繕いの美学

今日と明日、つまり今回の週末は脳科学グローバルCOEのサマーリトリートです。
この件については、終わってからまた感想などをエントリーします。

いつも外国の方をホストするときに気付くのですが、日本文化には完成したものより、未完成だったり、完成されたものが崩れた状態を尊ぶという美学がありますね。
例えば「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。」のように。
中国陶器、例えば青磁の左右対称な器は完璧な美しさだと万人が感じるものですが、元々は朝鮮の日常用食器だった井戸茶碗が、欠けたところを金で繕った景色の面白さ、美しさは、うーん、他の国々の方に説明するのが難しい文化ですね。
あるいは、書院造りの中の非対称性や、落ちてきた灰で偶然に作られる須恵器の釉の美しさなども。

ここ数週間の懸案事項であったエアコン取り替え関係が本日で片付きました。
元の機械より、テクノロジーの進歩によって、取り替えた機械の方が小さく、天井埋め込みに空いた部分ができてしまい、それを繕わなければならなくなったために、えらく時間がかかったのです。
残念ながら、引っ越したときに内装をして頂いた業者さんにお願いしても、同じ壁紙は手に入らず、微妙に色が違うものが貼られるようになりました。がーーーん(T_T)
……かなり気持ちが凹みましたが、そうか、これは長く棲んでいたら必然的なことだと思い至りました。

「柱の傷は一昨年の……」ではありませんが、家に人が暮らしていたら、時間の経過とともに、いろいろな傷が付くのは致し方ないことです。
それは一種「思い出」でもある訳で。
皮膚などもそうですね。
年を重ねれば、いろんな傷が付いてしまう。
でも、要はポジティブに捉えればよいのだと思いました。
いつでも完璧に美しくなければならない、という生き方は、結構大変そうです。
そうではなくなったときにとてもネガティブになってしまうかも。

なので、一部だけ新しくなった天井の壁紙は、2009年7月末の記憶として楽しむことにしました。
工事のために動かさなければならなかった飾り棚に、グラス類を戻す作業が残っていますが、これはトランクのパッキングと同じ感覚で、結構好きかも。
あ、お支払いがまだ、ですが(←かなり高額)。
by osumi1128 | 2009-07-26 01:25 | 雑感

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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