編集者といえば……【追記あり】

文科省の第4期科学技術基本計画特別委員会も本日第10回目で、中間とりまとめ(案)がほぼ固まりました。
科学・技術・イノベーションを推進していくのに、さらに人文・社会科学系との連携や、戦略を立てる段階から産業界等、多様な意見を取り入れること、博士課程修了者の多様なキャリアパス、さまざまな主体による科学コミュニケーションの推進等が盛り込まれています。
80頁を超える書類のとりまとめに関わった方々のご努力に敬意を表します。
具体的な施策への落とし込みはこれからですね。

会議の前に、来年2月に行う一般向け講演会の打合せ。
武田計測先端知財団による武田シンポジウム2010「脳と社会」
事前申し込みが必要とのことです。

さて、本日のお題は、近刊のBRUTUSという雑誌の特集が「本が人をつくる」だったので、思わず買って行きの新幹線で読んでしまい、大いに刺激されたことから「編集者」です。




研究業界で「編集者」と言えば、研究成果を発表する雑誌のエディターが真っ先に頭に浮かびます。
当該論文の評価を行う「査読者」を決め、最終的にその論文を掲載するかどうかの意志決定を行うのがエディターです。
つまり、とっても大きな権限を持った方、ということ。
学会が刊行している雑誌の場合には、その学会に所属する研究者で経験と見識の高いシニアな方がエディターになるのが一般的で、Chief Editorの下にhandling editorsが置かれる場合もあります。
Cell, Nature, Scienceなどの商業誌では、専任のEditorsが仕切っています。
もちろん、彼らも博士号を持ち、研究のキャリアが(それなりに)あるのですが。

本を作るときには、出版社に所属する担当の編集者が付いて下さって、原稿のチェックや、装丁、スタイル、書評を書いて頂く方への依頼等をアレンジして下さいます。
良い編集者さんに担当して頂けると、出来上がりが違います!
「ここは読みにくい」「この用語、不統一ですが」「この引用URLはリンク切れです」などなど、ツッコミを入れて下さって有り難い。
ただ今、拙訳書『心を生みだす遺伝子』が単行本から文庫本にして頂けることになり、「文庫本あとがき」を岩波書店編集者Hさんのコメントをもとに修正中。
来春刊行、乞うご期待!
(価格が3分の1になりますー笑)

で、話はBRUTUSに戻るのですが、「本好き」としてはこの号は買わなきゃ駄目でしょう、ってことで仙台駅でゲットして読み始めました。
"本との出会い方、接し方、選び方"を"可視化"したもの、それが「読書地図」

【追記】詳しくは、編集に関わったフクヘン。さんのブログをどうぞ!
ということで、いろいろな業界の方々の本との関わりを見せているのですが、これが非常に面白い!
数冊並行して読む方のスケジュールとか、この友人にはこの本を読ませたい、とある書店で20分で何を購入したか、自宅の書棚の様子、などなど……。
うーん、本棚って、ものすごくパーソナルというか、自分の頭の中を覗かれて経験を看破される感じがしますね。ドキドキ。
あ、友人の瀬名秀明さん@仙台在住も理系本のご推薦ということで載っていましたね。
この号は表紙の作りや、駅伝アート特集綴じ込みなど、仕掛けも多くて、「紙物」メディアとしての楽しみ満載です。
Webも面白いけど、やっぱり「紙」が好き!です。

こういう雑誌の編集って面白そう、というのは、他人の芝生が青いってことでしょうね……。

翻って、論文を作る作業では、筆頭著者がライターでありフォトグラファーでありデザイナーでもあり、last author(兼corresponding author)としての私の役割が編集者なのだと思います。
「この文章は弱いから、もっと強くした方がいい」「この画像の組み方はわかりにくいから、こんな風にアレンジしては?」「模式図、もっと魅力的にならないかな?」などと、改善するための意見を出しつつ、著者チームを鼓舞するチアリーダーでもあります。
最後に、論文投稿の際の売り込み等を行うのもcorresponding authorの仕事ですね。

2010年に出すべき論文がいくつかあって、目下奮闘中。
直近は、second revisionをしたらほぼ確実にacceptになるものかな。
年内に片付けたい!
by osumi1128 | 2009-12-16 01:15 | 雑感

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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