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新BSディベートにSA出演!

うちはなぜかBSを視聴できません。
キカイ音痴の私には何が悪いのか到底理解不能。
よってそのままにしているため、例えば本日のように22時からBS1の新BSディベート
どうなる科学技術立国ニッポンという興味深い番組があっても見られません(涙)。
しかも、今回、杜の都女性科学者ハードリング支援事業のサイエンス・エンジェル今井由佳さんも出演しているのですが……。
仕方なく、周辺情報だけ読みましたが、不完全燃焼。
誰か関係者の方、きっと録画してますよね?

*****
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昨晩遅い時間、大学の産学関係のTMさん(可愛らしくて優秀な女性)と夕ご飯を食べながらの打合せ。
男性社会で、いろいろなことが夜の呑み会で決まる(あるいはトイレの中とか?)というお話を先日のシンポジウムでアメリカの女性研究者からも聞きましたが、我々のしていることってオヤジ化してる?
昨年駅前にオープンしたリゴレット・タパス・ラウンジです。
東京にもお店があるのですが(最初に行ったのは丸ビル内)、オーナーのご両親が仙台に住んでいらっしゃるとのことで、地元食材にこだわったメニューが豊富でした。
画像は、300円〜500円のタパスから地元野菜のグリル、石巻のタコのトマトソース煮、他にハモンイベリコ(S)、それから載ってませんが、気仙沼の白身魚のアクアパッツァも美味♪でした。
by osumi1128 | 2008-03-30 23:36 | 科学技術政策 | Comments(0)

好きなことを仕事にできるという幸せ・その2

昨日、懸案事項であった「ガジュマル治療大作戦」を決行すべく、鉢を車でラボに運びました。
うちには「植物のお医者さん」的存在のNさんというスタッフがいて、昨年お誕生日のお祝いに頂いたアンセリウムの株分けやら、各種水耕栽培実験などが行われています。
ガジュマルにとって2回目の冬越えだったのですが、秋頃に投入した活力剤がかえって合わなかったような印象もあり、また私の出張の間、カーテンを引いた寒いリビングに置いておかれることが続いたせいか、昨年よりもさらに具合が悪くなってきて、「これはあかん!」ということでNさんの手に委ねることになりました。
早速「乾燥気味なので、たっぷり水をやり、霧吹きで葉水も与えます」という治療方針となりました。
ラボは夜まで明るいですし、うちよりも毎日暖かいので、この南国生まれの植物にはベターな環境だと思います。
早く復活してくれることを期待しています(でも、たぶん、うちには持って帰れないかも)。

*****
さて、金曜日のことですが、東大で開かれた「世界のスーパー女性研究者が語る〜アカデミアの男女共同参画と学術の発展」というシンポジウムの午後の部のパネリストとして参加してきました。
小宮山総長が開会のご挨拶をされ、文部科学省科学技術・学術政策局長の森口氏、内閣府男女共同参画局長の坂東氏からも来賓挨拶があり、国会の関係で午後の冒頭になりましたが、森山眞弓衆議院議員からもご挨拶、ということで、さすがは東大です。

ちなみに、東大法学部卒の女性からは3名の文部(科学)大臣が輩出され、森山議員も坂東局長も同じく東大法学部。
(母校のシンポジウムだからこそ、駆けつけて下さったということでもありますね)
理IIIから同じくらいのエスタブリッシュした方が生まれるのは、いつ頃になるでしょうね?
それができないのだとしたら、人材をうまく活用できていないことになりますね。

さて、基調講演として3名の海外からの女性研究者と黒田玲子先生によるお話がありました。
脳科学、環境科学、社会科学、化学・発生生物学というバラエティーに富んだ専門の御講演内容も興味深いものでしたが、Heidi Nepfさん(環境科学)の言葉の中で印象的なことがありました。

環境科学という学問は、いろいろな学問の境界領域に位置し、当時始まったばかりの新しい領域だった。既存のヒエラルキーがあまりなかったので、やりたいように研究をして、エスタブリッシュできたのだと思う。


これはかなり一般的なことかもしれません。
バイオ系を見渡したときに、世界的に見ても女性研究者が多いのは神経科学と発生生物学です。
どちらも、融合的な分野だと思います。
ですので、きっと新しい分野にチャレンジすることが、女性でも男性でも、生き残るチャンスかもしれません。

Nepfさんの講演では、いろいろなアドバイスがあったので記しておきます。
Establishing onself in a chosen field
Work hard
Do what you love
Share what you do-Its really all about communication

理系分野において、コミュニケーション力は数学と同じくらい重要だと仰ってました。
そういう意味で、高校時代に「文理」を分ける日本の受験対策は、大きな問題だと思われます。

Find a mentor-a trusted advisor.
Don't be afraid to ask questions.

