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Think globally, act locally

先日、文科省のとある委員会に日帰りで出席しました。
科学技術人材の育成に関する提言などをまとめるための委員会で、アカデミアだけでなく企業の委員の方も多い会です。
公開の形で行われて、議事録などは文科省のHPに載っています。

さて、先日の委員会でひとまとめとなって、この後、パブリックコメントにかかるようになるはずですが、そちらは追ってまたお知らせするとして、今回、1月の会だったからでしょうか、委員のお一人の美馬のゆりさん(はこだて未来大学)がお着物でいらしてました!
ちょっと席が遠かったので、生地はよく分からなかったのですが、青地の紬か何かに刺繍か何かでお花の模様が描かれていたように思います。

お茶のお稽古をするようになってから着物に目覚めたので、着物歴は20年ほどですが、着付けを習って自分で着られるようになった頃は一番のマイブームでした。
着物の雑誌(といってもその頃は二種しかありませんでした)を季節毎に隅から隅まで読み、その他にも着物関係の本を見つけては読み、着物と帯の合わせ方のルールや、模様の歴史や物語を知り、何かに付けては着る機会を窺っていたものでした。
必ず着物でお茶のお稽古に行き、ちょっとお洒落な着物で歌舞伎を見にいったり、とくに理由もなくお食事に行くときに紬を着たり、日曜日だからウールの着物を着たり……。
確か、年明けのまだお休みの日に着物で研究室に行って、割烹着を着てクライオスタットで凍結切片を切ったこともあります。
ほとんど病気、です(笑)。
残されていた祖母の着物を見て、なんて趣味が似ているのだろうとびっくりしたこともありました。

うーん、そういえば最近は、着る機会が減ってますね……。
かつては、インドで開催された国際会議のレセプション用に単衣の色無地を持っていったぐらいだったのに。
いつだったかそんな頃、今は阪大のK先生が「着物で<たすき掛け>で学会発表というのはどうでしょう?」と仰ってました(笑)。
インドの女性は研究者もサリーをお召しになっている方が多いのですから、和服で仕事をしてもおかしくはないはず。
で……美馬さんに先を越されました(笑)。

考え方はグローバルで、でも日本文化を大切にするというスタンスが好きです。
資源に乏しい日本が科学技術立国を目指す理由には、科学技術で世界をリードする、世界と戦う、という観点もあろうかと思いますが、それよりも、「科学技術で世界に貢献する」という考え方の方が好みです。
科学技術関係人材の育成も、日本の中のことだけ考えるだけでなく、いろいろな国から受け入れて育てて輩出することも大切でしょう。
中東沖で給油をしたり、それなりの数の戦闘機を購入したりするよりも、平和な世界貢献だと思います。
by osumi1128 | 2009-01-28 23:31 | 雑感 | Comments(0)

Focus in the Dark 科学写真を撮る

日曜日の夜に自宅にいれば必ず「ダーウィンが来た! 生き物新伝説」を観てしまいます。
いやー、ハイビジョンになって、この手の映像は本当に美しくなりました。
(人間をクローズアップで映すには、シミとか皺とかひじょーに鮮明すぎて難ありですが……苦笑)
本日はオオニワシドリのお話。
雌に卵を産んでもらうための東屋を造るは、派手な冠を被った頭を振ってダンスをするは、キラキラした珍しいものを咥えて雌の気を引こうとするは、ものすごく賢い鳥ですね〜。
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テクノロジーの進歩は、人がこれまで見たこともないような瞬間を切り取ってくれることもあります。
ちょっと前に編集のSさんから「お好きなタイプの本かと……」とご恵贈頂いた『Focus in the Dark 科学写真を撮る』(伊地知国夫、岩波書店)は、不思議な写真がいっぱい。
表紙になっているのは真っ白なキノコ状のもの。
これ、実はミルクなのです。
ミルクの上にミルクの水滴を連続的に滴下し、タイミングを調節すると、跳ね返ったミルクと上から落ちてくるミルク滴がぶつかって、傘のようになるとのこと。
赤インクの結晶、ビタミンCの結晶などもとても美しい。
著者は「無生物である薬品が、生き物のように結晶化していくようすを観察するのは、自然のしくみの不思議さを垣間見るよい機会だ」と書いていらっしゃいます。
撮影の仕方や撮影条件まで細かく書かれているところは、まるでプロトコール集。
しかも、コンパクトデジカメでも撮影可能とのこと。
サイエンス・ショーの出し物のネタ探しになりそうな本です(笑)。

