<   2016年 09月 ( 6 )   > この月の画像一覧

神経科学分野における日中韓の連携

韓国の神経科学学会Korean Society for Brain & Neural Science (KSBNS)にご招待を受けてソウルに行ってきました。といっても、会場はソウル郊外のKINTEXという新しいコンベンションセンターで、隣接のホテルに前泊し、朝から夕方まで一日のみの参加で、またもや韓国料理をほとんど食べる機会が無く……。仙台から直行便で2時間という距離感も、なんとなくパスポートを忘れそうになるくらいの近さです。

登壇したセッションはChina-Japan-Korea Joint Colloquiumという枠で、それぞれの国の神経科学学会の会長が揃い踏みで座長をし、3時間の間に各国2名ずつが発表するというもので、内容も多岐にわたるものでした。韓国の学会の会長であるBong-Kiun Kaang先生が冒頭で、今後この3国が世界の中で北米、欧州に次ぐ第三の拠点になるべきというスピーチをされました。

神経科学分野では、Society for Neuroscience(SfN、北米神経科学学会)が毎年、3万人規模の学会を開催し、日本からの参加者も1000名を超えています。欧州にはFederation of European Neuroscience (FENS、欧州神経科学連合)の開催する学会が隔年で開催され、こちらの参加者はたぶん5000人程度だったかと思います。日本は毎年開催される神経科学大会の学会員が5500名程度、学会の参加者が3000人くらいです。韓国、中国と日本を合わせると学会員として12000人程度になるので、2年に一度、East Asia Neuroscience Meetingを開催してはどうか、ということを提案されていました。確かに、日本からSfNやFENSに参加するのは、旅費も時間もかかりますし、何しろ時差のあるところで戦わなければならないというのが不利な点です。これらの学会に替わる国際学会として日中韓の学会で済むなら、こんな有り難いことはありません。

しかしながら、いくつかの問題が実際にはあります。

まず一つ目は、現実問題として、日本の神経科学大会は5年先まで会場が押さえられていて、今から日中韓の国際学会を組み込むとなると2021年よりも先のことになるでしょう。仮に日中韓学会を2年に一度行うとして、日本に回ってくるのが6年に一度だとしても、かなり前もって予定しておく必要があります。

二つ目は、それぞれの学会の運営体制が非常に異なる可能性があり、それらが一緒になって行うというのは、かなりのエネルギーが必要だということがあります。日本の中でもいくつかの学会が合同大会を行うことがよくありますが、日本語で交渉することができてさえ、「合同大会は大変だ」という声はよく耳にします。

そして三つ目で、これがもっとも重要かもしれませんが、学会のレベルの問題です。日中韓の個々の学会が比較してどうか、ということは置いておくとして、日中韓学会がSfNに匹敵するレベルになるのであれば、遠くにいくより楽だし理想的ではあるのですが、現実にはそこまでにはならないように思われます。となると、どれだけの参加者となるのか、日本からの参加者を考えた場合には、国内学会にさらに「加えて」行くだけのメリットがあると思えるか、という点が問題になるでしょう。国内学会の「代わりに」行くという気軽さになれば別ですが、学生さんにとってはハードルが高いかもしれません。

いずれこのような日中韓問題は、どのような学会でも考えることが必要なのかもしれません。ただし、日本でどのくらいの人々がこういうポリティカルな問題を深く考えられるかというところも心配な点があります。例えば、Kaang先生はMolecular Brainという雑誌の創設編集者なのですが、この新興の雑誌を立派な国際誌に育て上げました。日本では、生命科学系のどの学会の雑誌も良い論文を集めるのに苦労している現状があります。研究以外のことに割かれる労力が多すぎるということが一番大きな問題だと思うのですが……。

