科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業

今朝の最低気温がマイナス6度近くとのこと。
今年は本当に寒い冬になっている。
幸い、ここしばらく雪は降っていないので、車で通うのも楽ではあるが。

さて、ちょっとフォローが遅れたが、文科省の基盤政策課扱いで新規に「科学技術関係人材のキャリアパス多様化促進事業」の公募がwebに掲載されていた。
つまり、1万人余のポスドクのキャリアパスをどうするのかについて、文科省としての施策を打ち出したということだ。文科省のHPには以下のように記載されている。
科学技術と社会との関わりが深化・多様化する中で、博士号取得者等の高度な専門性を有する人材が、大学等の研究機関以外の多様な方面へ進み、その能力を活用することが期待されています。
 本事業は、大学・企業・学協会・NPO等がネットワークを形成し、人材と企業の交流・情報発信、ガイダンス等の実施、派遣型研修など、ポストドクター等の若手研究者のキャリア選択に対する組織的な支援と環境整備を行う取組を、国から委託して実施するものです。


より具体的には、以下のような取り組みについてサポートすることになっている。
(2)事業機関の取組内容
実施機関は、以下の観点から、若手研究人材のキャリアパス多様化のための取組を行
うものとする。
①人材と企業等の交流・情報発信に関する取組
<例>
・若手人材と企業等の人事担当者、研究機関の関係者の交流セッションの実施
・若手、企業側等のニーズを踏まえたマッチング事業
・ベンチャー企業等の合同説明会
・OBの活躍事例等も含めたキャリアガイドブックの作成
・外部の講座・説明会等のイベント情報の集約とホームページ上での公表等
②ポストドクター等の能力開発の取組
<例>
・企業等の研究開発現場への派遣研修、業務体験
・各種ビジネススキル講座、プレゼンテーション講座、起業セミナー、労務研修
・科学館、博物館等のコミュニケーターとしての訓練、実習
・行政機関、ファンディング機関等での派遣研修等
③キャリアパス多様化に係る意識の醸成
<例>
・キャリア設計、就職・転職に関するガイダンス、個別コンサルティング
・研究指導者等を対象にした意識啓発、労務・法規研修
・民間企業に対する人材PR活動等
④運営体制構築に関する取組
<例>
・機関内の運営委員会の設置、連携研究機関や協力機関との連絡会議の設置
・恒常的に情報発信や相談窓口となるキャリアセンターの設置
・企業、機関、団体等との交渉などを行う専門スタッフの配置(常勤/非常勤)
・若手研究者や企業を対象としたニーズ調査の実施等


これらは、文科省の人材育成委員会においてかなりの時間を使って議論したことであり、それらが施策にちゃんと反映されたということは喜ばしい限りである。
ただし、このような取り組みに応募する研究機関等がないと始まらないことなので、是非、全国の大学や研究所で、それぞれユニークな「キャリアパス支援プログラム」を策定して、応募して頂けたらと願う。

私の今のconcernは、このブログの読者層と、こういう支援プログラムを考える側の人たちがどれだけオーバーラップしているか、ということである。
是非、メディアがきちんと取りあげて頂けたらと思う次第。
個人的にも努力はしますが。
by osumi1128 | 2006-01-06 23:46

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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