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Entourage再び固まる

今朝の仙台は晴れて、ちょうど8月最後の日という感じであった。

朝から投稿直前の論文のカバーレターなどを書いて、いくつかメールのやりとりをしていたら、Entourageの調子がおかしい。
これは以前にもあったのと同じトラブルだったため、心の準備はできていたが、やはりコンピュータは人の心を読んで、こちらの心理状態が悪いことを察知してペースダウンしようとするのか、あるいはまったく読めずに、忙しく働かされ過ぎると調子が悪いと訴えて休もうとするのか、いずれにせよ、今はトラブってほしくないというときにご機嫌斜めとなる。

前回同様にMicrosoft Officeのサポートセンターに電話をし(これも最初は「ただいま混み合っております。もう少々お待ちください」というアンサリングマシーンの声が流れたりして苛つきがちだが、今焦ってもどうしようもないと腹をくくり、「先日と同じトラブルになりました」「ではお客様のお電話番号を頂戴できますか?」というやりとりで始まって、今ちょうど「データベースの再構築」を行っているところ。
これがなんと小一時間かかるのだ・・・(私がEntourageにためているメールが多く、しかも重たい図のファイルなどがくっついているため)

サポートのお兄さんとやりとりして聞いたところ、メールを削除するだけでは実はデータベースに残っているという。
だから、むしろいらないメールや添付書類はなるべく削除してスリムにし、かつ定期的にデータベース再構築をすべきらしい。
まあ、でも一日に数十通のメールをやりとりし、1ヶ月分くらいは残しておかないと面倒だし・・・やれやれ・・・
まあ、サーバのトラブルでないだけマシとみるか、「データベースの再構築」でもし取り返しのつかないバグが入ったら、かなり手痛いことになる。

メールを読むのはインターネット経由でも可能なのだが、AOLの転送ではときどき相性の悪いものがあって、文字化けなどがみられる。
ああ、今日は絶不調だ。
明日からシドニーだというのに、気持ちが乗ってなくてどうなることやら・・・
by osumi1128 | 2005-08-31 11:33 | Comments(0)

進化学会・番外編

やっぱり日本進化学会東北大会というのは全国大会であるというご指摘を受けた。
出来てまだ7回目というのは非常に意外な気がする。
「言語」のセッションでも「意識」の方でも「ここは進化学会なんだから、もう少しその方面の人たちに分かりやすい説明をして下さい」という意見が出されていたので、面々と「進化」を研究している人たちが大多数を占めておられ、学会を維持しているのだと思っていたが、7年前というのは(私にとっては)随分最近だ。
進化がらみの研究発表が為されるのは動物学会、植物学会、発生生物学会、分子生物学会、動物行動学会などだろうが、それが統合されたということなのでしょうか?
どなたかご存じの方、教えて下さいね。

さて、番外編というのは、土曜日言語のシンポジウムの後、私は郡山に行ってプレゼンテーションのセミナーを行い、その後、仙台にとんぼ返りして、打ち上げの内輪の懇親会(20名くらいの飲み会)に参加したのだが、そこに瀬名秀明さんが参加していた。
(たぶん、瀬名さんくらいの方なら実名可だと思う・・・)
瀬名さんは確か東北大学の薬学の大学院時代に、処女作「パラサイトイブ」(ホラー大賞受賞)を書かれたはず。
とってもラッキーなことに、新しいサイン本『デカルトの密室』を頂きました。
(ライフログ参照)
かなり分厚いので、今度のシドニー出張に持って行くつもり。
「<心を生みだす遺伝子>岩波の編集Hさんから送ってもらってたけど、まだ読んでません。ごめんなさい。近々読みます」と言って頂いた(お世辞だと思うけど)。

それにしても、予想より若い印象でした。
昔、小学校の頃「甲子園のお兄ちゃん達」だったのが、いつの間にか「甲子園の坊や達」になったように、「作家」というのはなんだか年上の人をイメージしてしまうのだが、どんどん新しい作家さんがデビューしていて(130回の芥川賞なんてまさにそう)、自分より年下の人が多くなっているという現実があるのだということを実感した。

