第5回基本政策専門調査会

週末に講演等があったので、次の週に突入しても何曜日かわからない感覚。
カレンダーで絶対位置を確認しつつあります(苦笑)。
さて23日(火)にあった第5回基本政策専門調査会において、短い時間ではありましたがプレゼン(単なるコメントではなく)してきました。
すでに全体の様子については科学技術振興機構・社会技術研究開発センター(RISTEX)研究開発プロジェクト 「科学技術と社会の相互作用」のサイトに挙げられていましたのでご参考に。



この会議は、総合科学技術会議の下に置かれた専門調査会であり、第4期科学技術基本計画について議論を行った上で、とりまとめをしていく会議です。
第3期科学技術基本計画に沿った政策の推進や、第4期科学技術基本計画の策定に向けた検討を行うため、科学技術に関する基本的な政策についての調査・検討を実施

平成21年10月から月1回のペースで開始されています。
委員一覧はこんな具合であり、それ以前よりも平均年齢が下がったようです。

今回は国立国会図書館の長尾真館長より「知識インフラの構築」と題したプレゼンテーションもありましたが、このあたりは関連する委員会に入りましたので、また別途報告します。

その次に、高エネルギー研究所の野尻委員により「若手を巡る諸問題」が取り上げられました。
とくに、アカデミアの年齢構成グラフに基づいた「ロストジェネレーションの危険性」と、進路不明のポスドクが3割、5年後もポスドクに就く者が2割いること、上司と研究以外のキャリアパス等について話すことがほとんどないポスドクが20-30%もいるという数字から伺われる現場の人材育成やキャリアパスにおける問題が指摘され、国としての科学・技術人材育成のあり方を真剣に考えるべきと締めくくられました。

私からは「これからの科学・技術研究についての提言(神経科学者SNS若手有志とりまとめより)」と題して、これまで、大所高所から出されたものに加えて、現場目線の若手がまとめた「提言」を紹介し、若手の意識が科学政策に向いたことによって、このような「提言」につながった経緯を説明しました。
そして、この提言メディアでの取り上げられ方には問題があること(あたかも「研究費に無駄がある」ように書かれているものがあるが、それは本意ではなく、無駄が生まれてしまうようなシステムに問題がある)をまず指摘しました。
(このような問題は、決して「神経科学」の分野だけに限ったことではありません)

その上で、若手の現場意識にも、きちんと制度が理解されていない点(例えば、科研費の年度繰り越し等)や、中央で議論されていることが浸透されていないこと(例えば、業績評価におけるインパクトファクターや引用数の扱い等)があり、科学コミュニティーの中にも世代間、あるいは立場の違いによる溝があること(つまり、コミュニケーション不足であること)を挙げました。

さらに、今後、国民の理解を得つつ研究を行う上で、例えば米国のAAASに相当するような科学普及団体が必要であろうことを述べました。

ちょうど津村政務官にも聞いて頂くことができたのは幸いでした。
現政権ではいわゆる政府三役が施策決定に大きな力を持つということになっていますので。
是非、良い方向にこのような提言が活かされればと願っています。

会議はその後、いわば本題である「第4期科学技術基本計画骨子(素案)」についての議論となりました。
まだまだ「素案」の段階ですが、先の「成長戦略との整合性や、より長期のビジョンをどのように盛り込むかなどについて、様々な意見が述べられました。
正式な議事録が掲載されるまでは、こちらをご参照下さい。

*****
さて、大学は明日が入試の初日。
本日帰りの新幹線の中では、いかにも入試に出てきました的な親子連れなどが目立ちました。
しっかり寝て、実力を発揮して下さい!
未来を支えてくれる素晴らしい若者たちが入学してくれることを期待しています。
それを大切に育てなければいけない責任も大きいですが。
by osumi1128 | 2010-02-25 01:44 | 科学技術政策 | Comments(0)

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