二人の女性大臣とノルウェー大使

水曜日は東京都神経科学総合研究所にて先端研究セミナーと称するセミナーに呼ばれて話をしてきました。
東京は武蔵野、西国分寺という中央線の駅からタクシーで10分ほどのところに、府中病院などを含めた病院や研究所がコンプレックスになっているエリアです。
東北大の前に務めていましたのが、小平にある精神・神経センター神経研究所だったので、この辺りの景色はとても馴染みがあります。
セミナーには所内の多数の方々が聴きに来てくださって、かつての共同研究者や知り合いの懐かしい顔を見ることができました。
ホストをしてくださった高田先生、有難うございました。

日本ではセミナーが夕方からで、その後、夕食を共にするというパターンが多いですね。
今回は、かつて住んでいた国立に出掛けました。
大学の街という雰囲気が好きでした。
南口側の道は放射状に延びていて、かつては「街路樹より高い建物を建ててはならない」とう紳士協定があったのですが、私が住んでいた頃にはすでに、それよりも高いマンションなどが建つようになってしまったのは残念なことです。
駅前何キロかの間にはパチンコ屋等は営業できないというのは条例で守られているようです。
住んでいた頃にはなかったのは比較的大きな店舗のスターバックス。
広いウッドデッキが素敵でした。

*****
さて、貧乏性なので(^_^;東京出張の折にはいくつか他の用務も絡めるのが恒例になりました。
(逆に、日程によっては欠席する会議等もありますが)
今週は女性科学者支援のお願いに、小渕優子大臣(少子化・男女用同参画担当)と、野田聖子大臣(科学技術政策担当ほか)との面会を果たしました。


小渕大臣はまだお若い方で、お子さんはちょうど1歳を過ぎたところ。
少子化・男女用同参画担当大臣として、とても相応しいアイコンといえましょう。
日本女子大学の小舘香椎子先生と共に伺って、この夏に出された日本学術会議からの提言についてご説明し、女性科学者支援についてお願いしてきました。

野田大臣の方は別の日に私一人で伺ったのですが、なんと、初めての面会にも関わらず、しかも、国会解散がどうなるか不透明な時期にアポイントを取って頂いたのに、すっかり勘違いして1時間間違えていたというお粗末さ!
研究室の担当者が焦って電話や携帯メールを入れてくれていた頃はまだ新幹線の中。
気がついて連絡を取ったところ、大臣秘書の方からは「とにかく来てください」とのご高配。
東京駅から内閣府までタクシーを飛ばして伺いました(汗
野田大臣は「選べるのだったら男女共同参画担当大臣になりたかったくらい」と仰って下さって、気さくな雰囲気で接して下さいました。
総合科学技術会議の方もご担当なので、より施策に近い具体的なことについての意見交換をさせて頂くことができました。
面会には大臣付の政策担当の方々も同席されていましたが、アポイントの時間をずらしてしまって恐縮でした。

1週間の間に二人の女性大臣にお目にかかりましたが、どちらも背筋がすっきりと伸びていらっしゃるのが印象的でした。
やはり、人に見られる職業の方、なのですね。
野田大臣の方がお年上でキャリアも長い分、姉御的に思いました。
いずれにせよ、やはり男性中心の組織の中では種々のご苦労があったことと拝察します。
ご健康とご活躍をお祈りしています。

*****
本日は、11月22日(土)に開催される「第7回東北大学男女用同参画シンポジウム」の基調講演をお願いしているノルウェー駐日大使オーゲ・B・グルットレ様に、大学からの正式な依頼状をお渡しして、当日のことについてのお打ち合わせ、のためにノルウェー駐日大使館に出向くという用務もありました。
父の仕事(捕鯨関係)との関わりで以前、大使官邸で一度お目にかかる機会がありましたが、今回はまったく別ルートから、御来仙頂くこととなりました。
大使側としては、より地方にも出向いてノルウェーのことをもっと知ってもらいたい、という気持ちがおありで、こちら側は、共同参画の先進国であるノルウェーの事情をお聞きするということが目的。
両方にとってのwin-winの機会になることを願っています。

*****
最後の話題は、東大の黒田玲子先生がICSU(International Council for Science:国際科学会議)の副会長に任命されたとのことでした。
益々のご活躍を!

以下、日本学術会議からのお知らせを転載します。
 マプート(モザンビーク)で開催されたICSU第29回総会において、平成
20年10月23日(木)に実施された役員選挙の結果、黒田玲子第三部会員が
ICSU副会長(渉外担当)に選出されました。日本学術会議からのICSU役員
選出は、1963年の茅誠司会長(ICSU副会長)、1999年の吉川弘之会長
(ICSU会長)以来のこととなります。なお、任期は、次回総会(2011年)ま
での3年となっています。

◆ICSU(International Council for Science:国際科学会議)について
 (1) 1931年設立の非政府、非営利の国際学術機関。パリに事務局。
 (2) 学問分野を代表する国際学術団体と各国を代表する科学アカデミー
   の双方を束ねる科学者コミュニティの国際的な要。
 (3) UNESCOと国際的学術の促進と発達のために密接な協力関係にあるほか、
   多くの国際共同研究計画を展開。
 (4) 構成会員
  ア 国際学術団体会員(29:国際数学連盟、国際薬理学連合など)
  イ 国家科学アカデミー会員(95:日本学術会議、全米科学アカデミー、
   ロンドン王立協会など)
  ウ 準会員(国際学術団体19、国家科学アカデミー7)、及び 国家科学
   アカデミーオブザーバー(12)
 (5) 役員
    会長、副会長2名(科学計画・評価担当、渉外担当)、事務総長、
   財務役員、前会長又は次期会長の6名から構成。
   会長 Catherine Brechignac(France)
副会長(科学計画・評価担当) Kari Raivio (Finland)
副会長(渉外担当) 黒田玲子(Council Member, SCJ)
事務総長 Maurice Tchuente (Cameroon)
財務役員 Hans-Rudolf Ott (Switzerland)
前会長 Goverdhan Mehta (India)

◆日本との関係
 ICSU設立以来、日本学術会議(1949年以前は学術研究会議)が国家科学
アカデミーとして加入。
 分担金額は米に次ぐ第2位。


という訳で、やや女性研究者関係でまとめたエントリーでした。
by osumi1128 | 2008-10-31 01:09 | 科学技術政策

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