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過日のプレゼン・ゼミの補足(色覚バリアフリー関係)

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過日10月10日に講師を務めました「研究推進ゼミ」の「伝わるプレゼンテーション」について、今年初めて取り入れた(もっと前から入れるべきでした……)「色覚バリアフリー」について初めて聴いた、という感想も多々あったので、補足のリンクなどを挙げておきます。
こちらの画像は「色のシミュレータ」というアプリのサイトから拝借していますが、色覚が多くの健常人の方とは違う方にはどのように見えるか、という例を示します。
ゴッホの自画像なら、ちょっと色調が違うね、ということですみますが、地下鉄路線図などの公共の表示では配慮されるべき点ですし、プレゼン会場の中には赤い線のグラフが緑の線と重なっているとわかりづらい方もいるかもしれません。
是非、下記のサイトをご一読下さい。

来年度の研究推進ゼミではぜひ、『PowerPointによる理系学生・研究者のためのビジュアルデザイン入門 (KS科学一般書)』を書かれた田中沙代子先生にご講演頂ければと、関係者に申し上げておきました。

ちなみに、今年の分子生物学会年会@神戸では、最終日の一番最後にTED風プレゼン(という言い方は好きではないのですが……)公開プレゼンテーション「生命世界を問う」(市民公開講座)でも登壇予定です(気持を盛り上げるために、すでに衣装の手配をしました♫)。
さらに理事会フォーラム「研究公正性の確保のために今何をすべきか?」が日替わりで開催され、こちらにも毎日顔を出します。

【リンク】
●拙ブログ:伝わるプレゼンテーション(各種リンク先あり)
色覚バリアフリーについてのサイト
●アプリ:色のシミュレータ
●上記を開発された浅田一憲氏のブログ
●拙ブログ:ワイン、ゴッホ、遺伝子(上記サイトに辿り着いた経緯など)
●拙ブログ:ゴッホ展@宮城県美術館に行ってきました(さらに上記から関連して)
●お勧めしたマニュアル本:『PowerPointによる理系学生・研究者のためのビジュアルデザイン入門 (KS科学一般書)』
●拙著:『バイオ研究で絶対役立つプレゼンテーションの基本』(羊土社)
●「医学の杜へ」に書かれたレポート(色覚バリアフリーについてコメントが無かったのが、ちと残念。来年も講師を務める場合には強調します)
by osumi1128 | 2013-10-29 12:50 | 若い方々へ | Comments(0)

国際会議2つ終わりました

先週は日独神経発生リトリートというクローズドの国際会議と、アブカムさんにお世話頂いたNeurogenesis2013がありました。
ちょうど両者の間に大型の台風26号が日本直撃という事件もありましたが、無事に終えることができ、ほっとしています。
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リトリートの幹事だった、小曽戸さん、Elenaさん、Federicoさん、ありがとうございました!
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発表は若手のみに限定で、途中での質問もあり、という形式でインフォーマルに深い議論を行うことができました。
こちらは「Most funny title-prize」により浴衣とバーバリアン(南ドイツ風)衣装を賞品としてゲットした野村さんとドイツからの方(お名前失念)。

Neurogenesis2013の方は会場が松島の大観荘さんで、台風一過の後は素晴らしい眺めでした。
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こちらは、ゲストスピーカーのトークに加えてポスター発表、一部の方はshort talkに選ばれての発表も行いました。
参加者を50名ほどに限定したので、若手がご飯や休憩時間に大御所にアクセスしやすい環境でした。
共同研究の話や、留学先の相談などの場ともなって何よりでした。
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また次回があればと思っています。

【リンク先】
ラフォーレ蔵王リゾート&スパ
森トラスト系で、各種研究会、学会等の運営に慣れています。
比較的新しいので設備も良し。
(液晶プロジェクタは持ち込みました)
大観荘
こちらも、大手のホテルで各種催しの経験豊富。
by osumi1128 | 2013-10-20 17:01 | サイエンス | Comments(0)

東北メディカル・メガバンク地域支援センター型健康調査まもなく開始

東北メディカル・メガバンク地域支援センター型健康調査が月末より開始するに先立ち、予約を受け付けています。
受け付けを行う地域支援センターは下記のとおり。
  ・地域支援石巻センター(0225-98-5637)
  ・地域支援気仙沼センター(0226-25-9637)
  ・地域支援岩沼センター(0223-36-8991)
  ・地域支援多賀城センター(022-353-9331)
  ・地域支援仙台センター南吉成分室(022-341-3931)
多賀城以外のセンターは、10:00から16:00までご対応します。
多賀城センターは、09:00から12:00までご対応します。

