新学術領域「神経細胞の多様性と大脳新皮質の構築」(山森班)
2010年 10月 20日
大脳新皮質は、哺乳類で初めて出現し、ヒトで最も進化した脳構造です。6層構造を持ち、一次感覚野で感覚情報を受容し、より高次の領野で情報処理を行った上で他の脳神経領域に出力する、哺乳類脳の文字通り中枢指令塔としての役割を果たします。その機能発現には、個々の細胞の特性に加え、形態、相互の位置関係、結合様式などの空間的配置が重要な意味を持ちます。従って、その機能や構造の意味を知るためには、成熟した神経細胞集団の性質のみならず、神経細胞の産生や移動に伴うその性質の変化などを明らかにすることが必要となります。
本領域では、(A01)幹細胞からの多様な神経細胞産生、(A02)細胞多様性と神経投射、(A03)神経多様性の決定(層・領野・神経コード)の3研究項目を設置して研究を行います。これらを遂行する計画研究とともに、公募研究を平成23年度から開始し(平成22年度と24年度に公募を予定)、国際シンポジウムの開催等を通じて国内外の研究者との交流を積極的に進め、大脳新皮質研究の飛躍的な発展に貢献したいと考えています。
領域代表者
自然科学研究機構基礎生物学研究所・教授
山森 哲雄
これから公募班員が決まって本格的にスタートする。
脳構築の軽微な異常は精神疾患発症にも繋がるので、そういう面からも大事な研究。
