未来館シンポ打合せ
2006年 04月 26日
たぶん、科学技術コミュニケーター(インタープリター)業界では知らぬ人がいないくらいの人物なのだと思うが、とにかく「一生懸命」を絵に描いたような若者だ。
(注:こう書くと、自分がいかにも年寄りに思えるので不適切。反省)
2001年にお台場にオープンした日本科学未来館のごく初期から活動しておられ、数々の企画展示や出版等に関わってこられた。
高校時代に文化祭委員をしていた身としては、イベント企画や交渉をこなすのは好きな方なので、もし当時未来館などがあったら、そういう職業に就いてみたいと思ったに違いない。
ある意味、今の時代の博物館の企画というのは、非常に総合芸術で、いろいろなメディアやアート業界とのコラボレーションがとても面白いのではないかと思う。
もちろん世の中にはこういう感覚とは違う方もおられて当然だと思うし、そういう価値観を否定するつもりもないが、例えば、脳科学分野の研究費がサポートされるためには、社会へのフィードバックを考える必要があると思う。
それは、単に年度の終わりに分厚い(誰も読まない)報告書を取りまとめるということよりも、市民の心に届く方策を考えなければならないと考える。
ただし、いつも述べていることだが、こういうアウトリーチ活動というのは、現時点ですべての研究者がすべきであると押しつけるのは難しいのではないかとも実感している。
私は基本的には、自分のしている研究を、自分の家族や近しい友人に話すということがアウトリーチの第一歩だと思うのだが、その上で、市民公開講座などは存在すると思う。
いつだったか、ラボメンバーに「お正月休みには是非身近な人に話してみて」ということを言ったことがあるのだが、さて、どのくらいの人が実践してくれただろうか、そのフィードバックは取っていない。
さて、未来館でのシンポジウムは二部構成で、第一部は神戸大の饗場先生と私がそれぞれ40分の講演をし、第二部は長神さんのコーディネートによるディスカッションという段取りにしようとしている。
すでに、100余名の事前申し込みがあるそうだが、とくに第二部がどんな風に盛り上がるかは、とても楽しみなところである。