何事も相談できるメンターを作るということは、若い方にとってとても重要です。
また、人は「喜んでアドバイスしたがる」性質があるので、それを利用すべきとも。

Different leadership style
円卓の周りに皆が座ってディスカッションすると、誰でも気兼ねなく意見が言えて、斬新なアイディアが生まれる。


パネルディスカッションの時間は大幅に遅れていましたが、大沢先生の仕切り方はなかなか見事でした。
フロアから長々とコメントなんだか質問なんだか要領を得ない話がくどくど続く(リタイアしたくらいの男性)のを、「論点を整理しますと、これこれ……ということですね?」とまとめたり。

最後に「一分で」というコメントは私のところまで回ってこなかったので(笑)、ここに記しておきます。

アカデミアというのは、好きなことを仕事にできる幸せな職業の一つです。「好き」だからこそ仕事に没頭し、ワーク&ライフバランスが「ワーク」に傾くこともありがちかもしれません。でもそのバランスは状況に応じてflexibleであるべきで、そういう働き方の多様性を認めることが(男女関係なく)学術の発展に重要でしょう。
もう一つ「メンターが大切」というご指摘がありました。年長のメンターの方も大切ですが、いろいろなことを相談でき、批判もしてくれる「友人」も大切です。同じ業界の違う組織の方でも、同じ職場で違う分野の方でも、あるいは、仕事はまったく関係ない、趣味を同じくする方でも。そんな多様な人間関係が、心を豊かにし、ストレスを和らげ、また、違った発想を生むことになるでしょう。

by osumi1128 | 2008-03-30 11:01 | 科学技術政策 | Comments(0)

好きなことを仕事にできるという幸せ・その1

木曜日は日本生理学会の若手の会主催のシンポジウムでした。

若手の会シンポジウムYoung Physiologists Group Symposium
若手が将来の科学政策を考えないでどうする—若手研究者からの科学政策への提言—
Good policy makes better life: Young scientists' proposals for science policy
オーガナイザー : 篠田 陽 (理化学研究所 脳科学総合研究センター分子神経形成研究チーム) Yo Shinoda (RIKEN BSI Laboratory for molecular neurogenesis)

1 ポスドク問題と科学技術政策
澤 昭裕(東京大学先端科学技術センター)Akihiro Sawa (Research Center for Advanced Science and Technology, University of Tokyo)
2 研究人材を取り巻く状況—データから読み取れること—
三浦 有紀子(物理学会キャリア支援センター)Yukiko Miura (Career Support Center, The Physical Society of Japan)
3 人材こそ国の礎:アカデミアにもっと人を!
大隅 典子 (東北大学大学院医学系研究科)Noriko Osumi (Graduate School of Medicine, Tohoku University)
4 民間企業で活躍するポスドクたち—具体的な事例を交えて—
橋本 昌隆(株式会社フューチャーラボラトリ)Masataka Hashimoto (Future Laboratory Corporation)
5 将来の科学界のために、科学者は何ができるだろう
篠田 陽(理化学研究所脳科学総合研究センター)Yo Shinoda (RIKEN BSI)
6 パネルディスカッション


内容については主催者側からのまとめがいずれ出ると思いますので、個人的な感想を。

パネルの最後に司会の篠田さんから「もし、今ポスドクだったら、どうしますか?」という質問があり、パネリストが順番に答えていったのですが、私は「過去を振り返ってそういう風に考えることはあまりしないので……」と答え、「その代わりに、どうやってリタイアするのかについて考えています」と言いました。
最後時間がなかったので(私自身、次の予定が詰まっていたこともあり)、少し言葉が足らなかったと思うので、その意図をここに書いておきます。

