新学期初授業、国立成育医療研究センターにて講演など

12年前に東北大学に赴任して最初に担当した授業は、全学教育(いわゆる教養教育)の「生命科学B」という枠で、「細胞生物学」を教えていました。
一番最初は1セメスター、つまり、新入生が最初に受けるコースだったのですが、その後すぐに2セメになり、夏休みを超えると学生さんの様子が一変するのが面白かったですね。
なんといっても4月はフレッシュで楽しいです。

今年は先週の金曜日に「体と健康」のオムニバス形式のものの担当として、2コマ(2週)講義をすることになったので、第一回目は「脳の発生・発達」について話をしました。
1年生相手の場合には、使う言葉としては「一般の方向け」に近いのですが、「皆さんは、これからそれぞれ専門的な素養を身につけていくべき方々ですよ。分からないところは自分で学びましょうね。大学は学生さんも教員も、共に学ぶ場ですよ」というメッセージを込めています。
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何人受講者がいるのか分からなかったので、配付資料はBrain & Mindの本を持って行きました。
TA担当の学生T君、S君、K君、ご苦労様。
講義の最後に、来週の準備もこめて「脳に良い栄養は何だと思いますか? その理由は?、その他、感想や質問などもどうぞ」ということを「ミニットペーパー」に書いてもらいました。
これはA5の大きさの紙で、右上隅だけ角を落としてあって集めて揃えるのに一工夫されています。
ミニットペーパーの使い方(高等教育開発推進センターからの説明分・PDF)
なかなか面白い結果だったので、これは来週のお楽しみ。

そのまま東京へ移動して、国立成育医療研究センターで講演を行いました。
新学期初授業、国立成育医療研究センターにて講演など_d0028322_15522898.jpg

2年前にも呼んで頂いたのですが、今回は「研究者からの情報発信:脳に良い栄養とは?」というタイトルで科学コミュニケーションのお話と、自分の研究の内容を盛り込みました。
お世話になりましたU先生、A先生、有難うございました。

国立成育医療研究センター等の厚労省の機関は、この4月1日から独立行政法人化したので、いろいろと大変なことと拝察します。
大学は6年前に法人化して、今までが緩すぎたといえばそれまでですが、試薬の管理や環境安全等、いろいろな仕事が増えてしまって、教員も職員も右往左往。
研究力としては落ちているのではないかと危惧します。
すでに実際に、「グラフで見る日本の科学研究の後退(?):日本の2005-2009の論文生産数は1999-2003の水準より減少」(ブログ「かたつむりは電子図書館の夢をみるか」3/24エントリー)という分析データもあります。
こちらは法人化の影響というよりも、大学院の定員増に関係するのではないかと個人的には思っており、さらに5年後のデータには法人化の影響が大きく響くと予測します。
明治時代に作られた大学の仕組みは、時代に合わせてもっと変えていく必要があると思いますが、その際に、多様なバックグラウンドやスキルを持った方々が良いチームを作って、皆の仕事が楽になりつつ、大学の環境や競争力が良くなること、その中で学生さん達を手塩にかけて育てていくことが大事なのではないでしょうか。
by osumi1128 | 2010-04-11 16:08 | 雑感

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