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京大生物物理

出張から戻ってきた。
今日夕方は東京にて神経科学学会の理事会にも寄ったので、行き帰りとも新幹線の乗り継ぎだった。
研究室のメンバーの三分の一は入れ違いで広島の発生生物学会に行ったはず(約1名は明日出発とのこと)。
私は別の学会に呼ばれていて、今年の広島はパス。
1年以上前に依頼されたときに、6月だから大丈夫と勘違いしたら重なっていた。
ちょっと寂しい。

*****
京都では何度もセミナーさせて頂いているが、理学研究科でのものは今回が初めて。
生物物理のAさんに呼ばれて集中講義+セミナーだった。

京大生物物理にはご縁がある。
岡田節人先生の時代に、修士の学生だったOさんという方が、博士課程から(なぜか)医科歯科に来ていて、2つ上の先輩だった。
この先輩は、1を聞くと10答えてくれるタイプの知識人であったが、実験は(熱心だが)非常に下手、という方だった。
ラットのお腹を開けて胎児を取り出す実験で、火炎滅菌したピンセットを、アルコール消毒したラットのお腹に近づけたとたん、火柱が上がって火事になる一歩手前だった、という逸話が残っている。
私が研究室に行く前だったので、目撃できたのではないのだが、さもありなんとは思った。

で、この先輩には苦労した。
卒業論文や修士論文を書かずに博士課程に進学した者としては、最初は非常にハンディがある。
初めての論文紹介ではキツイことを言われて思わず涙した(今から思うとなんて若かったのだろう・・・)。
右も左も分からなかったので、この先輩のアイディアを元にして「マウス神経堤細胞のモノクロナル抗体取り」というテーマに着手したのはいいのだが、実験指導をされる際に、じーーーーっと横でwatchされるのが非常にやりにくかった。
彼としては、たぶん自分が実験下手なので、監視していないといけないと思ったのだと察するが、こちらはどちらかというと1回聞いたら上手くできるタイプだったので、うっとうしいことこの上ない。
ナマイキな後輩であったので、先輩の生活時間帯に合わせることはしなかったし(彼は昼前に出てきて、地下鉄の終電までいた)。
最終的にはD2の秋の時点で挫折して「もうこのテーマは止めます!」と宣言し、教授からは「じゃあ、自分でテーマを決めなさい」と言われ、そこから1ヶ月くらいの間、必死に論文をあさって何をするか考えた。
「コレコレについて解析します」と言うと、その先輩は「そんなん、10年前の研究や!」
「10年前でもいいんです。私は学位が欲しいんです!」(売り言葉に買い言葉)
ってな感じで喧嘩になった。

ま、あのときの挫折は精神力を強くするのには役だったし、なんだかんだいって、細胞培養技術や簡単な生化学を教わることはできたし、日々の生活でも議論の仕方などscientificに思いっきり鍛えられたのだから、感謝すべきであろう。
彼は京大時代から有名人だったので、学会で「Oさんの後輩です」と言うと皆に「へー」と印象に残ったことも、決してマイナスではなかったかもしれない。
ちなみに、その先輩は学位取得後留学されたが芽が出ず、その後に弁理士になったと風の便りには聞いている。

・・・という先輩が最初に所属したのが「京大生物物理」だったし、カドヘリンが面白いと思って抗体を頂いたりもしたし、初めて雇った(といっても私の研究費ではなかったが)ポスドクも竹市研出身だし、それ以前から発生生物学会関係では何人もの知り合いがいたし・・・などなど、私にとって思い入れの強い研究室にAさんが戻ってこられた、という訳だ。
で、集中講義の準備にも思わず力が入って、3年前のPowerPointを全面改訂した。

29日の月曜日は午後にちょうどウイルス研の50周年記念シンポジウムがあったらしく、利根川進やらDavid Baltimoreらのゴージャスなメンバーとのことで、Aさんは「学生が少ないかも」と気にしておられたが、修士の学生さん30人くらいを相手に「脳の分子発生学」というお題で講義を行った。
質問の時間を長く取ったが、皆、結構深い質問をしてくるので、とても充実した授業だった。
Aさん、お世話になりました!
by osumi1128 | 2006-05-31 01:24 | Comments(1)

