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ダイバーシティを考える:野田聖子議員の講演から皇室問題まで

過日、仙台同友会・拡大ダイバーシティ委員会が主催する講演会に出席し、野田聖子衆議院議員の講演を聴く機会に恵まれた。タイトルは「人財輝く日本を創る」。
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最初に取り上げられたのが、こちらの日本の人口動態推移のグラフ。将来の年齢別人口構成はその年の出生率によってある程度予測できる。もちろん、寿命は今のところ、さらに伸びているから修正も必要だろうが。日本の人口は2008年をピークとして減少に転じており、2050年に9,515万人となることが予測されている。絶対数としての人数も問題だが、高齢者人口の割合が現状の約20%から約40%に到達しようとしていることが、さらに困った問題。
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さて、かつてこのグラフが作成されたときに「こんな危険なモノを国民に見せたらたいへんなことになるから、表には出さないように」ということになっていたらしい。ところが、政権交代で民主党(当時)の時代になって、「さすがにこれはマズイでしょう。このまま人口減少したら、日本の将来どうなるの?」という根拠として出回るようになったという。私にとってはものすごいインパクトということはなく、もしかしたら医療系では以前より知られたことだったからかもしれない。(個人的に改めてびっくりしたのは、第2次世界大戦の頃の人口減少は全体から見ればマイナーなものであったことだ。当時はまだ出生率も高く、乳幼児期の死亡率が非常に高かったからだろうか……)

日本という小さな国土で平地が少ない国を考えた場合、サステナブルな生態系として人間という環境に負荷をかける生き物の数がどの程度が適切なのか、つまり、例えば江戸時代の人口なら、いい塩梅にサステナブルなのか、などは不学にして知らないが、年代別人口構成を考えた場合に、働くことが困難な世代を支えるのに適切な就業人口が必要であることは自明である。外国人労働者を急激に受け入れるには種々のインフラ整備も必要であるし(東京2020オリンピックは、そのための準備段階とも言えるが)、300年以上も鎖国をしてきたメンタリティもあって、まずは自国の中で解決せねば、ということで、年金支給開始年齢は引き上げられ(支給を減らすという直接的な効果に加えて)、さらに「女性ももっと働いてね」ということになった。

野田議員曰く、国民の人口減少問題に対して「少子化対策」として捉えられており、「それは女性が産まないからでしょ?」という受け取られ方になってしまって、女性だけの問題になっていたことが大きなムーブメントにならなかった原因と分析(……でもそれって、想像力の欠如ですよね……)。現内閣も、「当初『女性の活躍促進』だったのだけど、このキャンペーンだと抵抗も多かったので、『一億総活躍!』に変わったのです」。こうして、女性の人権や参政権がフォーカスだった「フェミニズム」の時代から、雇用機会均等法に象徴される「男女共同参画」の時代を経て、今は「ダイバーシティ」がキーワードとなっている訳だ。ただし、「どんな組織でも人的構成の多様性が大事。多様性に配慮することが大事」という本来の哲学というよりも、「これまで働いていなかった人たちも働いてね!」という意味で。

人口減少、ワークフォースの減少を手っ取り早く改善するのなら、外国人労働者をもっと受け入れれば良いはずだ。だが、「目の前にいるワークフォースである女性や障害者を活用できない状態で、それは無理」と野田議員はバッサリ。

野田議員はすでに衆議院で連続8期の当選を果たし、1998年に37歳で郵政大臣に就任されたり(当時史上最年少!)、その後、内閣特命大臣も2回経験されているほどの経験をお持ちだが、ご自身が初めて議員になられた頃から、女性議員の割合はほとんど変わっておらず、未だに1割もいないと嘆かれる。現在、北欧のように女性議員の割合を規定する「クォータ制」の導入について議論が為されているというが、なかなか簡単なことではないようだ。

女性が働きやすくする上で「夫婦別姓」は一つの要素なのだが(すべてではない)、日本では明治時代の民法がほとんど改正されておらず、未だにそのまま。そういえば、本学法学研究科長もされた水野法子先生からもう10年以上前に「自民党議員の勉強会で夫婦別姓について説明したら、<そんなことをしたら、孝行娘が村八分になる!>といって怒られた」というエピソードを思い出す。マイナンバー制度にしたのだから、別姓になっても問題無いだろう。「非嫡出子の権利」は認められるようになった。もう一つの砦は「配偶者控除」。国会に女性議員がもっと多くなれば、このあたりも変わることが期待される。

「大学の無償化よりは、幼稚園、保育園の無償化の方が重要」とも言われた。幼児教育の程度と大人になってからの生活保護の割合に負の相関があるらしい(今度、データを探してみよう)。勉強したくない学生がモラトリアムに高学歴化することは確かにワークフォース減少に拍車をかける。ただし、大学院生への経済的支援は欧米並みになってほしいと個人的には考える。「男性の育休は100%保障すべき、液体ミルクの普及も育児のしやすさに繋がる」とも。

