カテゴリ:科学 コミュニケーション

  • 痛ましい事故2つから
    [ 2012-05-02 21:32 ]
  • データシェアリングで在野の生命科学研究者は現れるか?
    [ 2012-02-28 00:36 ]
  • 「遺伝子研究」ってなに?
    [ 2012-02-21 12:04 ]
  • 英語、どう使う? どう学ぶ?
    [ 2011-12-23 21:57 ]
  • 科学・技術フェスタ in 京都 2011
    [ 2011-12-17 19:05 ]
  • シャンジュー先生、市民公開シンポジウム、電子書籍
    [ 2011-12-11 22:38 ]
  • 自閉症のシンポジウムに参加した
    [ 2011-11-12 09:58 ]
  • 敗戦処理のしかた:風評被害に立ち向かうこと
    [ 2011-10-19 22:41 ]

痛ましい事故2つから

GWさなか、振替休日だった月曜日の新聞の一面トップは、7名が死亡、39名が負傷したツアーバスの事故だった。
金沢から東京ディズニーリゾートへの往路、関越道でのこと、ちょうど29日の明け方5時前、一人で乗車していた運転手は居眠りをしていたという。
ほんの2週間ほど前に、京都の繁華街で乗用車が暴走して歩行者が死傷した事件の後に、運転者にてんかんの持病があったことが職場で話題となり、「日本ではこういう事件が起きると、とかく<てんかんの既往のある人には、車の免許は与えない>というような流れになったりするけど、実際には大きな自動車事故を防ぐためには、長距離運転や超過勤務の取締りを厳しくすべきだよね……」という会話をした矢先のことであった。


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by osumi1128 | 2012-05-02 21:32 | 科学 コミュニケーション | Trackback

データシェアリングで在野の生命科学研究者は現れるか?

先日も紹介した『バイオパンクーDIY科学者たちのDNAハック!』に絡んだ話をしたいのだけど、その前に、本日「大隅ゼミ」という医学部生相手に自主ゼミがあった。
1年生から5年生まで全部で10数名の課外活動クラブみたいなもので、月一回集まって英語の論文紹介をする。
かの有名な1953年のNature誌に掲載された、たった1ページのDNA二重らせんモデルの論文を読んだり、ES細胞作製の最初の論文を紹介したりもするが、どちらかといえば最新の、しかもCNS(Cell, Nature, Science)誌からのものが多い。
今日の論文もNature誌で、情報科学的アプローチによる生命科学研究なのだが、なにせ共著者20名以上、うち筆頭著者(Equally contributed authors)が6名、Supplementary Informationが膨大、という点においても、極めて現代的なものだった。
Article
Nature 478, 483–489 (27 October 2011) | doi:10.1038/nature10523
Spatio-temporal transcriptome of the human brain
脳 : ヒトの脳の時空間的トランスクリプトーム
Hyo Jung Kang , Yuka Imamura Kawasawa , Feng Cheng , Ying Zhu , Xuming Xu , Mingfeng Li , Andr|[eacute]| M. M. Sousa , Mihovil Pletikos , Kyle A. Meyer , Goran Sedmak , Tobias Guennel , Yurae Shin , Matthew B. Johnson , |[Zcaron]|eljka Krsnik , Simone Mayer , Sofia Fertuzinhos , Sheila Umlauf , Steven N. Lisgo , Alexander Vortmeyer , Daniel R. Weinberger , Shrikant Mane , Thomas M. Hyde , Anita Huttner , Mark Reimers , Joel E. Kleinman & Nenad |[Scaron]|estan



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by osumi1128 | 2012-02-28 00:36 | 科学 コミュニケーション | Trackback

「遺伝子研究」ってなに?

きっとブログに書評を書くからだと思うが、いろいろと近著のご恵贈を頂くことがあり、本好きとしては大変に有難い。
今、手元にあるのはNHK出版から刊行された『バイオパンクーDIY科学者たちのDNAハック!』(マーカス・ウォールセン著、矢野真千子訳)という本。
オビの言葉はスティーブ・ジョブズとビル・ゲイツだ。

コンピュータオタクのことを英語ではギーク(geek)と呼ぶが、ここで紹介されているのは生命科学分野のギークたち。
中古の実験器具を恐ろしく安く手にいれて(手に入るのだ!)自宅で安価な遺伝子診断キットの開発に取り組むケイ。
オークションで購入した輸送用コンテナで移動ラボを立ち上げたマッケンジー。
スーパーマーケットで買えるヨーグルトの乳酸菌に緑色蛍光タンパクの遺伝子を導入し、食品中のメラミン含有の有無を調べる技術を開発したメレディス。
……そんなオタクがいるなんて知らなかった。


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by osumi1128 | 2012-02-21 12:04 | 科学 コミュニケーション | Trackback

英語、どう使う? どう学ぶ?

