日米シンポジウム@国立女性教育会館

月曜日はリヨンからNathalie Bernoud-Hubacさんが訪問し、予定の新幹線に1本乗り遅れていて、仙台駅のお迎えで焦ったりもしましたが(苦笑)、無事にpick upしてディナーをご一緒しました。
翌日、火曜日から水曜日にかけて、日米シンポジウムという会議が国立女性教育会館で開催されましたので、そのレポートを載せます。

女性教育会館は東武東上線の武蔵嵐山という、鬱蒼とした森の中にあります。
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今回のシンポジウムは、日米の女性研究者が集まって、異分野交流のきっかけを作ることと、エンパワーメントのためのアプローチを探るということを目的として、郷通子先生、小舘香椎子先生、水田祥代先生が、女性教育会館の久保真希理事とともにオーガナイズされたものでした。

基調講演のハワイ大学学長のGreenwoodさんや、IBMフェローの浅川智恵子さんのお話が聴けなかったのは残念でした。

2日目のパネル討論からの参加になりましたが、緑一点(?)の安西先生(元慶應大学塾長)のお話がとても参考になりました。
安西先生は、慶應大学の150年近い歴史の中で、2人目の「理系塾長」という意味で、マイノリティーだったので、どんな風に相手(メジャーな文系の方々)と協調、連携、ときには説得するかを考えて来られたということでした。
そのためには、相手の言うことに、まず耳を傾ける、ということを仰ってましたが、参加していた米国女性研究者からは「それはとても日本的だ!」というコメントがありました。

安西先生はまた、日本の場合、研究者が忙しすぎること、例えば、研究費が細かく分かれていることや、ポリティクスに費やされる時間が多く、例えば育児期の女性にはより負担が大きくなることも私的されていました。

2日目の最後のセッションから、3日目午前中に、3つのBreakout sessionsがあり、10名程度の3つのグループに分かれてのディスカッションは、もちろん英語だったので、かなりハードでした。
参加している米国の研究者達は、皆さん強者なので、その議論の中に突っ込んでいくのが大変。
でも、参加していた日本の若い研究者の方々にとっては、良い勉強の機会だったのではないかと思います。
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こちらは、リーダーシップ涵養のためには、どうしたらよいか、というBreakout sessionのときのディスカッションの内容。
ここでも、リーダーに求められる資質について「部下のことをケアする」と発言したら「それは日本的だ!」と驚かれたり……。
「あなたは何をすべきか、を示すことは大事だけど…」つまり、より個人主義的なのですね。
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久保さんは文科省のキャリアの方で、JSPSに出向されている間に育児休暇取得後の復帰支援ポスドク制度(RPD制度)を策定されたのですが(高校の先輩でもあります)、ケーキを焼いてコーヒーブレイクに出して下さるなどの気配りが…。
すみません、このあたりの画像はiPhoneで撮影で、ちょっと画質が悪いです。
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今回のシンポジウムのレポートが公開されることになっていますし、また、参加者のメーリングリストを作って、今後の交流促進に繋げましょう、ということになりました。
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by osumi1128 | 2010-07-08 01:04 | サイエンス

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