パネリストからの問題提起の中にもあったのですが、「すでにアカデミアのポジションを得ている人の既得権が守られ、新たに参入するべき若手の権利が侵害されている」という指摘については、私も重要な点を含んでいると思います。
ここ数年、定年制も崩れつつあり、大御所の先生方が大きな研究室を維持されつつ、大きな研究費を獲得される傾向がありますが、これは「アメリカには定年制はなく、テニュアの権利を持った研究者は、研究費が獲得される限り、研究室を維持できる」ということに基づいています。
ただし、アメリカの研究費の審査に関わっているのはAssistant Professorレベルの方々も多く、一世を風靡した研究を行った方でも、最近の業績やプロポーザルが悪ければ通りません。
よって、徐々に縮小していく、という、生物学的にみてリーズナブルなキャリアパスになっていくか、Department Headや所長等の立場で、自分の研究室は持たずに(←ここ、重要なポイント!)マネジメントに徹するか(人事権は勿論とても大きい)、十分研究生活は楽しんだから、しんどい申請書書きなどはもうやめよう、という選択肢かになっています。

日本では、所長あるいは学長クラスの方も自分の研究室も持っていることがままあり、それはそれで大変お元気で素晴らしいことなのですが、国家レベルの施策の舵取りをするような立場にも関わってくる際に、利益相反にならないかと気になります。
専任のプログラムオフィサーなどがもっと活躍すべきと思います。

というようなことを感じていますし、「岡本の公式」でも指摘しましたように、PIのポジションを長く占めていたら後進に悪影響なので、定年過ぎても研究室を主催するというオプションは取りたくありません。
(もちろん、私が一人辞めてポジションを得られるのは、せいぜい一人か二人なのですが、精神論として、です)
したがって、いつ頃、今の仕事からはどのようにリタイアし、次に何をするのか、というプランを、10年単位くらいで考えないといけないなぁと思っている次第です。

たぶん、研究者という人種は「好きなことを仕事にしている」という実感を持って生きているので、可能であれば、ずっとそうしていたいのですね。
ポスドク問題の中でも指摘されているように、「研究ができれば、ずっとポスドクでもいい」という気持ちの方も、「定年後も、頭と身体が続く限り、ずっと研究していたい」というシニアな方も、根本のところで同じなのだと思います。
文学や音楽や美術やスポーツ関係の方々や、もしかしたらお笑い芸人も、それぞれ没頭する対象は違っていても、共通するメンタリティーでしょう。
大きな違いは、現代社会における職業としての研究者は(とくにバイオ系の場合)、かなりの割合が大学や独立行政法人のポジションにあるので、その給料が税金であるという点です。
さらに重要な点は、そういう研究者を育てるのにも、巨額の税金が投資されているということです(橋本氏の試算=国立大学学部からポスドク3年くらいまでで一人1億円というのは、ちょっとオーバーかもしれませんが)。

日本という国がどのくらいのアカデミアの人口を抱えきれるのか、誰かが本気で(最初に政策ありきではなく)シミュレーションしないといけませんね。
*****

咳のからんだ風邪と花粉症のタブルパンチが続いています。
東京の桜はこの週末が一番の見頃だと思いますが、仙台はあと2週間くらいでしょうか。
ヒノキは大丈夫なので、桜が散れば花粉症は治まるのですが……。

上記の続きのエントリーはまた明日にでも。
次は、金曜日午前中から参加した、東大の共同参画シンポジウムに絡めて。
by osumi1128 | 2008-03-29 11:56 | 科学技術政策 | Comments(0)

日本の神経発生学

3日間、CDBの国際シンポジウムをエンジョイしました。
「こんな年度末ぎりぎりの時期でなければ」と思うことしきりでしたが、留守を秘書さんたちにお任せして、アカデミックな時間に浸ってきました。
オーガナイズされた方々、どうも有難うございました。

ひとことで言って、「ゴージャス」に尽きるミーティングでした。
海外からの参加者も、最新データを惜しげもなく30分の時間に圧縮して話してくださり、大いに参考になりました。

日本の神経発生学のレベルは非常に高いのですが、日本の神経科学学会というコミュニティーの中で、他の分野に比してどうかというと、その成立が若いということもあって、人口比に合わず必ずしもメジャーとは言えないのが残念に思います。
例えば、北米神経科学学会は5万人くらいの会員数で、2万から3万人の参加者のある年会が開かれるのですが、全日ポスターセッションの枠が設けられている中で「Development」というジャンルは「A」という一番最初のカテゴリーになっていて、「神経新生neurogenesis」もここに含まれます。
脳がどのようにして構築されていき、また、引き続いてどのようにメンテナンスされていくかは、developmentやneurogenesisという連続的な概念として捉えることができるのですが、日本語ではdevelopmentが「発生」と「発達」という言葉に分かれてしまっているせいか、あるいは、神経発生の研究者と、例えば精神遅滞の研究者の交流が少なすぎるのか、underreprsentativeのように思えます。

