天使と悪魔
2009年 09月 12日
結局、ヒースローのラウンジでネットに繋げないという誤算があり、そうでなかったらダウンロードできたかもしれない学生さんの原稿の直しなどが機上でできず、仕方なく「少しゆっくりしなさい」という天のお告げと思って(笑)映画を観ました。
成田でゲットした文庫本の1つが、ダン・ブラウンの『天使と悪魔』だったのですが、ちょうど機内映画サービスにもなっていたので、往路で読み倒した上で、復路の機内で観ることになりました。
映画の『天使と悪魔』の方が、時間の制約のためと思いますが、人間関係や背景などかなり簡略化されています。
一番残念だったのは、欧州原子核研究機構(セルン)を部隊とするSF的要素が落ちてしまったこと。実際のロケは長期間は難しいでしょうし。
付随して、ヒロインのヴィットリア(=生物学的物理学者)のお父さんのレオナルド(=素粒子物理学者)という役回りもなくなってしまってました。
反物質(antimatter)は一応、画像化されて出てくるのですが。
科学に対する批判の部分も弱くなっていますね……。
うーーん、ダビンチ・コードのときは、映画も結構いけてたのに。
そもそも、トム・ハンクス演じるヒーローのラングドン教授も、せっかくの「象徴学」の知識を示す時間的余裕がなくて、ただただ、連続殺人が起きていく……。
はっきりいって、文庫の方がお勧めです。
往路で上中下読み進めてしまうくらい惹きつけられましたので。
実際、乗り換え損なったりしないか、ひやひやするくらいの勢いで読んでました。
リヨンからロンドンへの移動で読んだのは、東野圭吾の『殺人の門』。
こちらもなかなか面白かったです。
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明日はまた市民向けの講演一つ。
家に戻ったときのアンパッキングには、あまりお楽しみの要素が無くて、片付けるのが後回しになりがち……。やれやれ……。