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シカゴ便の機上で観た映画など:プロフェッショナル仕事の流儀「スーパーさいち」の回とJ.K.Rolling関係

成田からシカゴへのJL010機上で最初の食事をしながら『ジュラシック・ワールド』を観るか迷った挙句に、『MAX』という日本未公開の映画を選んだ。アフガン戦争でPTSDになった軍用犬のマックスが主人公。退役軍人の父親と、それに憧れて軍に志願した兄の死、ヒーローというタイプではない弟の葛藤、いろいろ考えることも多いが、最後は正義が勝つというストーリーで見終わった感じは良かった。マックス、とても賢いし。

到着が現地の朝なので、とにかく寝なければと思って数時間休んで、その後、スカイWiFiに繋いでメール処理などして、そういえば、ビデオに『プロフェッショナル』があったと思ってよく見たら、なんと仙台市郊外の秋保という温泉町にある「スーパーさいち」の経営者が取り上げられていた。(画像は飛行機のモニタの画面をiPhoneで撮影)

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佐藤啓二氏とその妻の澄子さんが経営する小さなスーパーは、「手作りのおはぎ」が有名で、しばらく前に、初めて頂いたばかりだった。「すごい行列なんですよ!」と聞いていたが、地元の方々にはお惣菜も有名で、毎日、開店15分前から外に客が並ぶという。澄子さんが陣頭指揮を取るお惣菜は、夜中の1時から作り始め、賞味期限はその日のみ。一切の保存料など使わず、あくまで「家庭の味」にこだわるのが澄子さんの流儀。番組では、おはぎの餡を糖度計で測って40%という数字が出ていたが、たしかに、さらっとした甘みで美味しかった。

啓二氏は毎朝、新聞をチェックして、その日の天気や気温を「えんま帳」に記入して、その日に店頭に並べる商品構成を考えるという。いわば、アナログなビッグデータ解析を自分の頭の中で行っておられるようだ。少しでも生鮮食料品やお惣菜などの売れ残りが無いようにすることに徹底しているのは、食べ物を大切にするという意味でも大事だと思う。おはぎの場合も、店での売れ行きをモニタでチェックしながら、裏の厨房で「3個入りを増やして下さい」などと細かい調整が為されているらしい。

「お客の喜ぶ顔を想像しながら作る」というのが澄子さんのプロフェッショナル魂。素敵ですね。

最後に観たのは、BloombergというTV局が作成したGame Changersというリーダーの人となりを伝える番組のJ.K. Rollingの回。


子どもから大人まで知らない人はいない『ハリー・ポッター』シリーズの作者は、かつて職のないシングルマザーだった、ということは知っていたのだが、最初に書いた物語は6歳のときで、お母さんに「これ、出版して!」と言ったとのこと。ハリー・ポッターはロンドンに向かう列車の中で着想を得たこと。それ以降、仕事が疎かになって職を失い、ついには生活保護まで受けていたこと。そのハングリーな状態で『ハリー・ポッターと賢者の石』を書き上げ、出版社に売り込みに行ったのだけど、どこも扱ってくれなかったこと……などなど、知らないエピソードが満載。多発性硬化症を患っていた母親は、ローリングの執筆半ばで他界し、ようやく英国のブルームズベリー社からの出版が決まったときに、本を見ることは無かったのは気の毒だった。

最初、出版社は「子どもの本として、厚さは倍だし、難しい言葉が多いし、扱っているのは古風な魔術だし、こんな本が売れる訳がない」と却下したのだが、ブルームズベリー社のトップの方が娘だったか孫娘だったかに読ませてみると、「続きが読みたいわ!」という反応だったことが決め手だったようだ。子どもはむしろ自分の気持ちに忠実で、面白いものは面白いと判断できるのだから、大人が思い込みで決めてはいけない。

逆に、発売前に書店に行列が並ぶほどの大ブームとなってくると、宗教団体からクレームが付いて焚書まで起きたという。「魔術を取り上げた本が良くないというのであれば、『オズの魔法使い』だって禁書になるでしょう」とJ.K.ローリングは反論したという。

