オメガ3脂肪酸の効果は限定的?

欧米型の食事は心臓血管系の病気を招くと考えられ、魚食が不可能なら魚油に多く含まれるオメガ3型脂肪酸をサプリメントとして摂取するのが良いと長く信じられてきたが、先週、疫学調査のメタ解析から、ポジティブな効果は無いとする論文が発表された。
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JAMA Cardiologyという雑誌は、American Medical Associationという権威ある団体が発行するThe Journal of the American Medical Association(JAMA)という雑誌の姉妹誌であり、信頼度は高い。メタ解析は、500人以上の疫学調査を行った10件の調査を合わせて再解析したものであり、77,917名の心血管系ハイリスク対象者を元にしている。内訳は、男性が47,803名(61.4%)、平均年齢は64.0歳、平均投与期間は4.4年。ランダム化されたオメガ3脂肪酸含有サプリメント摂取(EPA含量として226-1800 mg/日、DHAも含まれているが、調査によって割合は異なる)は、冠動脈性心疾患による死亡、非致死性心筋梗塞、その他の冠動脈性心疾患、主要な循環系障害とは有意な相関を認めなかったという。

これらのうち、冠動脈性心疾患による死亡についてはRR値0.93、p値がギリギリ0.05なので、若干の相関傾向があるかもしれないと思うが、論文の結論としては以下のように書かれている。

This meta-analysis demonstrated that omega-3 fatty acids had no significant association with fatal or nonfatal coronary heart disease or any major vascular events. It provides no support for current recommendations for the use of such supplements in people with a history of coronary heart disease.

我が国でも「メタボにはオメガ3」と信じられて来たが、一石を投じる論文といえる。



by osumi1128 | 2018-02-03 09:46 | サイエンス | Comments(0)

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