ジャンプアップ事業KOシンポ無事終了
2009年 08月 06日
通常の授業は設定されていない期間ですが、今週月曜日、火曜日はREDEEMプロジェクトの集中講義を90分X3コマX2日行いましたし、もちろん研究室自体は休みにはなりません。
加えて、各種イベントも設定され……。
本日午後は先日ご案内した「杜の都ジャンプアップ事業 for 2013」のキックオフシンポジウムが開催されました。
こちらは振興調整費の支援によるシステム改革施策で、今年度は下記のような大学が採択に至りました。
■「女性研究者支援システム改革 女性研究者養成システム改革加速」
(提案:17、ヒアリング:13、採択:5)
多様な人材の養成・確保および男女共同参画の推進の観点から、特に女性研究者の採用割合などが低い分野となっている理学系や工学系、農学系の研究を行う優れた女性研究者の養成を加速する必要がある。本プログラムを実施し、機関におけるシステム改革に効果的な分野・規模で当該女性研究者の採用を行うことにより、人材の多様化や研究の活性化、男女共同参画意識の醸成、さらに機関として本来、取り組まなければならない柔軟な組織編成や環境整備などを同時に促進し、総合的なシステム改革の構築を目指す。
1.京大式女性研究者養成コーディネートプラン 京都大学(代表者:松本紘)
2.女性枠設定による教員採用・養成システム 九州大学(代表者:有川節夫)
3.理系女性のキャリア加速プログラム 東京農工大学(代表者:小畑秀文)
4.杜の都ジャンプアップ事業 for 2013 東北大学(代表者:井上明久)
5.輝け、女性研究者!根を張れ、花咲け、実を結べ@北大 北海道大学(代表者:佐伯浩)
この5校の中でもっとも先にキックオフシンポジウムを行ったのが我が東北大学です。
この日(8月6日)を選んだのには理由がありました。
それは、1913年に東北帝国大学(当時)の受験者に4名の女子がいるということが朝日新聞に公表された日だからです。
当時は9月入学で、入試は8月に行われていたのですね。
で、そのことを知った文部省(当時)が「女子を受け入れるとはいなかることか」と問い質す文書を送りつけ、東北帝国大学は「傍系入学を認める、という方針であり、それを曲げるつもりはない」との返答をしたのですから、うーん、今よりずっと強気な対応ですね(笑)。
という訳で、日本で初めての女子大生は理系だったのでした。
詳しくはこちら
で、シンポジウムではこれまで3年の「杜の都女性科学者ハードリング支援事業」のまとめと、これからも総長裁量経費で続けられる事業の一環として、「平成21年度サイエンス・エンジェル」の任命式が行われ、さらにこれからの「加速プログラム事業」の概要説明が為されました。
ざくっと言えば、「ハードリング」は裾野の拡大、「加速」はトンガリを高くする狙いです。
1. 世界トップクラス研究リーダー養成プログラム
複数メンター制の確立
沢柳フェロー(全学女性教授(38名)のうち、人物ならびに学識においてロールモデルにふさわしいと総長が任命したメンター)と 部局メンターによる複数メンター制を確立します。
シンポジウムの開催
各種セミナーの開催
異分野融合力アップセミナー、組織・研究マネジメント力アップセミナー、研究実務能力アップセミナーなどの各種セミナーを開催し、女性研究者の各種能力のアップを図ります。
2. 新ネットワーク創生プログラム
情報共有および研究発信用WEBネットワークシステムの構築を行い、延いては女性研究者が研究を先導できる研究体制を確立します。
3. 研究スタイル確立支援プログラム
セミナーやワークショップを開催し、多様な研究スタイルを提案することにより、女性研究者の希望の研究スタイルと実際の研究スタイルの不一致の解消を図ります。同時に多様な研究スタイルがあることを考慮した研究プロジェクトをマネジメントする能力が身に付くことを目指します。
詳しくはHPをご参照下さい。
休憩後は、総合科学技術会議議員の青木玲子先生による基調講演。
ご自身のキャリアパスを振り返りつつ、アメリカ、ニュージーランドで過ごされた間に経験された女性研究者養成に関わるさまざまなことにコメントされていました。

学部長の女性の先生が行っていたという「女性教員とのランチ」などは、すぐに取り込めそうな活動でした。
同じ学部の方同士ではないことも、より話しやすいことにつながるとのこと。
すでに個人レベルでは行っています(<ランチ>よりは<ディナー>や<バー>だったり……苦笑)。
終了後、青木先生を囲んだ懇親会。
思いがけず七夕飾りのアーケードを通りました。

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昨晩のBBQパーティーについては、週末に画像をアップする予定です。
お楽しみに!