一番面白かったエピソードはペンネームの決定のところ。ブルームズベリー社の担当者は「作者の性別がわからないペンネームにした方が良い。女の子は作者の性別にはこだわないが、男の子は女性作家の本は読みたがらないから」ということで、「J.K. Rolling」というペンネームが決定したらしい。Wikipediaにも載っている話ではあったが、子どもの男女差として面白いと思った。

映画の制作においてもローリングは「英国人の俳優でなければ」とキャスティングからこだわり、独自のハリー・ポッターの世界にブレが無いようにしたことも、結果的には大ヒットにつながったのだろう。テーマパーク「Wizarding World of Harry Potter」まで作られ、もはやとどまるところを知らない社会現象となったハリー・ポッターの作者は、ハーバード大学の卒業式に呼ばれたときのスピーチで「挫折は人を強くする」というメッセージを送っていた。

J.K. Rollingのスピーチのテキストと動画リンク先(Harvard Gazette):

Text of J.K. Rowling’s speech


by osumi1128 | 2015-10-31 22:50 | 旅の思い出 | Comments(0)

May-Britt Moser先生の北米神経科学学会基調講演

今回の北米神経科学学会(SfN)年会でもっとも参加したかったセッションの1つが、2014年のノーベル生理学・医学賞受賞者であるMay-Britt Moser先生のPresidential Special Lectureでした。ノーベル・レクチャーはノーベル財団のHPから視聴できるのですが、やっぱり、同じ空間で、ライブで聴いてみたいと思ったのでした。
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話の最初は、ノーベル賞の共同受賞者であるJohn O’Keefeが、どのようにして海馬の中のplace cells(場所細胞)を見つけたのかというエピソード。ライブ記録電極を付けて自由に動き回るラットが、特定の場所に来ると「バリバリ……」という神経細胞発火の音がする、というところから、場所に対応して活動する神経細胞があるのではないか、と考えたというのが、1970年代後半のことでした。その実験系を習得しにMoser夫妻はO’Keefe labに短期滞在したのですが、このとき、いったいどこからどのようにして場所細胞に刺激が入るのかについて解析し、大脳皮質の嗅内野という領域でgrid cells(グリッド細胞)を見つけました。これがノーベル賞の授賞につながりました。

SfNの基調講演ではむしろ、その後、発見されたborder cells(ボーダー細胞)や、現在進行形のhead direction cells(頭部方向細胞)、speed cells(スピード細胞)についてなど、unpublished data満載でした。スピード細胞の同定のために、ラット専用の乗り物を開発するところから始まるという、手作り感あふれた研究だと思いました。

どうもグリッド細胞やスピード細胞と、ボーダー細胞や頭部方向細胞は、異なる仕組みがあるらしく、これは「地図の読める・読めない」に関わるのかなぁ、などと考えながら聴いていました。ちなみに、私はグリッド細胞が欠けているタイプで、スピードも苦手ですが、たぶんボーダー細胞や頭部方向細胞はあるのではないかなと思っています。

さらに、このような細胞の「作られ方」、つまり「発生」についても研究されているらしく、胎生中期の中でも早い時期に生まれたものは嗅内野の背側に位置して、その部分のグリッド細胞の配置は狭く、後から作られたものは腹側に位置して、グリッド細胞の配置が広いとのことでした(ちなみに、発生が気になるのは、女性研究者に比較的多い気がしています)。きっと、一人ひとりの違いも、こういう発生の時期の微妙な差で生まれそうだなぁと思いました。

講演の一番最後に、「科学者は子どものようなものです。子どもが友だちと楽しく遊ぶように、研究室にアーティストが来ると、とても素敵なことが起きます。」というイントロで繰り広げられたのは、実験に用いられたラットの様子の動画や、脳の切片と、音楽を組み合わせたヴィデオでした。まさにサイエンスとアートのコラボレーション! そういう意味で言えば、May-Brittがノーベル賞授賞式で纏っていたドレスも、アーティストのオリジナルで素敵でしたが、この日もカラフルなデザインのミニスカートとタイツという出で立ち。
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今年のSfNでは4名の基調講演者のうち、3名が女性でした。それぞれ個性があり、Cori Bargmannは、米国のBrain Initiativeの中心となっている方で、もっとも優等生的なタイプなのに対して、May-Brittはもっとも芸術家タイプと言えます。Coriの英語は完璧なAmerican Englishで、そのままテキストに起こして添削が必要が無いような話し方なのに対して、May-Brittの場合は英語が母国語ではないので、たどたどしく聞こえますが、強いパッションを感じます。途中で笑いを取るところも多々ありますが、受けなくても気にしないというか、強引に引き込まれる感じでした。彼女のヴィデオを観れば「そうか、英語はコミュニケーションのツールとして大事だけど、流暢に話すのが問題ではなくて、中身やパーソナリティーなんだな」とわかるでしょう。