番外編その2は、日曜日の「意識」のシンポジウムにちゃっかり茂木さんの本を持って行き、シンポジウム終了後にサインを頂いたこと。
(本にサインを頂くのは大好きだ。もしかすると家宝になるかもしれないし・・・)
意外なことに、会場の中でそのような行動に出たのは(いい年した)私だけ、という点で、仙台の若者達、何してる?と思った。
まあ、先日の安藤忠雄の講演会は新聞広告も出したらしいので整理券を配るくらいの集まりだったが、それに比べると日本進化学会は専門家しか相手にしていないのだろうし、今は大方の学部生にとっては夏休みでもある。
でもなあ、きっと東京だったら、もっとたくさんの人が茂木さんの顔見たさ、声気きたさに来ると思うのだけど。
by osumi1128 | 2005-08-30 16:49 | Comments(2)

進化学会東北大会・その3

・・・という訳で、進化学会の公募シンポジウム「意識の進化」から面白かった話題を取りあげてみる。
その前に、「日本進化学会」ではなく「日本進化学会東北大会」でした。
(どうりで、第7回というのはおかしいなと思ったのですが、スミマセン)

まず、オーガナイザーである池上さんは、「感じて動いていることが<意識>の元」という考えを披露された。ナルホド、確かに。
私が今マウスやラットの行動解析で指標にしている行動パラダイムは「プレパルス抑制」というもので、これは「感覚運動ゲート機構」を反映すると考えられている。
通常行われるテストは、120dBなどの驚愕音を聞かせると、ネズミは(ヒトも)ビックリするのだが、驚愕音の直前にプレパルス音(例えば70dBなど)を聞かせると、そのビックリ度が減る。
ネズミの場合はビックリ度を圧センサーで測定し、ヒトの場合は眼輪筋の収縮を測る。
つまり、普通はあまり余分にビックリしないようにフィルター機構があるということだ。
ちなみに、このプレパルス抑制は自閉症や統合失調症の患者やその未発症の同胞で低下していることも知られている。

次の演者の岡ノ谷さんは(この学会で3つトークがあったが)、「自己意識の起源:触媒仮説」というものを提示していた。
「他者の<心>を理解する」ことが先で、それに「ミラーニューロン」によるマシナリーが触媒として働くことによって自己意識が生まれる」という説だ。
この説は、理研BSIの入来さんによる「身体像」の研究成果に刺激され、岡ノ谷さんの社会心理学的アイディアが、山崎??さんという方の緻密な理論武装によって醸成されたのだという。
いずれどこかで書かれたものになってお目見えすることだろう。

茂木さんの話はNeural theory of emotional evolutionということが面白かった。
本の中にも引用されていたが、人間には不確実性を喜ぶところがあり、これは単純な進化の理論とは噛み合わない。
別にギャンブルを持ち出す必要もなく、「予期しない面白いこと」が起きると、予期されることよりもずっと楽しいことは、皆経験があるだろう。

郡司さんのお話は、「ロボットは意識を持つか?」ということをテーマにされていたのだと思うのだが、ゴメンナサイ、よく分かりませんでした。
そもそも発音が聞き取りにくいのに加えて、数式が沢山出てくるんです・・・(涙)
さらに、「・・・これを<質料>と定義します」など、私には何故?というような用語が創生され、ますます頭は混乱。
たぶん、あと3回くらい聞いてみないと駄目だろう。
(たぶん、書いたものを読んでも挫折しそうだ)