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それに先立ち、先日、南吉成分室を訪れて、健康調査の体験をしてきました。
インテリジェントコスモスと同じ敷地内にある、新しい建物の2階になります。

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南吉成はセンター長が布施先生、その他に多数のスタッフの方々が健康調査のお手伝いをします。
すでに採血や調査票の記入は行っていたので、各種検査を体験しました。
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腹囲測定に始まり、身長、体重、血圧、骨密度、筋肉量などの測定、肺活量検査、眼底検査、眼圧測定などもりだくさん。
こちらは骨密度測定の様子。

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さらにこの調査でユニークなのは歯科検診もあることです。
その際に、舌苔や歯垢を試料として採取します。
健康状態が口腔内の状態にどのように関係しているのかを研究することが目的です。

所要時間は2時間くらいはかかるかと思います。
結果は後日、送付されることになりますが、もしその場で大きな健康上の問題があれば、医療機関への受診を勧められるでしょう。
皆さんのご協力を各センターでお待ちしています。
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皆さんの健康調査を通じて、ゲノム・コホート事業を支えて頂くことで、未来の医療へと繋げます。
合言葉は「みんなでつくる未来の医療」です!
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【リンク】
東北メディカル・メガバンクHP:健康調査先行登録 受付中
by osumi1128 | 2013-10-14 08:24 | 東北大学 | Comments(0)

久保田健夫先生のエピゲノムセミナーまとめ(備忘録)

ツイートしたものを備忘録として転載。
後で関連リンク整えます。
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Noriko Osumi @sendaitribune 昨日の久保田健夫先生@山梨大の講演はエピジェネティクスについて。その中で、この世界でも日本の2500g以下の低体重出生時は9%を超えており、この20年増加し続けていることが指摘されました。これは女性のダイエット志向と「小さく産んで大きく育てる」という指導の行き過ぎを反映。 13:12

*
Noriko Osumi @sendaitribune [承前]胎児期に低栄養であった子どもが成人になって各種代謝病を発症するリスクが高まる可能性が指摘されています。さらに、オランダや中国の大飢饉の例から、精神疾患の発症にも関係する可能性が。脳は臓器の中でもっともエネルギーを必要とします。脳の可塑性は脆弱性にも関連します。 13:15

*
Noriko Osumi @sendaitribune [承前]このような「エピゲノム病」ともいえる疾患は、「遺伝病」のように、遺伝子の変異を伴うのではなく、DNAレベルやヒストンレベルの「可逆的」な変化によって生じます。したがって環境的要因を改善することにより「治す」ことも可能であることが期待されます。 13:19

*
Noriko Osumi @sendaitribune [承前]典型的な事例は「葉酸」の投与です。発生初期に生じる二分脊椎症の予防はよく知られていますが、自閉症のリスク回避にも関係。(例えばこちら→「妊娠前後の葉酸摂取は出生児の自閉症リスク低下にも関係」ノルウェーの住民コホート研究です) http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/jama/201302/529236.html 13:43

*
Noriko Osumi @sendaitribune [承前]葉酸の効果について疫学研究の話は聞いていたのですが、その分子メカニズムとして考えられるのが、葉酸が「メチル基」の供給源となり、DNAのメチル化修飾に関わるということ。胎児期にメチル化されてOFFになるべき遺伝子に関して作用します。 13:45

*
Noriko Osumi @sendaitribune [承前]久保田先生ご自身の研究としては、一卵性双生児の姉は重篤なレット症候群、妹は軽症。DNAレベルでは違いが無かったが、リンパ球用いたゲノム修飾レベルでは種々の違いを明らかに。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3689680/ 13:53

*
Noriko Osumi @sendaitribune [承前]セミナーの最後に、久保田先生から東北メディカル・メガバンク事業への期待が述べられました。15万人のゲノム・コホートではDNAだけでなく、血液等のサンプルも解析し、電子カルテにより個人の健康状態の変化も追跡します。http://www.megabank.tohoku.ac.jp/ 13:58