東北大学知のフォーラムは9月末で終了! というつもりだったのですが、実は追加があり、11月末にEdvard Moser先生(ご主人の方)とノルウェー工科大学脳科学関係者様ご一行が来仙され、ジョイントシンポジウムを開催予定です♬

興味深いヴィデオは以下から視聴できます。
ノーベルレクチャーのヴィデオ:Grid Cells, Place Cells, and Memory

by osumi1128 | 2015-10-25 01:00 | サイエンス | Comments(0)

Lost & Found

本日は学会最終日。でもお昼のJL09便で帰国予定。うちのラボからのポスター発表が午前中にあるので、それを見届けてから、と思って朝からバタバタしていました。

とりあえずチェックアウトして会場まではシャトルで。なんと、8月の知のフォーラム脳科学シンポジウムに招聘したErich Jarvis先生が乗っておられたので、隣に座って楽しくお話しました。「この学会で会う人ごとに、仙台に行ったんだって?って結構な頻度で言われたよ」とのこと。この後、本日、中国に飛んでゲノム関係の学会に出席し、その後、また京都に来るらしい。「2ヶ月で2回ですね♬ 紅葉にはちょっと早いかもしれませんが、山の方に行けば楽しめるかも」などとアドバイス。

エルゼビアのレセプションで同じsongbird研究者のClaudio Melloに会ったこと(昨日のブログ参照)や、昨日の基調講演でのMay-Britt Moserのトークがとても面白かった(追ってブログでご紹介します)ことなど、ずうっと話して会場に着いて「じゃぁ、良い旅を!」と言って別れました。

さて、ポスター会場でラボメンバーのK君のポスターを探し、記念撮影して他のポスターを眺めて、面白そうなポスター発表している近くの方に「うちのポスターがそこにあるから、見て下さいね!」と宣伝して、K君に「じゃぁ、これで空港に行くから、Kさんに宜しく伝えてね!」と言った瞬間に………!!!



……ラゲッジをシャトルに残したまま降りたことに気付きました……orz Erichと話をするのに気を取られていたからですね……。やれやれ。

さぁ、ここから頭はフル回転、体は「バカボン」の「レレレのおじさん」状態(苦笑)。はたして飛行機乗るのにラゲッジ回収は間に合うのか??? もし間に合わなかったらどうすれば良いのか???

ポスター会場を走って突っ切って(←どんなときにも体力は大事!)、まずはメインのインフォーメーションセンターに向かいます。

Lost & Foundのところに行って「重大な間違いをしました! シャトルにラゲッジを忘れたのですが、どうしたら良いでしょうか?」と聞くと、「ではこちらにご連絡先や落とされた物の情報を記入して下さい」と言われ、
「見つかったら連絡します」
「何時頃になるのでしょうか?」
「さぁ、それはなんとも……」
「飛行機、正午過ぎなんですが……」
「それはお気の毒です……。シャトル・サービスのところも確認されては?」
「わかりましたっ!」

確かに、シャトルが会場に着いたところで、ラゲッジをすべて出すはずです。で、2階分エスカレータを降りて、ほんとに広い(涙)会場を走ってシャトルの乗り場に行き、ビブスを付けた担当者に「シャトルにラゲッジを忘れたのですが……」と言うと……


「あぁ、回収しておきました。あちらのデスクのところで保管していますよ。しんぱいしないで」とのこと!!! 彼女には、私はきっと哀れな子犬のように見えていたに違いない……。もう、本当に有難い。SfN万歳。ちゃんと仕事してますね。

「すみません、シャトルにラゲッジを忘れた者なのですが……」というと、
「はい、こちらですね。どうぞ」と淡々とお返事が……。
ということで、無事に回収!!! 気づいてからだいたい30分くらいの時間で済みました。

