札幌:第2日あるいは真夏日
2009年 08月 10日
酒井邦嘉さん@東大による「人間の言語の神経基盤」、Asif Ghazanfar博士@プリンストン大による「The evolution of vocal communication through coupled oscillations」、岡ノ谷一夫さん@理研による「ジュウシマツの有限状態歌文法とその神経機構」という充実したトーク。
Ghazanfar博士の話は初めてだったのですが、とても作り込まれたプレゼンでした。
内容としては、音素が4〜8Hzのθ波であることを知り、なるほど神経活動による波に同調するようなリズムなのだと納得しました。
岡ノ谷さんのタイトルに含まれる「文法syntax」については、酒井さんから「それは、文法と言えるのか?」というツッコミが。
ただのsequenceではないのか、意味も無いし、というところがチョムスキー学派として気に入らないのでしょうね。
でも、鳥の歌コミュニケーションとしては、人が言語を使う意味での「意味」が無くてもいっこうに構わないのだと思います。
ダンスのようなものですね。
ある一定の繰り返しで構成され、それが魅力的であればOK。
夕ご飯はスピーカーらと和食のお店に行きました。
「鮭のザンギ」というメニューがあり、お店の方に伺うと、北海道では鳥や魚の唐揚げのことをザンギと言うらしい。
うーん、いくつになっても新しい言葉を知るのは面白いです。
しかも、今日になって何と言うのか思い出せなかったのですが、インターネットで「北海道、揚げ物」あたりで検索するとかなり早く「ザンギ」が見つかりました。
あぁ、ネットの知とつながっている幸せ……。
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本日は朝7:30(!)から「脳と心のメカニズム」の打合せの会があり、午前中のセッションを聞いてから、北大の津田一郎先生ほかと昼食。

その後、津田先生の研究室を訪問しに行ったのですが、本日の札幌は30℃越えではないかと思われる猛暑。
先日5月に応用数学連携フォーラムで御来仙頂いた折に、所用によりご講演を伺えなかったので、エピソード記憶の数理モデルについてマンツーマンでレクチャーして頂きました。
うーーん、贅沢……。
意味記憶や手続き記憶よりも、エピソード記憶は人間が人間として生きていく上で、より高次な記憶だと思います。
過去の「私」と現在の「私」がつながっていることこそが自我であり、そういう過去と現在の延長線として「未来」を予測できるということ。
反射やインストールされたプログラムではなく、時間の記憶が重なっていく。
私たちの心の中で「時間」はどんな風にタグ付けされるのでしょう……?