東北大学ゆかりの女性研究者#7:青木洋子先生

8月1日付で教授になられた青木洋子先生の記念祝賀会が過日、開催されました。東北大学医学部医学科としては4人めの女性教授ですが、同窓生として教授就任という意味では初めての快挙です。しかも、これまでの3名は皆、基礎医学系でしたが、青木洋子先生は「遺伝医療学分野」(研究科としては公衆衛生学専攻)で、東北大学病院の診療科として「遺伝科」の科長も兼担されるという意味において、臨床系で初の女性教授ということになります。(註:現時点でまだ古い情報が残っているようでした)

青木洋子先生は、ヌーナン症候群やコステロ症候群などの先天奇形と癌の好発を伴う疾患の原因遺伝子として、癌遺伝子Rasに関わる遺伝子変異を次々と明らかにして、「Rasオパチー(Rasシグナル原因遺伝病)」という概念を打ち立てることに多大な貢献を果たされました。病院では、多数の遺伝カウンセリングをこなすとともに、遺伝カウンセラーの育成にも邁進されています。

東北大学は創立1907年、日本で3番目の帝国大学として誕生しましたが、1913年に我が国で初めて、女子学生の入学を認めました。東北大学大学院・医学系研究科の歴史は、同窓会としては1872年を設立の年とし、さらにその源流という意味では1736年の仙台藩明倫養賢堂まで遡れるようですが、今年はちょうど、東北大学医学部という体制になって100年目にあたります。そのような節目に青木洋子先生が本学医学部卒業生として教授になられたことの意味はたいへん大きいと思います。あ、同級生でご主人の青木正志先生も、神経内科教授としてご活躍。ご夫婦でともに教授という意味でも初めてのケースです。ぜひ、これからの100年の発展のための良いロールモデルになって欲しいと願っています。

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記念講演会後の祝宴には下瀬川透研究科長、八重樫信生病院長はじめ多数のご来賓の先生方がご列席でした。
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祝宴の最後にご挨拶をされる青木洋子先生
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分野や診療科を率いるリーダーとして、ますますのご活躍を!

by osumi1128 | 2015-09-17 11:18 | ロールモデル

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