スタチンの発見

コレステロールを下げる画期的な「スタチン」の生みの親が、東北大学の農学部卒の先生であることを初めて知った。

コレステロール値の制御については賛否両論ある。
平たく言えば、冠動脈疾患の予防にはメバロチンなどのスタチン剤の効果があるが、脳卒中や癌はかえって増加するという。
スタチン剤の代表選手であるメバロチンは日本でも年間400万人に処方され、2000億円ほどの売り上げがある薬で、確かに1990年代後半から心疾患は減少傾向にあるが、癌の発症は年々増えている(国立がんセンターHPより)。
はしょって言えば、薬でコレステロール値を下げても、他の病気になる可能性があるということだ。
適度な運動やバランスの取れた食事の方が健康には大切だと思う。

遠藤章博士は1933年、秋田県の生まれ。
1957年に東北大学農学部を卒業し、三共製薬に入社。
1966-1968年に米国留学後、
1973年、青カビからコレステロールの合成阻害効果のある物質を発見された。
(スタチンは「動脈硬化のペニシリン」と呼ばれることもある)
1979年から東京農工大学農学部助教授
1986年から教授となり
1997年に退官された後、バイオファーム研究所所長。
(以上、秋田県教育委員会HPより)

この度1月12日付けで、「日本国際賞」を受賞されたということが、東北大学のホームーページ(リンク参照)に掲載されていて、このことを初めて知った。
日本国際賞Japan Prizeは松下が出資している国際科学技術財団の賞であり、賞金は5000万円。
もっと日本での知名度が高くなって欲しいものである。
by osumi1128 | 2006-01-14 02:15

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