ともあれ、塩野七生先生の『ギリシア人の物語』を読みながら、ギリシアの都市国家(ポリス)がペロポネソス同盟によってペルシアからの侵略を食い止めたことなどを頭の中で反芻しました。本日はローマの知人のところでセミナーです。
d0028322_14570113.jpg
画像は最後の集合写真(ただし、ご講演の後にすぐにサンフランシスコに向かった尾藤先生が入っていないのと、私の握手が逆向きだったのが……)。

by osumi1128 | 2016-09-30 14:58 | 科学技術政策 | Comments(0)

和食を科学する

先週は一般向けの講演が2つありました。一つは、理事として関わっている「NPO法人 脳の世紀推進会議」というところが毎年主催している「脳の世紀シンポジウム」という催し。ここ最近は「運動と脳」「音楽と脳」というようなテーマになっていて、今年は「食と脳」。特別講演は京料理「木乃婦」の三代目、高橋拓児様でした。身近なテーマかつ「きょうの料理」の講師などでも有名な講師をお呼びしているためもあってか、8月末でウェブ登録は締切、当日も歩留まりよく多数の方々にお集まり頂きました。
d0028322_09244105.jpg
仙台で他の用務があってご講演伺えず残念……。そこで、さっそくご著書をゲットしました。
d0028322_09293677.jpeg
美しいお料理の写真とともに、高橋氏の和食の捉え方が記されています。例えば「料理人は研究者でお客様は被験者?」「歴史・経験、そしてこれからはデータ」など……。そして、この手の本で「グラフ」が出て来るのを見たのは、初めてかもしれません。「昆布出汁」と「一番出汁」のアミノ酸成分を、チキンブイヨンと上湯と比較しているのです。確かに、和食の基本である「出汁」はスッキリとしていることが、実際の成分からも(視覚認知的に)わかります。

(ちなみに、ちょうど、4人目の講演者である都甲 潔先生@九大が、ご自身が開発された味覚や嗅覚のセンサを紹介されていましたが、味をどのように構築していくのかは、このようなデータを元にして科学的にも進められるのでしょうね。ただし、受けて側のヒトの味覚受容体や嗅覚受容体には多様性があるので、万人が同じように感じる訳ではない、ということもありますが……。)

京料理の楽しみは味そのものだけでなく、器との調和や、さらにはお部屋の設えなど、本当に総合文化だと思います。木乃婦はミシュランの星も付いている人気店とのことですが、いつか訪れてみたいと思います。





by osumi1128 | 2016-09-24 09:53 | 味わう | Comments(0)

学会備忘録&新シリーズ「自閉症研究最前線その1:九大中山研ほかNature論文」

先週、第38回日本生物学的精神医学会と第59回日本神経化学大会の合同大会が福岡国際会議場にて開催されました。初日に東京医科歯科大学の西川徹先生(←実は高校の先輩でもあります……)とともに合同シンポジウム「発症とは何か」の座長をさせて頂き、発達障害、統合失調症、うつ病など、精神疾患の発症時期の違いからメカニズムに迫るという切り口での議論を深めることができました。

2日目は、午前中に神経化学会側の大会長、和田圭司先生自らが座長を務められた教育講演で我が国のグリア研究の立役者の、工藤佳久先生がアストロサイトについて、池中一裕先生がオリゴデンドロサイトについてお話され、その後、本来は高坂新一先生がミクログリアについてお話されるはずのところ、ダブルブッキングにより代役となったのが佐柳友規さん@国立精神神経医療研究センターでした。40分ほどの長いトークを立派に務められていました。
d0028322_22045142.jpg
午後は、当研究室の助教である吉崎嘉一さんが企画シンポジウムにお声がけ頂き、未発表データ(父加齢による仔マウスの行動異常とその背景として想定される次世代継承エピジェネティクス)について披露させて頂きました。なるべく早く論文にまとめないと……。30代の若手の方のセッションで、裏番組に大物の先生方のシンポジウムがある中で、多数の聴衆に恵まれて何よりでした。
d0028322_22071960.jpg
*****
ちょうどこの週、おそらく最近の自閉症の基礎研究の中でもエポック・メイキングになるであろう一つの基礎研究論文がNatureに掲載されました(抄録は末尾にcopy & pasteしておきます)。

