利根川先生と若い方たちのふれあい

東北大学知のフォーラム脳科学もいよいよ最後のイベントです。本日は国際シンポジウムでもご講演頂く利根川進先生によるパブリックトークがありました。私も前座の3題の講演の中で海馬の発生と神経新生についてお話をしましたが、拙ブログでは利根川先生のご講演後の若い方々による質問コーナーのことを取り上げます。
d0028322_18465486.jpg


今回、仙台市内の4つの高校と、東京学芸大学附属高校の生徒さんと、東北大学の医学部生と理学部、大学院生命科学研究科の学生さん、合わせて15名(男子9名、女子6名)に登壇頂いて、利根川先生に直接質問するという趣向にしました。

研究そのものについての質問は、例えば、iPS細胞は脳科学研究にどのように役立つでしょうか、記憶の書き換えは鬱やPTSDの治療に応用可能でしょうか? などもありましたが、研究の倫理的な側面についての質問もありました。利根川先生は、ヒトへの応用については慎重に考えるべき、動物愛護の精神も必要というお答えをされていました。

質問のために登壇した若い方々は、研究者志向の強いタイプだと思うのですが、キャリアパス的な観点の質問に対しては、良い研究者になるためには、楽観的であること、良いメンターを得ること、何を研究したいかをよく考えること、などが重要と話されました。とくに「独創も真似」(座右の銘でもあり)という言葉が印象的でした。ニュートンの「巨人の肩の上」というお話も引用されつつ、先人のアプローチや戦略を真似ることは重要とのこと。確かに「真似る」と「学ぶ」は、ともに「まねぶ」という言葉から派生したものであり、絵画なら模写、文学でも好きな作家の作品をまるごと書き写す(註:コピペではなく、タイプし直す、書き写す)というやり方がありますね。

「留学すべきか、国内に残るべきか」という質問については、分野にもよるだろうが、外に出てチャレンジすることは重要というお立場のようです。先生ご自身は、大学院から米国で過ごされました。とくに「若いうちに海外を経験すべき」とアドバイスされていました。

研究者と芸術家の類似点についても話されました。どちらも「creativityが重要」であり「好きなことを追求するのが基本」という意味において近いメンタリティーがあると私も思います。

「行き詰ったときにはどうするか?」という質問に対しては「寝て忘れる!」というアドバイスを。そういう行動パターンを取れる性格かどうかが大事なのかもしれませんね。確かに、寝ることは海馬の神経新生にもつながります。

お勧めの1冊としてはダーウィンの『種の起源』を真っ先に挙げられました。その次が『DNA二重らせん』でした。おっと、コーディネータとして「東北大学には『種の起源』の初版本が図書館に所蔵されています」というコメントを入れ損ねました!



今日の利根川先生とのひとときが、参加した皆さんにとって「特別なメモリー」になってくれたらと願っています。さて、明日からはいよいよ東北大学知のフォーラム脳科学の総集編とも言うべき
d0028322_18473183.jpg

画像は、イベント終了後に関係各位の集合写真です。お疲れさまでした♬ 追って読売新聞に報告記事と特集記事が掲載される予定です。
【おまけ】
d0028322_18522362.jpg
終了後も熱心に質問する東北大学の学生さん。
d0028322_18521072.jpg
こちらは母校の後輩たち。





by osumi1128 | 2015-09-27 18:48 | 若い方々へ | Comments(0)
<< 東北大学知のフォーラム脳科学イ... ガールズ・トーク >>