理系総理、理系大臣

どのタイミングでこのネタを使おうかと思っていましたが……。
ちょうど本日の東京での用務が総合科学技術会議による科学技術基本政策専門調査会の第1回目で、科学技術担当大臣となった菅直人氏がご挨拶されました。



すでに文科省では今年の5月から基本計画特別委員会(第4期科学技術基本計画)の会議を開催していましたが、政権交代を経て、科学技術担当大臣も改まり、科学技術基本政策専門調査会がスタートしました。
(ほとんど似たような名前なので、分かりにくいです……)

国として基礎科学力を上げるにはどうしたらよいか、国際化への対応は? 科学外交は? イノベーション人材を育成するためには? 大学院定員・ポスドク問題は? 基礎研究からシームレスに出口につなげる仕組みとは?
……などなど、論点は多岐に渡る訳ですが、今期の内閣に理系出身者が4名も入閣したことは、ある意味画期的だと思っています。
鳩山総理大臣:東京大学工学部計数工学科卒業、スタンフォード大学博士課程修了、専修大学助教授
菅副総理および国家戦略大臣、科学技術担当特命大臣:東京工業大学理学部応用物理学科卒業、弁理士資格取得
平野博文官房長官:中央大学理工学部卒業、松下電器産業(現パナソニック)入社
川端文部科学大臣:京都大学工学部卒、京都大学工学部大学院修了、東レ株式会社入社、研究開発業務経験

元情報はこちら

資源のない日本が「科学技術立国」を謳うのであれば、理系人材が国の中枢にいるのが当然のことだと思えるのですが、今まではそうではありませんでした。

菅氏のご挨拶の中には、「……個人的には、子供が野球選手やサッカー選手になりたいと憧れるのと同じように、ノーベル賞を取りたい(←ちょっとベタですが……)と思うような子がいる社会になって欲しい」という内容の言葉がありました。

ちなみに、本日の会議では菅氏はご挨拶後に退席されましたが、津村啓介総務大臣政務官が代わりに最後までお付き合いされました。
さすが37歳! 若いです。
しかも、会議の間中、一瞬たりとも寝ていませんでした!
津村啓介サイトはこちら

*****
本日は、たまたま連チャンで文科省の方の基本計画委員会も開催されたのですが、こちらの主査はノーベル賞受賞者の野依先生です。
エレベーターでご一緒したら「大隅さん、ブログ書いてるんだって?」とお言葉をかけられ、恐縮しつつも「あ、公人である先生のことも勝手に書かせて頂いています」とお答えしておきました。
全然関係のないタイトルのエントリーの中ですが
政府の委員会には予定調和的なものもありますが、野依主査のこの委員会は、先生のコメントがなかなかスルドくて興味深いです。
本日の場合だと、「企業の研究開発投資が国内よりも国外に多く流れているが、海外から日本に研究費を持ち込ませることも考えられないか?」などとのご発言がありました。

今日は産業界からのご意見を伺う日だったのですが、ご説明の資料の中に「人材育成」の項目はあったのですが、その中に「女性」が挙がっていないことについて、突っ込むチャンスを失いました。
発言・コメントは先に言わないと……。

仕方ないので、ここに書いておきましょう。

アース・コンシャスな時代となって、モノは作る側の論理だけでは売れなくなりました。
エンドユーザの気持ちやニーズに合った製品やシステム等を開発するためには、人材の多様性が必要です。
その意味で、科学技術の分野には、もっと女性の視点が入った方がイノベーションにつながるはずであり、産業界においてもそのような意識を高めて頂きたい。
あるいは、男性がもっと仕事以外の生活をエンジョイしたり育児や家事に参加することも、多様な価値観を理解するのに役立つでしょう。

by osumi1128 | 2009-10-01 22:32 | 科学技術政策

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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