NIH-Japan Symposiumの備忘録:サイエンスを行うのは人

初めて会う方がよく「ブログ、見てます」と仰って下さるのですが、数年前よりもエントリー頻度が下がっているのは、(1)日々のつぶやきはTwitterとFacebookに移行、(2)震災後から2014年終わりくらいまで気張っていたモードからトーンダウン、(3)入れ替わりのタイミングで週刊ダイヤモンドに5週おきにコラム連載、という背景かなぁと思っています。でも、TwitterやFacebookは、自分で何を書いたのか、後から検索しにくいので、やはり長く残したい大事なことは、ブログとしてウェブに記録しておきたいと思います。

2月15日〜17日に、米国衛生研究所(NIH)とのジョイントシンポジウムの第3回めが開催されました。2011年の東日本大震災後、NIHの方々が本学の被災状況を心配されて種々ご支援された御礼として始まったシンポジウムですが、ご準備・運営頂いた関係各位のご尽力に心から感謝申し上げます。
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初日の夕方にキャリア・ディベロップメントのセッションがあり、外山玲子先生のコーディネートとイントロにより、筑波大学の深水先生のトークに加え、今回招聘されたNIH側の若手8名(学部卒業後のpost-bachelerの方から、PhDの学生さん、ポスドクやジュニアスタッフの方まで)にパネル討論に登壇頂きました。東北大学側からの参加者も、学部生や大学院生、とくに多数の留学生が参加して、グループディスカッションも盛り上がっていました。競争の激しいと言われる生命科学業界ですが、「なぜ、この分野に参画したのですか?」という質問に、「良いメンターに恵まれたからです(=高校のサイエンスの先生が良かった、大学の指導教員に勧められた)」という答えが多かったのが印象的でした。やっぱり「先生」って大事ですね……。
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翌日、オープニング・セレモニーで、総長やNIH側の代表の先生のご挨拶に加え、NIH日本人研究者の会(通称「金曜会」)を立ち上げられた尾里啓子先生のスピーチが素敵だったので、記しておきます。(追って英語のテキストを頂く予定)

尾里先生は、「サイエンスを行うのは人である。だから人と人の間の関係性を大事にすることが必要である。かつて日本からNIHに留学した方と、今もNIHにいる日本人の間の関係が続いて、このようなジョイントシンポジウムに繋がった。皆さんも人と人のネットワークを大事にして下さい」という意味のスピーチを、ゆっくりと、でもしっかりと述べられました。

尾里先生の英語は、決してネイティブ的な流暢さはありません。ですが、その分、重みがあるというか、よく伝わるというか……あぁ、表面的な話し方より、やっぱり「中身」が大事なんだだなぁ、と改めて思った次第です。天皇皇后両陛下の話される英語との共通性を感じました。

尾里先生は、日本人女性の中でも小柄な方ですが、その志はとても大きいと思います。2012年の春の叙勲において、瑞宝中綬章を授章されたのは、ご自身のご研究に加えて、日米学術交流等のご功績によるものとのことです。2013年のときには叶わなかったのですが、今回、来日頂くことができて何よりでした。
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ポスターセッションには100題を超える発表があり、若い方々で賑わっていました。元大学院生の耳鼻科の鈴木淳君がポスター賞を受賞したのも嬉しいことでした。画像はラボのFacebookを参照あれ。
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自分が担当したのはNeuroscienceのセッションで、NIH側からは代表を務められたBattey先生と、NIMHのMerikangas先生、国内からは宮川剛先生、本学からは富田博秋先生が登壇されました。
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きっとこの画像で尾里先生の小ささ(物理的な)がわかるはず♬ お隣のMerikangas先生は豪快な方でした!


by osumi1128 | 2017-02-27 21:37 | 若い方々へ | Comments(0)

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