タクシーで空港まで移動して無事にチェックイン。出国審査は無いので、セキュリティーも通ってラウンジに入って一安心でした。

来年への教訓。ラゲッジをシャトルに預けるときは回収も気をつけて。

by osumi1128 | 2015-10-22 01:17 | 旅の思い出 | Comments(0)

初めてのシカゴにて:北米神経科学年会の変遷と神経科学大学院プログラム

この10年ほど、ほぼ毎年、北米神経科学学会(Society for Neuroscience, SfN)の年会に参加していますが、6年前のシカゴは不参加でした。飛行機の乗り換え地としては何度も通過していますが、今回、初めてシカゴ市内に降り立ちました。街の印象としては、ある種、「もっとも<アメリカ的>な都市」とでも言うべき雰囲気があります。道路の広さ、建物の大きさ、人的構成など。

一番最初は、規模がただただ「大きい」ことにびっくりしたSfNですが、時代の変化に合わせて運営が変わって来ました。私が初めて参加した頃は、毎日の分がまとまった分冊の抄録集とPCでの演題検索が並行していました。事前にセレクトした演題のコピーなどを持ってくるか、会場にずらっと並んだPCで検索して、その場でプリントという時代もありました。やがて演題検索アプリが進化し、今年のものは高い完成度になっています。興味を持った演題のMy Scheduleへの登録も簡便になり、お気に入りマークやコメントを付けることも可能。口演の会場が知りたかったら「ドロップピン」のマークをiPhone/iPadタップすれば、別画面の会場案内図上にピンが落ちてくるようになっていました。ついに、今年からは原則オンライン検索で、抄録集はお金を払って買うことになっています。でもだからといって参加費は安くなっていないですね。
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(画像はSfN 2015のHPのトップページを切り取っています)

3万人以上の参加者がいる学会なので、昔は大きな「メッセージボード」があり、ピンでメモを止めていましたが、それがオンライン検索になり、今や、携帯もスマホのSNS機能もあるので、メッセージボードは必要無くなりました。これも時代の流れ。シンポジウムスピーカーなどの抄録が無い(ポスターや、いわゆる口頭発表に相当するnanosymposiumの演題は審査されるので抄録必須)というのも、種々、情報公開等の問題からの変化だと思われました。

だだっ広いポスター会場を歩きまわるので、普段より運動している気がします。そもそもこの学会に参加しようと思ったのは、神経発生分野から、精神疾患の動物モデルに研究フィールドを広げようと考えて、情報収集のためだったのですが、DevelopmentのカテゴリーのポスターはAで、精神疾患などはQQだったか何かで、とにかく会場の端から端まで走り回った(おっと、オヤジギャクになってしまった……ww)のですが、数年前から、CがDisorders of the Nervous Systemとなったので、少し距離が短くなりました。ポスターは午前午後張替えで土曜日午後から水曜日午後まで9セッションありますが、History, Teaching, Public Awareness, and Social Impacts in NeuroscienceというカテゴリーHのものは期間中ずっと掲示されます。このあたり、コミュニティを支える層の厚さを感じます。二次元に印刷したポスターだけでなく、Dynamic Poster Presentationという、大きなモニタで動画データなどを示すスタイルも、数年前から始まったプレゼンテーションです。

今回の学会参加のメインの目的は、Graduate Programs for Neuroscienceのブースを訪れて情報収集することでした。全米から数十のプログラムが参画していて、担当者が大学院進学希望の学生さんに説明するコーナーは賑わっていました。もちろん、超有名どころの大学院は、そのようなリクルート作戦を取らなくても良いのですが、そうでない大学院は、それぞれの特徴や利点などを説明するのに必死です。数年前には理化学研究所や沖縄科学技術大学院大学のブースもあったのですが、今年は出ていませんでした。米国以外では、フランスのブースと、NIH-UCLおよびNIH-Karolinska Instituteのプログラムが出ていました。どのプログラムでも大学院生には経済的な支援があります。米国であれば、最初の2年くらいがプログラムによる支援、その後は各研究室主催者もしくは大学院生が申請して得られる研究費やフェローシップでの支援が一般的と思います。日本のように、日本学生支援機構からの「ローン」(返済が必須)中心の体制では、今後、世界から優秀な人材を集めることは難しいように思います。