d0028322_22180817.jpg
10年ほど前から、自閉症の遺伝学的解析が全ゲノムレベルで為されるようになってきたのですが、数年前に行われたエクソーム・シークエンスという解析から、浮かび上がった因子の一つがCHD8という遺伝子でした。この遺伝子はchromatin helicase DNA binding protein 8という名前のタンパク質を規定(コード)しています。この他にも関連する、染色体の構造を変える(リモデリング)因子をコードする遺伝子についていくつか自閉症との関連が示唆され、シナプス形成などに直接関係する分子をコードするものではないのに、いったいどうやって自閉症の病態に関係するのだろうと疑問が持たれていました。

おそらく、世界中で他にもこのCHD8の遺伝子をゲノム編集技術で改変したマウスを作っているような研究室は存在するのではないかと思うのですが、実は、九州大学の中山敬一教授のグループは、すでに別の経緯でこのCHD8に着目し、ノックアウト・マウスを作っていたのです。そこに、「どうやら自閉症に関係するらしい」という論文が舞い込んできた訳ですから、じゃぁ、調べてみましょうか、ということで、2009年に自閉症マウス論文でCell誌の表紙を飾った理化学研究所脳科学総合研究センター(BSI)の内匠透チームリーダー(当時は広島大学教授)のところにコンサルトをお願いしました。(ちなみに、さらにその背景には、不肖、大隅が取りまとめ役だった某グループグラントの申請があったかもしれません。そのグラントはボツになりましたが、こんな風に繋がったの無なぁ…と勝手に思うことにします♬)
d0028322_22585418.jpg
さらに、マウスの行動解析を網羅的・統一的に行うシステムを構築していたのが、藤田保健衛生大学の宮川剛教授。この共同研究により、CHD8の遺伝子の片方が欠損した「ヘテロ接合」のマウスの行動解析が一気に進んで、確かに不安の亢進、常同行動、社会行動の異常など、自閉症様の行動異常が認められました。

しかしながら、データがここまでではNatureには載りません。さらにその分子メカニズムを追求するために、マウスの脳の中で働く遺伝子を調べてみると、何か特定の遺伝子の発現のみが非常に変化しているというよりも、もう少し全体的な変化のように見受けられました。この中で、発現が上昇している、すなわち、強く働いていると思われた遺伝子が浮かび上がりました。それは、RE-1 silencing transcription factor (REST)という名前のタンパク質をコードする遺伝子でした。CHD8は、タンパク質になった場合の機能としてDHAに結合するのですが、確かにCHD8がRESTの遺伝子(つまりDNA)に結合することもわかりました。

REST遺伝子から作られるRESTタンパク質は、神経分化に重要な働きをすることが知られているのですが、実は、その名前のように「抑制的」に働く分子です。つまり、他のさまざまな遺伝子のスイッチをOFFにする働きがあります。したがって、
CHD8がヘテロになって減少する→RESTが上昇する→RESTによって制御される遺伝子の働きが悪くなる
というシナリオが書けることになるのです。このことが「神経発達障害」というカテゴリーに分類される自閉症スペクトラム障害の発症機序を説明できると考えられます。

もちろん、自閉症と診断される方でも、CHD8遺伝子の変異を持たない方もおられます(というよりも、その方が多いことは間違いありません)。しかしながら、CHD8やRESTなどのような、他の複数の遺伝子の働きに影響を与えうる分子は、確かに「多遺伝子疾患」と想定されるような病気(自閉症だけではなく、代謝病なども含まれます)を説明する上でぴったりです。今後、なぜ多様な病態が生じるかについては、RESTの標的となる遺伝子のスイッチ部分の違いというようなメカニズムが解き明かされていくと期待されます。