野田議員は「経営者が女性を活用した方が儲かる」と発想することが重要と指摘。「女性が参画したら、うまくいかないのではないか?という恐れから、お上から決められた数値目標に嫌々従うということになりがちなのは、成功例を知らないから」ということで、いくつかの会社の事例を挙げられた。「それって外資系だよね?」という予測を大いに裏切り、例えば某食品メーカーであったり、電気機器メーカーであったり、バリバリの純国産企業。

例えばカルビーでは、ジョンソン&ジョンソンから社長を招いて大成功。現在、管理職の女性率は二割、やがて三割になるが、7年連続の増益。働き方に柔軟性を持たせることが大事。営業職だったら、自宅から直接、顧客のところに行き、直帰して報告書は自宅で書けば、満員電車での通勤による体力・気力のロスも避けられる。

例えば日本電産は「24時間働けますか?」的なポリシーだったのが、数年前に「残業0」を掲げるようになったという。その社長に「方針転換されたのですか?」と野田議員が問うと、「そうではなくて、すでに日本人の割合が1割に減って、良い人財をグローバルに集めようと思ったときに出てきた方針が残業0だった」という答え。

つまり、トップがどう考えるかが重要なのだ。だが、野田議員曰く「現在、経団連メンバーもほとんど皆、男性社長、しかも叩き上げ。関係性に縛られるとリストラ含めて合理的な判断がしにくくなる」。また「むしろ、中小企業の方がこれからはトップがリーダーシップを発揮して良い改革がやりやすいはず。ダイバーシティを受け入れることは、むしろ男性の人生の支えになる。日本ほど自殺の多い国は無い。男性が幸せでない国には将来が無い」とも言われた。

講演の1時間があっという間で、すべてメモにすることはできなかったが、大いに刺激を受けた。野田議員には内閣特命科学技術担当大臣をされていた頃、2008年にお目にかかったことがある(実はアポイントの時間をミスるという大失態だったのだけど)。本も出されて知られていることだが、生殖補助医療により卵子提供を受け高齢出産され、そのお子さんには種々の特別なケアが必要という状況が続いており、それでも政治家として活躍されているバイタリティには敬服するしか無い。ご自身が政治の世界でマイノリティであり、さらにハンディを持った人への理解も深いことは、野田議員のポリシーに影響を与えていると推測する。これからのご活躍に期待したい。

話は変わって、というか実は大いに関連するのだが、先週、秋篠宮家の眞子さまが御結婚を予定されているというスクープが飛び出した。お若いカップル誕生はたいへん喜ばしいことなのだが、なぜこのタイミング? しかも正式なご婚約ご発表としてではなく……、ということの背景にはいろいろあるのだろう。ともあれ、日本での報道は「相手はどんな人か? どんなところでデートしたのか?」などのゴシップが多いように思うが、国外での報道は「プリンセスが皇族から離れることになる」という点がタイトルになっているものがほとんどだ。

眞子さまと同世代の皇族の中で男性は唯一、悠仁さまだけなので、このまま「宮家を継げる、創設できるのは男子のみ」で続けると、皇族の数はどんどん減ってゆく。これまた冒頭の日本の人口動態と同様に火を見るより明らかな予測なのだが、なぜか「女性宮家」の問題についての議論も後回しにされてきた(直近では民進党の中で議論されている。もしかしたら付帯決議に持ち込まれるかもしれない)。日本はつくづく、都合の悪いことは見ようとしない国だとしか言いようがない。

さらに言えば、「女性天皇」の問題や「女系天皇」の問題が控えている。今上天皇の御譲位に関しては、直近の実務的な問題として19日に閣議決定されたが、もし我が国がローマ法王よりも長く続く皇室をこれからも維持したいと考えるのであれば、21世紀の社会状況や皇族の方々のお気持ちも踏まえた上で、ぜひ「生物学的な観点」も入れた議論をして頂きたいと願う。生物の世界では、(皇室問題に使うには乱暴な言葉ではあるが、ここでは敢えて使わせて頂くとして)「雑種強勢(すなわち純系は弱い)」は定説であり、DNAレベルでのダイバーシティが重要ということは了解事項である。

【関連拙ブログ】

by osumi1128 | 2017-05-21 09:45 | ロールモデル | Comments(2)

ミシェル・オバマ氏のファーストレディとしての最後のスピーチ:多様性と教育を信じて

先週の金曜日にミシェル・オバマ氏がホワイトハウスで行ったスピーチが素晴らしかったので残しておきます。大統領夫人、つまりファーストレディとして最後の公式スピーチとのことでした。(画像はNBCのサイトから転載しています)
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プロンプト無しの21分のスピーチの中で、とくに若い方々に向けて人的多様性(diversity)こそが、アメリカ合衆国の伝統であり、力であることが強調されました。さまざまな国々からの移民を受入れ、何世代にもわたり、その多様な文化、才能、考え方が融合することで、米国が素晴らしい国になったのだと。それぞれ多様な宗教を信仰していても、みな、誠実さや正義、正直さが大事だと唱えているのだから、それに誇りをもち、その多様性を認めることが大切だと。