理系のキャリアデザイン

今朝から強かった風と雨は夕方には去っていた。
雨の日にクルマは本当に有り難い。
本当は歩いて行こうと思っていたが、朝の天気にあっさり諦めた。

今朝、長い上に変な夢を見た。
東大の理学部で講義をすることになっているのだが、その場所を間違えて右往左往する、というストーリー。
本当の本郷キャンパスの建物の配置とは異なるのだが、何故か「東大」ということになっていて、最初訪ねた教室で「ここじゃありませんよ」と言われて、「ああ、間に合わない。タクシーに乗らなければ」とクルマでぐるっと回って、挙げ句、目的(と思われる)教室に着くと「先生、もう時間終わってます。でも何か話すんなら聞いてもいいですよ」と言われたあたりで目が覚めた。

その夢を見ている間に別のことを考えていたらしく、一昨日大学院生が持ってきたデータの意味が突然分かった。
いや、もしかすると、この夢を見る前に気が付いて「ああ、書き留めなくちゃ」と思ったような気もする。
ヒトの記憶はいくらでも上書きされるからアテにならないのだが、ひらめいたことだけは確か。
急いで学生に長いメールを入れる。
本当は会って話がしたかったが、生活時間帯が重ならないことが多いため仕方ない。
データを持ってきたときにもディスカッションしたのだが、ポジティブなデータなのだが、今ひとつしっくりこないのが引っかかっていた。
ほんの2、3日の間だが、脳のどこかで考え続けてくれたのだろうか?

そういえば、集中講義に備えて総説やら論文やらをひっくり返して読みあさっていたが、また新しいネタを見つけた。
脳の中にある細胞の中で、唯一、神経系由来ではない「ミクログリア」というものの起源についてである。
授業をするのが好きなのは、自分の頭の中にある知識をアップデートしたり整理することによって、新たな発見があるからだ。
それは、いくつもの事例の中から原理のようなものを見いだしたりすることもあれば、まだ解かれていない問題を発掘することでもある。
大変残念なのは、こういうアイディアをすべて自分の手で証明することができない点だ。
もっと大学院生がいたらと思うが、どうしたらいいんでしょうね?
世の中には「学生が多くて研究費が赤字です!」と嘆いている先生もおられ、「どうぞうちに送って下さい」と言ってあるが、送り込まれることはまずない。
学生さんも都合があるだろうし。
「鶏口牛後」よりは「寄らば大樹」なのか・・・

*****
ちょっと寄稿したので岩波書店のTさんから「科学」の6月号が送られてきた。
(そちらは、あとでエッセイ集にアップしておきます)
その特集のタイトルが「理系のキャリアデザインー時代の変化を読む」である。

少し拾い読み的にご紹介すると、「科学のゆくえとキャリアデザイン」(広井良典氏)では、人生前半の社会保障を国際比較すると日本は非常に低い、例えば教育機関への公的財政支出において日本はOECD加盟国30ヵ国の中でトルコを除き最低、高等教育における公的支出の割合については、OECD平均が約80%なのに対し日本は約40%と半分!
つまり、この面だけ取りあげれば日本はすでに十分「小さな政府」となっている。

「理工系人材のキャリアパスと日本のイノベーション・システム」(後藤晃氏)では、理工系の高度な人材の需給調整には、博士号を取得する過程での環境、教育が重要、と指摘し、「マルチディシプリナリーな専門能力を有しており、研究計画を立案し推進しその中に生ずるさまざまな問題に対処する経験や能力を持った」人材を育成する環境を大学が整備することが必要であると述べている。
また、企業はこのプロセスで大学に踏み込んだ協力をする必要があるとも指摘されている。

タイムリーなこの特集に一つだけ苦言を述べると、「キャリアデザイン」の中で「女性研究者・技術者育成」という観点が(第3次科学技術基本計画にも盛り込まれているにも関わらず)抜け落ちていることだ。
編集部でもそれは気が付いていたらしく、急遽、森郁恵さんの「談話をもとに編集部で再構成」という記事を入れている。

他に面白かったのは「備前焼<緋襷>の赤色」を分析した記事(草野圭弘氏、高田潤氏)。
日本の焼き物は西洋や中国と異なり、完成された美しさよりも、自然にできた偶然の面白さに美を感じるところがあり(だからグローバルな感覚にはならないのだが)、須恵器などの灰釉の作る模様や、備前なら「胡麻」「桟切り」「窯変」そして「緋襷」などが偶然の産物として焼き物に「景色」を添える。
「緋襷」の化学成分や微細構造を分析しており、だからといって必ずしも「美しさ」を理解できることにはならないのだが、面白い研究対象だと思った。

