Pleasure of discovery:ランジュバン博士の講演@理学研究科
2009年 09月 30日
(たしか、重力ピエロのロケに使われたところではなかったかしらん?)
研究科を超えてかなりの人たちが集まっていました。
御年83歳とのことですが、お声もはっきりしていらっしゃって、通訳の方は座っていらしたのですが、ずっと立って講演されていました。
マリー・キュリー(もしくはマリア・スクウォドフスカ=キュリー)とピエール・キュリーとの間の娘がイレーヌで、イレーヌ・ジョリオ=キュリーとフレデリック・ジョリオ=キュリーの間の娘が今回ご講演されたエレンさんです。
まさにノーベル賞の系譜。

私が聴けなかった部分の講演の中に、日本人女性で初めての物理学者である湯浅年子博士がイレーヌに師事していたという内容があったようです。
ご講演の最後は、ピエールがノーベル賞受賞の折に話した言葉で締めくくられました。
「ラジウムは、犯罪者の手にわたればきわめて危険になります。・・・わたしは、人類が、この新しい発見から害よりもいっそう多くの善を導きだすであろうことを信じる者の一人です。・・・」

講演後の質問で、男性教員の方が「日本では女性研究者がなかなか増えないのだが、どうすればよいか?」と訊いていらしたのですが、お答えは「環境を整えることです。保育園や育児を支援する制度など。それと、背中を押してあげることも必要です」
まさに、その通り。
出産の一時金や子供のいる家庭にお金をばらまくだけでは、問題は解決しません。
政治家や財界のオジサマ方はそのあたりが分かっていないのですよね……。
いっそ2700億円で、全国の大学に保育施設でも建てたらと思います。
これは決して女性だけのためではありませんので。
(うちにも子育て奮闘中で学内保育園のお世話になっている男性研究者がいます)
講演後に茶話会が開かれて、サイエンス・エンジェルを中心にエレンさんとさらにお話を。
貴重な機会となったことでしょう。
最後に仰ったのがタイトルにした言葉です。
「どんな小さなことでも、科学における発見を喜ぶことができる人生は幸せです」
講演の質疑応答の折には「科学を競争道具にしてはならない」とも仰ってました。
改めて科学の原点を振り返った数時間でした。
数学科のK先生ほか、関係者の皆さん、お疲れ様でした。
明日の講演は伺えなくてすみません。
盛会をお祈りしています。