本ブログでは何度かサイエンスの世界における「英語力の必要性」について触れています。
例えば、年に1回以上出向いている高校生向けの出前授業では、生徒さんと先生方に「理系でも英語、大事ですよ〜。将来仕事するのに大切ですよ〜」と必ず伝えます。
(本当は、国語も、なんだけど……)

今週水曜日、東北大学脳科学グローバルCOEおよび脳科学若手の会東北支部会共催で若手フォーラムが開催され、マイケル・ミラー先生の科学英語セミナーが行われました。
その内容は逐次TwitterでつぶやいてメモったのでこちらのTogetterまとめをどうぞ。
科学のお作法として基本的な内容です。
一番のポイントは、「最低限の基準(文法やスペル)を満たしていなければ、忙しいエディターは即、却下するだろう」ということです。

先週土曜日の「科学・技術フェスタ in 京都 2011」のパネル討論の折にも、研究者にとって英語は必要か、という話題が出ました。
益川先生は「天の邪鬼」なので、ノーベル賞の受賞講演を敢えて日本語でされて話題になりましたが、もちろん科学の世界で英語が必須なのは当然ということはわかっていらっしゃいます。
(例えば、こんな記事もありますが、パネル討論の際にご自身が「もちろん英語も大事」と仰っておられました。)
世界で何が為されたか、為されつつあるのかを知るには、英語で書かれたものを「読む」ことが必要です。
川口先生も国際的な協力連携のために「必要に迫られて」英語は使えるように努力した、ということを話されました。
共通することは、英語でコミュニケートする「必要性」です。
つまり、試験で良い成績を取るための英語の勉強ではなく、「使える英語」をどう学ぶかが大きな課題なのです。
また、どんなに流暢な英語が使えたとしても「中身」や「内容」が乏しければ、誰もそのような人の話に耳を傾けてはくれないでしょう。

これはすでに述べたことなのですが、「どの程度の英語のスキル」を目標とするのか、という問題があります。
バイリンガルなら日英両方100%のスキルになるかもしれませんが(書くこと含めてかというと、少しアヤシイですが)、仮に日本語力が80%で英語力が80%の人がいたとして、このような方は「日本語、ちゃんと伝わっていないことがあるから、心配なんだよね……。英語もパーフェクトって訳じゃないし……」ということになる可能性もあるということです。
とくに仕事としての英語力には「話す」だけでなく「書く」スキルも必要です。
話すのは少々文法が間違っていても意志は伝わりますが、書いた文章はその人の知性や教養を表す証拠として残ってしまいます。

つい先日も、「日本はTOEICを実施している世界59ヵ国・地域で58位の成績」という報道がありました。
これは、日本では受験生が多いということにもよるのでしょうが、「キャリアアップするのには英語力が必須!」と思って必死になって勉強する若者が他の国には多いという表れだと私は思います。
大事なのは、受験のためではなく(←ここポイント!)将来の「キャリア」のために英語を「身につけたい」と思っているかどうか、だと思います。

【関連記事】
Chikirinの日記:PR) オンライン英会話 初体験
拙ブログ:英語の勉強(2005年という、ブログ書き出した頃のエントリーです)
拙ブログ:英語、いつから誰が教えるの?(ちなみに、震災前日のエントリーでした……)
拙ブログ:敗戦処理のしかた:風評被害に立ち向かうこと

by osumi1128 | 2011-12-23 21:57 | 科学 コミュニケーション | Trackback

科学・技術フェスタ in 京都 2011

仙台は昨日、市内でも初雪が降り、本格的な冬を迎えたところ。
最近、土日にもイベントが多く本日は京都国際会館にて「科学・技術フェスタ in 京都 2011」が開かれ、パネル討論のコーディネータとして参加した。

仙台から京都に行くのは、新幹線乗り継ぎか飛行機か悩みの種。
大阪なら間違い無く飛行機だし、名古屋も直行便があるからやはり飛行機。
でも、京都と神戸が微妙なところ。
伊丹空港からのアクセスは、なんのかんのと1時間以上かかるのだ。
でも、閉所恐怖症気味としては、最低でも1時間半+2時間半=4時間、新幹線の車両に閉じ込められるのはできれば避けたい……。


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by osumi1128 | 2011-12-17 19:05 | 科学 コミュニケーション | Trackback

シャンジュー先生、市民公開シンポジウム、電子書籍

国際シンポジウム最終日は嗅覚系よりさらに広い認知機能の話題となり、オオトリの講演を務めたのは、フランスの大御所、ジャン=ピエール・シャンジュー先生。
タンパク質のアロステリック効果で生化学分野において一世を風靡された後に、神経科学の方へ興味を広げられ、神経伝達物質受容体の機能やさらには認知科学関係の論文も多数出されている。
『ニューロン人間』『考える物質』『脳と心』などの著書や著名な学者との対談は翻訳でも読むことができるので、日本でもよく知られている方だが、お目にかかるのは初めてだった。
シンポジウムの間もかなり質問をされておられ、1936年のお生まれながらお元気なこと!
プレゼンには多数の論文からの引用があって、その中になんと、前脳の発生メカニズムに関する自分の昔の論文(Inoue et al., Dev Biol, 2000)もあって驚いた。
うーん、さすがシャンジュー先生、興味の範囲が広いってことね……。