*****
さて、これから授業PowerPointの再チェックをし、パッキングして、明日から1泊で京都出張。
by osumi1128 | 2006-05-28 23:27 | Comments(3)

久しぶりのジム

今、仙台は一年で一番輝かしい季節だ。
青葉が徐々に濃くなりつつあり、暑くもなく寒くもなく過ごしやすい。
仙台の良いところを挙げるとすれば簡単に10項目くらいはあるが、その一つにレザージャケットを着用できる期間が長いということがある。
東京ではあっという間に汗ばむ陽気になってしまうが、こちらの気候は北ヨーロッパ的というところでしょうかね。

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今月は明後日からの京大生命科学での集中講義を入れると、全部で10日プレゼンすることになる。
つまり3日に1回プレゼンしているってことか。
4コマ+大人向けセミナーを引き受けたのはよいが、集中講義をしたのは3年前の名古屋大学のときだったので、今回は大幅にPowerPointを作り直そうとし・・・はじめてしまった。
昨日から昔のファイルを探したり、新しい総説から分かり易い図を転載したりという作業を続けているが、まだ終わっていない。
本当は配布プリント用に金曜日までに終わらせておくべきだったのだが・・・
(昔のファイルは、今から思うと、スライドからの過渡期でセンスがないやら、引用した図にきちんとクレジットを付けていなかったり、と不備が多い)

翻訳の方も出版社から催促が入り(まだ穏便な段階)、少し巻きを入れ始めたところ。
基本的に翻訳は家に帰ってからの作業に決めている。
理系白書の元村さんが、原稿の種類によって書く場所を変える、ということをブログに書いておられたが、私も昔からそんな傾向がある。

研究室では学振の書類が終わり、今は何人かがCOE終了記念のProceedings用の論文を英語で書いていて、その添削もある。
頭が疲れると、実験室でtemporaryに飼育しているラットやマウスを見にいく。
先日訪問した東大薬学のI君のラボには大きな水槽があったが、そんな和みアイテムがもう少し必要かも。
確か今日、猿橋賞の授賞式だったはずだが、今年の受賞者名古屋の森さんのラボにはグリーンがたくさんあって、その手入れをするのがリフレッシュだと言っていた。

*****
で、今日こそは、とスポーツジムに行き、30分程度ランニングマシーンで走った後にマシーントレーニングを少しと思って階下に降りていくと、なんと大改装されていた。
壁紙がフロア全部張り替えられていて、マシーンの配置も機能的になっている。
「これっていつ改装されたんですか?」
「ええと、連休の・・・5月1日でしたね」
「ええっ・・・じゃあ、それくらい来ていなかったってことだ!」
深く反省。来月は頑張ろう。
by osumi1128 | 2006-05-28 01:39 | Comments(0)

幸せの数式

バタバタしていて家に届いた郵便物をちゃんと見ておらず、今朝整理していたらAERAに移った友人Kさんから5月29日号が届いていた。
先日、数学科の友人Kさんを取材に仙台まで来られたのだが、生憎私は東京出張で会えなかった。
昨年、別件で仙台に来たとき、例のワインバーで数学科のKさん(ややこしいですね)を紹介したのがきっかけらしい。
(ちなみに、河北新報に書いた「ロボットは人か?」という議論をしていたときに、その横にいたのがこの記者のKさんである)

その記事のタイトルは『幸せの数式』。
いくつかの数式があり、例えば元宮崎銀行頭取の方の著書では「幸せ=財/欲望」。
欲望がふくらめばふくらむほど、財があっても満たされなくなる。
経済評論家の方は
幸福≒√(経済力x健康x人間関係)
このルートになっているところがミソで、経済力が2倍になっても幸福感は2倍にならない、というあたりを上手く表しているという。
で、友人Kさんのは
幸福=健康x(人間関係+仕事)
で、さらに「人間関係=大切に思ってくれる人の数」で「仕事=価値X時間」
価値は「雑用ならマイナス0.5、数学の研究なら5点」

