Twitter Lecture:プレゼンのコツ(その2)

昨日は久しぶりにお茶のお稽古に行き、4月の「伏せ釜」を使ってのお薄点前をしてきました。
お軸は大徳寺のお坊さんによる「関 南北東西 通活路」という禅語。
新学期に相応しい言葉ですね。

夜はこの春に教授に就任された女性研究者お二人のお祝い会があって、男性3名、女性6名という華やかな(笑)お食事となりました。
Kさん、Sさん、ご活躍に期待しています。
Iさん、素敵なレストランでの会のセッティングをご苦労様でした。
とっても美味しかったです。
きっと亡くなったFさんも天国で喜んでくれていると思います。

*****
さて、日は変わって本日、時間が取れましたので、1ヶ月ぶりに「プレゼンのコツ」の後半をTwitter Lectureとして行いました。
ちなみに、3月頭に行った第一弾はこちら



●16:00からTwitter Lecture「プレゼンテーションのコツ第二弾」を連続Tweetします。ご質問は適宜RTやreplyでお願いします。1時間以内の予定なので、すべてのご質問には答えられないかもしれませんが、後で対応予定です。
posted at 15:52:18

●さて、ではTwitter Lectureとしては4回目、今回は「プレゼンテーションのコツ第二弾」をつぶやきます。基本的には研究者のビギナーの方々向けですが、他の方でも参考になるところはあると思います。どうぞよろしくお願いします。
posted at 16:00:23

●【プレゼン】良いプレゼンとは、どのようなプレゼンでしょう? ここでは「中身」のことは一般化しにくいので、パッケージングとしての「プレゼンテーションのコツ」についてご紹介します。
posted at 16:01:49

●【プレゼン】前回、良いプレゼンを行う上でまず考えるべきことは「聴衆について」だとお伝えしました。これは、金科玉条、常に正しいと思われます。実は論文でも同じことなのですが。
posted at 16:03:26

●【プレゼン】前回は「聴衆のことを考えたPPTスライドの作り方」を中心につぶやきました→ http://ow.ly/1uoI3 今回は「発表するときに気をつけること」をお話ししたいと思います。
posted at 16:04:49

●【プレゼン】良いプレゼンテーションの態度としては、聴衆を見て話す、適切な言葉を選ぶ、落ち着いている、謙虚である、ユーモアがある、ということを挙げたいと思います。
posted at 16:06:05

●【プレゼン】「聴衆を見て話す」ことはプレゼンの基本中の基本なのですが、これができていない方がとても多い。スクリーンを見ながら話すとか、手元のPC見ながら話すとか、あるいは「原稿」を読んでしまうとか…。これでは「伝えたいこと」が「伝わりません」。
posted at 16:07:57

●【プレゼン】聴衆を見ないでプレゼンを行うと、聴衆はその人から拒絶されているように感じてしまいます。そうすると、聴衆の側にも心理的な壁ができてしまって、言葉が聴衆の心に届かなくなるのです。
posted at 16:09:43

●【プレゼン】でも、プレゼンに馴れていないと、どこか聴衆を見るのは「コワイ」ような気持ちになりがちです。私も、大事なプレゼンで相手がよく存じ上げない先生方だったりすると、無意識に防御の気持ちが先になりますね。
posted at 16:11:50

●【プレゼン】「聴衆をカボチャと思え」という教えがありますが、私は聴衆を見下すことがあってはならないと思っています。相手の心にメッセージを届けたいと思うのであれば。
posted at 16:14:03

●【プレゼン】学会発表など、大きな会場の場合の方がむしろ楽かもしれません。大きな会場の場合には、聴衆を2X2で4分割、あるいは3X3で9分割して、それぞれのパートに視線を送ると良いと思います。必ずしも視線を合わさなくても、聴衆側からは自分のことを見てくれているように思えます。
posted at 16:15:31

●【プレゼン】可能であれば、それぞれのパートの中で「頷いてくれている人」を探して、その方に向けて話すようにすると、その方の頷きが周りにも伝播します。そうすると、あなたの話す中身が届きやすくなるのです。
posted at 16:17:27

●【プレゼン】聴衆の人数が少ないとき(例えば少人数のセミナーとかヒアリングとか)では「アイコンタクト」は重要です。でも、正確に相手の「眼」を見なくても大丈夫。口元のあたりに視線を送るのでも、アイコンタクトとして機能します。
posted at 16:19:41