今回のシンポジウムで良かったのは、2つか3つのトーク(それぞれは20分もしくは30分)が終わるとcoffee breakがあったこと。
人の集中力が1時間半くらいで限界であることを考えると、このくらいのブレイクが会議を円滑に運営する秘訣だと感じました。
ポスターセッションは主としてお昼休みの時間を兼ねていて、これも良い時間配分でした。

発生再生センターのセンター長である竹市先生が、全日、朝から晩まで会場で熱心に聴いていらっしゃったのも心に残ることでした。
大学の執行部の先生方では、なかなかそうはいかないだろうなと思うことしきり。
研究所ならではの時間の流れだと思いました。

* ****
神戸空港から羽田便の最終で東京へ。
車で10分ほどのところに空港があるなんて。
ボーイング737は7割くらいの混み方でした。
明日は日本生理学会の若手企画シンポジウムに朝8時からの参加です。
by osumi1128 | 2008-03-26 23:35 | 雑感 | Comments(0)

CDB国際シンポジウム2008

本日から理化学研究所発生・再生研究センターが開催する年1回の国際シンポジウムが開かれました。
今年のテーマはTurning neurons into a nervous systemというものですが、CDBでもneuronsしか表に出てこない辺りに、日本の神経科学のニューロン偏重主義を感じますね。
実際には、ヒトの脳であればニューロンの10倍の数のグリア細胞(そのうちのほとんどはアストロサイト)が存在するのですが、この細胞集団は日本ではまだまだマイナーな存在です。
実は、アストロサイトは「神経幹細胞」と共通する性質を有していたり、シナプスにおける神経伝達に影響を与えるだけでなく、脳血管の血流を調節するなどの、とても大事な働きをしているのですが。

とはいえ、上記サイトからプログラムを見ていただければお分かりのように、ノーベル賞受賞者(マリオ・カペッキ博士)を含むゴージャスメンバーのトークが3日間目白押しという企画で、日本にいながらにして(=時差なく)こんな国際シンポジウムに参加できるのは有り難い限りです。
昔は(という話をすると若い人に嫌われると言いますがー苦笑)、海外に出かける(というか、乗り込んでいく)という労力を払わなければ、国内での国際学会は本当に稀なことでした。
しかも、ほとんど自腹でしたし。
まあ、だからこそ、どうせ時差のあるところまでお金を使っていくのなら、セミナーの一つ、二つくらいしてこないと、と思えたのかもしれず、だからこそ生き残れたのかなとも思いますが。

Nature Neuroscienceのeditorの方も参加していました。
参加者の2割以上が外国人という印象です。
by osumi1128 | 2008-03-25 00:20 | 雑感 | Comments(0)

もっと科学コミュニケーターの活躍の場を!

5号館のつぶやきさんのところに作品発表会と修了式 【関連記事追記】というエントリーた立っていました。
ちょうど昨年の今頃、修了式にお呼ばれして札幌に行ったのでした。
1年、あっという間ですね〜。

今年は我が東北大学脳科学GCOEに企画広報担当ということで来てもらった長神さんがコメンテーターの一人でしたね。

3年前に科学技術新興調整費のプロジェクトとして始まった「科学コミュニケーション人材育成プログラム」ですが、北大、東大、早大のプログラムは一応終了ということになります。
この間に、全国での科学コミュニケーションは確かに盛んになったと、少なくとも私は思っていますし、上記関係者の方々などは皆さんそう思っておられると思います。
……ただ、はっきりいって、まだまだ知名度は低いです。

官庁関係の会議に出る際に、折に触れて「こういうプロジェクトには、きちんと市民向けへのアピールもする専任の人が必要です。研究者が片手間に出来ることではありません。」と発言しているのですが、「そんな人はいますかね?」と言われることが多々あります。
もちろん、そういうご意見を言われるのは、私よりも年配の男性なのですが、「3年前から、科学技術新興調整費では……云々」とご説明しても「はぁ〜」という感じで、想定外なんですね。

今、盛んに行われているサイエンス・カフェなどは、それはそれで結構なのですが、その世界で閉じて欲しくないと強く思います。
逆の言い方をすれば、科学コミュニケーション業界という世界が、その中で楽しく過ごせればよいという人たちのためのものになって欲しくはありません。