*
Noriko Osumi @sendaitribune [承前]東北メディカル・メガバンク事業では、昨日より宮城県内各地域支援センターにて、健康調査の予約を開始したところです。採血、採尿、各種検査、調査票の記入等のご協力を頂きます。「みんなでつくる未来の医療」に是非ご参加下さい。 http://www.megabank.tohoku.ac.jp/news/detail.php?id=590&c1=2 14:03
by osumi1128 | 2013-10-13 14:44 | サイエンス | Comments(0)

荒木飛呂彦先生が東北大学ホームカミングデーに来たッ

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1年ほど前から立てていた企画ですが、ついに当日を迎え、会場は大入り満員のうちに無事に終えることができました。

東北大学106周年ホームカミングデーの中で、「仙台セミナー」というイベントの企画を依頼された元々の理由は、今年が東北大学女子学生入学百周年記念であったからなのですが、次の百年を考えたときには、男女関係ないよね(そういう世界であってほしい)と思い、脳科学をまずベースにコンセプトを立てたいと思いました。
そこで浮かんだのが「ジョジョの世界」でした。
もちろん、『ジョジョの奇妙な冒険』の作者は仙台ご出身の荒木飛呂彦先生ということもあり、さらに魅力的なキャラクターとそれらの「スタンド」が現実の世界を超えて活躍していることは、脳科学の観点からも面白いと思いました。
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ジョジョを知ったのは、1987年に少年ジャンプに掲載が始まってからという訳ではなく、瀬藤光利先生(現浜松医大)のCellの論文の表紙が荒木先生によって描かれて、それがweb掲載されたとたんに、それまでCell誌を読んだことも無い読者(ジョジョファン?)がそのScrapperというキャラクターを見ようとしてアクセスし、Cell Pressのサーバがダウンしたというエピソードからです。
でも、ジョジョの世界を知れば知るほど、その想像力と描き方の天才性に驚きました。
擬音語の使い方も独特ですが、それよりも私は、「漫画」という制限の中で、コマ割りのユニークさや、アーティティックな表現技法に心を奪われました。

さて、念願かなって荒木先生のご講演に加えて、もしかすると「スタンド」をリアル化できるのでは、という科学技術としての拡張現実や代替現実の世界でご活躍の、藤井直敬さん、川田十夢さんにもご参画頂いて、本日の企画となりました。
「バーチャルリアリティー研究者の奇妙な冒険」というタイトルで、サイバーサイエンス研究所の吉澤誠先生から、ARやSRとは何か?というイントロをお話頂きました。
続いて、皆様お待ちかねの荒木先生のご講演となりました。
子どもの頃のエピソードから、どのようにして漫画家となったか、そしてスタンド誕生までのお話は、あっという間に予定の時間を過ぎてしまいました。
小学生の頃から描き始めた漫画が、級友からも高く評価されたことが、荒木先生のモチベーションを高めたようです。
荒木先生のご講演では、実際に当時、どんな漫画を描いていたのかを書画カメラを用いてリアルに投影し、その間、会場が息を呑んで見守る、という体験を皆で共有しました。
あっという間に、サラサラと描いていくのは、やっぱりプロなんだなぁと実感。
デビューしてからも「自分の画風」を求めて模索していたことは、初期の作品と現在のものの違いを見れば歴然としています。
そして、ジョジョが始まって「見えないエネルギーを可視化する」というアイディアから「波紋」が生まれ、さらに担当者が「飽きた」というので(笑い)、さらにそのエネルギーや能力のようなものを「擬人化」することで「スタンド」となった、という(コアなファンならご存知かと思いますが)エピソードは、やはり「生(なま)荒木さん」から伺うとリアリティーがありました。
予定の時間を過ぎてもお話が続くので、そのまま合40分以上にわたって楽しませて頂きました。
本当に、漫画を描くのが心底お好きなのだなぁ、という印象を持ちました。
(あと、噂以上に、見た目が若い、こともすごい♫)

休憩時間に配置換えをし、続いて、AR三兄弟長男の川田十夢氏から、クールなAR(格調現実)のパフォーマンスをご披露頂きました。
川田さんは「情熱大陸」などにも出演されており、『AR三兄弟企画書』などの著書も出されています。
川田さんは「ARとユーモアでどこまで荒木飛呂彦の世界に迫れるかッ」というテーマで、リアルな画像にバーチャルな画像をオンデマンドに重ねていくクールな技術の最先端のパフォーマンスを見せて下さいました。