You see, our glorious diversity, our diversities of faiths, and colors, and creeds, that is not a threat to who we are. It makes us who we are.
つまり、私たちの多様性の輝かしさ、信仰や信条や肌の色の違いというものは、私たちを脅かすものではありません。それは私たちを私たちたらしめるものです。

ただし、このような権利は、ただ与えられるものではなく、日々、努力して獲得していくべきものだ、とも付け加えていました。

Right now, you need to be preparing yourself to add your voice to our national conversation. You need to be prepared yourself to be informed, and engaged, as a citizen. To serve and to lead, to stand up for our proud American values, and to honor them in your daily lives. And that means, getting the best education possible, so you can think critically. So, you can express yourself clearly.
今から、皆さんは国レベルの会話に、あなたの声を付け加える準備をする必要があります。情報を得て、市民として参画する準備をです。市民として携わり、先導し、誇らしいアメリカの価値のために立ち上がる必要があります。日々の生活の中でその価値を称賛することが必要です。そしてこれは、最上の教育によってこそ可能となります。教育によって、批判的に考えたり、自分自身を明瞭に表現することが可能となるのです。

このように、「教育(education)」という言葉を繰り返し述べられたことが印象的でした。教育を受けることができる環境は、世界中すべてではありません。ミシェルさんは自分の夫や自分が大統領やその夫人になったのも、すべては教育のおかげであり、それを享受しつつ努力したことが元であると信じています。それこそがアメリカン・ドリームであると。例えば、以下のようなフレーズが心に残りました。

Be empowered. Empower yourselves with a good education. Then get out there and use that education to build a country worthy of your boundless promise.
Lead by example with hope. Never fear.
エンパワーしましょう。良い教育によって自分をエンパワーするのです。そうしたら次は、その力を用いて、この国があなたの果てしない望みにかなう国となるようにしましょう。希望を持って模範を示すのです。決して恐れることはありません。


締めくくりとして、「皆さんにとってのファーストレディとなれたことは、私にとってもっとも光栄なことでした。そして、皆さんが私のことを誇りに思って下さったのであれば幸甚です(Being your First Lady has been the greatest honor of my life, and I hope I've made you proud.)」と述べるあたりでは、ミシェルさんの目にも涙が浮かんでいました。

昨年の大統領選の後にも書きましたが、ミシェルさんが将来、米国大統領に選ばれる可能性はあっておかしくないと、さらに確信したスピーチでした。

【参考リンク】
ニューヨーク・タイムズの記事(動画抜粋にテキスト付き):

フル動画:

Elle誌にスピーチの全文テキストが掲載されていました:

by osumi1128 | 2017-01-08 21:26 | ロールモデル | Comments(0)

2016年米国大統領選私見:女性大統領はいつ生まれるか?

2016年11月7日、次期米国大統領の選挙が行われ、大方の予測を裏切って(ということらしい)ドナルド・トランプ氏が当選した。多くの方々が種々のコメントを出されているが、あまり取りあげられていない脳科学的な視点から論じてみたい。

『ロスノフスキ家の娘』という小説をご存知の方はいるだろうか? 今ならダン・ブラウンにあたる稀代のストーリー・テラー、ジェフリー・アーチャーによって、原著『The Prodigal Daughter』が発表されたのは1982年、つまり34年前のことだ。ポーランド系移民の主人公の一生を描いた『カインとアベル』の続編として書かれ、そのアベル・ロスノフスキの娘、フロレンティナのことを描いたのが『ロスノフスキ家の娘』である。原題は文字通りに訳すと「放蕩娘」になってしまうが、その背景知識として必要なのは、聖書の「放蕩息子の帰還 The return of the prodigal son」(ルカによる福音書)である。
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小説の中で、フロレンティナは米国初の女性大統領を目指し、当選を果たす。この本を読んだ20代の私は、「やっぱりアメリカなら、きっとそういうことも近い将来にあるのだろう」と思った。しかしながら、その予想は大幅に間違いであったと2016年時点で言わざるを得ない。ヒラリー・クリントン氏は、2008年の大統領選ではオバマ現大統領との民主党指名候補争いの時点で負け、今年は共和党候補のトランプを制することができなかった。

この理由について、民主党政権から共和党への揺り戻しであったり、米国における市民の断絶、はたまた米国がブッシュ家とクリントン家で四半世紀も統治されることになってよいのか、データを読み間違えて最終版に民主党が選挙キャンペーンの手を抜いた、など、さまざまな論点から議論が為されている。「なぜヒラリーが勝てなかったか? それは彼女が女性だから」という論旨のブログ記事もあった(下記参照)。この点について、少し違う論点を指摘したいと思う。