そういえば、この本の中に「変形菌モジホコリ」(いわゆる粘菌ですね)がガラス面に広がった様子が載っていましたが、そういえば何かに似ているなぁ……と思い出したのは、杉本博司の「Lightning Fields」でした。
下記はちょっと他のサイトから拝借
印画紙に電磁誘導で不思議な模様が描かれる様子が、とても「生き物」的なのが不思議。
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by osumi1128 | 2009-01-25 22:02 | 書評 | Comments(0)

オバマ大統領就任演説

リアルタイムでは見られなかったので、ネットで探して20分弱のスピーチのビデオを見ました。
もちろん、原稿を読んだりはせず、だからといって、適当に口から出任せではなく。
選挙中や投票後のスピーチより温和しいものでしたが、「New era of responsibility」や「remaking the united states」などの言葉に、新たな決意が感じられました。
それにしても、関連行事が昼から夜中まで半日以上。
体力がないとできない仕事です。

いろいろなところに載っているでしょうが、就任演説のスピーチはこちら
ついでに、有名になった選挙後のシカゴでのスピーチ(Victory Speechというのですね)はこちら(英語テキスト付き)

それにしても、日本語というのは「演説」には向いていない言語だと思います。
強いリズムを持たない言語は、平和な世界にこそ似合います。
あるいはもっと「詩」を勉強すべきなのかしら。
もっとも、歴代の首相の演説のレベルは、言語の問題だけではないかと思いますが。
by osumi1128 | 2009-01-21 22:07 | 雑感 | Comments(0)

人間ドック・ダイエット

都内某病院にて「人間ドック」なるものを受けてきました。
いろいろなメニューがありましたが、思い切って2日間コース。
数年続けて(忙しいことを言い訳にして)定期検診をパスしまくっていましたので、そろそろ「船」と同じように「ドック」入りして検査するのも悪くないかと思い(英語ではhealth checkとしか言わないけど、「ドック」という仰々しさが可笑しくて)。
で、一人で行く勇気・元気がなかったので(笑)、お茶のお友達のOさんを「ご一緒しません?」とお誘いしたところ、ご快諾。
候補日が限られていましたが、なんとか予約を入れることができました。

検査メニューはたーくさんあって、1日目の午前中は結構忙しかったですね。
血糖負荷試験で4回も採血されました(涙)。
ラットの血を副大動脈から採るのはベテランですが、自分が血を抜かれるのは大嫌い。
というか、恐くて自分の血液が体外に出ていくのを目視することができません。
しかも朝一番で測った血圧は上が90だし……。

で、実は2日目の方が「大物」の検査がありました。
1日目が終わったら一緒に美味しいものでも食べられるかしらん? などと当初思っていたのは大きな間違い!
2日目は頭部MRI、いわゆる胃カメラ、そして大腸X線診断だったのでした……。

MRIはもっと恐いかと思っていましたが、音のうるささもさほどではなく終了。
が、難関は胃カメラでした……(涙)。
当初「経鼻」を勧められたのですが、とてもじゃないけど通過せず、通常に変えるも嘔吐反射が酷く……。
筋肉の緊張を解く注射をした後、再試行。
3回目は担当の女医さんが「今回は絶対決めるから!」という決意を美しいお顔に示しておられ、こちらが少々辛そうにしても、「はーい、順調ですよ〜」と言われつつ決行されたのでした……(感服&溜息)。

それにしても、ドック前日と当日2日、計3日の間、ほとんど食べる気にはなりませんでした。
これって、定期的に行ったらいわゆる「ダイエット」になるかしらん?
あ、ちなみにびっくりしたのは、身長が1センチくらいまた伸びていたこと。
本当???

