のうちの一つ、アセチル基転移酵素をテトラヒメナで同定したのがアリス博士です。

この分野の進展は著しいので、どなたを日本国際賞受賞者に決定するのかについては、委員会でも大変な議論があったのではないかと想像します。

来年の「生命・農学・医学領域」の受賞対象分野は「医学・薬学」ですが、これまた大変な激戦と予想。

ちなみに、授賞式後の祝宴のスピーチで、アリス博士は「今回の受賞はとても光栄なこと」とした後、前日に官邸を訪問し、総理に「道路が混んでご迷惑をおかけしたのではないか」と言われ「我が国の大統領訪日のためにご迷惑をおかけしている」と返したそうです。
さらに「翌日に国賓としてオバマ大統領を迎えるご日程の中、両陛下がこの授賞式にご臨席賜ったことを深く感謝致します」と話しておられました。

【追って画像をアップします!】


by osumi1128 | 2014-04-24 00:21 | サイエンス | Comments(0)

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