さらに、今回の企画を詰めるにあたって大変にお世話になった藤井直敬氏によるSR(代替現実)のプレゼンがありました。
藤井さんは本学医学部の卒業生でもあり、これまでも「脳カフェ」などでお世話になっていましたが、今回は研究室の方々にも大変お世話になり、荒木先生にSR体験をして頂くという事前の準備もして頂き、プレゼンでは、まさに直前に撮影した「荒木先生SR初体験」映像をスクリーンに映しながら、脳はリアルとバーチャルをうまく区別できないことも多い、というお話をされました。
(興味のある方は藤井先生の近著『拡張する脳』をご笑覧下さい)

プレゼン終わってのパネル討論では、科学者や技術者がどれほど「スタンド」などの荒木ワールドに影響を受けているかという側面や、ARやSRなどの新しい科学技術は、さらに作品着想のネタに繋がるかもしれないというお話で盛り上がりました。
現在はARもSRも視覚と聴覚の情報を利用・操作していますが、もし「嗅覚」なども加わったらどんな世界になるのか、楽しみですね。
二階の桟敷席に詰めてもらっていた東北大学サイエンス・エンジェルさん13名も、この機会を使ってご紹介させて頂きました。
荒木さんのこれからの作品に、リケジョ的な女性キャラクターが登場してくれるのを期待したいと思います。

荒木さん、川田さん、藤井さん、ご登壇ありがとうございました。
広報課はじめ関係者の皆様、種々のご準備等、本当にご苦労様でした!
今回、萩ホールに集まった若い方々が、さらに素敵な未来を作って下さることを心から期待しています!!!
いつか、東北大学縁の方が荒木先生に「わたしにも表紙の絵を描いて下さい!」なんてリクエストをされたら素敵ですね。

*****
今回のホームカミングデー、さらにサプライズがありました!
なんと、東北大学卒業生の小田和正さんが、東北大学のために自作の歌をプレゼント♫
東北大学校友歌「緑の丘」

【ちょっとだけ追記】
萩友会幹事の長谷川先生から司会を引き継いだ冒頭の挨拶で、「ご紹介にあずかりました大隅です。本日は、手持ちの衣装の中から、もっともジョジョ的なものを選んでみました。」というフレーズで会場から拍手を頂けたので、心の中でガッツポーズをしました♫
シルバーのIMプリーツ系セットアップで、衝動買いしたものの(たぶん)、こんな(ユニーク過ぎる)もの、いったいどんなシチュエーションで着られるのか?とお蔵入りになっていたのでした。
ちなみに、荒木先生にCellの表紙を描いてもらったら最高に素敵ですが、単行本の巻末にあるような、サラサラと描かれたファッション画のようなスケッチも、頂けたら額に入れて家宝にします。

あと、再選された仙台市長の奥山様(本学卒業生)もご来場だったので、パネルのときに質問コメントなど振ればよかったと反省……。

【リンク】
荒木飛呂彦公式サイト
JOJOVELLER完全限定版 (マルチメディア)
TORQUE with AR三兄弟
CINRA net:『情熱大陸』がAR三兄弟・川田十夢に密着、番組内で見たいAKB48を選べるアプリを開発
藤井先生の『拡張する脳』
拙ブログ:はじめての代替現実(SR)体験!
熊山准さんのブログ:荒木飛呂彦氏に会いに仙台に行く
河北新報:脳科学を紹介する仙台セミナー 漫画家の荒木さんが講演
(この中で「小説やアートは科学者にとってアイデアの宝庫」というのは、私の台詞なんですが……ww 取り上げて頂いたということはインパクトがあったということですね♫)
by osumi1128 | 2013-10-12 22:15 | 東北大学 | Comments(0)

TWAS総会に出席しました(その3)

Lumixを持って行ったのに、あまり出歩かなかったので撮った画像はすべてiPhone4です。
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初日の総会で各種受賞者の表彰が行われた後。
実に多彩な民族の集まりでした。
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2日目の夕方に、2012年にMemberとなったFellowやAssociate Fellowが紹介されました。
こちらはインドの女性。
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ホテルの目の前が広場でした。
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部屋からの夜バージョン。
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その日の夕食はホテルの向かい側のレストランで頂きました。
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こちらは小腸。
さすが肉食の国!
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こちらはステーキ。
日本で頂くものと違って、噛みごたえたっぷりでした♫
by osumi1128 | 2013-10-06 22:41 | 旅の思い出 | Comments(0)