科学コミュニケーションなどしたくないし、する暇もない、と、研究に邁進する研究者も大いに結構だと思いますし、直接、市民向けにお話しするのも楽しいな、と思う科学者もいてほしいと考えますし、自分では研究成果を出すことはしないけど、研究の動向はきちんと把握しているという方も大事で、それをさらに、本に書いたり、講演をして伝えたりという人材も必要です。
そういった、いろいろな科学との関わり方をする方を上手く取り込んでサイエンス・イベントを企画することに生き甲斐を持つ方も、そのお客さんとして来て下さって、批判もして下さる方々も、もっと増えてくれたらいいなと思います。
そんな風に、科学を支える裾野が広がり、層が厚くなることが、日本の科学を持続的に発展させることになるのだと信じています。
そのためにはまず、科学コミュニケーターの活躍の場が必要です。

*****
直行便で神戸に移動。
明日から発生再生センターの国際シンポジウムです。
(あ、日付はもう今日でした)
by osumi1128 | 2008-03-24 01:52 | 科学技術政策 | Comments(0)

Every Breath エヴリ ブレス

休日のラボは仕事がはかどります。
人が少なくて、電話もかかってこなくて、メールも少なくて落ち着いていて。
再々投稿のカバーレターを仕上げ(再レヴューが戻ってきたときは、一人の査読者に対して「さらにこーんなに逐一、あーだ、こーだ言うなんて、サイテー!とかなり頭に来てましたが、いざ、カバーレターを書くとなると、もう少し冷静に、「はい、はい、ごもっとも」と90%くらいは限りなく言うとおりにしましたが)、英文校正に送り、のびのびになっていた翻訳ものを2章分チェックをして出版社に提出し、出張中の書類の処理も終えて、結構満足感がありました。
こういうときに、自分の脳の中でドパミンだかセロトニンだかエンドルフィンだかを分泌できるということが、きっと仕事をするには良いのでしょうね。

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数日前に、NHKスペシャルだったかで動画サイト(You Tubeなど)の話題を取り上げていて、「お勧め」機能の是非について、秋元氏やら天野氏やらがいろいろ議論されていましたが、先日、Amasonからのメールで瀬名さんの新刊を勧められました。
たぶん、以前Amazonのサイトに書評を書き込んだために送られてきたのだと思います(さらに、もしかしたらAmazonで買ったのもあるかも)。
へーんだ、もう本人署名入り献本もらって読んじゃったもんね、とモニタに向かってつぶやきました。
とりあえず、そこまでパーソナルなことはAmazonのデータベースにもわからないでしょう。

ところで、学術書は問題ありませんが、本人のひととなりなどを知るようになると、小説の書評は書きにくくなりますね。
本の中に描かれた世界と、現実に交わされた会話が交錯し、あるいは、これは私も知っているあの人のエピソードなのでは?などと想像を巡らしてしまいます。

*****
『Every Breathエヴリ・ブレス』というのが本の題名。
息づかい、息、ブレスは本書のキーワードとなっていて、例えば「世界がずっと続くなら、息なんてしなくても生きていかれる?」などとヒロインが訊きます。
あるいは、「地球上の生き物の多くは、呼吸してエネルギーを得ている。呼吸する器官があったからこそ、声を発して、言葉を使うようになった。文明は呼吸によってもたらされた」というのは、喉頭癌で亡くなる方の言葉。
当たり前すぎて気にしていないけど、一息、ひといきに、いのちが込められているのですね。

私の印象では、ブレスの話よりも、きらきらした光のイメージの方が強かったです。
おそらく瀬名さんの原体験の中には、八月のまばゆい光があり(そういえば、確か、三島由紀夫の最初の記憶は、産湯を使った金盥の水に反射する光だったとか)、私は夜の月や星の白い輝きの方がしっくりくるのですが(そういえばちょうど、昨日あたりが満月)、いずれにせよ、人間ににとって「光」は特別な存在です。

たぶんいちばん大事なテーマは近未来に曖昧になるかもしれない「命」、あるいは「生き物」ということでしょう。
物語の途中で、主人公の息子が話す「生物の定義」についてのくだりは、まさにK先生と一緒の折になされた会話で、なるほど、こういう風に使われていくのかと実感。