学会、すなわちmeetingは、人に「会って」情報交換することが本来の目的です。なので、口頭発表やポスター発表や会場の中だけが出会いの場ではありません。例えば、2日目の夜に開催されたCajal Clubという名前のSponsored Socialは、神経科学学会設立より前から作られた伝統ある「大脳皮質の発生」を中心とした研究者の集まりです。Sponsoredという意味は、学会が会場費などを支援していて、各自、ビールやワインなどの飲み物を買って(買わなくても良い)、会場にはスナック(いわゆる乾き物ですね)のみ用意してあるというスタイル。18:45から20:30くらいまで開いているのですが、ここに立ち寄れば、仲良しの研究者に挨拶することが可能です。各種のAwardも出していて、プレゼンもいくつか為されました(途中で抜けだしたので詳細不明)。一方、3日目の夜にはDevelopmental NeurobiologyのSponsored Socialがありました。こちらも神経発生関係者の集まりなのですが、Cajal Clubよりも若い方たちが多い印象でした。とにかく、学会本体は3万人超えなので、全体の懇親会などは不可能。それぞれの関係者が集まるソーシャルに寄って、じゃぁ、ご飯を食べに行こうというような流れが一般的なのだと思います。

ソーシャル的なイベントは並行していくつも開催されているのですが、出版社のレセプションもあります。この日は、事前に神経発生のソーシャルに寄ります、と連絡しておいた研究者と、プレゼン前に実験手法のことを教えた後にハシゴして、エルゼビア社のレセプションに行きました。日本の神経科学学会のオフィシャル・ジャーナルであるNeuroscience Researchという雑誌のEditorial Boardに入っているので、毎年ご招待を頂くのです。遅くなったためか、日本人が誰もいなかったので、近くの面識無い外国人の方に「東北大学の大隅典子と言います。あなたはどのような研究をされているのですか?」などと話しかけてみると、「鳴禽songbirdの歌学習機構について研究しています」とのこと。自分では研究していませんが、興味ある分野だったので結構、話が盛り上がりました。「ヒトと鳴禽にのみ見られる特殊な脳の領域がある、でも齧歯類には無いので、きっと複雑な音声コミュニケーションに重要なのでは?」とのことだったので、「それってクジラではどうなのですか?」と訊いてみたところ「それは面白い! でもクジラの脳って手に入る?」と言うので、「日本は調査捕鯨をしているので、なんとかなるかも……」と答えておきました。

この方のお名前で検索かけると発表演題4つが挙がってきて、さらに登録してあるe-mailアドレスにすぐにメールが送れるようになっていました! 今回の学会アプリは最強! 唯一の問題は、会場にスタバが足りなさすぎることか(店員の仕事が非効率過ぎるせいもあるかも)……。
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今晩はPresidential Receptionが、かのユニオン駅で開催されます!

(帰国後に画像掲載予定)

by osumi1128 | 2015-10-21 06:13 | 科学技術政策 | Comments(0)

週刊ダイヤモンド連載コラム掲載予定

5週おきに連載コラムを書かせて頂いている週刊ダイヤモンド「大人の最先端理科」、次号に大村智先生のことを取り上げました。ご笑覧あれ!
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by osumi1128 | 2015-10-13 23:58 | サイエンス | Comments(0)

祝! 大村智先生ノーベル生理学医学賞授賞!

毎年、ノーベルウィークは、生理学医学賞の発表から始まります。今年は夕方に学内セミナーがあったので、リアルタイムで授賞のビデオを観ることができませんでしたが、セミナー終わってiPhoneを見てみると、大村智先生が共同受賞とのニュースがポップアップしていました(画像はノーベル財団HPより取っています)。

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直接は面識ありませんが、2億人もの人々を寄生虫病から救う薬を開発された方、という大村先生のお名前は各所で耳にしたことがありました。今回の共同受賞は3名で、ノーベル財団の発表順に言えば、共同研究者のWilliam C. Campbell博士と大村智博士が賞金の4分の1ずつを、そして、中国の女性研究者Youyou Tu氏が残りの2分の1を授与されるとのことです。


