日本分子生物学会理事のコメント(拙ブログに仮置き)

拙ブログは管理人の所属する組織・団体とは別に個人で管理しておりますが、連休明けまでの間、学会HPの更新作業ができませんので、本人の承諾を得てここに掲載します。こちらは、日本分子生物学会の理事会のMLに本日、出されたご意見です。

【追記】日本学術会議の方からも近々、意見表明が為される予定と聞いています。

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学位審査を含む様々な審査や試験制度は、我々の社会の成立を支える根幹の一つと言っても過言ではありません。たとえ失望を招く結果であっても、皆がその結果を遵守し社会が成り立っています。今回の早稲田大学の調査委員会の結論のように、博士論文が重大な欠陥を含むことは認めながら、間違って製本提出された原稿であるとみなし、、、、学位取り消しは無しと判定していては、社会の根幹を揺るがします。全ての職業人はおろか、小学校入学から大学に至るまで受験を経験する幼稚園児から高校生までに、早稲田大学の責任者は一体どのように説明できるのでしょうか。

上村匡

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皆様
「仮に博士論文の審査体制等に重大な欠陥、不備がなければ、本件博士論文が博士論文として合格し、小保方氏に対して博士学位が授与されることは到底考えられなかった。」というのは、極めて重い指摘だと感じます。この指摘に対して早稲田大と教員の皆さんがしっかりと向き合う必要があることを、教育研究者の声として社会に届けていく必要もあると考えます。
五十嵐和彦


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【追記】
皆様
早稲田大学の小保方氏の学位認定と、その後のCDBのSTAP細胞の論文取り下げ事件は直結しております。本学位論文が、その内容に限らずその後の波及効果も含めて、今までに取りさげられた学位論文の中でも最悪のレベルに位置することは明白であります。その学位を認可するという今回の早稲田大学の調査結果は、(少なくとも日本における)PhDの価値および大学院教育の意義を完全に否定するものとなります。これは、先進国においてあり得ない事態といえます。
渡邊嘉典

Commented by a at 2014-07-19 06:20 x
分子生物学会として、訴訟することは不可能なのでしょうか?早稲田大学はO氏からの訴訟を恐れたと考えられます。であれば、分子生物学会が学位の意義を問うという意味で訴訟を起こすこともあり得る手段ではないでしょうか?
Commented by b at 2014-07-19 11:54 x
どこかで指摘されてるんでしょうけど、一連の理研の対応にしても、早稲田の対応にしても、監督官庁の現文部科学大臣が早稲田出身の方ってことも、かなり影響しているんじゃないでしょうか。もうすぐ、内閣改造ですけど、どうなることやら・・・
Commented by clarahaskil at 2014-07-20 21:35 x
一般市民から見ると、エリート(と自分たちで思い込んでいる人たち)の内輪もめのようにしかみえません。自分たちが胸につけている「博士」という勲章の流通価格が下がる事が我慢ならない、というようにしか聞こえません。
Commented by c at 2014-07-21 22:00 x
↑研究者も「一般市民」です。しかし、一般市民もそれぞれの分野で「プロフェッショナル」でもあるでしょう。そして各分野のプロフェッショナルには守るべきルールがあり、そのルールを破ると、その分野を越えて社会全体に大きな悪影響を及ぼすこともあるというのは想像していただけると思います。
「博士」はいわば「研究者」というプロフェッショナルの免許状みたいなものです。いま理研で起こっている問題の根幹には、O氏がその免許状を不正に取得したことがあると、多くの研究者が考えているということです。
 これは「内輪もめ」で済む問題ではなく、長い時間をかけて日本の社会に大きな悪影響を及ぼすことが懸念されるので、多くの研究者が意見表明をしています。その場としてそれこそ「内輪」で済まさずにblogやTwitterを利用しているのは、研究者以外の「一般市民」にも、この問題の重要性を知って考えて欲しいと思っているからです。
Commented by 匿名A at 2014-07-22 02:13 x
>自分たちが胸につけている「博士」という勲章の流通価格が下がる事が我慢ならない

