受胎告知
2007年 06月 10日
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金曜日にダビンチ展を見に行ったのですが、ホンモノとしては「受胎告知」くらいしかなかったように思います。
(違っていたらすみません。でも、あまりレプリカには興味がないので。)
2007年1月までイタリア・フィレンツェのウフィツィ美術館で開催されていた企画展を日本向けに再構成したものということで、レオナルドの広い才能を示す展示会としては面白いのですが、有名な「ウィトルウィウス的人体」の解説など、ちょっとCGなどに頼りすぎの感もあり、第2展示会場は私としてはやや不満でした。
とにかく「視覚的天才」であることはよく分かりました。
三次元空間を三次元として捉えることも、二次元に表すことも、両方に長けていたのですね。
で、「受胎告知」ですが、私の頭の中にあったものよりも実際は大きなタブローで、「遠近法」「シンメトリー」「精密な描写」など、優れた技法に溢れていて、観ていて飽きないものでした。
幸い、待ち時間0分で入れましたが、作品のすぐ近くの列は激混みで、人混みに弱い私は後ろの方からしばし眺めておりました。
保護ガラスに特殊なコーティングがしてあるようで、ほとんどガラスが見えないというのも、テクノロジーの進歩を感じました。
それにしても、「受胎告知」はさまざまなキリスト教モチーフの中でも、生物学者がもっともツッコミを入れたくなるテーマです。
ちょうど日経新聞朝刊文化面に「キリストの家族十選」(京都大学・岡田温司氏による)が始まったところで、最初の2回が、ロレンツォ・ロットとベアト・アンジェリコの「受胎告知」。
ロレンツォ・ロットのものはちょっと異端で、神の子を宿したことを、大天使ガブリエルから告げられ、身に覚えのない処女マリアが非常に驚いているように描かれていますが、普通は、不意のお告げに戸惑いつつも、最終的に自らの運命を真摯に受け入れたものとして描かれることが多いと思われます。
マリアを介して神が人として「受肉」するという発想は、当時の医学的・生物学的知識を考えて責めるつもりはありませんが、他の宗教とかなり異なりますし、父性的要素が強いように感じます。
(生物学からのツッコミとしては、仮にマリアが処女懐胎したとして、その場合に生まれるのはマリアのクローンになるので、男性であることはありえない、というものになります。)
作品鑑賞のためにWEB Gallery of Artの頁を引用しておきます。
こちらの方の解説私の好きな絵も宗教画がまとまっていました。
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ところで、仙台のお寺でお庭が綺麗で大好きな輪王寺の副住職の方が豊かな森を守るヒロイン、植樹ウーマン、コノハというキャラクターを生みだした、という記事が先日河北新報に掲載されており(5月28日)、<異星人組織「オンダーン帝国」と派手なアクションを繰り広げた>らしいのですが、なんと、そんなローカル話題が、さきほどぼーっと環境テレビとして流していたNHKの番組で取り上げられていました。
うーん、早くも全国ネットに流れたなんて……、恐るべし。
うちのサイエンス・エンジェルだってまだなのに、やっぱりコノハのコスチュームのせいですかね?
(註:SAのコスチュームを考えているという訳ではありません。念のため)
それとも、環境問題の関心が高いから?
ついでに、先日あった国際捕鯨会議の関係記事も載っていました。
やれやれ、です。