ヒラリー・クリントンはある意味、「完璧な女性大統領候補者」であった。その真骨頂は「敗北宣言スピーチ」に現れていると思う。負けは負け、勝てないことがわかった時点で、あのようなスピーチを短時間に準備できる才能やブレインに恵まれ、それを堂々とこなされていた。だが、その「完璧さ」が実は、彼女の名前と合っていない。Hillaryというファーストネームは、「hilarious」という語を想像させる。「大はしゃぎの、愉快な」という意味になるが、子ども時代は別として、大人になったヒラリーのパーソナリティーとはかけ離れた印象がある。

もう一つ、似たような心理ギャップは、政党のカラーコードだ。クリントン氏は民主党であり、民主党のカラーは青で、共和党が赤である。生得的かどうか別として、トイレの表示に象徴されるように、赤と青が対として用いられる際には、赤は女性を、青は男性を表すことが多い。しかしながら今回、女性のクリントン氏が民主党なので、そのカラーコードとして「青」を使わなければならなかった。これも潜在的な違和感になったかもしれない。

これは認知心理学において「ストゥループ効果」と呼ばれるもので、文字の意味と色が合っていない場合に、その認識が微妙に遅れてしまうという現象があることを根拠にしている。例えば、「赤」という文字が「青」で書かれていると、「赤」で書かれた場合よりも色名を応える問題の答えが遅れる。逆に、文字を読み取る場合にも同様のことが生じる。

余談であるが、某日本の航空会社は日の丸を背負って「赤」をコードカラーとしているが、その関連ショップが「ブルースカイ」という名前であるにも関わらず、やはり赤を使っていることも、色の認知との不一致があるので損をしていると思う。赤と馴染みの良い名前に替えた方が印象はずっと良くなるだろう。

人間はアンビバレントな生き物である。ポリティカリー・コレクトに振る舞う人でも、その判断には理性と感情のせめぎ合いがある。あるいは、意識レベルと無意識レベルの葛藤がある。大雑把に言えば、大脳皮質と扁桃体の好みや判断は常に一致する訳ではない。

上記の脳科学的な観点から予測するのであれば、女性大統領候補は共和党から立候補した方が、カラーコードを最大限に選挙キャンペーンに活かせるという意味で若干有利な気がするが、より保守的な同党からは、副大統領候補にはなっても、大統領候補には当面、難しいかもしれない。

あるいは、女性大統領候補としてのキャラクターとしては、ヒラリーという名前に相応しい若さや華やぎが必要だったのだろうが、この点についても、「強いアメリカ」に夢を抱く人々が「大統領候補はタフでなければならない」と信じている限り難しい。「若い女性」は「タフ」というイメージから遠くなる。

しばらく前に機上で見たハリウッド映画で『エンド・オブ・ホワイトハウス』というものがあり、米国大統領がテロリストに乗っ取られたホワイトハウスの中でアクションを繰り広げていた。舞台を英国に移した続編『エンド・オブ・キングダム』でも同様だ。これは米国民にとっての大統領のイメージの反映かもしれない。実際には、戦闘の前線に赴くことなく、ボタン一つでその行方を左右することができるのが現代であるにも関わらず。

何歳くらいの女性なら強さと若さのバランスを取れるのだろう? 2008年の選挙戦の折、党指名候補戦後半でのクリントン氏には疲れが滲んでいたことを思い出す。今回の選挙でも、中盤あたりで調子が良くなさそうなときがあったように思う。年単位で行う米国大統領選の難しさを痛感する。世界で女性がトップになっている国は直近の英国を含め、いくつもあるが、米国大統領というポジションは、選挙の長さに加えて選挙人制度という観点からも、まだまだ難関のように思う。

女性は「次世代を生むことができる性」であるため、いわゆる厄年(30代前半)に良いキャリアを積む作戦をよく考えないといけないし、さらにその後は更年期障害をどのように乗り越えるかという問題もある。人口の半分を占める人材をうまく活用するためには、「米国初の女性大統領」は極めて象徴的なロールモデルとなるだろう。ちなみに、ロスノフスキ家の娘のフロレンティナが物語の中で大統領になったのは50歳直前くらいだったと記憶している。

現ファースト・レディであるミシェル・オバマ氏は、今回の選挙戦で露出度が高まり、良いスピーチをしたことも知れわたったので、政治家としての経験も詰めば(必須ではないことは、今回のトランプ氏の例もあり)、2020年か、遅くても2024年あたりに良い戦いができるかもしれない。今後に期待したい女性である。


【参考記事】
個人ブログtarareba722's blog

Wikipedia

ニューズウィークジャパン

by osumi1128 | 2016-11-12 09:11 | ロールモデル | Comments(0)