*****
泊まったホテルのCNNでは、大統領就任セレモニーの準備関連を延々放映してました。
どんなスピーチをするのでしょう。興味津々。
by osumi1128 | 2009-01-20 21:50 | 雑感 | Comments(0)

モンドール

金曜日はCRESTの小林チームとの合同研究会を、N先生のお世話で新潟で開いて頂きました。
さすがに雪の量が違いますね。
でも、除雪システムはずっと進んでいます。
この合同研究会は今年で終わる予定です。
若手の発表を中心としていて、たいへん良い交流会なのですが……。

*****
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土曜日は一足先に戻って来て、今年初めての大隅ゼミ。
医学部の学生さんとうちの修士の学生さん他の8人が集まりました。
12月のゼミの後の忘年会で、次回は「チーズパーティーをする!」宣言をしたらしく(←実はあまり記憶になかったのですが)、「先生、覚えてますよね?」と年明けに言われて、慌ててチーズ各種をネットで注文。
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今回どうしても取り寄せたかったのは「Mont D'or(モンドール)」というチーズです。
冬の時期限定で、樅の木の枠に入っているウォッシュタイプのソフトチーズ。
ちょっと熟成が足りなかったのですが、白ワインを少し注いで電子レンジにかけて、かんたんチーズフォンデュの出来上がり!
グリュイエールチーズなどを下ろして作るレシピでずっと作っていましたが、今は少人数だったらこっちの方にシフトしていますね〜。
by osumi1128 | 2009-01-18 22:22 | 味わう | Comments(0)

第7回応用数学連携フォーラムほか

昨日は「どんと祭」という行事があちこちの神社でありましたが、この冬一番の寒さだったと思います。
2年前は雨だったようですが、今年は夜から雪になりました。
寒いほど「はだか参り」の御利益がありそうな気がしますね(笑)。

*****
本日はいくつかのお知らせを。
まずこちらは、数学科のK先生が主催されている応用数学連携フォーラムの第7回目。
第7回応用数学連携フォーラムワークショップ
http://www.dais.is.tohoku.ac.jp/~amf/

日時: 1月16日(金) 15時20分から18時00分まで
場所: 東北大学 情報科学研究科棟2階中講義室
アクセス http://www.is.tohoku.ac.jp/access/index.html

14:50 開場
15:20−16:10 片山 統裕 氏 (東北大学・情報科学研究科)
「ニューロンの細胞内空間における酵素分子の時空間ダイナミクス」
16:10−16:30 自由討論
16:30−17:20 佐藤 耕世 氏 (東北大学・国際高等研究教育機構)
「ショウジョウバエの性行動の性差を生み出す脳の仕組み」
17:20−     自由討論


神経系の話題なのに、明日はCRESTの小林チームとの合同研究会で新潟へ。
残念。

*****
こちらは少し先ですが、一回目のアナウンスを。
振興調整費でサポートされていました東北大学「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」が3年で終了になりますので、
総括シンポジウムを開催します。
2月28日(土)に「 東北大学杜の都女性科学者ハードリング支援事業 総括シンポジウム」が開催されます。
テーマは「さあ、みんなでハードルを越えていこう!」
時間:13:00~16:30(予定)
場所:仙台国際センター 2階大会議室 萩
入場無料です。

今回はなんと「先着200名に<サイエンス・エンジェル本>を配布します!
本は100ページ、SA達が編集したもので、目下初校の校正中。
by osumi1128 | 2009-01-15 23:48 | お知らせ | Comments(0)