以前の瀬名さんの『Brain Valleyブレイン・ヴァレー』という本では、発達した人工知能により空間的に繋がった世界がシンクロする様子が描かれていましたが、本作はセカンドライフのようなヴァーチャルな世界(本の中では「ブレス(あるいはBRT)」というソフトとして設定されています)を使って、時間の階層を繋げています。
自分の分身がそれぞれの階層に存在していて、ほっておけば自律的に「生きて」いるというのは不思議な感覚。
ブレスにアクセスするとまず「共鳴しますか?」と聞かれて、イエスをクリックすると、その時点のコンピュータ端末の中身がスキャンされて取り込まれ、分身に影響を与えるという設定は、さもありなんという気がしてきます。

それにしても、未来を描く小説家というのは度胸があると思います。
本当にその時が来たとき、描いたことがどれほど当たっていたのか、まあそんなことに意味はないのかもしれませんが。

そうそう、主人公を取り上げていませんでした。
杏子という、1970年くらいの生まれの女性と、その初恋の人、洋平なのだと思いますが、ラブストーリーとしては、100年近い、壮大な時間を扱っています。 瀬名さんの物語に出てくるヒロインも、多くの男性作家に類似して、かなり似た印象なのですが、一言で言えば、気持ち細目で、背筋か伸びていて、夏の昼下がりに白いワンピースを着ている髪の長い少女のイメージ。
大人になっても、そういう雰囲気を残した人。
私は嫌いじゃないですが。
今回は、素粒子物理学を修士まで専攻し、金融工学の世界でクオンツ(数理解析の専門家)として働いた後、大学に戻って教鞭を取るに至ったという設定です。
(どこの大学なのか書かれていないのですが、なんとなく「東北大かな」と思ってしまうのは身びいきかも)

男性の方は、不明な箇所も多いのですが、杏子とは小さいときの思い出を共有し、高校時代に「世界の果てを一緒に見にいく」というロマンチックな経験をともにしています。
「ブレス」の世界ではCGなどを提供して注目されるも、ふっつりと消息がわからなくなる、ということになっていて、その後、飛行機を自作している下りがありますが、杏子さんに比べると具体的な描写が少なくて。

至るところに曲名がちりばめられているのは、ラジオ番組としても放送配信されることなっているから。

それにしても瀬名さんの勉強熱心なこと。
盛り込まれているいろいろなエピソードは、もったいないくらいいろいろあり、もっと小分けにしても大丈夫なのではと思ってしまいます(すみません、余計なお世話で)。
脳から直接「通信」できるようになっていたり、「ナノ医療工学」によってアンチエイジング療法が可能になって100歳くらいまで皆生きるようになる世界が描かれています(>K先生、200歳は相当大変なことね)。

瀬名さんの小説をどんなジャンルに分類するのかは難しいでしょうね。
本書なら「サイエンス・ファンタジー」とでも言えばよいのかしらん。
きっと、普通の小説が好きな方からは「なんか理系っぽい」(だって、本当にそうなんですが)と敬遠されることもあるでしょうね。
科学者と一般の人の間に、本当は無数の人が散らばって存在しうるはずなのでしょうが、この世界は文学や絵画や音楽やスポーツと違って、そういう連続性に欠けていることが、かねがね残念に思っています。
そういう意味で、瀬名さんのような方は、中間に位置する貴重な方といえますね。

とにかく、読後感は爽やかでしたので、しばし非現実の、でももしかしたら本当に近未来の世界を楽しみたい方は是非!
by osumi1128 | 2008-03-23 00:01 | 書評 | Comments(0)

日本植物生理学会

東奔西走ならぬ北奔南走ってところですね。
今日は日帰り札幌でした。
本当は、明日は東京で出たい研究会があったのですが、再々投稿論文も大詰めなので、土曜日はラボに出たかったので。

北海道の景色には、まだ白い雪がありました。
東京には咲いている桜もあったのですが。

さて、お呼びのかかった日本植物生理学会は今年の大会が第49回。
会員数の割に参加者の多い、実質的にアクティブな学会だそうです。
学会誌Plant Cell PhysiologyはIFが3を超えているとのこと。

2年に一度行う「本部企画シンポジウム」は、「社会との接点になるようなテーマ」を選んでいるとのことで、2004年のときは「遺伝子組み換え植物」。
今回のキャリアパス問題を扱うにあたって、1月から2月にかけて会員相手に現状調査のアンケートも行っておられました。
(いずれHPにアップされるとのことです)

会長の中村研三先生@名古屋大のご挨拶の後、河内孝之先生@京都大がアンケート結果についての発表をされました。
その次に、中野明彦先生@東京大が、先日10月に行われた学術会議と生物科学連合によるシンポジウムの内容についてお話しされました。
そのPPTなどは生科連ホームページからダウンロードできます。