最後は石黒さんだが、「アンドロイドサイエンス:人工的な意識は作れるか?」という刺激的なタイトルで、中身も非常に刺激的だった。
まず、ヒト型ロボットがこんなに進んでいるとは知らなかった。
まさに、もうすぐ『アンドリュー』の世界のような気がする。
非常に面白かったのは、「アイボ」や「パロ」などの愛玩ロボットからだんだんヒトに似せていくと、あるところで「ヒトのようでヒトらしくない」ので「気持ち悪い」という反応が現れるという実験結果。
またそのような「気持ち悪い」ヒト型ロボットを見せたときに、3歳児くらいまではあまり「ヘン」と思わないのだが、4歳児くらいから「どうもコイツは普通のヒトらしくないぞ」ということを察するようになるとのこと。
お嬢ちゃんが4歳になったときに型をとってハードウエアに着せて作ったアンドロイドは、小さかったので頭の部分にしかアクチエーターを入れなかったところ、頷く動作一つでも、「何かヘン」に見える。
つまり、ヒトは本当は頭だけ動かしているつもりでも、そのバランスを取りながら体の他の筋肉も使っていて、そういう動作を見慣れていると、アンドロイドは「ちょっとヘン」な動きに見える。

ちなみに、アンドロイドの皮膚はシリコン製なのだが、これはある商業ベースに乗った技術を応用したものらしい・・・ちょっとこのブログに書くのは憚られますので、知りたい方は個人的にお問い合わせ下さい。
(この情報は学会で得たものではないことを明記しておきます。念のため)

なお、このシンポジウム会場には「在野の研究者」という肩書きの、進化学会の有名人の方が来ておられ、「他者の心を読まない」質問やコメントを繰り返していたのが面白かった。
いやーーー、進化学会は奥が深そうだ。
by osumi1128 | 2005-08-29 23:04 | Comments(5)

進化学会・その2

進化学会の2日目日曜日に、東大の池上高志さんがオーガナイズされた「意識の進化」というセッションがあったので参加してみた。

そもそも、進化学会がこんなセッションを公募で受け付けるということも画期的で現代的だ。
話のレベルはまだ本当の意味で「意識の進化」を議論できるには至っていないのだが、そろそろみんなで考えてみよう!ということで
・茂木健一郎氏(Sony CSL)
・岡ノ谷一夫氏(理研BSI)
・郡司幸夫氏(神戸大理地球)
・石黒浩氏(阪大工学研究科)
という個性的なメンバーが話をされ、20分以上の総合討論があった。

・・・ちょっと時間切れなので、また後で投稿しますが、その前にちょっと面白い記事があったので紹介しておきます。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050827i406.htm
一番最初には三島のHさんが言い出して、分子生物学会からの提言に盛り込まれた「子育て支援型ポスドク」の制度が本当に実現するかもしれない。
ではまた後で・・・
by osumi1128 | 2005-08-29 17:58 | Comments(0)

進化学会

昨日と本日と東北大学の川内北キャンパスで開催された進化学会に参加した。
大学のキャンパスで開かれる学会に出席するのは久しぶりのことだ。
でも、私にとっての最初の学会は、東大駒場で開かれた細胞生物学会だった。
何事も最初の印象というものは強いのだが、今でも直前までデータの差し替えでスライド(いわゆる本当の35mmスライド!)を作り直して、その現像が上がるのを水道橋近辺の喫茶店で待ちながら、午後からのオーラル発表の準備をしていたことを思い出す。

今回、初めて「第7回日本進化学会」なるものに参加した。
参加証なしに「モグリ」のような状態でキャンパスの勝手知ったる講義室に出入りするのはちょっと若返った気がして楽しかった。
(別に、私は初日のシンポジウムの講演者なのだから、当然会員でなくても出入りする権利はあるのだが、初日の受付が混んでいて面倒になったのだ)
それよりも、今回の学会参加は久しぶりに本当に新鮮な刺激を受けた。
これから数日に分けて、ちょっとその話題を取りあげようと思う。

そもそもは、理化学研究所の岡ノ谷さんが北陸先端大の橋本さんとオーガナイズされた「言語の進化」という2コマぶちぬきのシンポジウムで「言語の遺伝子について話してくれませんか?」と言われたのがきっかけだった。
世の中というのはすべて人と人の出会いで出来上がっている。
岡ノ谷さんとは御著書を読んでお名前は知っていたが、直接面識ができたのは今年の2月くらいだったろうか。
ブログにも書いたように、先日7月にセミナーに来て頂いたら、バーターでシンポジウムでのトークをお願いされた。
こういうときに断らない性格が果たして良いのか悪いのか・・・
とにかく、引き受けることは引き受けてしまった。
なぜなら、私は「言語」というものにとても興味を持っているからだ。

