脳カフェ「脳はなぜ、美に魅せられるか」満員御礼:初チャレンジ動画配信with iPhone【追記あり】
2010年 07月 04日
お集まり頂きました皆様、準備等に携わった関係各位、誠に有難うございました。

今回のテーマの主旨は以下のように考えました。
すでに石器の時代から人間は「美」に魅せられてきました。それはつまるところ、ヒトの脳の特徴とも言えるでしょう。ヒトの脳が複雑で繊細で多様であることなどから、人間が美に魅せられる理由には、科学はこれまでほとんど迫ることができずにきました。今回の脳カフェでは、美について考え続けてこられた心理学者と編集者をお迎えして、最新の脳神経科学の知見も交えて、脳が見せられる美について、美に魅せられる脳について、迫って行く対話の場をつくっていきたいと思います。 (チラシより)
お一人目の講師は心理学、認知科学、神経美学がご専門の川畑秀明さん@慶應大でした。

タイトル:脳からかわるアート,アートからわかる脳
芸術/アートとは難しいものではない。私たちは直観に従って楽しみ,何かを
感じ,そして考えればよい。芸術はその文化や時代を映す鏡であるといわれ,
その歴史を知れば知るほど作品や芸術家について理解が深まり好きになってい
く。同時に,芸術は脳の仕組みやはたらきを映す鏡でもある。脳について知る
ほどに芸術を理解することが可能になり,芸術について知るほどに脳を理解す
ることができる。この講演では,芸術を鑑賞し,生み出す脳のはたらきと,芸
術家の作品から垣間見られる脳のはたらきを中心にお話しする。脳について知
ることで,鑑賞するだけの芸術/アートから,発見の旅へと変わるだろう。(チラシより)
「このアートに共通することは何でしょう?」という問いかけに始まり、多数のアートを取り上げながら美しさを脳はどのように感じているのか、などのお話を頂きました。
休憩をはさんで2人目はエディトリアルコーディネーターの鈴木芳雄さん。
元、BRUTUSの副編集長としてアート系の特集に多数関わってこられました。

鑑賞する脳、編集する脳
編集は出版にだけ関係することばではない。さまざまな場面で編集作業は行われている。美しいもの(ときには醜悪なものも)、驚かせてくれるもの(精密なものとか9、今まで知らなかったものを見たいと思う気持ちと得られる感動。それを心にとどめておく行為。整理し、分類し、序列をつける。誰もが自分の脳の編集者なのだ。
編集は時間の整理である。編集は分解である。編集は再構築である。編集はメディアを問わない。編集は終わることがない。(チラシより)
総合討論のときに、私の方からも脳科学の歴史として、レンブラントの絵、東北大学図書館所蔵の解剖学の本、布施現之助先生の脳の模型などをご紹介するとともに、研究遂行の上でも「編集作業」が必須であることなどを話しました。
東北大学博物館「脳のかたち 心のちず」参照
脳カフェではこの他、「脳のぞき」というGCOE関係からの画像や8月に行うイラストレーションスクール関係(追ってご紹介します)のパネル展示や、認知心理テスト等のデモもありました。
また、今回、初めてのチャレンジとして、iPhoneからリアルタイム動画配信on Ustreamということを行ってみました。
実際にリアルタイムでの配信を行うのには、iPhoneのアプリをダウンロードして登録しただけなので、こういうことが末端ユーザが簡単にできる世の中なのだということを実感。
動画は残してありますので、興味のある方は是非ご覧ください!
川畑氏の講演(38分)
鈴木氏の講演(32分)
【追記】
鈴木芳雄さんのブログにもレポートが掲載されました!
脳カフェ「脳はなぜ、美に魅せられるか」報告
鈴木さんのトークの中でもミュエクの作品にからんで、自分のプレゼンでも少し取り上げた十和田市現代美術館の特任館長、小林央子さん@TowadaArtCenterのブログにも記事が載っています。
yokomotion
こちらの7月3日のところになります。
(常設リンクも張っておきます)