名古屋大学の女性研究者育成に学ぶ

過日、学内の多元物質研究所の男女共同参画セミナーがあり、パネリストとして招かれたのでお邪魔してきた。基調講演の講師は、名古屋大学大学院理学研究科の森郁恵先生で、名大が「女性限定公募」を行ったことにより、良い効果があったこと、リーディング大学院プログラムの中に「女性リーダー育成」を位置づけ、毎年「女性が9割、男性1割」の合宿を行ったこと、学童保育、単身赴任等の問題が次々と浮かび上がり、それを1つずつ解決していったこと、などを語られた。現時点で、名大理学部の女性教員は18名、29%とのこと(まぁ、欧米なら普通か、まだ少ないくらいです)。「逆差別ではないか」とよく言われる「女性限定公募」について、良い面の方が多かったと言い切っておられた。
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名古屋大学は、工学部よりも理学部が強い大学だからこそ、という面もあると思われる。森先生曰く、「女性が入って来たことによって、変革が進んだ」とのこと。(世の中には、「変革を望まないから、女性に入ってきてほしくない」という組織も多いだろう) 合宿は子連れOKにしているので、女子大学院生にとって、子どもを持つことのの疑似体験になったり、男性が「マイノリティ」としての気持ちを味わって、理解を深めるなどの効果があるとのこと。
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最後は、森先生の後に採用された女性神経科学者とともに、「世界拠点」の概算要求を通したというお話。名古屋大学ゆかりの郷通子先生のところに相談しに行った際、「女性でこういう相談に来たのは初めて」と言われたという。
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パネル・ディスカッションは、所長の村松淳司先生が司会役となり、森先生に加えて、本学生命科学研究科の杉本亜砂子先生と大隅が加わった。生命科学研究科では、昨年の人事で2名の公募を女性限定にはしなかったが、結果としてどちらも女性が選ばれ、現在、ようやく3名の女性教授となった。

フロアとのディスカッションでは、女性教員からの仕事との両立やキャリアパスの現状についての不安や、女子大学院生を抱える男性教授の悩みなどが語られ、かなり本音の突っ込んだ議論ができた。

ともあれ、国大協の目標である「2020年までに女性教員比率を20%に!(トリプル20)」がオリンピックとともに迫ってきている現状にどのように対応するか、それぞれの大学、それぞれの部局における対応が求められている。

【参考リンク】

by osumi1128 | 2016-02-27 23:49 | ロールモデル | Comments(0)

ガールズ・トーク

第45回日本神経精神薬理学会・第37回日本生物学的精神医学回のシンポジウム「精神疾患関連遺伝子の生理機能について」で発表してきました。
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こちら、実は「女性シンポジウム」という企画で、演者は皆、女性でした。

今から15年以上前に、日本分子生物学会で同様に、男女共同参画企画として女性オンリーのシンポジウムに呼ばれたことがありました。終わった後、発表した女性研究者で一緒に食事をしたときに、「女性だからって集められるのって嫌!」というような意見で一致したことを思い出します。当時は今よりずっと女性PIが少なかったので、このシンポジウムでトークをした研究者の専門はかなりかけ離れていて、「寄せ集められた感」が強かったということもあります。

それに比べると、今回は、言われなければ女性シンポジウムだとはわからなかったかもしれません。お互い関連のある研究で発表する側も楽しめましたし。この15年の間に少しずつではありますが、着実に女性研究者が増えてきたことは事実です。もっと裾野が広がれば、もっとトップも高いところに到達すると思います。

この打合せの夕食会を前日に行ったのですが、黒田公美先生が「女性4人のトークなんて、SATCみたいですね!」と仰って、急遽、自分の発表の際、ジョーク・スライドとして1枚加えました♬ 誰がキャリーで、誰がサマンサなのか……、は別として、ガールズ・トーク(?)で盛り上がったシンポジウムとなりました。「緑一点」だった座長の鍋島俊雄先生、ありがとうございました。
(画像はScreenCrushというサイトから借用させて頂きました♬)
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発表の後は、とんぼ返りして、学位記授与式が終わった博士課程修了学生さんと、論博を受理された共同研究者のお祝いをしました。
ラボFacebookをご笑覧あれ。

by osumi1128 | 2015-09-25 22:39 | ロールモデル | Comments(1)

東北大学ゆかりの女性研究者#7:青木洋子先生

8月1日付で教授になられた青木洋子先生の記念祝賀会が過日、開催されました。東北大学医学部医学科としては4人めの女性教授ですが、同窓生として教授就任という意味では初めての快挙です。しかも、これまでの3名は皆、基礎医学系でしたが、青木洋子先生は「遺伝医療学分野」(研究科としては公衆衛生学専攻)で、東北大学病院の診療科として「遺伝科」の科長も兼担されるという意味において、臨床系で初の女性教授ということになります。(註:現時点でまだ古い情報が残っているようでした)

青木洋子先生は、ヌーナン症候群やコステロ症候群などの先天奇形と癌の好発を伴う疾患の原因遺伝子として、癌遺伝子Rasに関わる遺伝子変異を次々と明らかにして、「Rasオパチー(Rasシグナル原因遺伝病)」という概念を打ち立てることに多大な貢献を果たされました。病院では、多数の遺伝カウンセリングをこなすとともに、遺伝カウンセラーの育成にも邁進されています。