英語ライティングセミナー

昨日は脳科学グローバルCOEのスキルアップシリーズ、「英語ライティングセミナー」の第一回目が行われました。

講師にお呼びしたのは東大医学部での講師や翻訳を手がけているミリンダ・ハル先生。
在日期間も長いアメリカ人女性です。
授業は日本語と英語のちゃんぽんで進行。
したがって、nativeの英語を聞いたり、質問に英語で答えたり、というトレーニングも兼ねています。

「皆さんはscientistであると同時にwriterです。」という出だしで始まりました。
つまり、「書かなくては伝わらない、情報発信できない」ということですね。

専門的文章を英語で書く際に気をつけることとして、1) organization、2) format/style、3) grammarを挙げられて、この日は2)のformat/styleについての講義が中心でした。
細かい話、でもあるのですが、省略形のピリオドの後は1スペース空ける、左括弧の前と右括弧の後に1スペース空ける、などの説明は、私にとっては有り難かったです。
学生さんの論文直しは、まずそこからいつも始まってしまい、中身(logicとかstructure)に到達するのに時間がかかってしまうので。
あるいは、それを直すのに疲れてしまうこともあり……。

こういうformatは誰が教えるのでしょうね?
たぶん、私の場合は中学校の教師からも教わった気がしますが、高校受験が終わった後にタイプライターの学校に1ヶ月ほど通ったので、そのときに染みついたかと思います。
スペースが空いているか、いないか、気付かない方があまりにも多いのに、びっくりしていたのですが、それは「日本語では<スペース>で単語を区切るという概念がないということに基づく」というハル先生のご指摘に、ああ、そうだったのか、なるほど、と思いました。
でも、一旦教わったら、それに気付かなければならないと思います。
研究者(それを目指す人)であれば。
なぜなら、そういう「細かい違いに気付く」ことの積み重ねに大きな発見があると思うからです。
細かい違いに気付けない方は良いセンスの持ち主ではないと思います。
それだけが必要条件ではありませんが……。

学部の授業で「間違い探しクイズ」をすることがあります。
左側に正常なラットの胚の写真、右にはとある変異ラットの胚の写真を並べて、「さあ、どこが違うと思いますか?」という質問をすると、学生さんからはいろいろな答えが返ってきます。
「しっぽのあたりの染まり方が違う」などの答えが出ると、ティーチングアシスタントについている大学院生に向かって、「はい、こういうことなので、比較する2つの画像は、問題となるところ以外が限りなく同じであるべきなのですね」などと伝える機会にもなるのですが(笑)。
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授業の途中で退席しなければならなかったのは残念。
2日前に歯の詰め物(インレー)が外れてしまったので、歯医者さんに行かなければならなかったので。

ちなみに、先日ご恵贈頂いた『技術英文の書き方55のルール』(片岡英樹著、創元社)には、format/styleが詳しく書かれています。
by osumi1128 | 2009-01-14 08:55 | 東北大学 | Comments(0)

お初釜にて(福岡往復後日談付き)

たぶん、この連休は一年でもっとも着物姿の人(もっぱら女性、年齢層はいろいろ)が多い期間だと推測します。
12日の月曜日はもちろん「成人の日」だからですが、この土日は全国各地、お初釜というセレモニーが開かれているからです。
もっと早い社中も遅いところもあろうかと思いますが、連休になっていると準備も楽でしょう。
この日は唯一、先生のお点前を拝見できるというチャンスでもあります。
お茶のお稽古では、師匠はデモンストレーションしないのが原則。
「そこはこうして、ああして。それは、もっとこうね」などと指示されるだけで。

和物のお稽古は季節の行事がきっちりしていて、お初釜ではお菓子(裏千家では伝統的に「花びら餅」)を頂いた後に、先生の点てられたお濃茶を頂いて、こちらの社中では毎年恒例の「くじ」を引いて、景品を頂戴するというお楽しみがあります。
今年は珍しく「5番」が当たって、お帛紗を頂きました。
綺麗な橙色のものです。
最近、お稽古から遠のいていますので、いつ初おろしするのか分かりませんが(苦笑)。