私の発表も、基本的には学術会議の折と同様だったのですが、さらに「博士は採用した企業からポジティブに見られている」というデータを追加しておきました。
こちらのブログに関連記事を載せています。

次の方は名古屋大学のキャリアパス事業の中心となっている産学連携本部教授の武田穣先生で、やはり、個別指導の重要性を指摘していらっしゃいました。
印象的だったスライドは、「面接のときにどんな格好で行ったらいいか?」ということに対する対応のために、アパレル系の方のアドバイスを頂いていて、「博士やポスドクの方が就活するなら、今更、リクルートスーツはないでしょう」というご意見とのこと。
そのときに使われた男性・女性のイラストがひじょーに面白く、「これではちょっと……」という例だったのですが、男性の方は、
・よれよれのリクルートスーツ
・それと全くマッチしない(あるいはしている???)デイバッグ
・よれたネクタイ
女性の方は
・黒いリクルートスーツ&白いブラウス
・髪はただひっつめ
・……あと、忘れました

とにかく、せっかく博士課程やポスドクなどのキャリアを積んだのなら、その雰囲気が現れるような<見た目>にしましょう!ということですね。
リクルートスーツを着たら、トウが立っているのが目立つだけで、また、専門性などの個性が見えないと、確かに思います。

これに関して、30代半ばの頃、大事なプレゼンのときに、明らかに「失敗した!」と思った経験があります。
グレーのスーツを新調したのですが、同行してもらった方に朝会ったときに「?」という顔をされました。
うーん、新たに投資した意味がまったくないどころか、逆効果だったのだと、プレゼンをし終えてすぐに思いました。

話題が逸れました。
その次の講演者は人材斡旋会社の片岡達彦氏で、会社はケリーサービスジャパンというところです。
ご自分もポスドクの経験があり、その経験をもとに、とても現実的なアドバイスをされていました。
アカデミアで必要な資質とノンアカデミアとで必要なそれは、さほど違わないというのも同感です。
自分の研究内容について、相手のバックグラウンドや理解レベルに合わせて、手短に、面白く話せること、書けること。
段取りの仕方、報告、連絡、相談(いわゆるホウレンソウ)などなど。

時間が大幅に超過し、司会の徳富哲先生@大阪府立大がアンケートの自由記載について披露されながらまとめを話され、散会となりました。

実は、昨晩から喉が枯れてしまって、ほとんど声が出なくなり、どうなるかと思ったのですが、かろうじて発表はできました。
ちょっとお聞き苦しかったことをお詫びします。

*****
飛行機に乗り遅れるかと心配でしたが、結局、機体の整備不良でやや遅れ、9時頃に仙台に戻りました。
本日、Andrew Pieperのセミナーがあったのですが、私は参加できず(涙)。
先方も用事があってもう1日前には来れなかったので仕方ありません。
夕ご飯をいつものEnglish Lessonメンバーとともに。
本日も和食。
焼酎も日本酒も飲んでいました。
by osumi1128 | 2008-03-22 00:43 | 科学技術政策 | Comments(0)

植物生理学会キャリアパス関連シンポジウム

成田から送った宅急便を待ちつつ、再々投稿用の原稿のカバーレター等を自宅で書いてから徒歩でラボへ。
今日は花粉が飛びまくっていて、外を歩くべきではなかったと反省するも手遅れ。
涙とクシャミと鼻水に悩まされつつ、投稿準備の第3コーナーを回った状態の論文に手を入れて、夜に仙台入りする外国人ビジターを待ちました。
ダラスからの直行便だったのですが、到着がやや遅れて、新幹線が1本遅いものになったという連絡を、成田でアテンドして頂いた旅行社の方から頂いたので、明日のトーク用のPPTファイルも少しバージョンアップ。

今回のビジターはアメリカ人のAndrew Pieperさんと言って、テキサスでちょうど独立したAssistant Professorです。
明日、GCOEセミナーをしてもらうことになっています。
そもそもは、たしか年末くらいに、昨年開催したNeurogenesis2007に応募したい、というメールが届き、「そちらはすでに開催済みですが、ところで、貴方には2006年の夏のCold Spring Harborで会いましたね」とお返事を返すと、「あー、覚えています。」
「3月22日にニューロン新生懇談会という会があるので、そちらに参加してみては? もちろん、是非仙台にも寄って下さい」
という具合にトントン拍子で話が進んだ次第。
東京での日程もアレンジして、今回は初めての来日とのこと。