ヒト(私はここではカタカナ、すなわち生物学的文脈でのヒトを指す)の特徴はいくつかあるが、その代表的なものは「二足歩行」と「言葉を話す」だと思う。
だが、「二足歩行」は最近、レッサーパンダでも顕著に認められるということもあり、また実験室の中でマウスが立ち上がることを見たことがある研究者は多数いると思われ、私にとっては重要度はそれほど高くない。
(二足歩行が言語の獲得に与えたかもしれない影響は否定するものではないが)

たぶん、今までの人生で一番「言語」に近かったのは、医科歯科大学の学部生時代だと思う。
「入れ歯」の作り方が発話に影響するということを実践的に教わった。
今でも、某仙台地方局のアナウンサーで気になる発音があり、「ああ、入れ歯が合っていないなあ・・・」とお気の毒に思ってしまう。

・・・というのはジョークのつもりだが、私はたぶん「言葉」にうるさいという性質を持っている。
うるさいのが「言葉」だけなのかは不明だが、数少ない幼児期の記憶で、お絵描きに使ったクレヨンをちゃんと正しい順番にしまわないと非常に不満だったということを覚えている。
自分が仕舞うのではなく、祖母(もしかしたら乳母だったかも)が片付けてくれるのに、「そこ、違う。<はだいろ>はここ」などと指示していたのだ。

もう一つ記憶にあるエピソードは、「お后」と「女王」、「王女」と「プリンセス」などの定義を自分なりに考えていたというもの。
今はちょっと定かではないのだが、確か、「何歳までは<プリンセス>で何歳からは<王女>」という風に勝手に決めていた気がする。
まったくもってナンセンスなのだが、何かそういうこだわりを持つヘンな子供だった。

さて、「言語の進化」のゲストスピーカーは必ずしも進化学者ではなく、あるいは言語学者でもない人たちで構成されていて、非常にエンジョイできるセッションだった。
私自身は、Foxp2という名前の「言語の遺伝子」あるいは「文法の遺伝子」と冠の付いた遺伝子のことを紹介しながら、転写因子の変異というものがもたらす意味についてトークを行った。
もし私が今大学生だったら、迷わず私は「言語の遺伝子」に関わる研究をしたいと思ったに違いない。
今から20数年前は、それはほとんど不可能に近い世界だったから、私は面白そうだとは思ったがあまり近づくことはなかった。
現時点で、私にとっては「形態形成」の分野よりも解いてみたい課題がころがっている気がして、「言語に関わる遺伝的プログラム」に非常に興味を持っている。
今on-goingのプロジェクトの成果の見通しが立つまでに、次のプロジェクトを模索したいという気持ちが非常に強くなった。
by osumi1128 | 2005-08-28 23:30 | Comments(2)

日米先端工学会議

朝の仙台は雨模様だったが、ちょうど東京出張だったので、台風にはぶつからずに済んだようだ。
やれやれ・・・

今日の用事は、まずはお茶の水駅で今東京にいる大学院生の学位論文原稿に赤字をたくさん入れたものを手渡し。

その後、東大分生研のO先生とG先生とご一緒に、根津の辺りでランチをしながら、来年6月にあるIUBMB(国際生化学分子生物学会?)のサテライトで開催する男女共同参画関連シンポの打合せ。
せっかくだから海外からもゲストスピーカーを呼びたいということなのだが、主催母体が「渋ちん」だという。
・・・何か画策せねば・・・