東北大学は創立1907年、日本で3番目の帝国大学として誕生しましたが、1913年に我が国で初めて、女子学生の入学を認めました。東北大学大学院・医学系研究科の歴史は、同窓会としては1872年を設立の年とし、さらにその源流という意味では1736年の仙台藩明倫養賢堂まで遡れるようですが、今年はちょうど、東北大学医学部という体制になって100年目にあたります。そのような節目に青木洋子先生が本学医学部卒業生として教授になられたことの意味はたいへん大きいと思います。あ、同級生でご主人の青木正志先生も、神経内科教授としてご活躍。ご夫婦でともに教授という意味でも初めてのケースです。ぜひ、これからの100年の発展のための良いロールモデルになって欲しいと願っています。

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記念講演会後の祝宴には下瀬川透研究科長、八重樫信生病院長はじめ多数のご来賓の先生方がご列席でした。
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祝宴の最後にご挨拶をされる青木洋子先生
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分野や診療科を率いるリーダーとして、ますますのご活躍を!

by osumi1128 | 2015-09-17 11:18 | ロールモデル | Comments(0)

第112回内科学会総会・講演会の公開シンポジウムに参加して

春の行楽シーズンまっさかりの京都で開催された第112回内科学会総会・講演会の男女共同参画企画公開シンポジウム「やりがいのある未来を拓くチャレンジとは?」で基調講演を行いました。

今回のタイトルは「無意識のジェンダー・バイアスに気付くこと」というタイトルにして、具体的にどのようなバイアスがあるのか、そのことがどんな風に劣性のスティグマを与えるのかなどについて、拙翻訳本『なぜ、理系に進む女性は少ないのか?』や、同じ時期に上梓された『リーン・イン』などからの事例も挙げつつ指摘し、東北大学の取り組みについてご紹介しました。

それはともかく、他に登壇された方に、埼玉医科大学教授の名越澄子先生、東北大学教授の清元秀泰先生(本願寺参与でもあり)だけでなく、ベネッセ・コーポレーションの取締役・人財部長の村上久乃さん、映画監督の三島有紀子さんなどもおられ、異業種の方とご一緒する貴重な機会でした。お声がけ頂いた京都大学教授の柳田素子先生、ありがとうございました。

ベネッセさんはすでに女性管理職30%に達しているとのことですが、「でも、まだ50%ではないのです」ということで、さらに人財を活かす工夫をされているとのこと。そもそもの女性活用も、「もともとベンチャーでしたから、優秀な男性は皆、一流企業と言われるところに取られてしまうので、男性であれ女性であれ、良い方に活躍してもらう必要があった」からとのこと。そう、女性が10%しか参画できないということは、40%も失われる人財があるということですね。
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三島さんは高校時代から映画を撮り始めて、好きなことに近いことを職業にできたらという思いでNHKに入局。Nスペや「トップランナー」のディレクターも務めた後、映画監督として独立された方。この春は、人気漫画アニメをベースにした『繕い裁つ人』が公開されています。

今日のお話の中には、実はお父様がオーダーのスーツしか持っていない方で、昨今の「ファスト・ファッション」と真逆の価値観を伝えてみたいということがきかっけになっていたというエピソードが披露されました。そんな「伝えたいこと」の上に、漫画のストーリーという枠組みを見出し、それぞれの人物像には、また新たに三島さんの考えるキャラクターが埋め込まれていき、例えばヒロインなら中谷美紀さんが実際に演じることにより動き出して映画になる……というようなことを、打合せのときに伺いました。映画でも何でも「メイキング」が大好きなので、こういうお話はワクワクしました。

そういえば、女性の映画監督の方、増えてますね。松井久子さんあたりが先駆者でしょうか? 河瀨直美さんはカンヌ映画祭で賞も取られました。ドキュメンタリ−では佐々木芽生さんなども。確実に良いロールモデルが出てきて、さらに後に続く方が生まれてきているのだと思います。講演でも話しましたが、「ロールモデル」が「見える化」することはとても大事だと思います。

映画監督は、男性が8割9割の、50人くらいの撮影部隊を率いるリーダーです。男性が多いのは、やはりロケなど体力が必要な職業であるからですが、三島さんは、「適材適所、相手の得意そうなところを見極めて配置を考えたりします」と言われていました。女性であれ、男性であれ、リーダーとして大切な資質だと思いました。

*****
今、映画情報をチェックしましたら、仙台での上映は朝9:35から1回のみで、18日で終了!(泣)これはDVDを待つしかないでしょうか……。

by osumi1128 | 2015-04-12 22:49 | ロールモデル | Comments(0)