土壌微生物や植物から同定された化合物をもとに実用化された薬剤で、すでに多数の方々の寄生虫病やマラリアなどを治すことに成功している、という成果に今年のノーベル生理学医学賞が授与されたことには大きな意味がありますね。大村先生のキャリアの最初が定時制高校教諭、留学から帰国する頃からメルク社との大きな産学連携研究を進めた、というのも、美術に造詣が深く、美術館を故郷の韮崎市に寄贈したなども興味深いですが、Tu氏の授賞も、中国の女性で博士号は持っていないという点できわめてユニークだと思いました。

本日お昼をタリーズで頂いたときに話題がノーベル賞のことになり、生命科学研究科のS先生が、「線虫コミュニティーはmicroRNAなど、誰か線虫の研究者が取ってくれないかなぁ、と話しているのですよね」と仰っていましたが、決定後にメールで伺ってみたところ、大村先生の抗寄生虫抗生物質イベルメクチンの決定は、線虫のイベルメクチン耐性変異体の解析により為された、とのことでした。なるほど。大村先生はもともとは、動物の寄生虫(線虫など)対策の薬物として開発されようとしたという経緯もあります。

とりあえず、目についた関係記事をクリップしておきます。






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(これは来年の「大隅お勧め本」に入れなければ……)

【おまけ】
ちなみに、大村先生は北里大学薬学部教授でしたが、うちにも北里大学卒(ただし薬学ではない)の元学生さんがいます。あ、そうだ、かつて北里から卒研に来てくれた学生さんが、その後、修士になり、富山大学の井ノ口馨先生のところの技術員になったのでした。元ポスドクさんが現在、北里の医学部で助教をしています。……って書いてみると、よりノーベル賞を楽しめるかも。



by osumi1128 | 2015-10-05 23:35 | サイエンス | Comments(0)

The Room Predicts the Brain:部屋を見れば頭の中がわかる(かもしれない)

元硬式テニス部であったのに、もう10年くらいの間、ラケットを握っていません。闘争心が減ったというよりも、脳神経系に記憶されている筋肉の使い方に、現在の身体が付いていかないであろうという不安があるためです(苦笑)。代わりの運動で4年ほど前から始めたのが「HOTヨガ」。気温38℃くらい、湿度50%くらいの環境でヨガを行うというレッスンです。暖かい(暑い)環境でならストレッチも危なくない、ということもありますが、土日のクラスの先生との相性が良いので続いているのだと思います。

この先生、「ヨガは他人と争うものではありません。今までできなかったポーズができるようになる、それが大事です」などなど、デトックス効果のある言葉をかけて下さるので、汗とともに日頃のストレスを流し去る気分にさせてくれるのです。あるいは「お掃除のように、日頃たまっていくものを、少しずつ片付けるのです」とも……。

そういえば、以前よりも雑誌の特集などに「片付け術」が多くなった気がします。かの有名な「断捨離」のやましたひでこ先生だけでなく、「片付けたくなる部屋づくり」というブログからブレイクされ、現在多数の本を出されている本多さおり先生など、多数のロールモデルや師範が存在しています。「<断捨離>は心のデトックスです」とも言われ、確かに、溜まった本や洋服をブックオフに持っていくのは快感ですし、心のエネルギーが足りないとお片づけが疎かになるのは、細胞レベルから同様だなとも思います。過日も一人暮らしの老人の住んでいるアパートがいわゆる「汚部屋」になっている様子をテレビで見て、さすがにそうなってはマズい、と気持ちを新たにしました。

そんな折、たまたまFacebook経由で目にしたのがサラ・ジェシカ・パーカーの部屋でした。

73 Questions with Sarah Jessica Parker (画像はYouTubeよりキャプチャ)
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ニューヨークはアップタウンあたりなのでしょうか、インタビューワが挨拶して重厚なドアが開けられるところから映像が始まります。矢継ぎ早に質問を受け、それに対して次々と答えながら「どうぞ、こちらに座って」「あ、お水いりますよね?」などと気を使う様子も、私にはついついSATCのヒロイン、キャリー・ブラッドショーの姿が重なるのですが、大女優サラのリアルな住まいの様子は、TVショウの中でのライターのキャリーの部屋よりもずっと広くてゴージャス。ただし、ゴージャスといっても悪趣味な感じが無くて、サラの好きなたくさんのモノに囲まれている様子がなんともいいなぁと思いました。つまり、上記の「片付け術」という路線とは違っていて、むしろモノは多数、溢れかえっているのです。まぁ、部屋が広いから、多数のモノがあってもあまりゴチャゴチャした感じにはならないのかもしれません。