●【プレゼン】さて次に「言葉」の問題ですが、聴衆に合わせた言葉を選ぶ必要があります。どのような専門用語なら注釈無しでも大丈夫なのか、このあたりはリハーサルのときに、経験のある誰かに確認してもらうのが良いでしょうね。
posted at 16:21:26

●【プレゼン】大事な言葉は、場合によっては何度も繰り返したり、違う言い方で説明を加えて強調するのが良いでしょう。自分にとっては当たり前のことでも、初めて話を聴く相手には、案外伝わらないものです。
posted at 16:22:47

●【プレゼン】ところで、プレゼンにおいてメッセージはどのように伝わるか、ということですが「言葉verbal」「声vocal」「見た目visual」の3つのうち、「言葉」で伝わる部分はどのくらいだと思いますか?
posted at 16:24:07
<註:この部分にコメント頂きましたので、文末に補足を入れます>

●【プレゼン】実は、テキストに起こせる「言葉」で伝わる部分は思いのほか少なくて、たった7%と言われています。つまり、テキストにはならない声の抑揚や強弱、間合いの取り方や、プレゼンを行うときの全身の見た目が内容の「伝わりやすさ」に大きく影響するということです。
posted at 16:28:34

●【プレゼン】声の抑揚や強弱を付けることによって、言葉が平板にならないように気をつけることは大切です。さらに、何か強調したいことを話す直前に、ちょっとポーズを入れると、聴衆は「あれ?」と注意を向けることになります。このとき、さらに聴衆に眼差しを向ければ効果倍増です。
posted at 16:31:10

●【プレゼン】プレゼンのときに「落ち着いている」ことはとても大事です。落ち着いていないと聴衆も不安な気持ちになってしまい、話の中身に集中できなくなります。
posted at 16:33:31

●【プレゼン】では、落ち着くにはどうしたらよいか。もちろん、事前の準備を入念に行い、ビギナーの方はとくに「リハーサル」を行って自信を持って臨むことが一番です。その他にはどんなコツがあるかというと……。
posted at 16:34:41

●【プレゼン】どのような態度が「落ち着かない様子」に見えるのか、考えてみましょう。例えば、声が上ずっている、震えている、ポインターがぐるぐる回っている(←これ、かなり多く見られます)、最初につぶやいた「聴衆の方を見ない」のも落ち着かないように見えてしまいます。
posted at 16:37:04

●【プレゼン】声のトーンは、普段よりも意識的に下げるようにすると、実は自分の気持ちも落ち着くのです。認知科学的には、「悲しいから涙が出るのか、涙が出るから悲しいのか」ということと似た現象ですね。
posted at 16:38:30

●【プレゼン】ポインターがぐるぐるしないようにするにはコツがあります。それは、1点を指すのではなく、文のアンダーラインを引くように動かしたり、大事な図などを(丸くではなく)四角く囲むようにするのです。是非行ってみてください。
posted at 16:40:40

●【プレゼン】それから、しきりに髪の毛を触ったり、眼鏡を動かしたりするのも、聴衆からは気になる動作です。場合によっては「それしか見ていない」ことになって、話の中身が伝わりません。では、このような場合にはどうしたら良いでしょうか?
posted at 16:42:07

●【プレゼン】無意識に髪や眼鏡などを触ってしまう癖がある方(自分で分からない場合には、リハーサルのときに誰かに見てもらって確認して下さい)は、例えば、演台にその手を置いておく、どうせならポケットに入れてしまう、などを行ってみて下さい。ずっと落ち着いて見えるはずです。
posted at 16:44:16

●【プレゼン】さて「謙虚である」ことは大切だとつぶやきました。「謙虚でない」プレゼンは、例えば「これはとても難しいかと思いますが」「この話は専門家では常識なのですが」などの枕詞を挟む場合がそれにあたります。「伝えたい思い」があってはじめて「伝わる」ことになるのです。
posted at 16:47:08

●【プレゼン】逆に「謙虚である」のはへりくだる、という意味ではありません。聴衆と共感できる内容を伝えるということが「謙虚である」ことだと思います。大事なのは双方向性ですね。
posted at 16:49:19

●【プレゼン】さて、そろそろまとめにかからないと…。最後のポイント「ユーモアがある」。これは難しいです(苦笑)。私自身も日々是精進です。
posted at 16:50:36

●【プレゼン】冒頭に「ユーモア」のある一言を入れられれば、聴衆の心を和ませ、それは「伝わりやすいプレゼン」につながります。長目のプレゼンの途中に入れるのも良いですね。
posted at 16:51:45