その後、市ヶ谷で日米先端工学会議(JAFoE)のリハーサル。
こちらは異分野交流のためのシンポジウムを毎年日米交互で行うもので、今年は11月にサンノゼで開催される。
4つのセッションのうちの1つ、「Detection and distruction of pathogens」というセッションをオーガナイズするのだが、その内容を生物系以外の聴衆に分かってもらうには努力が必要。
リハをした2名のスピーカーは、エンジニアの方達から
「こんなに分からないトークを初めて聞いた気がします」
「βシートって何ですか?」
「Immunoblottingって何?」
「シャペロンとは?」
・・・などなど、矢継ぎ早に質問攻め。
この手のトークは「市民講座」ともちょっと違うのが難しい。

その次のセッションは「半導体」で、お一人はsilicon quantum computerの話だった。
数年前に、似たようなJAFoS(日米先端科学会議)というものがあって、そのときの「数学」のセッションのテーマが「量子コンピュータ」だった。
そのとき話されたことは何を面白がればよいのかが分からなかったのだが、今日のスピーカーはさすがにそのテーマで大型予算を獲得している方らしく、分かり易いプレゼンテーションだった。

今度は生物系の参加者から「量子コンピュータを作って、何を計算させるのですか?」
「量子理論で考えられるような問題を解くには、量子コンピュータの方が適切と考えられるのです」
・・・どうもお話を伺うと、すぐ目の前に解きたい問題があるというよりは、今後そういう問題を解くためにはハードが必要だから作ってしまおう!というところに目標があるらしい。

本当は明日もリハーサルが続いて、人型ロボットや純水技術などのセッションがあるのだが、明日朝早くから仙台で学会なので、先に失礼してきた。残念。
次はいきなり本番、英語で聞かなければならない・・・

帰りの電車で「ああ言えばこう食う」(壇ふみX阿川佐和子)の文庫本を読んだ。
戻ってみると、もう雨の痕跡もなく、ちょっと蒸し暑い感じだった。
by osumi1128 | 2005-08-26 23:30 | Comments(0)

非バリアフリー

台風11号は関東に上陸したようだ。
昨日も弱い地震がまたあったり、なんだか踏んだり蹴ったりの8月。
明日は朝から東京に向かわなければならないのだが、ちょうどピークを過ぎるか微妙なところ。
夜に帰ってくるまでには過ぎているだろう。

うちのマンションの玄関からロビーは、非常に段差が多い。
バブル末期に建てられたもので、造りはしっかりしているのだが、まだバリアフリーというコンセプトが浸透する前だったと思われる。

4年ほど前、12月のちょうど忘年会の後(八百粂ではありません)、二次会、三次会とあって、アルコール摂取過多状態で帰宅した。
朝起きてみると、何か右手の親指付け根辺りが腫れていて猛烈に痛む。
幸か不幸かまったく記憶にないのだが、きっとロビーの段差で転けたに違いないと思った。

・・・ふと気が付くと、前日に持って行ったはずのハンドバッグがない!
転けたばかりでなく、ハンドバッグも無くすとは!!!
記憶を辿ると、確か、タクシーで帰宅し、料金は支払い(そりゃそうだ)、鍵とお財布と書類鞄を持って降りたのだと気が付いた。

その日から分子生物学会という学会に行く予定だったのだが、二日酔い+捻挫+忘れ物というトリプルパンチで、出鼻をくじかれた。
駄目もとでタクシーの共通遺失物センターに電話をしたところ、該当する黒いハンドバッグが届けられているという!
ラッキー!と思って、「すみません、これから出張なので、来週取りに伺います」と言ったところ「お届けしますよ。どちらですか?」という優しい言葉。
「え? はあ、では東北大の医学部なんですが・・・」

二日酔いは夕方までに回復し、ハンドバッグは翌週無事に手元に戻り、届けて下さったタクシー会社のエライさん(暇な立場を利用して、乗客サービスを行っているようだった)のに御礼のお菓子を渡し、一件落着のように思えたがさにあらず。
右手の捻挫はその後半年くらいずっと調子が悪く、カイロプラクティックの先生にもだいぶお世話になった。
この事件直後は「もうお酒なんて見るのもイヤ!」で、「絶対に深酒はするまい」と心に誓っていたのだが、捻挫が治るよりも先にこちらはうやむやになってしまった。
脳は都合の悪いことから順に忘れるようにできているらしい。
by osumi1128 | 2005-08-26 01:04 | Comments(0)

