ロボットは生き物か?

一昨日の晩、高校の同級生と数学科の友人と行ったいつものワインバーで議論になった。

アルコールの影響により、何故その話題になったのかが不明なのだが、アイザック・アシモフの小説『アンドリュー』(私は原作を読んでいなくて映画の方)の話になった。
数学科の友人が生物学者に挑戦状を出した。
「もし、将来ロボットが自分を再生することができて、人の心の痛みを感じたりすることができるようになったら、あなたはそのロボットを生き物と見なす?」
「うーん、私にとっての生物は、40億年前に誕生してから生物としてのやり方で綿々とつながって現在に至っているので、そのロボットを生き物と見なすのは無理かも」
「どうして? そうなったら、単にメタルかオーガニックかの違いでしかないんじゃないの?」
「私にとっての<人>は、親があって、受精によって次の世代の子供ができて、そういう定義に当てはまらないと無理かも。でももちろん、そういう「人的」なロボットとも仲良く暮らしたいとは思うけどね。」
「え? 子供が作れないと「生き物」ではないわけ?」
「ううん、そうじゃなくて、「種」としては生き物とみなされないと・・・」
(この間、新聞記者の友人ー大学では社会心理学を専攻ーは、二人の酔っぱらいの議論を面白そうに眺めている。)
「だいち、そんなロボットできる頃まで、私は生きていないからねえ・・・」
「そうじゃなくて、「思考実験」としてどうか、ってことなんだけど」

こんな感じのやりとりを恐らく三巡くらいしただろうか。
ワインバーの店主はこういう会話には近寄らないー酔っぱらいの議論というのはいつも堂々巡りだと再確認しているだろう。

数学科の彼女に比べると、どっぷり「発生生物学」やら「神経発生学」やらにつかっている私には、長年の間にしみついた「生き物」というイメージがあまりにも壊しがたいものになっているのかもしれない。
でも、こんな会話をするのは確かにbrain stormingになるかな。

今日は論文投稿一つとpresubmission inqueryを一つ。
投稿するのは落ち着く週末にすることが多い(しかも今日は大安だし)。
オンライン投稿は昔よりもかえって時間がかかるが、印刷してFedExで送るよりは、はるかに迅速である。
ただ、あまりに迅速で、翌日あっさりrejectのメールが来たりすると、「やれやれ」と落ち着く間もなく「さあ、書き換えて次の投稿だ!」になるのが辛い。
ライフサイクルが速まっているなあと思う。
by osumi1128 | 2005-06-19 14:27

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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