●【プレゼン】ご質問には最後にまとめて答えますので、どんどん質問して下さい。
posted at 16:52:44

●【プレゼン】では「ユーモア」って何?ってことなのですが、これは体を張った芸でも、オヤジギャグでもない、もうちょっと知的な香りのするものがいいなぁと思っています。
posted at 16:54:26

●【プレゼン】例えば、先日オーストラリアで行ったセミナーの際、脳細胞の産生メカニズムについての研究成果のイントロで、ヒトの発生段階ごとの脳の大きさのスライドの次に、進化の過程で脳が大きくなってきたというスライドを出し、…
posted at 16:56:24

●【プレゼン】…こんな風に現生人類の脳は大きくなってきて、例えば、記憶や学習などの高度な神経機能を営むことが可能になったり、(若干のポーズ)"can make it possible to make this Macintosh computer, which I love"
posted at 16:59:18

●【プレゼン】…と一言加えたのはウケました(笑)。海馬歯状回という脳の部位をdentate gyrusと言うのですが、その略称でDGと書いてあるものを指して「これはドルガバではなくて…」と言ったのは、東大でも京大でも受けませんでした(笑)。やはり、聴衆を考えて言葉を選ばないと…
posted at 17:01:37

●【プレゼン】という訳で、ユーモアは難しい。とある先生に言われたのは「大隅さん、普通、女性はジョークを言わなくてもいいのです。ジョークは男性同士の緊張感をほぐすためにあるのだから」
posted at 17:03:08

●【プレゼン】つまり、聴衆が私にジョークを期待していない場合には、ジョークを言ってもなかなか伝わりません(笑)。お笑い芸人には「きっと笑わせてくれるだろう」という期待があるので、何を話しても可笑しいのです(←いえ、もっと高度な技があることは理解しますが)。
posted at 17:06:07

●【プレゼン】では最後に、プレゼン力を向上させるには、「真似る、盗む、試す」を心がけて下さいね。ビギナーの方はくれぐれも「リハーサル」を行って臨んで下さい。
posted at 17:09:18

●【プレゼン】それから、学会などの場合には、事前に会場の下見をしておくのもお勧め。演台からスクリーンがどのように見えるか、マイクはピンマイクか、手持ちか、ポインターはどんなものか、なども触っておくのが、緊張度を下げるのにも効果的です。ではご質問にお答えします!

●【プレゼン】さて、ではちょっとRT等もとぎれたようですので、これにて本日のTwitter Lecture「プレゼンテーションのコツ第二弾」を終了といたします。フォローして下さった皆さん、有り難うございました。追ってブログの方にもまとめてアップしたいと思います。
posted at 17:28:55

●【プレゼン】あ、一応、拙著の宣伝もさせて下さい。『バイオ研究で絶対役立つプレゼンテーションの基本』(大隅典子著、羊土社)
posted at 17:30:39


【質問コーナー】
●「え~」「あの~」などが無い方が聴きやすいことは確かです。自分の発表をビデオに取ってみたりして自覚するのも大切。RT @ayumitter: プレゼンでの話し方の注意として、「え~」「あの~」などといった不要な文言を過剰にはさまないといった心がけは必要だと思われますか。
posted at 17:11:29

●流暢でなくても暖かみのあるプレゼンは好印象ですよ。RT @hungarolink: 私は初対面の人に会うと、相手の気分を害さないようにと緊張してしまう…私のような人よりは口八丁手八丁な人が好まれやすいのでしょうか?どうぞ宜しくお願い申し上げます。
posted at 17:13:30

●個人的には女性のプレゼンでもユーモアは必要だと思っていますww RT @MM_morishita: (○ ○!そうなんですか? RT とある先生に言われたのは「大隅さん、普通、女性はジョークを言わなくてもいいのです。ジョークは男性同士の緊張感をほぐすためにあるのだから」
posted at 17:16:00

●あ、これいいですね! 次回使わせて頂きます。RT @nennpa: プレゼンのトークに、「ちょっと意外」なフレーズを入れておくと、場を把握するのに役立ちます。「こちらが脳の模式図です」を、「これが皆さんの脳です」、とするなど。
posted at 17:16:44

●頑張って下さいね! RT @K_current: 明日の研究室ゼミのスライドを準備してたら @sendaitribune 先生がプレゼンのコツをtweetレクされていた。最初からTLに従って読み返す。明日の発表にも活かしてみよう。
posted at 17:18:03