明治大学男女共同参画推進事業キックオフシンポジウム

本日は「国際女性デー」とのことで、Googleロゴマークもスペシャル版です。
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ちょうどその日に、文科省の支援を受けた明治大学の男女共同参画推進事業のキックオフシンポジウム「前へ! 明治大学における男女共同参画」(明治大学らしい!)で基調講演をするようにお声がけ頂きました。東北大学の男女共同参画をこれまで10年以上にわたって牽引されてこられた辻村みよ子先生からのご依頼ですので、これは断れません……。学長自らの開会のご挨拶、ご来賓としてJST執行取締役の渡辺美代子様、森まさこ前特命担当大臣のご来賓ご挨拶の後、私自身は東北大学の「3女子大学生入学」に始まる歴史と現状をお話させて頂きましたが、もう一人、文京区長の成澤廣修様からの基調講演が興味深かったので、こちらに残しておきます。
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成澤様は「初めて育休を取得した首長」というユニークな経歴をお持ちです。ご結婚後、ようやく授かったお子さんのために育休を取得したことが、結果として「首長が率先して男性の育児休暇を促進する」ことに繋がったと話されていましたが、「女性が<現状の>男性と同じ働き方をすることを目指した男女共同参画では、けっして社会は良くならない」という主張をされました。まったくそのとおりです。かつて「24時間働けますか?」というキャッチコピーがありましたが、今でも日本の残業時間数は世界一です。ようやく「片働き」が標準な家庭ではないように税制改革も為されるのでしょうが、まだまだ男女の給与格差も大きく、それは、主たる働き手は職場にすべてを捧げることを前提としているように見えます。
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また、パネルディスカッションの折に、人口学がご専門の明治大学附属明治高等学校・明治中学校校長の安蔵伸治先生は、現在日本で急激に進んでいる少子化を防ぐには、20代で第一子を出産するようになるべきと話されていました。現在の30代前半の給与が男性が420万円、女性が290万円であり、社会として子育てを支援する仕組みが必要なのだと思われます。実際、若手男性教員として登壇された農学部助教の出崎能丈さんは、「ポスドクを続けたり、任期制の教員などの不安定さが、結婚や子どもを持つことを阻んでいる」と話していました。

社会の意識を変えるというのは、そんなに簡単ではありません。でも、現実に、諸外国では「今日はボクが子どもをピックアップする日なので、じゃあね」と言って5時に帰る男性のAssistant/Associate/Full Professorは「普通」ですし、私よりも年上の年代の方でもそうでした。日本の方々が「働くのが好き」な割には効率が悪いのは、合理的な判断をしないからなのでしょうか……。

ともあれ、附属中学校・高等学校(しかも偏差値74という難関)を持つ大きな私立大学の明治大学さんは、種々の高大連携の仕組みも持っておられるようですから、そのような意味でも大学が推進する男女共同参画がうまくいくことを心からお祈りしています。世界には極端な父性的宗教に基づく国もあります。生物学的レベルでは、男女のゲノムは0.3%程度異なりますが、法の下の平等の精神と、異なることが素晴らしいというダイバーシティーの理念がうまく融合してほしいと思います。

【追記】
ちょうど、3月5日付でOECDからの報告書も出ていました。

by osumi1128 | 2015-03-08 18:47 | ロールモデル | Comments(0)

天野先生の講演会:「何になりたいか」ではなく「何をしたいか」が大事

御用納めの金曜日、2014年のノーベル物理学賞を受賞された天野浩先生の講演会が、東北大学多元物質研究所と、東北大学「知のフォーラム」の事務局である知の創出センターの共同主催により、仙台市民会館で開催されました。開場は高校生を中心とした市民で満員御礼。(画像は上記専用HPのものを拝借しました)
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まず、東北大学金属材料研究所教授 松岡 隆志 先生が「白色LED光源の発光原理、開発経緯、そして、その意義」という講演を前座でなされたました。松岡先生ご自身も、青色発光LEDの開発の一翼を担った方でもあります。

続いて、天野先生の登場! お話の前半は「10月7日から12月16日まで」に怒った出来事を画像とともに紹介されました。曰く「あなたがもしノーベル賞を受賞したら、どんなことが待ち構えているのかの予備知識として」とのこと。何度も「講演や王室主催晩餐会では英語で話さなければならないので、英語の勉強は大事」と繰り返されました。また、大学生の企画がいろいろあって素晴らしいと思ったこと、ストックホルムの高校を訪れた際に、数学の授業でグループワークをしていたのが印象的だった、とも。

後半のご自身の研究についての部分では、「高校時代から<社会に貢献したい、社会を変えるようなことがしたい>という気持ちが強かった」ことから始まり、卒業研究から修士課程の間に「1500回失敗した」というエピソード、それを克服するきっかけとなった「偶然」と「先輩の話」について話されました。

その後、東北地方の10名の高校生(うち女子は4名)とのトークセッションとなりました。高校生たちは皆、「将来、研究者になりたい」、「素粒子物理学に興味がある」、「SSH校で科学部所属」など、アカデミック意識の高い生徒さん。天野先生への質問では「実験を失敗したときに、どうやったらモチベーションを保てるのですか?」、「研究者になるためにはどうしたら良いですか?」など。