記事ではさらに、大阪大学21世紀COEプログラムで社会経済研究所の方が行った「幸福の経済学」調査も紹介している。
日本で約4200人、アメリカで約5000人からの回答を元にした分析という。
経済的な幸福感は飽和するが、その飽和点は日本で世帯年収1500万円、アメリカでは20万ドル。
日本は都市をとるほど不幸せに感じる。
アメリカの学生の幸福感は低かったが、日本では職業別で学生がトップ。


なんとなく関連して思い出したが、隈健吾の本に「建築欲」というのが人間が一番最後まで持つ欲望だと書いてあった。
身体的な欲望が徐々に減っていくときに「建物」に対する執着が生まれる、という話だが、王侯貴族はそうかもしれないけど、普通の市民には当てはまらないかも。

友人Kさんは今マイナスの仕事が増えて幸福度が低い状態。
皆で美味しい物食べてお喋りして、ストレス解消してあげましょうね。
by osumi1128 | 2006-05-27 00:24 | Comments(0)

歯が欠けた!

実は2日前の夕食時に、何か硬いものをガリっと咬んだような気がしたら、実は奥歯が欠けていた!
幸い痛みはない。が、出張の間に歯医者に行く時間はなく、さらに昨日戻ってきても教授会やらなんやらで無理。
ようやく、今朝、歯学部のK先生に「どこに行ったらいいでしょう?」とメールを打って、「それは大変。こちらに行きなさい。電話を入れておきました」というお返事を頂いて一安心。

思えば、仙台に引っ越してからは、どこの歯医者さんに行こうか、もちろん歯学部付属病院という選択肢もあるのだが、迷いつつ数年があっという間に過ぎていった。
元歯医者にあるまじきデンタルIQの低さ!

・・・で、ついに「そのとき」はやってきた。

さすがに、知識があるので欠けた歯をそのままいつまでも放置する気持ちにはなれず、今日、ジャーナルクラブの後に紹介された診療所(幸い大学病院の前)に伺った。

数年歯医者からご無沙汰している間に、レントゲンや口腔内写真をモニタに表示するソフトなど、非常に進化している。
一番心配だったのは、根の治療までしないといけないかどうか、だったのだが、そこまでは至らなかった。
専門用語で説明すると以下のようになる。

左側上顎6番大臼歯遠心隣接部に齲触(うしょく)C2程度。ゴールドインレイは脱落せず。インレイを撤去し、遠心部をスライスにてインレイの再窩洞(かどう)形成。寒天+アルギン酸にて複合印象採取。ゴールドインレイ装着予定。ユージノールにて仮封。※専門用語の漢字検索にかなり手間取った。


このプロセスに加えて、歯周病のチェックもして頂き、案の定、手入れを怠っていたことをきっちり指摘される(ゴメンナサイ)。

歯学部6年生の1年間の週日毎日と、大学院4年間の間の週1日は歯科臨床を行っていた経歴があるが、久しぶりの治療を受ける気分は、「するのとされるのは大違い」
先日エントリーした「採血」と同様に、高速タービンで歯を削られるのは大の苦手。
あの音はヒトが嫌悪感を感じる周波数帯に含まれる。
先生が「麻酔無しでささっとやりますか?」と言われるので「いえ、麻酔、して下さい(きっぱり)」
私が思うに、麻酔剤と抗生物質と鎮痛剤だけで人類がどれだけ救われたことか・・・
他の薬はこれらに比べたら無くてもほとんど変わらないくらいだ。

突然予約に割り込ませて頂いたのだが、1時間半かかって型取りまで。
次回は金属の鋳物(インレイ)のセットの予定。
その後、しばらく通って歯石などのお手入れをして頂くつもり。
by osumi1128 | 2006-05-25 22:54 | Comments(0)

女性研究者支援モデル事業採択!