【豆知識】
「CHD8の遺伝子の機能とタンパク質の機能はどう違うのですか?」というような質問を、他の分子についても受けることがよくあります。これは生命科学研究常識の「基本のキ」、「一丁目一番地」といえることなのですが、遺伝子(実体としてはDNA)は、それ自身では「機能」することができません。実際には「遺伝子に書き込まれた情報をもとに作られるタンパク質」が、その機能の実体を担います。したがって、研究者は「CHD8遺伝子の機能」と話しているときも、頭の中では「CHD遺伝子から作られたCHDタンパク質の機能」と読み替えて話をしています。これが不慣れな方には混乱を招くようです。

ちなみに、分子によっては遺伝子名とタンパク質名が異なる場合があります。例えば、自閉症関連で言うと、脆弱性X症候群という、精神遅滞や自閉症的症状を示す疾患の原因遺伝子の1つにはFmr1(Fragile X Mental Retardation syndrome 1)という名前が付いていますが、タンパク質はFMRP(Fragile X Mentarl Retardation Protein)という名前で呼ばれます。

分子レベルで語る生命科学研究では、多数の役者を区別する必要があるので、それぞれの遺伝子やタンパク質、その他の物質にも、固有の名前が付いています(実体がわからず、まだカタログ番号のみの遺伝子もあり)。不慣れな方々には固有名詞が多数出てくるのはわかりにくいですが、名付けた研究者にとっては自分の子どものように愛情のこもったものなのです……。

*****
おかげさまで拙著『脳からみた自閉症 「障害」と「個性」のあいだ』は3刷になりました。自閉症と脳、その発生や遺伝子の働きなどに興味のある方はぜひどうぞ! また、今週は脳の発生と栄養についての一般向け講演を行います。

d0028322_22541502.jpg
*****
Nature論文の抄録です。
Autism spectrum disorder (ASD) comprises a range of neurodevelopmental disorders characterized by deficits in social interaction and communication as well as by restricted and repetitive behaviours. ASD has a strong genetic component with high heritability. Exome sequencing analysis has recently identified many de novo mutations in a variety of genes in individuals with ASD, with CHD8, a gene encoding a chromatin remodeller, being most frequently affected. Whether CHD8 mutations are causative for ASD and how they might establish ASD traits have remained unknown. Here we show that mice heterozygous for Chd8 mutations manifest ASD-like behavioural characteristics including increased anxiety, repetitive behaviour, and altered social behaviour. CHD8 haploinsufficiency did not result in prominent changes in the expression of a few specific genes but instead gave rise to small but global changes in gene expression in the mouse brain, reminiscent of those in the brains of patients with ASD. Gene set enrichment analysis revealed that neurodevelopment was delayed in the mutant mouse embryos. Furthermore, reduced expression of CHD8 was associated with abnormal activation of RE-1 silencing transcription factor (REST), which suppresses the transcription of many neuronal genes. REST activation was also observed in the brains of humans with ASD, and CHD8 was found to interact physically with REST in the mouse brain. Our results are thus consistent with the notion that CHD8 haploinsufficiency is a highly penetrant risk factor for ASD, with disease pathogenesis probably resulting from a delay in neurodevelopment.

by osumi1128 | 2016-09-11 23:06 | 自閉症 | Comments(0)

参加者募集!:明日をソウゾウするあなたへ〜女性科学者への道案内〜」

前のエントリーに関連して合宿イベントへの参加者募集のお知らせです♬ 医工学研究科の田中真美先生と、薬学研究科の矢野環先生がご登壇。大隅はナビゲータとして参加します。参加のための交通費等は支給されます。周囲に理系進学を考えるJKの方がおられましたら、ぜひ応募を勧めて下さい!

