Nスペ:貧者の兵器とロボット兵器
2010年 10月 18日
「貧者の兵器とロボット兵器〜自爆将軍ハッカーニの戦争〜」
9.11以降もアフガニスタンでは戦闘が続いている。
タリバンは資金はなくても「人的資源」を投資して自爆兵器を送り込む。
米国は無人機からの空爆により迎え撃つ。
未来が無いと思ったとき、人はどんなことでもできる。
自分の命さえ惜しくはない。
だが、タリバンの最強硬派組織においては、薬物を使ってでも、そういう洗脳をし、裏切り者への見せしめの処刑により恐怖を煽ることまでする。
大義名分を持つと信じている米国兵士がリモートでロボット兵器を操るのは、どこかコンピュータ・ゲームに似ている。
生身の人間が感じられないモニタの中で、ハッカーニなどタリバン中枢部を標的としてクリックすることにより、一般人が巻き添えを食う。
難民はもはや平和な世界を描くこともできずに一日一日の命をつなぐ。
明日どこで自分が、家族が爆撃に遭うかと恐怖に戦きながら。
最先端の科学技術が兵器の開発に駆使される。
武器の見本市では「安いミサイルで殺せるんです。お買い得でしょ」という商人が売り込みをする。
……そんな映像を見て、やりきれない気持ちになった。
現生人類は数十万年前に旧人と共存していたというが、なぜ旧人が滅びたのかということについて、現生人類が大量虐殺を行ったという仮説がある。
進化は実証不可能なので近代科学のお作法に則らないが、ゲノムの解析によって、アフリカから世界に広がっていった現生人類は、一人のイヴの子孫と信じられている。
地球上で戦争が無い時期は未だかつて無かったという史実は、人類が攻撃的な種であることを改めて思い起こさせる。
平和を願う人々の方が優位な世界になることはできないのだろうか。