文部科学省振興調整費の女性研究者モデル事業に関して採択課題が発表された。
見て頂くと、いろいろな施策が挙がっているが、半分から下あたりまでカーソルを動かして頂くと「女性研究者支援モデル育成」の採択課題10件が載っている。
(ただし、本日の時点ではその内容のPDFがまだリンクしていません)

応募件数は35件だったが、そこから採択された10件の中で、女子大学が4件あるというのは、女子大学こそ頑張って次世代の女性研究者を育てて下さいね、という意味なのだろう。
他の採択課題はどんな内容であるか分からないが、東北大学が数学科のK先生を中心として進めた申請が通ったのは本当にめでたいことだ。
ただし、お金が付いたということはそれだけ義務が派生するということでもある。
これからが大変ということもあるが、是非若い世代の方達が羽ばたいて欲しいと思っている。

******
今日は午前中、学術会議の男女共同参画分科会の会議に出て、学協会男女共同参画学協会連絡会の報告をした。
他に、この分野において先駆的な応用物理学会の取り組みとして、日本女子大学の小舘先生からもご報告があり、さらに、企業の取り組みとして、東芝の土井さんからお話があった。
国際競争力を高めることに意識の高い企業においては、多様性こそがその要であるということが共通認識であり、そのためにも、女性の登用が重視されているというお話を伺った。
それって、ちょうど、環境が厳しいときには、遺伝子型の多様性(変異)を生むことが生物の生存戦略であり、有性生殖はまさに遺伝子型の多様性を生み出すために進化したシステムであるということを思い出させる話だと思った。
つまり、遺伝的に均一な生物集団は、急激な環境の変化に対応できずに死滅する、ということである。
こういう話をタカ派の国会議員の前でしたらどういう反応をされるのでしょうね?

******
東北新幹線の車窓からは、田植え後の瑞々しい田んぼが目を和ませてくれた。
仙台に戻って教授会と研究戦略委員会に出て、ざーっとメールチェックして、その後すぐに、元ボスのご接待に向かう。
何のために仙台に来られたのかと思ったら、7月に「人体」のプラスティネーションの展示を自然史博物館で開催することに一枚咬んでおられて、そのボランティア確保等のご相談であった。
こういう美味しいバイトの話って、どんな風にリークしたら公平なんでしょうね?
by osumi1128 | 2006-05-24 23:59 | Comments(12)

講義&会議

朝10時からの講義だったが、ふと間違えて12時までのつもりで授業してしまった。
普通朝からの講義は12時までのことが多く、体がそういうペースになっている。
本当は11:40までだったので、ドルガバの冗談を言っている場合ではなかった。
他にも2回くらい長めのブレイク的ジョークを話してしまったし・・・
東大薬学修士の学生さん、10分延長ごめんなさい。

山上会館でお昼を頂いた後、同級生のI君の研究室を見せていた。
薬学は学部の学生さんから研究室配属なので、総勢30名くらいの研究室だから、確かに広い。
分子生物学&生化学の器械が一通り揃っていて、さらに共焦点レーザー顕微鏡やFACSなどもあり。
学生さん用のiMacがずらっと並んでいたのが壮観。
教授室の机が以前のラボのときより片付いているのは、先週引越しをしたばかりだから、だそうだ。
私のオフィスの現状より格段に片付いているのはなあ・・・なんとかせねば。
またそろそろ引っ越せばいいのでしょうかね?

午後の会議まで、原稿の添削をするのに、本郷三丁目のスタバに行く。
ここは勉強している学生などが多く、いかにも学生街のスタバな点が好きだ。

夕方はヒトES細胞の委員会(公開)が3時間半に渡って行われた。
今、ヒトES細胞の指針見直しを行っており、樹立されたヒトES細胞の分配のあたりの規定と、分化した細胞の取り扱いについて、加筆している。
それにしても、座りっぱなし3時間半は疲れる・・・
(しかも、私にとってあまりツッコミどころがなかったので、発言しないで座っていたので、余計疲れた)

明日の午前中に学術会議の「男女共同参画分科会」に出たら帰仙。
折しも医科歯科の元ボスが御来仙で、ご接待申し上げなければならない。
by osumi1128 | 2006-05-23 21:56 | Comments(0)

米沢富美子先生

今日から研究室には新しいメンバーが加わった。
M2で移籍して来るので、これから是非頑張ってほしい。

今日はJSTの男女共同参画アドバイザリーコミッティーという委員会があり、その委員長を務められる米沢富美子先生に初めてお会いした。
ちょうど「人物で語る物理入門上下」(岩波新書)を最近刊行されたところでもあり、是非お会いしたいと思っていた。
思ったよりも小柄な感じで意外だったが、物理学会会長までされたパワーというかオーラは十分に感じられた。

