加藤和人さん来仙

朝から慶応大学医学部で発生学の講義2コマ。
慶応では数年前から基礎系のカリキュラムを大幅に変えて、MCBIIと称するコースで発生学を教えている。
旧来、医学部系では解剖学の枠の中で発生学を教えるのが通常であるが、現在では分子レベルの話が多く、これはあまり適していないところを大改造された。
外部講師も三分の一くらい呼ばれ、それぞれの専門の話をする。
今日は「神経堤細胞&顔面形成」の講義。

その後、東大の大武さんと四谷でランチを取り、四番町の会議に出てから帰仙。
帰りの新幹線のお供は、『藤田嗣治「異邦人」の生涯』(近藤史人著、講談社文庫)。
昨日、国立近代美術館で展覧会を見て購入したもの。
これだけの数をまともに見たのは初めてで、面相筆で描く裸婦などの輪郭が印象的だった。

今日は、京大人文科学研究所、兼生命科学研究科生命文化講座の加藤和人さんが、東北大学の生命科学研究科に集中講義4コマで来られていて、大学近くの小料理屋で開かれた懇親会に参加。
加藤研ホームページはこちら

「お久しぶり! ゲノムマップもらいましたよ!」でひとしきりその話題。
ゲノムマップは加藤さんのところの大学院生が中心となって作成されたものだが、ポスターだけでなくこちらのサイトも必見です。
このサイトを見てスタンフォードからも問い合わせがあったとか(注:日本人から)。
で、加藤研から配りまくって、でも増刷するお金が文科省にないという。
サイエンスウォーカーと同様に、挟み込みで配るくらいのことをしてもよいのに。
世界地図と同じように、日本中の家庭のトイレの中に張っておいても(例えば)、全国津々浦々の小学校の理科教室に必ず1枚とか、そのくらいのことをしてはどうかと思うのだが。

その後話題は、科学コミュニケーションが、日本であまりに急に盛り上がりすぎなのではないか、また学術会議主導などのトップダウン的なのはどうか、という議論になりました。
みんなが言ってるから乗り遅れないようにしなきゃ、とともに、熱しやすく冷めやすい、のも日本人的で大いにありえるかもしれないことを危惧します。
でも、本当に必要なことなら、きっとたぶん続くと思う。

戻ってきて、今日はもう何もしたくない受け身モードだったので、立花隆のサイボーグの話をNHKで見ました。
関連サイトはこちらになります。
(そのあと、録画しておいたチャングムの誓いも見てしまいました。)
ATRの川人さんのところで開発中の非侵襲型BMIは5年後くらいに実現するかもしれないというのは、思ったよりかなり早い。
by osumi1128 | 2006-04-25 01:14

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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