母校でのセミナー

夕方母校でのセミナーをした。

私の出身大学は地下鉄御茶ノ水駅のすぐ上で、まるでNOVAのような立地であり、そこで学部時代、大学院時代、助手時代と15年以上を過ごしたことになる。
昔は建物の間にテニスコートもあったが、今はすべての敷地は建物で埋め尽くされている。
当時は医学部と歯学部しかなく、仙台に移ったときは大学らしいキャンパスが心地よかった。
でも便利さと落ち着きのいいとこ取りはできない。

出身研究室担当の学部の発生学の講義には年に一度くらいのペースで呼ばれている。
今回はカリキュラムが変わったとのことで、大学院生やスタッフ中心のセミナーであった。
母校でのセミナーは、自分を育ててくれたことへの有難さと、先輩後輩に対するなんとも言えない親しみと、若い時代のさまざまな思い出が交錯して、ちょっと複雑な気持ちになる。

セミナー後に、とある若い方が「先生は附属高校の出身ですよね?」と聞いてくる。
「え? 貴方は何期?」
「36期です」
「わー、一回り以上も違うねー。どうして知ってるの?」
「昔、ミニ同窓会みたいな会がありましたよね?」
「あ、そうだったね。今どうなってるの?」
「いやー、僕も3年外に出てたから・・・」
「そう。でも頑張ってね!」

うちの高校は東横線沿線にあり、当時私は神奈川県の逗子(鎌倉の隣)というところから、片道1時間半かけて毎日通っていた。
(もう絶対にそんな生活をする体力はない)
自由な校風と大人びた生徒たちの学校だった。
お茶のお稽古の折などに東横線で後輩を見つけると、思わず声をかけたくなってしまう。
でも、そんなことをしても、向こうからは「何?このオバサン」と思われるだけだろうなと考えて自自制する。
先日は所用で虎ノ門あたりを歩いていたときに、後輩の男子生徒、女子生徒を見かけた。
ああ、今でもきっと「地理実習」をしているのかもしれないと思って、とても懐かしかった。
(私たちのときの地理の先生のお一人はすでに故人となっている)
この地理実習では、かつての江戸城の周りの道を歩いて、現状がどうなっているのかをレポートすることになっていた。
地学実習も面白かった。
神奈川県の三崎に出かけて、地層の観察を行うものだが、自分が地層好きなのをこのときに知った。
(地層とか、鍾乳洞とか、巨石などにむしょうに感動するのだ)

明日はまた朝から晩まで缶詰。
やれやれ・・・
東京はもっと暑いかと恐れていたが、そうでもなかったことだけが有難い。
by osumi1128 | 2005-06-30 00:17

大隅典子の個人ブログです。所属する組織の意見を代表するものではありません。


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