フィッカスプミラ

そういえば、長らくトップ画像にしていた「苔玉」だが、しばらく前に調子が悪くなってしまった。
さすがに8月初旬に暑い日が続いたり、数日出張で面倒が見られなかったりで、羊歯の葉に勢いが無くなり、茶色く変色した部分も出てきた。
・・・ゴメンナサイ(涙)。
という訳で、今うちの植物は昨年の引っ越し後に買った水耕栽培のポトスと、七夕くらいの時期に求めたフィッカスプミラだけになった。
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「フィッカスプミラ」とカタカナで書いてあったので「フィッカ・スプミラ」かと思っていたらそうではなく、Ficus Pumilaという(学名)。
英語ではSunny Whiteというらしい。
ちょっと調べてみたらクワ科ということで、明るい窓辺、半耐寒性、土が乾いたら潅水、ということで扱いやすい。
うちにあるのはやはりハイドロカルチャーだ。
さすがにどんなに育て方が下手でも「サボテン」だけは手を出すまいと決めている。
あの肉厚の葉はあまり好きではないのだ。

切り花も好きなのだが、普段の生活パターンだと花屋に行く暇がない。
リタイアしたらしたいことの一つはフラワーアレンジメントだ。
週1回くらいお稽古に行ったら、ずっと花を絶やすことがなくてさぞかし素敵・・・と思うのだが、今の生活では望むべくもない。
お茶の世界ではわざわざ習わなくても、床の間に花を生けるくらいのことは常識となっているのだが、それは和花(できれば花屋で買うのではなく、自分の庭で育てた物)だし、なるべく余白を生かした、すっきり系の活け方だ。
わざと作り込んだフラワーアレンジメントを試してみたいとずっと思っている。

リタイアしたらしたいのは、この他、イタリア料理教室とイタリア語レッスン。
フレンチはいろいろ難しい技があるが、それは専門家にお任せしておいて、自分で作るにはイタリアンかなと思っている。
ついでにイタリア語会話を覚えて、トスカーナに1ヶ月くらい暮らしたい・・・というのが憧れ。
そのためには、体力を残してリタイアしないと・・・
by osumi1128 | 2005-08-24 22:40 | Comments(0)

スケッチの才能

REDEEM実習は2日目。
昨日ラットの肝臓から抽出したゲノムDNAを元に、各種遺伝子をPCRで増幅し、制限酵素処理をした後に、電気泳動してゲルの写真を撮り、それを元に何の遺伝子を増幅したのか推測してレポートにするという課題になっている。
遺伝子増幅用のプライマーセットは5種類くらいあって、各自が好きなものを選んで行う。

実習のメニューを組む際に、各自の口腔粘膜から細胞を採取し、それを元にしてPCRを行う(いわばDNA鑑定だ)というプランも考えたのだが、やっぱり「DNAの糸」を見せたいということで、ラット肝臓から得ることに決定した。
その他には、各自から採血し、その白血球からゲノムDNAを得るというプランもあり得たのだが、採血を行う要員は私を含めて3名なので、そのステップで時間がかかるということと、4日目からのウサギの生理学実験や解剖に備えて、初日にラットのお腹を開くというのも、心理的な準備になるだろうとの判断だ。

この分子生物学実習と並行して、細胞生物学実習として、培養細胞を初日に撒き直し、今日は各種遺伝子を導入、明日その蛍光顕微鏡観察を行うというスケジュールになっている。
導入遺伝子は市販のものがいろいろあって、ミトコンドリアやゴルジ体などが標識される。
これも、各自がそれぞれ好きなものを選んで、最終日に何を導入したのかを当ててレポートを作成することになっている。

18名の受講者に対してスタッフは常時4人なので、学部の実習に比べたら贅沢だといえよう。
現役大学院生もちらほらいるが、大多数は社会人の人たちであり、モチベーションも高いのでこちらも楽。

