神経科学学会行事

昨日から神経科学学会本体のプログラムが始まった。
初日は夕方のシンポジウムで、阪大のYさんとともにオーガナイズしたものだが、メインホールの割には聴衆が少なかったのが残念。
Scientific session以外では、本日神経科学学会の初めての男女共同参画シンポジウムがあり、こちらもメインホールにて。
津本大会会長のご挨拶の後、委員長のHさんが女性研究者支援についての現状や、遺伝研に何故女性PIが多いのか、といった話をされ、その後名古屋大学のOさんが神経科学学会が行ったウェブアンケートについての分析を報告された。
最後に私からは学協会連絡会として、神経科学学会の取り組みを応援します、という旨の挨拶を行った。
引き続いて行われた「研究費」についてのセッションはなかなか興味深いものであった。
スピーカーは以下の通り。
脳科学の研究費を考える:研究費はどのように決められ、どのように使われるべきか
オーガナイザー
河田 光博(京都府立医科大学大学院医学研究科)
津本 忠治(理化学研究所脳科学総合研究センター)

シンポジスト
岡本和久(学術振興会研究助成課課長)
鍋倉 淳一(生理学研究所教授、前文部科学省研究振興局学術調査官)
吉田 明(科学技術振興機構研究開発戦略センターフェロー)
金澤 一郎(国立精神・神経センター総長)
廣川 信隆(東京大学大学院医学系研究科教授)
宮川 剛(京都大学先端領域融合医学研究機構助教授)


金澤先生は、過去および現在のの脳科学研究費がどのような枠から配分されていたかについてオーバービューされ、さらに脳科学研究費拡大のために文科省のライフサイエンス課の枠を最大限に生かすべき、さらに他の枠にも積極的に申請すべき、というということを主張されていた。
廣川先生は、基礎研究をしっかりすることが大切、とくにアメリカのスタイルを追従することによる弊害について述べておられた。
吉田さんは、しばらく前まで大学におられた方だが、現在はJSTの研究開発戦略センターというところにおられる。
Funding agency全体にこういうキャリアの方が多くなってほしいと思う。
時間がなくて討論ができなかったのは残念。

祇園祭後の京都はどんなに暑いかと覚悟して来たら、まだ梅雨が明けていなくて、思いの外涼しかったのがありがたい。
明日からいよいよ渡米し、Cold Spring Harbor Workshopのstudentになってくる。
内容は統合失調症とその関連疾患についての、分子、細胞、システムに関する最新の知見についてである。
10日間昼間は英語漬けになるが、今はインターネットに繋がればどこでも日本語環境というのも善し悪しかも・・・
by osumi1128 | 2006-07-20 23:36

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


by osumi1128
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