今年のお初釜は大先生のお姿が無かったことが残念でした。
お嬢さんが後を継いでいらして、といっても、70代の方。
お弟子さん達も70代のオバサマもいらして、「そこの若い方たち……」と呼ばれる滅多にない機会です(苦笑)。

お茶のお稽古のお友達は、仕事がからまない分、とてもほっとできる大切な方達です。
また、研究業界以外のことを教えて頂くことも多いです。
久しぶりにお目にかかったら、サブプライムローンの煽りを受けた方もいらしたりして、こちらは忙しくても好きな仕事をさせて頂いてお給料を頂けていて本当に有り難いと改めて思います。

さて、そのお友達の中に、某航空会社の方が2名いるのですが、昼食会の折にそのお一人のSさんから昨年の「福岡往復事件」についての後日談を伺いました。

私が間違えて前日の便で福岡空港に飛び、機上で「九大講演は明日だった!」と気付いて、空港に降りたとたんまず行ったのはJ社のカウンター。
「すぐに仙台に戻りたいのですが……」という要望に、それを受けたまだ経験の浅いカウンターの女性(だったらしい)は、非常に例外的なことなので、そのターミナルの上司に一応相談したところ、「それ、いったいどんなお客様? お年を召した方?」
「いえ、普通の身なりの女性です。」
「とにかく、我が社の便での対応は無理だとお伝えして」
というような会話が為されていたのでした。

私の方は「お客様、申し訳ありません……」という丁寧な御対応を受け、切羽詰まりつつ、すごすごと違うターミナルのA社のカウンターへ。
その後、「乗り物系推理小説」のようなタイムテーブルで無事に(←無事か?)仙台に戻ったことは、ブログに書いた通りです。

さて、その翌日、本来の用務のために再度、ゆとりをもって駅前のホテルから仙台空港アクセス線によって仙台空港に行き、再度、本来乗るはずだったチケットを買い直し(涙)、お土産を買って、空港のラウンジなぞにも寄ったりしてから、本来乗るはずだった福岡便に搭乗し、時間通りに福岡空港に降り立ちました。

で、講演は夕方だったので、時間の余裕がたっぷりあり、福岡空港に出向中のSさんに会おうと、カウンターに行きました。
「すみません、Sさんは今日は勤務されているでしょうか?」
「少々お待ち下さい」
といって、取り次ぎの方が奥に入られた後、Sさん登場。
「Sさん、お久しぶりです! 実は、昨日、間違って福岡往復しちゃって、こちらの方にもご迷惑おかけしたんですー」
「大隅のお姉様(←彼女はとても丁寧な方で、こんな呼び方をされます)、それは大変でしたね。大丈夫でしたか?」
「うん、A社で羽田経由、新幹線で戻れました♪ これ、仙台のお土産です。少ないですけど、召し上がってね」
「まあ、お気遣いすみません。有り難く頂戴致します」

という会話の後、Sさんが奥に戻って、「これ、頂き物。昨日、お友達が何か間違えて仙台から福岡往復されたらしいんだけど……」とお話されると、そのあたりの方々が一斉に振り向いて、「あー、その方って、Sさんのご友人なんですか!」
「えっ? どういうこと?」
「昨日、福岡空港に着いたとたん戻りたいっていうお客様がいらしたって、ターミナルで話題になってましたよ〜」

あちゃー、私はSさんの「変なご友人」ということになってしまったようです(笑)。
でも、もし間違えた機上で「急にお腹が痛くて……。どこか緊急に降りられませんか? 仙台になるべく早く戻れるように……」なんていう芝居を打って、伊丹空港緊急着陸になっていたりしたら、さらにSさんの評判を下げたことでしょう。
焦りまくっていた機上でそんなことを思いつく余裕もなく、福岡空港勤務のSさんのことさえ頭に浮かばなかったのは、むしろ幸いだったかも。