メディカル系の学部では、教養から学部に上がると「顕微鏡実習」がつきものだった(今は東北大医学部では2年生で行っている)。
かつて私はこの顕微鏡実習が面白いけど大嫌いだった。
というのは、ただ顕微鏡観察するのならよいのだが、「スケッチ」を提出しなければならなかったのだ。

はっきり言って、私はスケッチの才能がない。
小学生のときに絵画教室に行っていたし、美術鑑賞は趣味で、構図や色の感覚についてはうるさいが、見たものを具象的に美しくスケッチするという能力には恵まれていない。
模式図を描くのは得意だが、これは別の能力である。
とにかく、大学院で顕微鏡の画像を写真に撮れるようになって非常に喜んだ次第。

ただし、顕微鏡実習が「観た対象からエッセンスを抽出する」という神経回路を構築するトレーニングとして意味があることはよく分かる。
大学院に進んだ際に、ボスからは「とにかく何でもスケッチしなさい」と言われた。
私が手取り足取り教えた学生にも同じことを言ったと思うが、今はもう何でもいきなり画像としてキャプチャーする時代になっている。

それでも、解剖学や形態学の方たちの中には非常にスケッチの上手な方が多い(逆にそういう能力に恵まれた人たちが進む分野でもある)。
神戸のKさんもその一人で、彼の描くものは皆ゾクゾクするほど美しい。
これって、モーツァルトとサリエリみたいなものだが(そこまで大げさに広げることはない?)、彼の描くスケッチが何故美しいのか、そのバランスや線の太さの使い分けなど、言葉として表すことさえできるのに、同じようにスケッチを描くということはできないのだ。
幸いサリエリとは違って、周りのいろいろなモーツァルト的方たちの才能に憧れ、賞賛するだけで幸せである。
by osumi1128 | 2005-08-23 16:07 | Comments(0)

クオリアということ

今日からまたREDEEMの実習が始まった。
今回は初日のメインイベント、DNAのふわふわした糸を見る、というところは無事に通過した。
やれやれ・・・

さて、昨日の投稿とそれに対してに頂いたコメントから、とあることを思い出した。

高校時代の夏休みに美術館でデートしたことがあった。
もしかすると美術館ではなく、デパートの特別展示だったかもしれないし、そのとき見たのは東山魁夷だったような気がするが、それも定かではない。
ひととおり巡ってから、お茶をしに喫茶店に入った。
何故そんなことを聞いたのかも分からないのだが、遠くでウエイトレスが運んでいるジュースを見て「あれってトマトジュースだよね?」と聞いたところ、「ああ、どうかな? 僕、色盲だから分からないんだよね」という答えが返ってきた。

私はそれに対して何と答えたのか、まったく覚えていない。
ただ、鮮明に記憶しているのは、彼に見えていたものと私が見ていたものが恐らく違うのだ、という言いようのないショックであった。
一緒に並んで絵画を見て、時間と経験を共有していたつもりが、そうでないことを知ってしまった。

たぶん、生まれてから十数年間、世の中の他の人たちの感覚は自分とさほど違わないと思ってナイーブに生きてきたのだと思う。
日本人男性の5%は赤や緑の色の識別が困難であるのだが(下記URL参照)、そういう自分と異なる感覚の人たちのことを意識せずにいたことが、何か非常に恥ずかしく負い目に感じられてしまった。
それまでも、例えば「嗅覚」や「味覚」はかなり人によって違うことを経験的に知っていたと思うのだが、「色覚」というものはもっと絶対的なものだと信じていたのが、根底から崩れ去ったという意味で、大きな意味を持つ出来事であった。

http://www.watsonkun.com/shujunsha/barrierfree1-5.html

世の中には逆に、第4のオプシン遺伝子を持つ人が稀にいるという。
そういう人は、微妙な紫色の感覚が優れているそうだ。
たぶん、赤紫、藤色、桔梗色、菫色、菖蒲色、などの色の違いを識別しやすいらしい。
まさに違うクオリアを持っているのだといえよう。
by osumi1128 | 2005-08-22 22:03 | Comments(0)