委員会メンバーはいずれHPに公表されるはずだが、まだ立ち上がっていない。
でも、ほとんどすでに見知った顔ぶれの女性研究者がほとんど。
プラス、「家庭内男女共同参画」先駆者たるT先生やG先生、そして、JSTの男女共同参画室立ち上げを仕組んだK先生のみが男性研究者、という構成で、ちょうど普通の委員会と男女比が逆である。
メディアからは朝日新聞の辻さんと毎日新聞の元村さんが加わっておられる。
会議は予定の2時間を1時間もオーバーするものだったが、どなたも途中退席されなかったのが印象的だった。
これだけやる気のあるメンバーから構成されていれば心強い。
JSTからの発信ということで今後の展開に期待したい。

*****
明日、東大薬学の修士の授業を担当しており、夜はそのお世話係のI君(元同級生)、A先生、I先生とご一緒して、本郷から徒歩15分程度のお寿司屋さんに連れて行って頂いた。
ねぎま鍋を小鍋仕立てにしたものはなかなか趣味がよい。
アンキモの巻物もいけますね。
I君、ご馳走様でした。明日は頑張ります!
by osumi1128 | 2006-05-23 01:03 | Comments(7)

草の匂い

午後に国際ゾンタクラブ地区大会というところに呼ばれて話をしてきた。
他に、いつもの数学科K先生を始め、東北大学の理系女性研究者が合わせて4名のワークショップだったのだが、会場は女性で埋め尽くされている、という点が、普段のトークとの大きな違い。
ゾンタクラブとは「女性の地位向上のために共に働く事業経営者や専門職の人々の国際的奉仕団体」であり、ゾンタというネーミングは、アメリカのスー族の「誠実・信頼」を意味する「ゾンタZONTA」から付けられ、そのメンバーは「ゾンシャン」と言われる。
1919年11月8日アメリ力のニューヨーク州バッファロー市に創立され、本部は1928年1月に、 イリノイ州シカゴに設立。
「誠実と奉仕」をモットーに、2005年現在世界67ケ国1,200以上のクラブがあり、 33,000人もの会員が活動しており、日本国内には44クラブ1,000人近くの会員がいるという。
要するに、いわゆる「女性団体」ですね。

参加者は今回150名弱とのことだったが、この数のオバサン集団は非常に迫力があり、普段(ラボの中は別として)男性が80%以上いる環境で生活している私には、むしろ怖さを感じる。
会場には私よりも年下かもしれない方はおられたが、それは少数。
中心となっているのは50代半ば〜後半の方々なので、私にとっては一世代年上。
うちの学生にとっては私も十分オバサンであり怖い存在かもしれないが、やはり数の力というのは驚異を感じる。
こういう団体の方々が実際、選挙ではカードを握っていたりするらしい。
(自民党の票田という話を聞いた)

私は例によって「脳と遺伝子」の話をしたのだが、K先生は「離散幾何学とランダムウォーク」、工学部のH先生はどちらかというとご自分の経歴のお話、農学部のO先生は「南極の生物」のお話と多彩な内容。
K先生の数学のお話を聞きながら、「数学って、実は解き明かしたい概念を言葉に表せた時点で半分以上終わっていて、綿密な数式による<証明>っていうのが、ウェット系の実験に相当するのだなあ・・・」と思った。 

*****
まだ日の明るい頃にラボに戻って来たが、医学部キャンパスの植え込みの下草が刈り取られて綺麗になっていた。
防災センター職員(つまり、守衛さん)が行って下さっているのだが有り難い。
辺りに<草の香り>が満ちていて、幸せな気分。
私が大学時代から長く過ごした大学は、お茶の水駅の真ん前にあり、キャンパスの地面はすべてコンクリートやタイルで覆われているようなところだった。
当時は便利でそれなりに楽しい生活だったが、今となっては、その違いに愕然とする。

一仕事した後、K先生を呼び出してご飯(+ワイン)を頂きに定禅寺通りまで出る。
ひとしきり「ゾンタ」についてのコメントを言い合ってストレス解消。
「でもオオスミさんと私のコピーが、だーっと100人分くらいいたら、それはそれでコワイんじゃない?」と言われ、確かにそうだと思う。
脈絡無い話題が出たが、「パンの焼ける匂いって幸せな気分だよね」ということで意見が一致する。
K先生は電子レンジを持っていないのに、パン焼き器をお持ちで、私はその器械に興味津々。
うちに置いても使用頻度は高くないが、ラボに置いておいたら私以外にも誰か使うかな?
by osumi1128 | 2006-05-22 00:30 | Comments(2)

