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『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』【ちょこっと加筆】

d0028322_1927645.jpg今年の分子生物学会の書籍展示コーナーに行けば、サイン本が手に入ったはずなのだけど、それが叶わなかったので、我が東北大学生協書籍部@星陵キャンパスにて購入し、今回の出張のお伴にしたのが本書『なかのとおるの生命科学者の伝記を読む』(仲野徹著、秀潤社)
阪大生命機能・医学系研究科の仲野先生のご専門は幹細胞生物学(より広い意味で)。
オビはご友人(○○友達)の内田樹氏による。

雑誌『細胞工学』に隔月で20回に渡る連載をされたものをまとめたものだが、これだけまとまると現代の生命科学を築きあげて来た著名な科学者はかなりカヴァーされ(取り上げられていなくても、話の中に出てくる)、生命科学というジャンルの科学史としても面白く読める。
とくに冒頭の年表は、そうか、野口英世と森林太郎(森鴎外)と北里柴三郎はほぼ同世代だったのね、などがわかってとても有難い。
「伝記を読むのが好き」という仲野先生は、(私は元本を全部読んだのではありませんが)元の自叙伝や伝記以上にその人物を生き生きと描いておられて、教科書で読む生命科学の研究成果は、確かに、それを成し遂げた「人間」がそこにいたことを思い出させてくれる。

私としては、随所に散りばめられた「仲野先生の研究哲学」についてのコメントがとても楽しかった。
伝記が書かれるような偉人は、10のマイナス7乗くらいの確率でしか存在しない(実は10分の1のラッキーが7回連続して起きるだけ、ともいえる)ので、「普通の」生命科学者としては、堅実に進むしかないなぁ、とも思った。

それにしても、以前、拙ブログで取り上げたリタ・レヴィ=モンタルチーニの自伝『美しき未完成』(藤田 恒夫, 赤沼 のぞみ, 曽我 津也子 (翻訳) 、平凡社、1990年刊行)もそうだが、ここで取り上げられている19冊の自伝・伝記本のうち、実に13冊が絶版か品切重版未定となっているというのは、生命科学研究者育成という観点からみていかがなものか?
こういう本こそ、是非、電子書籍にでもして頂いて、未来の生命科学者の卵たちに読んでほしいと切に願う。

あ、それから、仲野せんせい、生命科学者ではないですが『渚の唄―ある女流生物学者の生涯 』(加藤恭子著、講談社、絶版)も是非、読んで下さ〜い!

【関連ブログ】拙ブログ:団まりな先生ご来訪:『渚の唄』ふたたび
by osumi1128 | 2012-01-28 19:36 | 書評 | Comments(0)

雪の朝

朝起きたら雪景色になっていた。家々の屋根に粉砂糖が振りかけられたような眺めは、何かお伽話の世界に入り込んだ気がしてくる。静かな風景の何処かに、雪の妖精が潜んでいないか、探してみたくなる。
by osumi1128 | 2012-01-27 08:22 | 雑感 | Comments(0)

50%パフォーマンス

インドから帰ってもなお調子が悪かった、というか増悪した。
室温・外気温に対して温度調節できず、着こむと汗をかくが、寒いと感じると16ビートで歯がガタガタ鳴り、車の運転をしながら腿の筋肉が引き攣った。
トータルのパフォーマンスが50%を切って、いくつか出張の会議をキャンセルした。
(這ってでも行ったものもあり、それはそれで行っただけのことがあったが)

歯がガタガタ鳴っているときには、マグカップを持つ手も震えて、中身がこぼれそうになる。
「そうか、パーキンソン病の患者さんはこんな感じなのだろうか?」と思い、いや、脳卒中や加齢によっても同じような運動症状になったりすることがあるな、と考えた。
自宅で仕事をしようにも、ごく単純なメールの返信でさえ億劫に思うレベルに、「そうか、学習障害の子供というのは、こんな感じで宿題ができないのだろうか?」と想像した。
何をするにも疲れてしまう状態は、もしかしたら「うつ症状」などでも見られることかもしれない。