*****
 東北大学では、「明日をソウゾウするあなたへ ~女性科学者への道案内~」に参加する全国からの女子高校生を募集しています。
 このイベントは、東北大学への進学に興味・関心があり、研究者としての将来を考えている女子高校生(1,2年)で、短期的・長期的な視野で物事を捉え(明日を想像)、日々その諸課題を解決すべく行動(豊かな社会を創造)している方を対象としています。本イベントでは、本学で活躍する女性研究者、東北大学サイエンス・エンジェルなどによる講演会、参加者によるグループ討議等を通じて、遠い存在として捉えられがちな現代の科学や女性科学者としての職業を身近に感じてもらい、次世代のリーダーとして明日を想像し、豊かな社会を創造する女性を育成すること目指しています。また東日本大震災の被災地を巡り、震災及び震災からの復興を体験していただきます。
 皆さんの応募をお待ちしております。

d0028322_08131255.png

by osumi1128 | 2016-09-04 08:16 | Comments(1)

お茶の水女子大学に行ってきた:第2回理系女性教育開発共同機構 シンポジウム

愛媛からの帰路、土曜日は別シンポジウムで講演とパネル・ディスカッションに参加してきました。主催のお茶の水女子大学では、平成27年度より奈良女子大学と連携し、「女性教育開発共同機構(CORE of STEM: Collaborative Organization for Research in Women's Education of Science, Technology, Engineering, and Mathematics」という仕組みを作り、とくに女子生徒・学生の理系教育推進んのための取組みを行っています。お茶の水女子大学では、保護者や子ども向けに「リケジョ・未来シンポジウム」という、さまざまなリケジョ(理系のキャリアを持つ女性)のロールモデルを提示するイベントも開催されています。今回、学長の室伏きみ子先生からお声がけ頂きましたが、自分の講演の冒頭では、お茶の水女子大学と東北大学の繋がりとして、日本で最初の女子学生3名のうちの一人、黒田チカ先生は、東京女子高等師範学校(お茶女の前身)の卒業生であったことをお話しました。拙翻訳本『なぜ理系に進む女性は少ないのか?』からの引用含めて、種々のエピソードを盛り込みつつ、全体のメッセージとしては「大人の無意識のジェンダーバイアスを変えることが重要」ということをお伝えしたつもりです。
d0028322_07521567.jpg
黒田チカ含む日本で最初のリケジョについては、下記をご参照下さい♬
東北大学女子学生入学百周年記念事業:女子学生の歴史

画像は、開会のご挨拶をされる室伏先生と本の表紙(西村書店さんのHPより)
d0028322_07480127.jpg
今回のシンポジウムでは、教育学の専門家として愛媛大学の隅田学先生と、国立教育政策研究所の銀島文先生からのお話を伺うことができ、たいへん勉強になりました。隅田先生とは、JSTの理系教育に関する委員会で以前に御一緒したことがありましたが、今回は、女子生徒が若いうちに高い理数系能力を発揮すること(逆に言うと、それが活かされていないことになります……)などのデータを拝見できたのがありがたかったです。

d0028322_07481063.jpg

銀島先生は、2012年のPISAのデータをご紹介頂き、15歳児における理数系のスコアの男女差が前回よりも広がったことを知りました。また、最新の国別のデータを見ると、上海やシンガポールの教育レベルが高まっていることがよくわかりますね……。

詳しくはこちら
残念ながら、講演に使われた男女別国別の資料はこちらには含まれていないようなので、後で銀島先生から取り寄せたいと思います。

パネル・ディスカッション、その後の懇親会でも種々のご意見を伺うことができ参考になりました。高専の先生が「大学院進学まで希望する女子生徒に、<将来、大丈夫でしょうか?>と相談されたときに、どのように答えるべきでしょうか?」という質問をされたので、「一般論で答えるよりも、先生ご自身がご存知の、理系のキャリアパスの女性を挙げて、<こんな方もいますよ。だから貴女もがんばってね>という伝え方の方がインパクトがあると思います」という意見を述べておきました。私よりも年上のようにお見受けしましたので、その周囲にそういうロールモデルとなるような女性がおられないということが問題なのだろうなと思いつつ……。でも、もし真剣にそういう女子生徒を伸ばしたいと思うのであれば、「◯◯大学に、こういう女性の教授がいるから、相談に行ってみたら?」というようなアドバイスをして頂けたらと思います。遠くても、今ならSkypeだってありますし。多様でリアルなロールモデルの存在を知ることが大切だと思います。拙ブログにも「東北大学縁の女性研究者」というシリーズで取り挙げています。