H-index

先週末は土日ともに仕事で出ていたが、今週も明日は講演があるにせよ、今日は週末らしく午前中部屋の掃除&片付けをして過ごした。
午後からラボに行って、いくつかの書類を仕上げ、ポスドクさんを誘ってタリーズでお昼をテイクアウトし、戻って大学院生の生データを見たりして、ふと気が付くと4時くらい。
そうだ、今日は加齢医学研究所の所長就任のお祝いの会だったということで、家に戻って着替えてお出かけ。
今日はなんとお祝いの言葉を依頼されていた。
数日前に幹事の方からお電話があり「あのー、スピーチをお願いしたいのですが・・・」
「いえ、私なんてとてもとても・・・」
「しばらくご歓談の後ですから、是非」
「そうですか、それでは・・・」
と、断れない性格で深く考える前に引き受けてしまったはいいが、よく考えると私はそのF先生を長く存じ上げていないことに気が付いた。

「ねえ、引き受けちゃったんだけど・・・」と助手さんに言うと
「なんか、結婚式のスピーチで新郎新婦を知らない叔父さんが話すみたいなものですね」
「そうだよね。『ワタクシは新郎のお父様をよく存じ上げているのですが』の代わりに、『あの有名な某K先生の先輩にあたるF先生は・・・』って言ってもなあ・・・」

と悩んだ末に、スピーチでは「お願い」をしてしまうことに決定。
「加齢研は今だ女性教授がいない部局なので、是非、F先生の所長の在任中に実現させて下さい。F先生ならそれができると信じています☆」という話で締めくくった。
F先生、くれぐれも健康に留意されてください。

*****
ところで、神経科学者SNSの方でH-indexというものを知った。
<以下、Misoさんによるコメントをもとに修正します>
これは詳しくはHerfindahl index (Wikipedia)こちらを読んで頂くとして、簡単に言うと以下のようになる。
自分の論文を引用数順に並べ、上から順位をつけます。上から見ていくと、あるところで順位が引用数を下回るはずです。この境目の、小さい方の順位がH-indexになります。つまり、上から数えて10番目の論文の引用回数が12回だとして、11番目の論文の引用回数が9回とすると、H-indexは10になります。あるいは100番目の引用回数が150として101番目が50だと、H-indexは100になります。元論文はPNASに出ています。
http://www.pnas.org/cgi/content/abstract/102/46/16569(Misoさんのコメントつぎはぎ転載)

これを簡単に調べるにはどうするかなあと思って試しにGoogle Scholarを検索したら、N Osumiを入力すると、デフォルトでそういう順番に並んで表示された。
この引用件数はISIの方よりも少なめに出るが(Takeshi SAKURAIさんのコメントより;私もそう思います。検索し直していないけど)、一つ一つ調べなくても一覧になるので楽。

それなりに業績を上げれば、研究年数が長くなるほど当然のことながら値は大きくなっていく。
また、引用件数をベースにしているので、研究者人口の多い分野の研究者ほど高いH-indexになるだろう。
脳科学など、手法も平均著者数も大きく違うような分野はひとくくりにはできないということだ。
1,2報、数百の引用数のある論文(つまりホームランですね)があるだけではこの値は高くならないので、どちらかというと、確実にヒットを打つタイプの研究者にとってはそれを示す値になるように思う。
また、まだ論文の数が少ない大学院生やポスドクの方の評価には向きませんね。
ちなみに、神経科学者SNSのやりとりでは、アメリカ?ではH-indexが30以下の研究者にはgrantの審査をさせない、という基準があるらしく提案をした人がいるらしいのだが、これは(分野にもよって基準の値を変えれば)なかなかリーズナブルかつ客観的な審査員選定基準になるかもしれない。

ちなみに、Misoさんによれば神経科学分野ではJohns HopkinsのSol SnyderがH-indexgが150191(2006年5月20日現在)というのだが、そもそも論文数が150191以上ないと、この値は生まれませんね。
研究者にも寡作な人もいれば、マシンガンのように論文を出し続けるタイプの方もおられる訳で、そういういろんなタイプの研究者がいること自体がこのsocietyを支えるのに大切なことなのではないかと思う。
by osumi1128 | 2006-05-20 21:47 | Comments(5)