TWAS総会に出席しました(その2)

年をとるほど世界は狭くなるのが法則なのでしょうか、今回、日本からの参加者が自分を入れて3名、かつ、欧米の参加者も少ない中でも、初めての知り合いになった方に共通の友人が見つかるケースがたくさんありました。

例えば、初日のランチで隣り合ったAnthony Claytonさんは、Year bookというプロフィール集によればエジンバラ出身とのことだったので、「エジンバラには存じ上げている方が何人かいますが、中でもSimonとVeronica van Heyningen先生ご夫妻は大の仲良しです」とお伝えすると、「本当ですか? 母が彼らの住まいのご近所だったと思います」「え、エジンバラに行くたびにお宅に泊めていただくのです! それは狭いですね〜」という具合……。
Clayton先生は社会学、とくに科学政策がご専門で、現在はジャマイカを本拠地として、大学で教鞭をとる傍ら、政府への政策提言などに関わっておられるとのこと。
「娘が日本語が大好きで、ペラペラなんですよ」と仰るので、「では是非、いつか日本でインターンシップなどしてみてはいかがですか?」「貴女のメールアドレスを娘に教えてもいいでしょうか?」「喜んで!」と、話は弾みました。
他にも、研究倫理の話や、原発による汚染の話などが話題に上り、もう少しこのあたりのボキャブラリーを増やしておかなければと痛感しました。

3日目に神経関係のトークが2つあり、どちらも素晴らしいお話だったのですが、Michael Klein先生のトークは、神経細胞の活動に関するホジキン&ハクスレーの方程式の話から始まり、イオンチャネルの構造と機能が、現在ではどのようにシミュレーションと実験で解明されつつあるか、という、神経科学の王道の一つについてでした。
ちなみに、ホジキンとハクスレーが初めて1939年にNatureに論文を書いたとき(まぁ、今から見たらあまりに簡素な論文なのですが……)、ホジキンは21歳、ハクスレーは25歳だったそうです。
うーーん、やっぱり数学的な素養は、早いうちに開花するのですから、才能のある若い方を受験勉強などでその能力をすり減らさせてはいけませんね……。
その次の論文が1943年(第二次世界大戦終結間近の頃)、有名なモデルの論文は1952年、どちらもJ Physiologyです。
彼らは「神経細胞の末梢および中枢部における興奮と抑制に関するイオン機構の発見」により1963年にノーベル生理学・医学賞を受賞(エクルスと同時)しています。

長くなりました。
で、講演終わった後に、Klein先生のところに名刺交換に行って、「いつか集中講義などお願いできないでしょうか?」と伺ったところ、「いいですよ。日本にはしょっちゅう行きますので。NIMR(物材研)のWPIプログラムの外部評価委員なのです。潮田先生のことをよく存じ上げています」「え! 潮田先生は、今は物材研の理事長でいらっしゃいますが、前は東北大学にいらしたのです。現在、私はそちらに所属しているのですが」
……またもや、small worldでした!
潮田先生はFacebookでも繋がっており、さっそくこの件を報告しました。

3人目は、同じく2012年にメンバーとなった王陸海(Lu-Hai, WANG)先生です。
台湾の細胞分子生物学会会長、National Health Research Institute (NHRI)のVice Presidentという立場の方で、癌研究がご専門。
「日本には友人がたくさんいます。例えば山本(雅)先生など」と、すぐに存じ上げている方のお名前が挙がりました。
日本の分子生物学会の年会は英語化しているので、是非、台湾からも参加して頂ければ……。来年も12月に開催されます」と宣伝しておきました。

本当は本日3日目の夜は「タンゴ・ディナー」だったのですが、飛行機の都合によりパスです。
つまり、会場のホテルからほとんど出ない出張でした(苦笑)。

【リンク】
拙ブログ:TWAS総会に出席しました(その1)
by osumi1128 | 2013-10-04 08:53 | 旅の思い出 | Comments(0)

TWAS総会に出席しました(その1)