皆さんに「医者に行ったら?」と言われつつ、そんな時間があったら寝ていたいという方針で過ごした(←決してお勧めしません!)。
とにかく食欲が無かった頃、唯一食べたいと思ったのが、ストウブ鍋でお米を炊いて、生卵(インドでは絶対に食べられない)とともに作る「卵掛けご飯」!
やっぱり日本人はこれが原点でしょう(笑)。
by osumi1128 | 2012-01-24 07:38 | 雑感 | Comments(0)

旅の総括〜ムンバイ編〜

海外出張の経験を重ねるうちに、いろいろ用意周到になったりして、なかなか数年前のギリシア出張のようなアドベンチャーに恵まれなくなったのだけど(苦笑)、それでも今回のインド出張は予想外のことがいくつかあった。
最大の誤算は、事前にネットで調べた気温が28℃〜30℃だったので、うわー、それは大変!と半袖やら薄手のスカートやらを仕込んでいったのだが、学会の会場のエリアはそれよりも気温が低く、なおかつ、ホールやロビーのエアコンはキツイくらいで、持っていった衣服の三分の二は出番無し。
やれやれ、3日目朝からなんだか具合が悪くなり、午後のセッションやカンファレンスディナーをパスってしまった。
ミーティングというのは人に会って話をして、知り合いになったり、まだ見発表の情報を得たり、これからこんな方向を目指しているっていう腹の探り合いをする、なんていうことが一番の目的なのに、これは本当にもったいないことであった。
まぁ、それでも、その他の日の昼食、夕食どきや、ブレイクの間に将来の共同研究の話を進めたりはできたし、実際にどれだけ実現できるかを考えたら、十分な収穫ではあったとは思うのだけど。
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Mumbai, Jan 2012
画像はタタ研究所からに面した海岸の夕暮れ。
悠久の時間を感じる。

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by osumi1128 | 2012-01-15 21:00 | 旅の思い出 | Comments(0)

ムンバイ無事に到着

昨晩、成田からの直行便(B737という国際線としては小さな機体。給油のために福岡空港に寄りましたが)で無事にムンバイに着いたのが夜8時。
世界各地の空港は、それぞれ独特の匂いがあって、アメリカだったら人工香料のキツイ床磨き剤の匂いを嗅いだ途端に、あぁ、アメリカに来たんだ、と思います。
ムンバイのチャットラパティー・シヴァージー国際空港に降り立ってほのかに感じたのは、どことなくインドっぽいスパイスの香りでした。
かつて小平にある神経研究所に勤務していたときに、同じラボのポスドクさんでインドの方がいらして、その方のアパートのお部屋に行ったときの香りと同じです。

なにせ、VISAの取得に数週間かかってかなり焦りましたが(知り合いのアメリカ人は「間に合わなかったので出席できない」という人もいます)、入国審査の際は「ビジネスです」と言ったら「学会の情報がわかるものを見せて下さい」と言われて、他の人よりも時間かかってました。

成田で両替をしようとしたら「ルピーは持ち出し禁止通貨です」ということでダメだったので、ムンバイ空港入国手続き後に日本円をルピーに交換。

学会主催者の方でスピーカー用に取って頂いていたホテルは有名なTaj系列のところだったのですが、ネット情報を頼りに、やっぱりホテル経由で送迎タクシー予約した方が安心ね、ということになって、直前にメールで予約を入れてありました。
ローマ字で名前を書いたボードを持って待っていた運転手さんはすぐ見つかったので一安心。
空港からは40分ほどの道のりでしたが、途中「これは新しいルートです」と運転手さんが言われた新しく造成された道路もあれば、道の端に小さな店がひしめき合っているようなところもあり。
人口は2200万人くらいと運転手さんには聞いたのですが、やはりインドは人が多い。
間口が一間くらいのお店の前で、夜の9時くらいに、さほど明るい場所でもないのに、店番をしている人の姿に、15年ほど前のインド訪問の心象風景が重なりました。

さて、ホテルは確かにゴージャスですが、ネット環境が……。
WiFiになってはいるのですが、ブラウザの新しいページのリロードに時間のかかること、かかること……。
2メガくらいのファイルは添付できなかったし。

