ユニークであるということ

2月になりました。
朝、エレベーターの中で会った人に「日射しがちょっと変わりましたね」と話すと「そうですね。春が近づきましたね」
気温はまだ低くても、季節は少しずつ動いています。

夜テレビを付けたら「プレミアム10」という番組をやっていて、「華麗なエンターテイメント」をパフォームする3組の「離れ業」を、ちょっと「科学的に」調べていました。
腹話術のいっこく堂の場合には、dual taskを行う能力が高くて、しかも、その状態を外から見ているような脳の働き方をしているとのこと。
二人目は、プロのバトントワラーで世界選手権11連勝という稲垣正司さん。
バトンの重心をカラダのいろいろなところで感じられること、深視力にすぐれること、バトンの回転数がとても多いことによって、華麗で複雑でスピード感溢れる演技になる。
バトン3本でジャグリングもできるし。
うーーん、人間の能力って、本当に凄い!
最後は兄弟ピアノユニット、 レ・フレール。
ピアノの連弾なのですが、手が交叉しているんですね。
それによって、一番低い音がベース、二人の右手がメロディー、その間にカット音が入る感じになっています。
こういう音楽はライブで聴くのが一番でしょう。

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先日、セミナーにお招きした瀬藤さんとの夕食会で、うちの学生S君が(たぶん)「(Cellの表紙イラストを描いてもらった漫画家の)荒木さんから、どんな刺激を受けましたか?」(だかなんだか……)と質問を投げかけたのですが(出だしは、ちょっと曖昧)、そこから「アートとサイエンスに共通すること」というような話題でひとしきり盛り上がりました。

瀬:荒木さんの凄いのは、決して連載に穴を開けないことらしい。とにかく、ひたすら描き続けている。最初は、あの画風だし、全然受けなかったのだけど、そうやって作品を出し続けることによって認められるようになった。ピカソにしろ、モーツァルトにしろ、もの凄い数の作品を作っている。そうやって、自分の「ユニークさ」を創り上げているといえる。
大:でも、フェルメールなんて寡作ですよね? あれだけユニークだけど。
瀬:いや、きっと毎日、何度も描き直していたからで、来る日も来る日も作品に向かっていたのだと思う。
大:あの美しい青色を出すのに高価なラピスラズリを用いて絵の具の調合をしたり、カメラオブスキュラを取り入れたり、という時間も必要だったでしょうしね。
瀬:サイエンスでも、H先生(東大)はquick freeze-deep etchingという電子顕微鏡の技術を応用し、それによって、神経、小腸、内耳と、ありとあらゆる組織を観察して論文にしていった。N先生(元京大)は、遺伝子クローニングの技術で、次から次へと神経伝達物質受容体をクローニングした。作品一つだけでは「ユニーク」かどうかは分からない。一連の作品が集まって初めて、その人の個性が見えてくる。

という訳で、瀬藤さんの場合はご自身が開発された質量分析をイメージングに応用した「質量顕微鏡法」のタッチが加わった作品を多数、出していかれるのでしょう。
by osumi1128 | 2008-02-01 23:29 | サイエンス | Comments(0)
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