東北大学ーリヨンサマースクール

時差のあるところに来ての生活は、それなりに大変な部分もありますが、最近はむしろ、朝の早い時間に仕事をしてしまうという意味で、良いペースが出来上がっています。
日本時間では夜更かし寝坊して仕事している、くらいの感覚です。

リヨンはフランス中心よりはやや東南に位置するローヌ・アルプ地域圏の首府です。
中世以降に絹織物で栄えた都市で、食文化が発達したところとしても知られています。
詳しくはこちらのWikiをどうぞ。
季節はすでに秋の気配で、空に浮かぶ雲を見ていると、あぁ、フランスの風景画によく出てくる雲だなぁと妙に納得します。
木々の形などもそうですね……。

さて、今回の出張の1つ目の用務は東北大学サマースクール@リヨンです。
こちらは、2日目夜に現地の日本語教師の方とお食事に出たときに、丘の上の大聖堂近くから撮影したリヨンの街並みです。
東北大学ーリヨンサマースクール_d0028322_0512147.jpg




今回の「東北大学−リヨンサマースクール:Tohoku University – Lyon Summer School」は、東北大学および東北大学の教員が主管する5 つの「教育研究拠点・ プログラム」とフランスの2 大学 Ecole Centrale de Lyon (以下ECL) および Institut National des Sciences Appliquees de Lyon (以下 INSA-Lyon) と協同のもの。
9 月1 日~11 日の間、を開校します。
詳細については、こちらのPDFがプレスリリース文です。

脳科学GCOEも一枚噛んでおり、うちのM1の学生さんが参加しています。
かなり工学部寄りの企画なので、どっぷり生物系の我々には辛いところもありますが、「糊しろ」を広げておけば、後々役に立つことでしょう。
私の方は連携先を訪問して、今後の共同研究の方向性等を打ち合わせる予定です。

昨日はECLの方を訪問して、最初に学長さんからのお話を伺いました。
フランスの大学システムは二重構造になっていて、普通のUniversitiesは入試は無く、バカロレアに合格していれば入学できます。
ただし、単位が取れなければ卒業できません。
これに対して、厳しい入試があるのが、いわゆるグランゼコール(Grandes Écoles)という大学で、そちらに入学するには高校からグランゼコール準備学級に所属していなければならず、さらにこのグランゼコール準備学級に入学するには厳しい試験を突破しなければならない……。
その代わり、難関乗り越えグランゼコールを卒業すると、エリートとしてのキャリアを歩むことになる訳です。
例によって詳しくはWIkiを。

ECLでの教育スタイルも、かなり実践的であり(例えば、3年次ではR&Dや工学デザインを学ぶなど)、さらに昨今では、1年間の海外留学や、数ヶ月のインターンシップなどが奨励されているとのこと。
頑張ってダブル・ディグリーを取得する人も。

ちょうど、科学技術基本計画のことを考えている折でしたので、いろいろと参考になりました。

*****
サマースクールでは学生さん自身のプレゼンテーション(英語)もあり、また、本日午後はフランス語とフランス文化についての講義でした。
一足先にホテルに戻って、仕事を片付けました。
旅の画像はまた追ってアップします。
by osumi1128 | 2009-09-05 00:39 | 東北大学

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