天野先生からの答えとしては、「<何になりたいか>よりも、<何を成し遂げたいか>が大事」とのことでした。以下、天野語録です。
「自分は研究者だと思ったことはない。ただ、青色発光LEDを作れば世界を変えられると思ってやってきた」
「失敗を恐れるのではなく、条件を変えたらどんな結果が得られるのかを楽しめばよい」
「目の前のことに集中すること、そうすると<アンテナ>が立って敏感になり、<ひらめき>を得ることができる」
「何よりも<完成した・成功したイメージ>を描くのが大事」
「<不可能>はうまくいかない人の<言い訳>だったりする。まだ試していない条件は何か粘って探せばよい」

集まった多数の高校生たちは、きっとそれぞれ何かを掴んでもらえたのではと思います。講演会終わって外に出ると、市民会館目の前の定禅寺通りは光のページェント。60万個のLED電球がケヤキ並木に輝いていました。

by osumi1128 | 2014-12-27 23:40 | ロールモデル | Comments(0)

第11回東北大学男女共同参画シンポジウムほか

先週の土曜日に第11回東北大学男女共同参画シンポジウム「未来の男女共同参画社会への新たなる発信〜女子学生入学101年目を迎えた東北大学から」が開催されました。

ご来賓のお一人、奥山恵美子市長と、特別講演をされた森まさこ前女性活力・子育て支援担当大臣はともに東北大学の卒業生でもあり、行政や政界で活躍されるロールモデルでもあります。また、文科省生涯学習政策局長の河村潤子様にもご来賓としてパワーポイントを用いて男女共同参画関係の施策について簡単に触れて頂きました。
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森まさこ前大臣は、安倍内閣発足時に「ウーマノミクス」としてさまざまな施策を展開されたことを話されましたが、とくに印象的だったのは「省庁それぞれに<通信簿>を出したところ、大きな効果があった」とのことでした。「通信簿」というのは、在籍者や採用者の女性比率や、その伸び率を数字にして示したということで、これは大学内で各部局宛に同様のことをしても良いかもしれませんね(すでに、名古屋大学では同様のことをされているというお話を聞いたことがあります)。

また、文科省と厚労省の連携による「認定こども園」の制度を創るにあたっては、両大臣と「朝食会」をしてすり合わせを行い、そのために「お握りを握って一緒に食べた」というエピソードも話されました。なんと、そういう努力も必要ということですね……。φ(..)メモメモ とにかく、待機児童を2020年までにゼロにするべく活動されてきたと言われます。「フルタイムの職を持っていないと、保育園に預けられない。保育園に預けられないとフルタイムで働けない……」という堂々巡りにならないように、いつでも子どもを預ける施設が整って欲しいですね。

今回のシンポジウムでは、4月から立ち上がった「東北大学男女共同参画推進センター」の愛称として「TUMUG」と、ロゴマークを公募して選ばれた優秀賞、最優秀賞を発表し、最優秀賞の方に賞状を贈呈しました。センターでは、各種の支援制度の受付や、後述するようなスキルアップセミナーなどを主催しています。

また、第1回の澤柳記念賞の授与式と講演も行われ、長年にわたり東北大学および日本の男女共同参画を推進することに貢献された辻村みよ子先生と、東北大学サイエンス・エンジェルOGほかの集まりである「SA輝友会」が受賞となりました。辻村先生のご講演は「日本の男女共同参画とポジティブ・アクションの課題」と題され、即効薬型処方箋としての「強制的なクォータ制」と、漢方薬型処方箋としての「両立支援・研修」等の両面から男女共同参画を進めていくことが必要であると締めくくられました。

SA輝友会の会長を務める八木橋さんからは、SA活動やSAOGの独自の活動についての紹介、ネットワーキングの重要性などが紹介されました。
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シンポジウムでは、国の支援から学内独自経費に移行して継続している現在の東北大学の女性研究者育成支援制度の説明(米永先生)や、その支援を受けている女性研究者のポスター発表もありましたが、最後は若手のパネリスト4名によるパネル討論が行われ、コーディネータを務めました(自分が出ていたので画像無しww)。パネリストのうち1名が本学工学研究科で博士号取得、企業で活躍している「イクメン」の男性でしたが、業績中心主義では無い評価として、2つ目の評価軸として「チームを盛り上げることができる、独創的なアイディアを出す」などを盛り込む例があるというのは、何らかの形でアカデミアでも取り入れることができたら良いであろうと思われました。フロアからは、二体問題(お互いのキャリアのためにパートナーと離れて暮らす)の困難さの実例などについての意見も挙げられ、意識改革の必要性もさらに明らかになりました。

なんと、これまでの男女共同参画シンポジウムの記録を上回る136名もの参加者に恵まれたのは、盛りだくさんに素晴らしい方々にご登壇頂けたからかと思っています。関係者の皆様、ご準備、運営等もありがとうございました。

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関連して、今週、日本分子生物学会からの男女共同参画に関する報告書と要望書について、キャリアパス委員会委員長の塩見美喜子先生とともに文科省を訪れ、科学技術学術政策局の川上局長と、上記の河村局長に手交して来ました。平成28年度の施策に繋げられるように今後さらにブラッシュアップしていくことが必要と思われます。
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by osumi1128 | 2014-12-04 21:36 | ロールモデル | Comments(0)