とにかく、今年は慎重に行動しないといけませんね。
by osumi1128 | 2009-01-11 20:22 | 雑感 | Comments(0)

国際高等研究所にて講演ほか

時差があるから仕方ないのですが、例えば米国東海岸のオフィスから午後のworking hoursの間に送られたメールを読むのは、たいていはこちらの朝になります。
で、朝起きて一番最初に開くメールの中に「reject(論文却下)」のお知らせがあったりすると、その日いちにちがブルーな始まり方になってしまうのですね。
金曜日がちょうどそんな朝でした。
「rejectするなら、もっと早く戻してよー」という気になりますが、今回はクリスマス休暇もはさんでいたので、致し方ありません。
関係各位とメールや電話で相談しつつ、週明けには次の一手を打たないと。

*****
この金曜日はグローバルCOEで主催しているキャリアパスセミナーの第3回目
バイオ系分野で大学院から海外でのポスドクも経験された上で、国際特許事務所にお務めの方でした。

知財関係のセミナーは大学内でもたくさん開催されるようになってきましたが、かなり「特許側」のプロセスやノウハウのお話が多く、今回、研究における「発見」がどのように「発明」になるのか、などの「つなぎ」の部分について伺えたのは大きな収穫でした。
研究成果が「特許」につながることは国の競争力を高める一つの手段ですが、研究者にとっての「社会貢献」でもあるという指摘は、あ、たしかに、と腑に落ちました。

ご自身の経歴等のお話の中で、「興味深い対象はたくさんあって、一つのことに絞りきれない」といった好みや適性が、研究そのものを仕事とするよりも、いろいろな研究者の最先端の研究成果を特許に繋げるような仕事に向いているのでは、という自己分析がありました。
また「研究をやるなら、常に先端的な技術を使いたいと思ってやってきた」というところも、特許化という仕事に生き甲斐を感じるマインドに通じるところがありますね。
また、現場(海外含め)で研究を行ってきたことが、とても役に立っているというお話でした。
聴衆へのメッセージとして、「研究は研究として自立的にしっかりやってほしい。中途半端では使い物にならない」とも。
特許業界は現在「博士号を持っていたら誰でも」という時代ではなくなりましたが、と釘を刺された上ですが、専門的な研究の経験を活かしたキャリアパスとして、とても良いロールモデルを呈示して下さったと思います。
Sさん、有難うございました。

*****
金曜日の最終新幹線で東京に移動し、翌日土曜日の始発ののぞみで京都へ。
近鉄に乗り継いで(財)国際高等研究所というところに行きました。
オムロンがかなり出資して作られた「学者村」とのことです。
たしかに、建物の造りがゆったりとしていて、お庭には池もあり、優雅な雰囲気。
招聘フェローの方々がオフィスをもらって研究するには理想的な環境。
もちろん実験はできませんが、インターネットのアクセスやプリンタなどは完備されているそうです。

女性研究者と科学の未来という研究プロジェクトが行われていて、そこでの講演でした。
同じく話題提供者だった長谷川眞理子さんのお話は進化にからめたジェンダー論で、いつもながら面白かったです。
参加者は、やや物理系、化学系の方が多かったようですが、この研究所のフェローの方々や、ご近所の奈良女子大などからいらしてました。
あ、東大理学部広報のYさんも(物理系ご出身というご縁のようです)。
主催者のI先生は「女性の感性を活かした科学・研究はないだろうか?」というような問題提起をされていましたが、私の研究はそう、と言うことは可能かもしれませんが、それよりはむしろ個性だと思います。
あまり、そういうことは考えなくても良いのではと、個人的には考えます。