それは当然の感情であり、また社会的利益の観点からも合理的な意見です。自身の持つ生計に必要な価値が不当な手段で下がることに抗議することはエゴイズムではないと思います。エリートとかそういう問題ではありません。
Commented by Crack at 2014-07-24 10:45 x
初めて投稿させて頂きます。
7月17日付の「博士論文」と題された記事と併せ、また、これまで当該ブログにお書きになられている事には、甚だ問題があると存じます。
ブログでの情報発信にありがちな事ではありますが、事象の推移を冷静に観察・分析してお書きになられているとは思えません。大隅先生や上記の方々は、「早稲田大学がまだ何も決定していないという事実」を踏まえていらっしゃるのでしょうか?
調査委員会委員長の小林弁護士が言われたのは、「規則にないことをやれば、それは‘違法行為’となる」ということであって、法律家として、単なる‘罪刑法定主義’に則った言に過ぎません。そしてそれは調査委員会の結論であり、鎌田総長が続けての会見で言われていたように、報告書を踏まえて、これから早稲田大学が大学としての対応を検討されるのであり、当該大学はまだ何も決定していないのが現状です。
にもかかわらず、「決定がおかしくないか?」という問い掛けは、大学という場において理系・文系を問わず、教養ある人物を育成するべき立場にある方の発言とは、失礼ながら、思えません。
Commented by Crack at 2014-07-24 10:49 x
【続き】
さらに、以前の記事で、小保方氏の論文の問題については11jigenなる人物(?)により充分に立証が為されているとお書きになる一方で、他の方の件については、匿名の告発者が「論文の中身はおろか科学論文の作法をまったく理解していない可能性がある」と書かれ、何らかの「悪意」(=害意、だと解しております)を持った告発である可能性を仰る。しかも、先生御自身の言によれば、告発文をご覧になられていないにも係わらず。
では、先生が評価される11jigenなる者が、何者であり、どのような意図を以って論文不正をサイト上に挙げているのか、当然、先生はご存じなのでしょうね?そうでなければ、科学者として如何なものか?と存じます。
そして、それは一点の曇りもなく純粋な動機からであり、かつ、間違いのないものであるのでしょうか?ライブセルイメージングの画像の歪みに対する指摘については、極めて稚拙な間違いを犯しているのですが。
Commented by Crack at 2014-07-24 10:50 x
言うまでもなく、人が人を断罪する時、断罪する側にも理性が必要です。小保方氏が未熟であるだけではなく、科学者としての資質を問われる状況に在ることは間違いはございませんし、それを否定するつもりもありません。
然りながら、22日に理研と若山先生が訂正されたように、例のマウスの一件も、若山研のマウスと遺伝子が一致する可能性があると、当該事案に関する事柄は極めて流動的要素が多く、かつ、強いと思われます。そのような中で、科学者が浮き足立って、Nature論文の撤回を迫り、学位の取り消しを迫っている状況こそが日本の科学界を自ら貶めていることとなりますし、さらに申せば、先生方の博士の肩書きに疑問符を付けざるを得ません。学位論文やより高度な科学論文という「作品」を作り上げることが科学であるならば、未熟さ、間違い、不正etcを糺すこともまた科学的であらねばなりますまい。
このブログでの記事や、一連の成り行きを拝見しておりますと、「科学には愛と誇りをもって臨みたい」などと、よく仰ることができるなと、正直、思っております。
Commented by osumi1128 at 2014-07-25 00:14
>Crackさま
当ブログで「11jigenなる人物(?)により十分に立証が為されている」と記載した覚えはありませんが? 
Commented by 杜撰 at 2014-07-25 15:50 x
杜撰な研究過程、杜撰な論文、杜撰な論文審査、この杜撰の3セットが大学でも、研究所でもほぼ同じ様な状態で起こっていることが、とてもおかしいと思います。大学と研究所が行っている、「今までに起きてしまったことへの検証」において、杜撰な要素が入り込んでいないか、外部からしっかりと監視し、指摘し、追及していただきたいと思います。現在進行中の検証実験は、起きてしまったことに関する「杜撰な検証」の目隠しに思えてなりません。このままでは杜撰の4セットになってしまいそうです。
by osumi1128 | 2014-07-18 22:01 | オピニオン | Comments(10)

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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