隅田先生の才能教育のことなども含め、いずれにせよ、個々の才能をうまく伸ばせる社会であってほしいと思いました。コーディネートされた佐藤明子先生はじめ、関係各位のご尽力に感謝いたします。(画像は閉会と懇親会開会のご挨拶をされた小川温子先生)
d0028322_07481947.jpg

by osumi1128 | 2016-09-04 07:49 | 教育 | Comments(0)

愛媛大学に行ってきた:第12回愛媛大学学術フォーラムにて講演

伊丹経由で松山空港へ。愛媛大学を初めて訪問しました。キャンパスに棕櫚の木があるというのは、南の国の象徴ですね。年2回ずつ開催されているという学術フォーラムに登壇のお招きを受けました。
d0028322_22274715.jpg
d0028322_22263588.jpg
愛媛大学は1949年創立で、もともとの学章は深緑の五葉の松だったのですが、開学60周年を記念して新しいブランドマーク「ドット・愛媛」という、蜜柑色のものを新しく制定されたとのこと。なかなかシンプルで素敵です。ちょっとピクトさんっぽいイメージもありますし。ロゴタイプのフォントもカッコいいですね。(詳しくはロゴマークについてのHP説明をどうぞ)

大学のビジョンは下記のようになっています。

d0028322_23182880.jpg

さて、今回、全体テーマとして「脳の不思議に迫る」という設定の中、2つ講演をさせて頂き、一つは自分の研究について、もう一つはファカルティ・ディベロップメントの研修扱いとして研究不正について。どうしても生命科学・基礎医学寄りの話になってしまうのですが、なるべく専門用語のジャーゴンを避けることを心がけました。多数のご質問ありがとうございました。

愛媛大学からも3名の方の講演があり、医学系研究科の田中潤也先生はマイクログリアの機能について。多数の医学部生が出入りしていて、論文発表もしているとのこと。調べてみたところ、文科省の支援により、こちらの「学生研究員」という制度を作っているのですね。素晴らしい。

続いて、理工学研究科の村上安則先生が、脳の進化について発表。久しぶりに村上さんにお会いして、いかにも理学部生物という研究発表を聞きました。懇親会でもゆっくりお話できてまたとない機会でした。

また、法文学部の大塚由美子先生は赤ちゃんの顔認識と脳活動について話されました。過日、ブルーバックス『発達障害の素顔』という書籍を読んでいて、近い研究内容だなと思っていたら、やはり著者の山口真美先生のお弟子さんとのこと。なるほど。赤ちゃんがかなり早くから「顔」を認識しているらしいことはわかっていたのですが、近赤外線を用いた脳活動計測によっても、それが確かめられています。「ウォラストン錯視」という現象、顔認識では目のみならず、顔の向きという文脈も関わるというのが面白いですね。(「ウォラストン錯視」については、こちらの北岡さんのHP解説をご参考あれ)

企画をされた飯村忠浩先生はじめ、事務職員の方々にもたいへんお世話になりました。ありがとうございました。打合せ兼ねた昼食時に知ったのは、愛媛でも「芋煮会」があるということ。もしかして、伊達政宗の長男、秀宗が宇和島に入部したことがルーツなのでしょうか……。こちらでは「芋炊き」と名称が変わり、山形風の芋煮の牛肉+醤油味でも仙台風の豚肉+味噌味でもなく、鶏肉+澄まし汁(水炊き風なの?)というのが興味津々。なんと、大学全体での「大芋炊き会」が来週、開催されるそうです。(画像は瀬戸内海国立公園休暇村瀬戸内東予というサイトから拝借させて頂きました♬)
d0028322_23201010.jpg


by osumi1128 | 2016-09-02 23:16 | 旅の思い出 | Comments(0)