●ボーイズクラブ的な雰囲気を感じることは無いわけではありません。RT @kenzi_oshima: 女性研究者の難しい所は、男同士のホモソーシャルな雰囲気に入っていけないところだと聞いたことがあります。研究以外での人脈が、異性では作りにくいと。
posted at 17:18:59

●ちなみに、件の発言をされた先生は、男性研究者の中ではかなり女性を普通に遇して下さる方ではありますが。RT @kenzi_oshima: なので、「男同士」から異性を排除するのは、デリカシーが無いように思います。
posted at 17:25:18

●あまり一般化できるものでもないかと。私自身は男性とも女性とも多くの共同研究を行って来ました。RT @kenzi_oshima: 思わぬ人脈が共同研究に結びつくこともあるので、女性研究者はその点が不利だと言われて、なるほど、と思ったことがありました。
posted at 17:26:25

●それは良かったです! 丸く囲むとぐるぐるしちゃうので。コツは「直線を意識」かと。RT @kenzi_oshima: @sendaitribune 自分はポインターの使い方を改善したいと思いつつもどうすればいいかわからなかったので、とても参考になりました。
posted at 17:33:37

●議論は楽しいですからね。学会などでは制限時間を守りましょうww RT @K_current: @sendaitribune 内輪の会ではついつい時間を超過してしゃべりすぎる悪い癖があります。決して普段はおしゃべりな方ではないのですが。大学院の研究室の先輩にあたる上田さんの影響で
posted at 17:34:27

●是非がんばってください! RT @suikadon: 今回もとても参考になりました、ありがとうございました。来週研究会プレゼンに活かしますRT 【プレゼン】あ、一応、拙著の宣伝もさせて下さい。『バイオ研究で絶対役立つプレゼンテーションの基本』http://ow.ly/1up5a
posted at 17:35:57

*****
上記の中の”テキストに起こせる「言葉」で伝わる部分は思いのほか少なくて、たった7%と言われています。”に関して、@ublftboさんという方からのコメントにより、以下のやりとりがありました。

●すみません、拙著に引用してあったと思うのですが、今手元に無くて…RT @ublftbo: @sendaitribune 質問:”テキストに起こせる「言葉」で伝わる部分は思いのほか少なくて、たった7%と言われています。”←この部分の典拠を教えて頂ければありがたいです。
posted at 17:14:59

●はい「見た目がすべて」と言っているのではありませんが。RT @ublftbo: @sendaitribune ありがとうございます。もう少し確認したいのですが、言葉が伝える割合が7%、という所から推察するに、これは、いわゆる「メラビアンの法則」の援用と考えてもよろしいでしょうか?
posted at 17:21:54

●「テキスト化される言葉」以外の要素が「伝わりやすさ」に影響する、ということをお伝えしたかった次第です。RT @ublftbo: もう少し確認したいのですが、言葉が伝える割合が7%、という所から推察するに、これは、いわゆる「メラビアンの法則」の援用と考えてもよろしいでしょうか?
posted at 17:23:03

●ブログの方にまとめる際に、補足しておきますね。RT @ublftbo: 僭越ながら、Mehrabian の行った実験の結果をもって(具体的に「7%」と出すなどして)プレゼンテーションの場面、「分かりやすさ」への影響等に一般化するのは妥当でないように思われます。
posted at 17:32:21

ということで補足を加えておきます。

仕事柄いろいろな会議に出ますが、そのときに話された言葉をテープ起こししたものが「議事録」として送られてきます。
そうすると、必ずしも文法的に正しくない文は多いは、いろいろな省略はあるは、で、自分の発言の部分には手を入れて補足することが多々あります。
他の方のご発言にも、同様のことは見られるのですが、では、実際にその場に居た聞き手として分かりにくかったかというと、案外そうでもありません。
対談のテープ起こしなどでも同様です。
つまり、「テキスト化される言語」以外で伝わる部分というのが結構ある、ということは日々実感しています。

「メラビアンの法則」というのは、「言葉verbalで伝わる部分は7%」という心理学の実験に基づいていて、私が読んだ複数の「プレゼン本」にも挙げられていましたが、逆に言うと、それ以外の良い典拠を見出すことがまだできていません。
「プレゼンにインパクトを与えるには数字を上手く使う」というコツもあるので、「言葉の分は7%」というのは、少し聴衆・読者に衝撃を与えるために使っています。
(このブログ読者の方で、もし、もっと良い認知科学的実験結果などご存じでしたら、是非お教え下さいね)。

Albert Mehrabianの行った心理実験についてのWikipediaの書き込みはこちら
by osumi1128 | 2010-04-05 00:04 | 雑感

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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