機上で観たTHIS IS IT

昨夜遅くに台北から東に車で2時間ほどのリゾート地に着きました。
明日から2日、東北大学脳科学グローバルCOEと台湾の神経科学者グループ(Neuroscience Program in Academia Sinica)との連携によるNeuroscience Workshop for Young Scientistsが開催されます。

お昼過ぎまでジャーナルクラブやプログレスレポートがあってラボにいて、乗り合いタクシーを予約して中国人ポスドクのGさんと学生T君とともに仙台空港に直行!
……のはずだったのですが、直前に私がパスポートを自宅に忘れてきたことが発覚し(恥)、ちょっと寄り道してもらって事なきを得ました(苦笑)。

エバー航空というエアラインだったのですが、機内の映画でマイケル・ジャクソンの「THIS IS IT」を思わず観てしまいました!




ご存じの方も多いと思いますが、昨年亡くなったマイケルのロンドン公演用のリハーサルなどを撮影しておいたものを編集して作られた映像です。
「THIS IS IT」という英語は「これだよね!」というような意味で、いろいろな文脈で使われるのですが、映画としては「これこそマイケル・ジャクソン!」的な意味にしているのだと思います。
この言葉はマイケルとともに公演を行う予定だった人たちのインタビューや、マイケル自身の言葉としても、それぞれの文脈で出てきていました。

ものを作る過程に興味があるので、こういうメイキング中心の作品は本当に面白い。
バックダンサーのオーディションの様子、リハーサルの中で、プロデューサーやマイケルがいろいろな意見を出して改善していくところ、先に作っておいた映像と舞台での本番を合わせるプロセスなど。
生でパフォーマンスを観る機会を永遠に逸してしまったことは、かなり悔いが残りますね。
ものすごく手間暇かけて、最高のアーティスト達と最高の技術者達の力が集まって作られるエンターテイメントの芸術性は圧倒的であろうと、小さな画面からも想像できました。
環境破壊に対する警鐘や、グローバルな世界平和なども大きなメッセージとして伝わってきました。

でもやっぱり、スリラー、ビリージーン、ビートイットなどの懐かしいナンバーやいくつかのバラードの美しい歌声とともに、一番凄かったのはマイケル自身のダンスパフォーマンスですね。
バックダンサーの踊りも最高レベルですが、その前で踊るマイケルはさらに別格。
誰かが「人間じゃないみたい」と評していましたが、その意味が分かりました。
普通の人間が地球の重力環境で見せる動作と違うのです。
いわば、「ダンスの精」がマイケルの身体を借りているというのでしょうか。
動きが呼吸で乱れたりすることもなく、意志で動いているというよりは動かされているような感じ。

改めてそれを認識したのは、本番のステージではなくリハーサルであったために、派手な衣装を付けていなかったせいかもしれません。
また、大きなサングラスで顔を覆っていたことにより、身体の動きにより着目できたのでしょう・
(ヒトの認知機能としては、顔を注視する傾向がありますので)
……と書いて悟ったのは、マイケルなぜ整形手術を繰り返していったのか、それは、「生身」の部分を限りなく消したかったからなのではないかと。
ちょうどボディビルをされる方の自己愛と反対のベクトルで、身体を限りなく「機能」のみにそぎ落としていきたいという願望は、衣服で覆うことができない「顔」というパーツも「仮面」にしてしまいたかった。
(たしかに、マイケルは身体を露出しないタイプでしたね)
「アフロアメリカンであることのコンプレックス」が整形の理由として挙げられることが多いですが、真の理由はそうではない。
顔に象徴される人間としての個性を無くすことこと、マイケルが目指したものだったのではないか?
その意味で、繰り返された整形は成功したとも言えるのかもしれません。

勝手な想像です。
いずれにせよ、天才は早く神に召されるということですね……。

*****
さて、今日のセッションは10時から。
日本との時差は1時間です。
帰国は日曜日。
by osumi1128 | 2010-01-22 09:15 | 旅の思い出 | Comments(0)

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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