そういえば、明日から3回シリーズでNHKの番組「女と男」がありますね。
by osumi1128 | 2009-01-11 01:04 | 雑感 | Comments(0)

Frontiers in Neuroscience

月曜日からオフィシャルな仕事始めで、とたんにメールのトラフィッキングがものすごいことになってました。
お年賀メールに加えて、年が明けたとたんの日程調整の嵐、とか、査読の催促とか、端から処理していくのですが、見落とし、やら、「後でお返事」フォルダへの入れ忘れ、やらで、積み残しも出たりします。

それでも、懸案事項の『神経発生本(略称)』の原稿、トータルA4で100ページ分くらいを脱稿し、一応、編集者さんにお送りしたので、気分的には「ちょっと良いことをしたモード」。
図の方を編集サイドと詰めていないので、まだ作業は残っていますが。

つくづく思うのですが、理系の業界で仕事をするとしても、「書き物」は非常に多いということを、例えば高校の先生などに、もっと分かって頂きたいですね。
高校までの数学の成績で文理を選択する生徒さんにも「それは違う」と言いたいですが、「理系→理数科目重視→英語・国語は無視」と思われていたら、大きな間違いです。
大学の教養課程の教育体系にも問題があり、本当は「学士」の資格を得るのであれば、理系であれ文系であれ、欧米並みに「毎週レポート提出」くらいの課題を与えて、徹底的に文章作成力を鍛えるべきだと考えます。
若いうちにその力が付いていれば、実際に研究成果を論文に仕上げる際のストレスが違いますし、こちらも文法レベルのことではなく、中身の部分の指導に力を注げるというものです(←愚痴です)。
さらに大人になって仕事をこなす際にも、いかに効率よく作文できるかが効いてくると思います。

……てなことを考えていたところに、12月に送った論文の査読コメントが思いの外、早く戻って来たり、その割には11月末に送った方は、催促のメールを出したら「返事が無いことは良い知らせです。それは今、査読に回っているからです。」というレスが帰ってきて、うーん、確かに、それはそうなんだけど……。

*****
本日のお題は、一昨年から刊行されたonline journalについてです。
Frontiers in Neuroscienceという雑誌なのですが、Frontiers in Molecular NeuroscienceやらFrontiers in Behavior Neuroscienceなど下、それぞれたくさんの部ジャーナルに掲載された論文の中から、さらに選ばれたものがFrontiers in Neuroscienceに掲載されるというシステムのようです。
フリーアクセスの雑誌なのは有り難いですね。
ジャンルがものすごくたくさんあって、Frontiers in Neuroroboticsなんていう分野もあるようです。
印刷体を持たないスタイルなので、掲載される論文数などの自由度が大きいですね。
神経系の雑誌の数は非常に多いのですが、今後、どんな風に雑誌の生存競争が続くのか、見守りたいと思います。

ついでですが、昨年出した論文が、BMB Developmental Neuroscienceという、こちらもonline journalの中で、Highly accessedという連絡を受けました。
こういうフィードバックはIT時代ならではだと思います。

PLoS Biologyなどの雑誌も商業誌ではなくNPOが運営しています。

ちょうど昨日、セミナーをして頂いた方との夕食会で話題になったのが、「論文投稿今昔物語」でした。
「オンライン投稿じゃなかったから、昔は、中央郵便局に走ったものだよね」
「査読者用に3部、図を作ったりして、インスタントレタリングで文字入れたりするのが大変だったね。今はPhotoshopなどで作るから楽だけど」
「ロットリングってのもあったね」
「でも、オンライン投稿になって、査読のプロセスも早くなったけど、翌日rejectのメールが来たりすると、すぐに次の投稿作業になって、休む間もないよね。かつてなら、投稿したらreceivedの連絡が来るまで1週間は休めたのに」
……などなど。
これから先、どんな風に変わっていくのでしょうね。
by osumi1128 | 2009-01-08 01:23 | サイエンス | Comments(0)