今回、地球の反対側(本当に三次元の点対称的)のブエノス・アイレスまで来たのは、TWAS The World Academy of Science for Developing Countries(元々は第三国科学アカデミー)という組織の年次総会にAssociate Fellow(後述)として出席する為です。
この組織は設立30周年、イタリア北部、スロヴェニアとの国境に接するトリエステというところに本拠地があり、低開発国における科学振興を推進することを目的としています。
活動資金の大部分は、イタリア政府ならびにスウェーデン政府からの基金であり、最近ではそれにくわえて中国からの資金も投入されています。

世界90カ国くらいから、推薦による会員が選ばれ、その数はFellowsが924名、Associate Fellowsが140名、合計1064名に上ります。
OECD加盟国はDeveloped countriesとみなされるので、日本からのmembersはAssociate Fellowsなのですが、長倉三郎先生、黒川清先生に次いで、このたび3人目のAssociate Fellowを拝命した次第(前のお二人があまりにも偉大で……汗)。
韓国は数年前にOECD加盟になったので、FellowからAssociate Fellowに代わることになったのが、けっこう微妙な感じです。
というのは、924名のFellowsの中で圧倒的数を誇るのが、今や中国とインドなのです。
Associate Fellowsは一つの国が1/5を超えないように、というルールがありますが、Fellowの方は推薦により業績ベースでselection committeesが選ぶので、繰り返していけば、どんどんそういう風になるでしょう。
ともあれ、これまでに参加した国際会議で、これほどまでに中印人口の多いものは初めてでした。
TWASの下部組織には、以下の5つがあります。
●TWAS Regional Office for East & Southeast Asia & Pacific(担当組織は中国科学アカデミー、北京@中国)
●TWAS Regional Office for SubーSaharan Africa(アフリカ科学アカデミー、ナイロビ@ケニア)
●TWAS Arab Regional Office(Bibliotheca Alexandrina, アレキサンドリア@エジプト)
●TWAS Regional Office for Central & South Asia (Jawaharial Nehru Centre for Advanced Scientific Research, バンガロール@インド)
●TWAS Regional Office for Latin America & The Caribbean(ブラジル科学アカデミー、リオデジャネイロ@ブラジル)

うーん、久しぶりに地理の勉強をした感じです。
普段、いかに狭い世界で生きていたのかを痛感しました……。

TWASの活動は、各種の賞を授与して、科学者をエンカレッジすること、各種のグラント・フェローシップの授与、各地域支部の活動、支部同士の連携、Public relationshipが中心です。
HPのトップはこんな感じ。
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初日には、今期からPresidentに選ばれた中国のBai Chunli先生(Baiが姓ですね。英語的語順ならChunli, BAIです)の開会挨拶があり、年次総会としての予算決算報告や、活動報告(下記参照)、2013年の新メンバーの承認、各種TWAS関係の賞の授賞式が行われました(さっそくHPにアップされています)。
今回の開催地、アルゼンチンが科学分野で台頭しつつあるというアジった記事もありますね。
たしかに、この総会をどこで開催するのかは、かなり政治的にも重要な問題と思われ、昨年の開催は中国の天津、次回の開催は、まだ、ケニアとオマーンで協議中。
決まらなければ3つ目の候補として、TWAS本拠地のトリエステになるかもしれません。

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初日の午後、各国の行政関係からの基調講演があり、我が国は前文科省事務次官の森口泰孝様(現東京理科大学理事長特別補佐、文部科学省顧問)が登壇され、オリンピックのことを枕に、東日本大震災後の各国からのご支援への感謝にも触れつつ、サステナブルな環境、エネルギー問題、感染症のグローバル化などを挙げ、国策として科学技術の推進が重要であり、日本は現在、より開かれた国として世界各国と頭脳循環も行いたいという趣旨のお話をされました。
最後には、この週末から京都で開催されるSTSフォーラムのご紹介を。
他には、TWASのナンバー2、トリエステで実際を仕切っておられるExcecutive DirectorのRomain Murenziという方(アフリカ系の方ですが、イタリアンなスーツがとてもお洒落ww)、開催国であるアルゼンチンの科学技術生産大臣、南アフリカの科学技術大臣、メキシコの地域開発機構の副機構長、ウルグアイのUNESCOオフィス代表、アルゼンチンのインター・アメリカ開発銀行のイノベーション関係の方などが登壇されました。

