地元の情報誌「まなびのめ」
2010年 07月 25日

地元の印刷業者さんの笹氣出版印刷株式会社さんのところでは、「学術の世界と市民をつなぐ情報誌」として「まなびのめ」という季刊のフリーペーパーを発行し、webサイトを連動させています。
A4を縦に2つ折した大きさで、二重に折りたたまれた見開きになっている凝った作り。
このあいだ届いていた第9号の特集が「科学の哲学」で、東北大学理事、文学部教授で、なんといっても図書館長でもあられる野家啓一先生を取材された記事が「学びの庭におじゃまします」というコーナーに掲載されていたので、取り上げたいと思います。
「まなびのめ」のweb版の説明によれば……
学術の世界と市民をつなぐ情報誌「まなびのめ」Web版では、みなさんの身の回りで開催されている市民公開講座、オープンキャンパス、講演会やセミナーなど、紙版に比べより多くの情報を「『学び』イベント情報」として随時まとめ、更新しています。
今季の「学び」イベントは39件も掲載されています。
もちろん、東北大学サイエンスカフェやリベラルアーツサロンも、毎回掲載頂いています
さて、野家先生のお話は「文系・理系の垣根を越えて学び続けるために」というお題です。
野家先生は東北大学の理学部物理の出身で、大学院が村上陽一郎先生のところに行かれ、科学哲学がご専門。
より詳しく言うと、科学史、科学哲学、科学社会学などがご研究分野になります。
科学の進歩について、市民が期待と不安の両方を持つことを最初にとりあげ、「科学というモンスターをコントロールするには」「科学技術が政治経済と密接に結びついている現代では、市民が自分たちの責任で科学をコントロールしなければならない時代になっています。」と主張されています。
そのために、公開講座、出前授業、サイエンスカフェ、リベラルアーツ・サロン等、大学を利用して学び続けて頂きたいと仰っています。
私たちは学ぶことで、使うことのできるボキャブラリー(語彙)が増え、より深く考えたり、一面的でないさまざまな角度から考えたりすることができるようになります。
もうお一人は、東北薬科大学教授の渡辺義嗣先生(哲学)のお話。
「科学技術を〈専門家任せ〉にしない豊かな行き方を」というタイトルのもとに、科学技術の負の側面を挙げ、市民目線での積極的参加を促し、健康問題も人任せにせず、自分の人生との関係で健康の基準を決めてみてはどうか、という主張をされています。
全体の構成は以下のようになっています。
2010年 第9号
科学の哲学
・ 文系・理系の垣根を越えて学び続けるために 〔野家 啓一先生〕
・ 科学技術を「専門家任せ」にしない豊かな生き方を 〔渡辺 義嗣先生〕
・ これからの主な「学び」イベント39件掲載!
・ 「学び」イベントに行ってきました
・ 第1回「まなびのめ」Live版レポ
・ 名著への旅 『ロウソクの科学』(マイケル=ファラデー)
興味のある方はPDF版をどうぞ!
個人的には、掲載されていた「学び」イベントで、「仙台・江戸学」第4期「仙台藩の刀工」(9/16)@大崎八幡祭儀棟に興味津々。