そんな5分ほどのヴィデオを見ながら、ふと「The room predicts the brain」というフレーズを思いつきました。「本歌」は「The face predicts the brain」で、私が大学院時代にボスから聞いた「顔は中枢の表現型である」という言葉の元ネタだと思っているのですが、部屋というのもその人のパーソナリティーが如実に表れるものだと思いました。つまり、「部屋を見れば、その人の頭の中がわかる」かも。何も置かずにスッキリとした部屋が好きな方もいれば、モノに囲まれているのが好きな方もいる。どんな家具を置き、どんなモノを飾るか、どんな本棚にどんな本を並べるか、それらはみな、脳の指向性に依存しているのです。

インタビューワの質問は立て続けなのですが、このスピードで答えられるのは、サラは地頭が良いというか、反応が素早いタイプなのでしょうね。「ニューヨークを一言で言うと?」という質問には「Symphonic, Tiny, Real」と返答していました。まさにNYCの中で仕事をし、子育てをしながら生きている方ならではの答えだと感じました。

by osumi1128 | 2015-10-04 22:05 | 雑感 | Comments(0)

東北大学知のフォーラム脳科学イベント終了:Charles Yokoyama先生のサイエンス・ライティングセミナー

2年前から準備してきた東北大学知のフォーラム脳科学の国際シンポジウムと関連諸行事が終わりました。国際シンポジウムは7月、8月、9月と3回、参加人数はのべ300人超え。関連行事は、技術ワークショップ(7月)、倫理セミナー(8月)、若手向けワークショップ(9月)、市民公開講座(9月)、そしてサイエンス・ライティング・セミナー(9月)と行いました。

最後のシンポジウムのテーマは「Memory & Mind」で、片平さくらホールを会場に開催しました。富山大学の井ノ口馨先生と東北大学の筒井健一郎先生にオーガナイザーをお願いし、MITの利根川進先生、エジンバラ大のRichard Morris先生、CalTechの下條信輔先生、オタワ大学のGeorg Northoff先生、国内ではATRの川人光男先生、東大の合原一幸先生に初日のトークを頂きました。2日目は、もう少し若手の国内の方々のトークとポスターセッションという構成。実に活発な質疑応答でしたが、学生さんからの質問が無かったことについて、Morris先生から何故か?と訊かれて、日本人の学生さんは、年上の人たちがいると遠慮しがちであると答えましたが、この点はグローバル化を進める間に、なんとかしたいものです。
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その他の画像は、TFCのFacebookページを御覧ください。
(是非「イイね!」をお願い致します♬)

さらに3日目には、シンポジウムにもディスカッサントとしてご参加頂いた理研BSIのCharles Yokoyama先生に「Essential skills for publishing high impact research」というタイトルでセミナーをして頂きました。
d0028322_22471881.jpgハイ・インパクト・ジャーナルに論文を載せるには「conceptual advance(概念的な革新)」がもっとも重要であり、それは研究の企画段階から始まっている、というのが一貫して流れていた哲学であったと思います。

Yokoyama氏は日系四世で、神経科学分野でポスドクまでのキャリアがあり、その後、Neuron誌のエディターの道に進まれました。「実験が上手じゃなかったからね。書くことやアドバイスをするのは好きだったけど」とのこと。さらにその後、利根川先生に引きぬかれて、BSIの広報・戦略部門のヘッドになられたのが2011年。BSIの中では、論文作成の相談にも乗っているとのことでした。うちの研究科にもそういう人材が欲しいところです……。

セミナー後、日本の科学を世界に発信するにはどうしたら良いか、などについての意見交換を行った後、東北メディカル・メガバンク棟の見学にお連れしました。山本機構長のところを表敬訪問した後に、シークエンス解析室、健康センター、バイオバンク室、スパコン室などを興味深く見学されました。最後はスパコンに記念のサイン♬
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d0028322_22452324.jpgセミナーは大好評でしたので、是非今度は丸一日コースで講義をお願い致します♬


by osumi1128 | 2015-10-02 22:47 | 若い方々へ | Comments(0)