*****
さて、土曜日には日本学術会議の神経関係3分科会が主催した市民公開シンポジウムが開催され、開会挨拶と第一部の座長を務めた。
ポスターはこちら
今回のテーマは「脳と睡眠」だったのだが、最初の講演者の桜井武先生(金沢大)が導入として「睡眠とは」という定義から話され、最後は桜井先生が同定されたオレキシンの睡眠や摂食に関する機能について触れられた。
お二人目は上田泰己先生(CDB)の「時間の生物学」のお話。
朝・昼・夜に働く分子達の機能(誘導や抑制)について、聴衆を3分割して立ったり(オン)座ったり(オフ)してもらう、という「参加型」のパフォーマンスを取り入れておられた。
その他の講演から、睡眠障害は案外多いことや、このたびの東日本大震災以降に、東北地方で睡眠障害が酷くなったり、新たに悩むようになった方も多いことを知った。

*****
科学を伝える方法には、講演やサイエンスカフェや科学館のような展示もあるが、古典的ともいえる「著書」というのも、決して廃れることはないだろう。
できれば、ほとんどの著書はむしろ電子化してもらって、いつでもどこでも欲しい知識に安価にアクセスできる環境になった方が、科学を伝えるという目的には適っていると思う。
もちろん、私自身は本の手触りや紙とインクの香りも好きだから、お気に入りの「リアル本」に囲まれていたいと願うけど、スペースの問題や「あれ、どこだっけ?」という検索には電子書籍の方が圧倒的に優れている。

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今週末は京都で科学イベント。
科学・技術フェスタ in 京都 2011
パネル討論「科学者との交流プログラム〜憧れること、学ぶこと〜」のコーディネータを務めます。
仙台からを含めて数名の現役高校生も参加予定。
関西方面でお時間のある方は是非、宝ヶ池にGO!

by osumi1128 | 2011-12-11 22:38 | 科学 コミュニケーション | Trackback

自閉症のシンポジウムに参加した

明日からがいよいよ北米神経科学学会という、世界最大の神経系の学会なのだが、そのサテライトイベントとしてCell Pressが主催する自閉症のシンポジウムに参加した。
2日半でスピーカーが25人、ポスター発表が111題、参加者はおそらく200名超えという規模で、予想よりも大きかった。
Simon FoundationAutism Speaksという自閉症の患者団体関係者(多くはご家族)も50名くらいは参加されていたように思う。
スピーカーの方々は臨床家が1/4程度で基礎研究者が多かったが、その中にも、例えば先日の神経科学大会関係で仙台でもセミナーをして頂いたRicardo Dolmetschのように、息子さんなど身近に自閉症の家族がいるという方もあった。

このシンポジウムにFrom Mechanisms to Therapiesという副題が付いているように、病態や病因のメカニズムを理解することが治療法の開発に繋がると信じて我々基礎研究者は研究しているが、治療に繋がるまでにはかなりの時間がかかる。
心理学的介入以外のアプローチとして、自閉症の「治療薬」として開発中のもの一つにオキシトシンがあるが、ここではさらに別のターゲットを例に取り上げよう。
(図はマサチューセッツ工科大学のMark Bear博士の発表を参考にした)


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by osumi1128 | 2011-11-12 09:58 | 科学 コミュニケーション | Trackback

敗戦処理のしかた:風評被害に立ち向かうこと

昨日付のasahi.comに「東北の大学、志望者減 福島大29%・東北大13%…」という記事が載り、大学の広報戦略委員の間でメール上で対策を議論した。
東北大学のキャンパスは仙台市でも津波はまったく被っていないので、さすがに7ヶ月経って「あのときは大変だったね……」モードだし、放射能レベルは、心ある方がずっと記録をとり続けて下さっているのだが、世界平均の半分。
なので、「志願者が1割減る」ことに対しても、一般的には鈍感だと思う。
だが、大学というのは人材を育てるところなので、志の高い方が多数応募して頂く中で入学者を厳選するのが理想だから、志願者減少は由々しき問題。
上記のasahi.comの記事は河合塾の集計で、はてさて大学院生や留学生の場合にはどうなるか……。

……なんてことを思っていたら、さらにこんな記事を教えて頂いた。
FUKUSHIMAの本質を問う【3】“父親不在”が招いた風評被害の拡大
技術産業コンサルタントの川口盛之助氏に聞く



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by osumi1128 | 2011-10-19 22:41 | 科学 コミュニケーション | Trackback