ポスドクさん二人とともに新幹線のホームでお迎えし、ホテルにチェックインして頂いた後、「お寿司とお寿司以外の日本食と、どっちがいいですか?」と訊いたところ、後者だったので、最近よく行く和食のお店に行きました。
「食べられないものはありますか?」と尋ねると「大丈夫、何でも食べられます」とのことだったので、あれこれ頼んでみたのですが、皆、美味しい!を連発してくれました。
ちょっとだけトーンが低かったのは鱈の白子(こちらでは”鱈菊”という美しい名前で呼ばれます)でしたね(笑)。
最初に種明かしせずに「まぁ、食べて、食べて」と食べさせてから「何だと思う???」と訊いて、「わからない」というので「核酸の多い組織」というヒントで大当たりでした(生物系のネタですね)。
日本酒もいける口で、なかなかフレンドリーなあんちゃんで良かったです。

私の方は明日(というか、日付はもう本日は金曜日)のセミナーは残念ながら日程が合わず、植物生理学会の2008年年会@札幌コンベンションセンターにキャリアパス関係シンポジウムで参加。
先日の学術会議シンポジウムでの発表を少しバージョンアップします。
by osumi1128 | 2008-03-21 01:14 | 科学技術政策 | Comments(0)

後輩のお祝い会

朝から午後までかかる会議の後、オアゾのビルの中にある「丸の内ホテル」のロビーに移動。
ふ、ふ、ふ、ここはフリーの無線LANを経由してインターネットにアクセスできるスポットの一つです(…あ、知ってました?)。
八重洲側には東北大学の東京オフィスもあり、空いていればそこも使うことが可能なのですが、その後の予定が丸ビルだったので、駅の反対側まで移動するのが面倒で、ロビーで1時間半ほどメールの処理等をしました。

会の始まる時間にはちょっとまだ間があったので、丸ビルの中のカードショップに立ち寄って、バースデイカードを10枚ほど求めました。
うちのラボメンバーにお誕生日の寄せ書きをするのですが、だんだんメンバーが増えましたので、気が付くと買い置きが無くなりそうになっています。
贈る人に合わせて図柄を選ぶのは楽しみの一つです。

さて、夜は大学の後輩のIさんが昇進したお祝いの会でした。
遠方からも何人もの方が参加して下さったのはIさんの人徳ですね。素晴らしい!
10人ほどの会だったので、テーブルの遠くの方とは、あまりお話しできず残念。
というのも、本当は二次会までおつきあいするつもりだったのですが、いろいろと溜まっていて、最終の新幹線で帰仙することにしてしまって、バタバタと9時過ぎにお店を後にしたのでした。

……で、東京駅の改札を通って、はた、と気が付くと、手元にあるのは見たことのないトートバッグ!!!
え??? これって、誰の? というより、私のバッグは……え、あのお店にあるってこと???
で、最終新幹線発車時刻の7分前だったのですが、携帯に登録されている参加者の番号に3人ほど掛け、3人目のI君が出てくれて(こういうとき、男性の方が携帯を胸ポケットなどに入れているので、早く気付いてくれます)、事情を話すと「わかった。ちょっと待ってて」
で、ほどなく幹事のKさんから連絡が入り、「どんなバッグですか? そちらのバッグはどこに取りに行けばいいですか?」
東京駅丸の内北口のJRの方に「申し訳ないのですが、すぐに取りに来ますので、こちらを預かって下さい」と託し、八重洲側にダッシュしました。

発車2分前に電車に乗り、Kさんから電話が。
「大隅さんのバッグは確かにお店にありました。それから何をすればよいですか?」
「すみません、バッグはMacBookともども送って頂きたいのですが、実は金曜日に行う講演のファイルがその中なんです。これこれのファイル名なので、メールで送って頂けますか?」とお願いしました。
その後、「東京駅でOさんのバッグも無事に回収しました」との連絡が。
やれやれ……、これが上海でなくて何よりでした。

シンデレラタイムに仙台に戻って、自宅の G4でメールを開くと、もうすでに該当ファイルを送って頂いていました。
Kさん、本当にごめんなさい!!!
お料理もワインも美味しかったです!
by osumi1128 | 2008-03-20 01:17 | 雑感 | Comments(0)