……という訳で、対応送れますことをお詫び致します。
ちなみに、時差はマイナス3.5時間、温度差はプラス25℃くらいです(笑)。
by osumi1128 | 2012-01-11 10:19 | 旅の思い出 | Comments(0)

お初釜2012

今年は社中のお初釜に参加することができました。
普段、和室の無いところで生活しているので、久しぶりに畳の上に正座するのは、背筋が伸びて気持ちいのですが、足は辛い……(泣)。
今年はお水屋のお手伝いも無く、また明後日から海外出張ということもあって、着物をパスさせて頂いて、お客のみの参加だったので楽チンではあったのですが。
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by osumi1128 | 2012-01-08 18:47 | 雑感 | Comments(0)

『シアター』を読みつつ理系キャリアパスについて考える

今年は年明け三が日モードからそのまま成人の日の連休に突入する方もあるのでしょうか?
今週一杯くらいは「明けましておめでとうございます」のご挨拶で大丈夫ですよね?
お年賀状を出せなかった方にこちらを(今年のネタ=研究成果は博士研究員の山西恵美子氏のものです)。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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by osumi1128 | 2012-01-07 21:07 | 科学技術政策 | Comments(0)

フェルメールagain

明けましておめでとうございます。
2012年が素敵な年になることを願っています。

2011年は忙しい年でしたが、まとまってフェルメールの作品を見た年でもありました。
フェルメールは寡作なので「全点踏破」の願望を抱く人は多いのですが、36点と言われるうちの3分の1、12点がなんとアメリカの美術館に収められていることを改めて認識しました。
それは、11月の北米神経科学学会がワシントンDCで開催されたのでワシントン・ナショナル・ギャラリー(4点)に行き、年末のニューヨーク出張の折にメトロポリタン美術館(5点)とフリック・コレクション(3点)を訪れる機会に恵まれたからです。
アメリカの経済成長が著しかった20世紀初頭に、大金持ちがこぞってフェルメールやら印象派やらを集めまくったことがよくわかります。

実際にはナショナル・ギャラリー収蔵4点のうち1点(「手紙を書く女」)がちょうど日本に来ていて、仙台で見ました
メトロポリタンでは「眠る女」が貸出中のようでしたので、仙台のフェルメール展での3作品を合わせて、昨年見ることができたのは合計13作品ということになりますね。
来年は「真珠の首飾りの少女」が初来日し、またかの有名な「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」もやってきます。
「真珠の首飾りの少女」はベルリンで見ましたが、とても素敵なので是非また見に行きたいですね!
窓辺に向かって首飾りを手にする女性が希望に満ちて幸せそうなのが和みます。

画集を見るのも好きですが、生の作品を見ると、絵の具の立体感や筆使いがよくわかりますし、凝った額装と一緒に鑑賞するのはまた違った趣があると思います。

「ベルリン国立美術館展 学べるヨーロッパ美術の400年」
会期:2012年6月13日(水)~9月17日(月・祝日)
会場:国立西洋美術館

「マウリッツハイス美術館展」オランダ・フランドル絵画の至宝
会期: 2012年6月30日(土)~9月17日(月・祝)
会場 : 東京都美術館 企画展示室(東京・上野公園)

おっとその前に、こちらもやっています。
「フェルメールからのラブレター展」
会期:2011年12月23日(金・祝)〜2012年3月14日(水)
会場:Bunkamura

【関連リンク】
フェルメールFacebookページ
ブログ弐代目・青い日記帳:フェルメール「真珠の首飾りの少女」初来日決定。
拙ブログ:フェルメールからのラブレター展@宮城県立美術館

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「窓辺で水差しを持つ女」(メトロポリタン美術館収蔵。フラッシュ無しなら撮影可です)
こちらも典型的な「フェルメールの部屋」らしく、左手の窓から明るい光が差し込んでいる。
今年が良い年でありますように、と願いつつ……。
by osumi1128 | 2012-01-01 19:57 | アート | Comments(0)