やはり開発国での科学技術に対する関心では、ライフ系の場合、農業、感染症などが中心であり、ある意味とてもお金のかかる再生医療などは、とても手が出せないという印象を持ちました。
また、Fellowの人数は少ないのですが、科学技術政策関係の方や、社会学の方もいらっしゃいました。

d0028322_1323470.jpg1日目後半〜2日目には受賞講演が各種行われ、TWAS Prize 2012の生物学分野を受賞したProf. Ann-Shyun Chiangのハエ脳のコネクトームのお話は、数年前に東北大学脳科学グローバルCOEの若手ジョイントフォーラムを台湾で開催した折に基調講演として聴いたときから、さらにどんどん進んでいて圧巻でした。
(ハエの脳の中の神経回路を可視化した画像は台湾の科学院HPより拝借しています)

講演後に「ハエの脳の神経回路をすべて明らかにしたとして、次はどうされるのですか? ヒトの脳ははるかに多数のニューロンや、さらにその数倍のグリア細胞がありますよね?」とフロアから質問すると、「ヒトなど他の生き物へ進むのは大事なことです。でも私達は次は、脳と体の結合を明らかにしたい。つまり、丸ごとハエを理解する方向に進みたいと思います」というお答えでした。
彼の脳内にあるのは、ロボットやマシーンのイメージなのだと思います。
実際にトークの中でもVirtual Flyという言葉を使っておられましたね。
(私は、ハエよりも寿命も長いヒトの脳の中には、新たに細胞が生まれたり消えたり、もっとダイナミックなことが起きているので、違うイメージを持っていますが……)

2日目の最後に、2012年に選ばれた新メンバーで今回参加した者の紹介セレモニーがありました。
一人ひとり推薦理由が発表されて、Presidentから証明書が渡され記念撮影し、PresidentとSecretary Generalに握手して、壇上から下りてサイン・ブックに署名をするというものでした。
インドのFellowの女性は、やはりサリーをお召しになっていたので、ここは日本人としては、やはり着物を着るべきだったか、と思いましたが、出張直前までバタバタとしていたので諦めたのでした……。

日本とはちょうど時差が12時間なのですが、日本時間に合わせて仕事しているような感じです(苦笑)。
そろそろ寝ないと……。

【リンク集】
TWAS The World Academy of Science for Developing Countries
Ann Shyun Chiang先生のHPはこちら
第10回科学技術と人類の未来に関する国際フォーラム(STSフォーラム
by osumi1128 | 2013-10-03 13:53 | 科学技術政策 | Comments(0)

アルゼンチンに来ています

仙台→成田→ダラス→ブエノス・アイレスに来ています。
成田ーダラスが11時間、ダラスーブエノス・アイレスも11時間、乗り換え含めて30時間以上かかったでしょうか。いやー、人生でもっとも遠いところに来ました。
時差はちょうどマイナス12時間なので、日本とのやりとりはわかりやすい(苦笑)。
成田で「アルゼンチン・ペソ」に両替できなかったために、キャッシュ持ちあわせていないし、外が予測よりさらに寒いので、ひたすら会場のホテルで過ごしています……。
旅日記を期待された方、ごめんなさい。

一応、空港の印象をメモっておきます。
・パスポートコントロールは楽(「仕事ですか?」「ホテルはどこ?」くらいしか訊かれませんでした)
・バゲージも入国審査の間にだいたい出てきたようです(仙台から直接、現地まで運んでくれたのは有難かったのですが、仙台ー成田便でプライオリティ・タグを付けてもらえなかったのが失敗)
・ただし、その後、税関通るのが時間かかる。なぜなら、再度、荷物をスキャンするのです。
・ちなみに、入国審査後に、Duty Freeの店があるので、きっと帰りに買い物をするアルゼンチン人が多いのだと思います。
・ここまででだいたい1時間
・その後、現地の方にピックアップして頂いて、他の関係者とともにリムジンでホテルに行くのに朝の渋滞で1時間以上かかりました。
・ネット環境はまぁまぁ。ホテルの部屋チャージ分が3日で65$くらい。あまり高速ではありませんが、1つのIDで端末3つまで可能なのはよし♫

仕事の話は追ってアップ致します。
今回はTWAS(第三国科学アカデミー)の総会出席です。
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by osumi1128 | 2013-10-02 14:53 | 旅の思い出 | Comments(0)